タイトル | 地底旅団ROVER元老院第387回CAVING | ||||||||||||
サブタイトル | 第5次日原地区洞窟所在地確認調査 at 奥多摩町 | ||||||||||||
分 類 | 調査ケイビング | ||||||||||||
入洞洞窟 | 御神仏の穴第1洞、御神仏の穴第2洞、[仮]幕岩の穴第4洞、[仮]倉沢の小穴 | ||||||||||||
日 程 | 2022年7月23日(土)〜24日(日) | ||||||||||||
参加者 | 細野、村野て、奥沢香那、平間弦、山口真也(東山ケイビングクラブ) 以上5名 | ||||||||||||
東京都西多摩郡奥多摩町日原地区には、観光洞「日原鍾乳洞」や「日原三又洞」「ちょうちん穴」など大小81洞の洞窟が報告されている。そのうち、倉沢地区では旧観光洞「倉沢鍾乳洞」を含む32洞が報告されていたが、第1次調査(地R元第381回CAIVING)では、「倉沢無名洞」と「倉沢ねずみ穴」、「倉沢三山穴」と「林道の穴」が同一であることを確認した。 第2次調査(地R元第383回CAVING)、第3次調査(地R元第384回CAVING)では、目的とした既存洞窟へはたどり着けなかったが、「倉沢の鹿穴」を確認した。 第4次調査(地R元第385回CAVING)では、「御神仏の穴第1洞」「御神仏の穴第2洞」を確認、日原出土銭を複数回収した。 今回は引き続き幕岩周辺の倉沢谷右岸エリア、「倉沢のたつ穴」上方の倉沢谷左岸エリアにおける既存洞窟確認を行い、今後の調査の基礎資料を作成することを目的とした。 なお、当初は千葉が参加する予定であったが、家族が次々と新型コロナウィルスに感染、濃厚接触者になってしまったためキャンセルとなった。 23日7:30、JR東小金井駅・南口ロータリーにて、先発隊の細野・山口が合流。山口がスターバックスコーヒー nonowa東小金井店にて購入したコーヒーを飲みながら、細野車ランドクルーザー80にて出発。 新青梅街道、青梅街道、吉野街道と西走する。 8:50、TAIRAYA 吉野店に到着。開店まで10分ほど待って食材購入。肉、肉、ビール、肉。 9:40、セブンイレブン 奥多摩古里店にて、個々の朝食や行動食を購入。 10:30、「倉沢鍾乳洞」付近の幕営地に到着。荷下ろししてからリギング準備。早めの昼食を取る。 11:30、活動開始。初日は倉沢谷左岸である。ここにはパイオニアケイビングクラブによって確認された未測量洞窟が複数ある。 山中から岸壁上部へ登ってリギング開始。リギングは今回も山口。 12:30、第3次調査で到達済みの「[仮]倉沢のこうもり穴第3洞」前テラスに到着。ここからは新たなルート工作である。岸壁の表面がもろく、アンカーが利きそうなところを探すのに難儀する。 13:30、もう一段下のテラスに到着。 足場は良くないので確保を取りながら探索すると、下流側に洞口が複数ある洞窟を確認。もう一つ、上流側の足元にも奥行き5m程度の横穴を確認。 本日の活動目的は倉沢谷までのリギングなので、簡単に洞内を確認し、測量は翌日行う事とした。リギング再開。 15:00、倉沢谷に到着。岩場にヒキガエルが1匹、細野は驚き川に落ちそうになる。本日の活動は終了。 16:00、一旦、氷川地区まで下山。氷川郷麻葉の湯 三河屋旅館にて一日の汗を流す。 16:30、後発隊(奥沢・平間)のお迎えでJR奥多摩駅にて待機。到着予定時刻は17:11。 16:40、青梅線に揺られる奥沢は長靴&手袋を忘れてしまったことに気が付く。急いで細野と連絡を取り合い、次のJR川井駅で降車して、付近のホームセンターで購入することにする。 平間とは別車両であったが一緒に降車、事情を話すと、「あ、僕も手袋忘れました」と一言。なんだ平間も手袋を忘れていたなら丁度良かったかと一瞬思うも、必須装備を忘れてしまったことは大変反省。 JR川井駅まで細野車に迎えに来てもらうこととなる。 17:40、無事にコメリハード&グリーン青梅柚木店にて装備の買い足し。 18:30、「倉沢鍾乳洞」付近の幕営地に再到着。ランドクルーザー80の車内が焦げ臭く、調子がおかしいことに気が付く。