タイトル 地底旅団ROVER元老院第406回CAVING
サブタイトル 龍泉新洞測量調査第9次調査 at 岩泉町・龍泉新洞
分 類 合同・調査ケイビング
入洞洞穴 龍泉新洞(龍泉新洞科学館)、龍泉洞(湧口、湧窟、龍泉窟)
日 程 2024年2月22日(木)〜25日(日)
参加者 細野、千葉の、松本力、山田陽介(以上、東山ケイビングクラブ) 以上4名

龍泉新洞前岩手県下閉伊郡岩泉町の観光洞「龍泉新洞」は1967(昭和42)年、道路拡張の際に発見された。その翌年1968(昭和43)年に日本洞穴学研究所(日本ケイビング協会)と愛媛大学学術探検部が測量を実施。1975(昭和50)年には「龍泉新洞科学館」として一般公開となったが、現在の測量基準に基づいた測量図の作成が必要と考え、再測量調査を行うこととなった。
とりあえず完了した製図の洞内確認と修正を目的とした。


22日18:00、千葉・細野はそれぞれ自宅を出発。JR中央線で東京駅を目指す。

19:00、JR東京駅に到着。
細野は北のりかえ口側みどりの窓口へ行くが大行列状態。さすが連休である。
千葉は南のりかえ口側みどりの窓口へ行くと、こちらは15名程度で、しかもサクサクと進んでいる。細野へ連絡してこちらへ来させる。
はやぶさ(全指定席)はすべて満席。駅員に本日中に仙台へ行きたいことを伝えると、はやぶさで立っていくか、1時間後のやまびこ(自由席あり)に並ぶかの2択だとの説明。飲みたいので後者を選択。この窓口駅員の手際の良さにひとしきり感心する。

19:30、手土産の「東京ばな奈 見ぃつけたっ」を購入。
続いて駅弁屋祭 グランスタ東京店へ行くが、ごった返すなか3〜4種類ぐらいしか残っておらず、もはや迷っている余地はない。ビール500mlを2缶、駅弁「新潟産コシヒカリと海鮮のういもん寿司」と「クリームチーズ生ハム包み」を購入。

19:50、新幹線ホームへ移動。自由席車両乗り場へ到着するが、いまいちどこへ並ぶのが正解なのか分からない。並んでいた娘2人に尋ねるとおそらくここで合っているという。
この娘たちは20歳で福島県郡山市に帰郷するとのこと。我々は岩手の洞窟へ向かうこと、あぶくま洞や鬼穴のこと、会津若松城(鶴ヶ城)のこと、郡山市のことなどを談笑。郡山市は何もないが住むのには便利でいいらしい。
東北新幹線が入線してきたので、「本格的にケイビング始めれば我々とどこかでまた会っちゃうよ」と言って別れる。

20:20、やまびこ69号で出発。飲み始める。満席なうえに連結部や通路にも人があふれかえる。

22:20、JR仙台駅に到着。松本がお出迎え。松本車キャラバンで山田宅のある岩手県一関市へ向かう。
当初は山田宅で寝る予定だったが、千葉が効率が悪いと言い出し、急遽宮古市へ向かうことにする。
三陸沿岸道路・仙台東ICから北上。


23日3:00、三陸沿岸道路・宮古北ICで降り、ローソン 宮古西町店に立ち寄ってから宮古市魚市場に到着。仮眠をとる。

7:00、魚市場食堂の開店時間だがカーテンが開かない。まさかと思いながら近づくと、祝日ということで休みであった。途方に暮れるオジサン3名。そこへ山田が合流。
こうなると選択肢は少ない。スマホで付近を探索。すき家は却下。

7:20、三陸鉄道 宮古駅改札外にある「駅そば」に到着。全部のっけそば(いか天+めかぶ+卵/680円)などを各自注文し、寒空のなかで立ち食い。

7:40、宮古市魚菜市場にて恒例の食材調達。今回は4名なので少なめにしようと言いながら入店するが、毛ガニ(蒸し/宮古毛ガニまつり開催中)、生カキ、ホタテ、ドンコ、ツクシ、アブラボウズの味噌漬け、キンキの一夜干し、宮古トラウトサーモンのあらを購入。ツクシは一般的にはオニヒゲという深海魚のようである。見た目はほぼ深海怪獣ジグラだがとりあえず買ってみる。

9:30、ローソン 宮古西町店に再び立ち寄り、三陸沿岸道路・宮古北ICから岩泉町に向けて出発。

10:20、ヤマト運輸 岩泉営業所にて千葉・細野は個装を回収。

10:30、岩泉町在住の旅団員である杉山宅(不在)、地元協力者の上川原さんに挨拶。

10:40、尼額公民館に到着。食材や荷物を搬入する。今回は松本がパソコンや複合プリンターを持参。

11:00、松本・山田は岩泉町警察署岩泉消防署へ挨拶と買い出し。
千葉・細野は製図した図面を洞内用にスキャニング&プリントアウトする。宿舎でこの作業を済ますことができるとは松本に感謝である。

12:15、千葉は缶ビールを買いに砂子酒店へ歩いて向かう。ビールサーバー導入前はよく買いに行っていた地元の店である。おばぁちゃんに言われて地下からビール1c/sを運び出すと、おまけにビール1本くれた。ありがたく頂戴するが利益的にはちょっと心配。

12:45、松本リスクエストでに「しょおじょお食堂 上町店」にて昼食。特製しょおじょお丼などを注文。

13:15、龍泉洞事務所に挨拶。今後の活動の打ち合わせをする。

13:30、龍泉新洞に到着。集合写真撮影後に活動開始。松本のランジョフ製オーバースーツがまぶしい。
【北洞スケッチ確認班(千葉・細野)】
まずは北洞最奥部を目指す。
北洞のほぼ中間地点、この時期は水深0.1m未満の水溜まりが水深0.3mになっていた。天井高が低くて匍匐前進するポイントなので、この程度の増水でも濡れること必須。今年は積雪が少ないのが影響しているのだろう。細野は進むことを躊躇したが、進まないことには始まらない。胸まで濡れながら通過。
最奥部付近に到着。洞壁にこれまで気が付かなかった亀裂が入っており、いつ崩落して通路をふさいでもおかしくないように見える。最奥部まであと約3mはあきらめ、ここから観光部へ向かってスケッチ確認を始める。
北洞の奥半分は某ケイビングクラブ(東洋大学探検部OB)がスケッチを担当したのだが酷い。デタラメ。洞床記載はおろか、ホール自体や支洞の記載もない。龍泉新洞測量調査第6次調査(地R元第393回CAVING)で別の某ケイビングクラブ(東洋大学探検部OG)、龍泉新洞測量調査第7次調査(地R元第403回CAVING)で地R元(東洋大学探検部OBOG)の櫻田・矢島で確認させたのだがスルーされていた。櫻田・矢島は兎も角、ベテランケイバーとしてはレベルが低すぎる。そんな図面をそのまま受け取った細野が悪いと罵倒しながら修正スケッチ。
観光部でスケッチを終えた松本・山田が合流。水溜まりの向こうから冷やかされたので、山田をだまして水をかける。2人は撤収。
北洞の手前半分はほぼ修正なく確認完了。

【観光部・たて穴看板支洞再スケッチ班(松本・山田)】
東京農業大学探検部OGによるスケッチ未提出部分の再スケッチを行った。平面図的には無視してもいいかなと思ったが、1or2番目の最高地点なので無視するわけにもいかず実施。

16:00、松本・山田が出洞。そのまま龍泉洞温泉ホテルへ直行して入泉。
帰路にかぎや商店にて食材購入。

17:30、千葉・細野が出洞。龍泉洞はLEDイルミネーションがされており綺麗。しかし、人通りは皆無。
そのまま龍泉洞温泉ホテルへ直行して入泉。

19:00、千葉・細野は製図整理。松本・山田は夕食づくり。
蒸し毛ガニ、すき焼き風カキ、仙台笹かま。今回の目玉であるツクシは刺身にして肝醤油で食べてみるが、身も肝も味の深みはなかった。あらはドンコとともにあら汁へ。
飲みながら北洞の失態はすべて山田が悪いということになる。山田は東洋大学探検部OB。