ボンネットを開けるとオーバーヒートしており、冷却水がボシュボシュ吹き出してる。一抹の不安が残るが、とりあえず明日の活動終了まで様子見する。 19:00、設営完了。ぼちぼち飲み始める。当初は第3次調査で破損が発覚したテントに代わって新調したドームテントを使用する予定であったが、コロナ対策としてそれぞれ個人テントを設営した。 夕食は山口が焼いてくれる肉。ひたすら肉を食べたが、今回も食べきれず、朝食にまわすことにする。 24:00、消灯。 24日6:30、起床。朝食は残りもの焼肉とカップ麺も食べて活動に備える。 8:30、幕営地の撤収完了。9:00合流予定の村野が来たらすぐに活動開始出来るように準備しておく。 細野車の調子が悪いことを考慮、活動終了時間は早めとし、細野車で帰る予定であった3人(平間・奥沢・山口)はJR奥多摩駅から帰る事に変更した。 8:50、村野到着。さすがてっちゃん。倉沢林道起点から歩いてきたにもかかわらず、到着時間は正確。 その後は各班準備をして活動開始する。細野は車両の件で一段と元気がない様子である…。 【幕岩山狩り班(村野・平間)】 9:00、第2次調査で確認、以来毎回訪れている「[仮]幕岩の謎の穴」に向けて出発。 幕営地からすぐの作業道から入り、幕岩基部に沿って登る。道中、斜面部にはイラクサが足元も見えないほど群生していた。平間は何度もその激痛を食らいながら、村野は腕を前に組んで慣れた様子で登る。 9:30、標高800m付近、「[仮]幕岩の謎の穴」の下に到着。 これまで急斜面下からのアプローチを考えていたが、第4次調査で再検討した露岩上部からのアプローチルートを探すべく、洞口に向かって右側(北側)の斜面より尾根を目指して登る。尾根上に出てから40mほど西へ進み、洞口上部付近に到着。 そこからだと洞口の位置がよくわからないので、洞口に向かって左側(南側)の斜面を降りてみる。 今回は千葉がおらず2人活動、久しくやっていないSRTに対する平間の不安から、ロープ類やSRT装備は持っていかずフリーで行けるところまで行ってみようということになったので、手足元に気を付けながら慎重に降りていく。 10:30、左側(南側)斜面の洞口レベルに到着。そこから洞口を覗いてみるが、はっきりとは確認できない。しかし、時折冷たい風を感じる。 肝心のアプローチ方法であるが、改めて上から見てみると、急斜面下からのアプローチよりもやはり上から降りていく方法がいいのではないかとなった。 アプローチ方法を模索中にあたりを見回すと、洞口に向かって左側(南側)の斜面、20mほど離れた所に小さな穴らしきものを見つける。そこへのアプローチ方法はここからは判断しにくかったため、次回に降りた際に戦略を練ることに。一応、「[仮]幕岩の穴第3洞」としておく。 11:30、再び尾根上に戻り、山狩りを再開する。山腹をトラバースしながら進んでいくと少し入り込んだ谷にて村野が洞口を発見。標高870mほどにクラック状の洞口が開いていた。平間が到着した頃には村野は洞内の探索を終えて出洞したところであった。 奥行き5mほどの横穴で、洞幅は胸の厚み程度ほど。この穴はこれまでの調査でまだ確認できていない可能性があるとして「[仮]幕岩の穴第4洞」とした。似たような特徴の穴として「RX83(仮称)」があるが、これは次回確認することにする。 12:00、山腹にて昼飯を食す。朝から結構食べたはずだったがしっかり腹は減っていた。 食事中、村野から第4次調査で腹をダニに噛まれた話を聞いて戦々恐々とする。タックルバックの中でぺっしゃんこになった、あんころ餅を美味そうに食べながら話していたが、何事もなくてよかったと思った。 12:20、活動再開。平間がまだ行ってていない「御神仏の穴第1洞」「御神仏の穴第2洞」に向けて出発する。標高830mほどまで降り、そこで村野は待機。平間だけで洞窟を探す。 ふと視線を杉林の植林に目を向けると、見間違えるはずのない大きな洞口が開いている。近づいてみると、事前情報通り「御神仏の穴第1洞」であった。日原銭があるのではないかと血眼に探してみたが見つからず。さらに期待を込めて「第2洞」に入洞し探索。淡い期待裏切られ、あえなく断念。しかしながら、自身の目で「御神仏の穴第1洞」「御神仏の穴第2洞」を確認できたことが何よりの収穫であった。 13:30、村野・平間が合流、下山開始。標高を下げるとまたまたイラクサゾーンが出現。足元が見えない中慎重に降りていき、「幕岩沢」から倉沢林道へ出る。 13:40、幕営地に到着。 【倉沢谷左岸SRT班(細野・奥沢・山口)】 9:00、SRT装備、測量道具を準備して幕営地を出発。目的はこれまでに続き「倉沢の水穴」「倉沢のたつ穴」の上部にあるとされる「倉沢のこうもり穴」等の小洞窟群の確認である。前日に細野・山口がルート工作した際に確認した横穴の測量と、その向かい(北側)の岩体をリギングして洞窟を探すこととする。 10:00、奥沢・山口は谷の中腹(倉沢谷からの比高約+20m)に到達する。あまり元気がない細野は林道から2人の見守り役。山口がルート工作している間に、奥沢は「[仮]倉沢の小穴」のひとり測量を始める。 洞口は幅約0.5m、高さ約0.5mの大きさで、南に向かって開口している。洞口を潜り抜けると若干広い空間があるが、それでも1人分のスペースくらいだ。そこからは幅0.4〜0.5mの通路が約8m伸びており、全体的に天井高が低いので四つん這いで奥へと体を進めながら測量していった。終点は二段に分かれ、下段は人が通れない狭さで続いている。上段も狭めな通路となっていたが空間がまだ続いているのが分かる。どうにか通り抜けられやしないかと思い、とりあえず洞口すぐの空間まで引き返してSRT装備を外して再度アタックしてみたが、やはり狭かったので諦めた。 13:00、測量を終えて出洞する。山口は[仮]倉沢の小穴の向いの岩体を確認し終えて、先に林道に戻っていたため、奥沢も続いて下降する。その後、細野がデリギングする。 山口の話によると、横穴の向かい(北側)をルート工作して洞窟を確認した。1つは斜め上へ約2mで終わり、もう1つは崖から顔を出せたという。 13:50、細野以外は幕営地で合流。 装備の片付けをしようと、“いつもの場所”にしまってあるはずの車のカギを取り出そうとするが、見つからない。みんなでカギをありそうな所に手を突っ込んで探したり、ドアが開けられないかと木の棒でいじってみたりしたがカギは見つけられず結局細野を待つことに。 14:15、細野が戻り、あっさりとカギを取り出す。“いつもの場所”よりやや奥にあったようだ。 片付けや着替えを済ませて現地を後にする。 倉沢林道起点で村野と別れるが、細野車が心配なので方向が一緒のところまで村野車も後続する。 15:10、奥沢・平間はJR奥多摩駅にて解散。 16:00、山口はJR古里駅で解散。 細野車はそのまま自走は危険と言うことで、保健屋を通じてレッカー移動が決定。セブンイレブン 奥多摩古里店にてレッカー車を待つ。千葉に電話連絡したり、自宅に連絡したりして暇を潰す。暑い中、エンジンもかけられず、日陰で過ごす。 17:40、レッカー車が到着。修理依頼場所である小金井市まで同乗することになる。元々調子が悪かったと思われ、ラジエーターに荒れた林道の坂道や沢山の荷物で色々と負荷をかけてしまったようだが、とにかく最後まで無事に活動を終えられることができたのが幸いだ。 19:40、修理依頼工場に細野車を預け、洗濯が必要な装備だけを降ろす。 20:00、細野は自宅到着。 後日、ファンカップリングという部品交換をして修理完了する。修理費73,000円也。 幕岩周辺に関しては、今回確認した「[仮]幕岩の謎の穴4」と既存洞窟の照合を行うとともに測量、また「[仮]幕岩の謎の穴」へのアタックを今後行う予定である。 倉沢谷左岸に関しては、今回でリギング起点より倉沢谷までのルート工作が完了したため、今後は確認出来ている洞窟の測量作業を進めることになる。(文責 奥沢香那・平間弦・細野誠)
|
|||||||||||||
「活動報告」に戻る 次の「個別活動報告」へ進む TOPへ戻る |
|||||||||||||
2022 Copyright(C) 地底旅団ROVER元老院 cavers_rover_in_tokyo@yahoo.co.jp |