24:00、消灯。
尼額公民館 龍泉新洞・北洞 尼額公民館
製図整理中 嫌々、水溜まりの通路を進む ほぼ深海怪獣ジグラのツクシ

24日7:00、起床。

7:30、あら汁、アブラボウズの味噌漬け、宮古トラウトサーモンのあらで朝食。

9:30、龍泉新洞に到着。集合写真撮影後に活動開始。
【研究洞スケッチ確認班(千葉・細野)】
まずは観光部からT字ホールまでの確認を行う。ここは某ケイビングクラブ(東京農業大学探検部OB)が担当したのだが二次生成物や支洞が抜けていた。北洞はイライラMaxだったが、こちらはフォローが足りなかったなぁとやや反省。特徴的な箇所があるにも関わらず、基線は10m飛ばしているため、スケッチしきれなかったのかもしれない。
昼になったが50mしか進まず。当初は洞外へ食べに行く予定であったが、じゃがりこを二人で分けて昼食とする。続行。
まずはT字ホールから右洞を確認する。修正なし。
続いてT字ホールから左洞を確認する。修正なし。すり鉢ルートを初めて確認したが、洞奥から湧き出る水量は龍泉洞と同じ雰囲気。続いて右洞との連結部も確認するが、小規模ながら二次生成物が美しい空間だった。
竪穴最深部へと降りて地底湖へりルートを覗く。かろうじて水面が開いているので行けないことはない。細野と協議。スケッチ担当が信頼できる者なのでいいだろうということになり撤収。

【観光部スケッチ確認班(松本・山田)】
観光部のスケッチはほぼ修正なし。

12:30、松本・山田が出洞。
松本が気になっていたゆう竹食堂にて焼肉丼とテグタン定食を注文。どちらも盛りが良く、小鉢とデザートがついて全メニュー600円。コスパ最強である。

14:00、松本・山田は龍泉洞へと戻る。オーバースーツに再び着替え、チケット購入して「龍泉洞クイズラリー」に参加。
クイズは4問。選択制。月宮殿では洞内生物の種類(トビムシ)、第2地底湖では透明度が増す理由、第3地底湖では高低差、コウモリ穴ではヨコエビのサイズ(ヨコエビ)。全問正解して限定缶バッチをゲットした。

14:30、千葉・細野が出洞。着替えて龍泉洞へと向かう。
チケット購入して「龍泉洞クイズラリー」に参加する。マスコットキャラの龍ちゃんがいたので、中身の人に活動終了したこととクイズラリーに参加することを伝える。
月宮殿での問題はすぐにトビムシだとわかるが、答えのシールの減り具合が極端に少ない。迷いが生じ、付近のリムプール内でトビムシを確認してシールを張る。
全問正解して限定缶バッチをゲット。職員曰く、月宮殿の問題だけ正解率が悪いらしい。

15:15、千葉・細野も帰宿。

16:30、みんなで龍泉洞温泉ホテルにて入泉。肉を食べたいということになり、帰路、かぎや商店や上あめやに立ち寄って味付け豚バラ焼き、ジンギスカンセットを購入。ジンギスカンはその都度人数に応じて注文できるもので、野菜もついているので今後も前向きに検討したいところ。

19:00、千葉・細野は製図整理。松本・山田は夕食づくり。
蒸し毛ガニ、ホタテの刺身、豚バラ焼きなどを食す。

23:00、消灯。
龍泉新洞・研究洞 右洞最奥部 龍泉新洞・研究洞 左洞最奥部付近 龍泉新洞・研究洞 左洞最奥部
右洞の最奥部(通過不能) 二次生成物の下は砂利 左洞の最奥部(通過不能)
龍泉新洞・研究洞 左洞最奥部 龍泉新洞・研究洞 左洞竪穴部 龍泉新洞前
左洞の最奥部(通過不能) 竪穴部を登って帰りましょう 龍ちゃんの中身は知り合い

25日7:00、起床。

7:30、キンキの一夜干し、ジンギスカン、焼き豆腐、目玉焼きなど残りもので朝食。

9:15、宿舎の掃除を済ませて出発しようとしているところへ杉山が子供たちと挨拶しにくる。さようなら。

9:30、ヤマト運輸 岩泉営業所にて千葉・細野は個装を発送する。ここで解散。
一足早く帰京しなければならない千葉は、山田車で盛岡へ向かう。
細野は三陸沿岸道路経由で松本車にて石巻市へ向かう。

11:30、山田車はJR盛岡駅に到着。解散。
千葉はみどりの窓口へ行き、はやぶさのチケットを購入する。購入した次の列車は満席とのこと。
盛岡駅ビルのフェザンへ移動。ぴょんぴょん舎の冷麺、チロルの雪解け盛岡レアチーズケーキ、ご当地ちいかわキーホルダーを購入。
続いて構内へ向かい、「三陸産かきめし うにかにいくら 旨さ引き立てるオイスターソース」という長ったらしい名前の駅弁とビールを購入。忙しい。

12:17、はやぶさ20号で出発。
仙台を通過する頃、細野から食堂きかくでサバだしラーメンを待っているとのこと。新幹線は混んでいることを伝える。

14:32、JR東京駅に到着。
千葉はここからが勝負。メアンダーの元社長グスタフさんが仲間7人とスロバキアから訪日、24〜26日は東京観光するとのことなので会うことになったのである。会うことになってはいるが、お互いスケジュールが未定なので、千葉がグスタフさんが観光している場所へ向かうことになっている。実際に会うのは初めて、千葉の英語力はないが、なんとかなるだろう。
まずはグスタフさんから聞いていた観光予定地へ向かう。

15:00、明治神宮に到着。本殿のベンチに座ってメッセンジャーにて連絡を取ると、こちらへ向かっているという。参道でスロバキア人御一行を探す。

16:30、一度は行き違いになったものの本殿入り口でグスタフさんと初対面。オーバースーツ購入で初めて連絡を取り合ったのが2002年、結婚式引出物をプレゼントしてくれたのが2008年、スロバキアへ行ったがグスタフさんはヒマラヤ登山で会えなかったのが2012年。やっと会えたことにお互い感激して熱いハグを交わす。
ここでグスタフさんからスロバキアの都市に関する噂・伝説・歴史物語が書かれた「Tajomstvo skalneho sokola」をプレゼント。9000円相当、ハードカバーで重い。これをスロバキアから持ってきてくれたことに大感謝である。子供や奥さんへはいっぱいの高級チョコレート。これまた嬉しい。
千葉からもプレゼントがあることを伝えると驚いた様子。「窟 グスタフ様 スロバキア メアンダー 日本訪問記念」と入れた作業用前掛けに喜んでもらって再びハグ。
前掛けの文字を読んでみんなに説明している若い娘がいた。28歳のキンガさんで、4年間も日本にいるという。これは助かった。みんなTurna nad Bodvouという村の出身で、その一人にキンガさんのパパもいた。
グスタフさんにこれからの予定を聞くと、渋谷へ行って食事するというので同行することにする。片言の英語で、行き違いになってから12年だと話しながらJR原宿駅へ移動。雨が降ってかなり寒い。

17:30、JR渋谷駅に到着。ハチ公像の撮影に並ぶ。何故に外国人に人気なのか分からないが、ヨーロッパ系、アジア系関係なく並んでいた。続いてスクランブル交差点を撮影。

17:50、ガスト 渋谷駅前店に入店。千葉も含めて10名という大所帯にキンガさんが奔走してくれた模様。グスタフさんはスロバキア語だとGusto、GustoがGUSTOと言ってキンガさんと笑う。
グスタフさんらのお目当ては配膳ロボだったようで、ネコ型配膳ロボット「ベラボット」の写真を撮りまくっていた。後から聞くと、ターミネーターのような人型ロボットを期待していたようでちょっとがっかりした模様。
ビールを飲みながら、スロバキアのルドさん、カビのパパ、パルコさんのこと、寿司はワサビと醤油の味しかしなかったこと、味噌はOK(ルドさんはダメだった)、明日は疲れたので茶道、といったことを話す。
東アジアは初めてかと聞くと、中国、韓国、ベトナム、タイなど色々行っており、次は北朝鮮に行きたいという。「北朝鮮へは行けるけど帰ってこれないよ」と言うと、「我々は共産主義で育ったから問題ない」と笑う。確かに(苦笑)。

19:00、千葉「またスロバキアへ遊びに行くよ」、グスタフさん「いつでも家族を連れておいで」と握手してから別れた。

20:00、千葉宅に到着。
明治神宮 明治神宮 ガスト 渋谷駅前店
やっと会えたグスタフさん 前掛けをプレゼント GustoとGUSTO


龍泉新洞の報告は来年度に発表する予定である。(文責 千葉伸幸)

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