タイトル 地底旅団ROVER元老院第249回CAVING

サブタイトル 第17次龍泉洞再測量調査 at 岩泉町・龍泉洞
分 類 合同・調査ケイビング
入洞洞窟 龍泉洞(湧口、湧窟、龍泉窟)
日 程 2010年10月9日(土)〜11日(月)
参加者 細野、菊地敏雄(日本洞穴学研究所)、松本力(東山ケイビングクラブ)、石川典彦、小池純、栗栖隆一、後藤晃一(以上、東京スペレオクラブ)、鈴木雅子(洞窟救助隊)、藤田絵梨子(パイオニアケイビングクラブ)、細木寿満恵(明治大学地底研究部OG)、照井資規、Karim Pacheco、Sofia Huitorn 以上13名
龍泉洞前 日本三大鍾乳洞のひとつとされる国指定天然記念物「龍泉洞」。本洞穴は透明度日本一という地底湖が見所である、岩手県岩泉町経営の観光鍾乳洞である。
「平成17年度日本洞穴学研究所総会」において協議された結果、再測量を行う運びとなった。
今回は10月9日〜11日の期間で、非観光部「白亜の議事堂」「白亜の議事堂層部」の測量を中心に計画された。


8日23:00、細野車(細野・鈴木・藤田・後藤)はJR新宿駅を出発。同時刻、小池車(小池・石川・栗栖・細木)はJR浦和駅周辺を出発。東北自動車道を北上し、盛岡へ向かう。
9日6:00、両車両とも矢巾PAへ到着。PA内にある「やまなか屋」が7:00開店なので、1時間程仮眠。外は涼しく、一部紅葉が始まっている。各々冷麺・温麺等を食す。

7:45、盛岡ICを降り、一般道を走る。岩洞湖付近からは紅葉が見事に始まっており、車内紅葉狩りを堪能しながらの移動となる。

10:00、龍泉洞到着。全員が集合し、龍泉洞事務所へ挨拶。食材調達を調達し、宿舎である尼額公民館へ移動。

11:30、宿舎へ装備搬入。昼食後、全日程における大まかなブリーフィングを行い、仮眠。・・・殆どが爆睡をしている間に、差し入れでその日収穫した「松茸」と「舞茸」が届いている!

16:00、夕食準備。松茸の量が半端ではなく、参加者13名でどのようにやっつけてやろうかと迷う程であった。まず、初日は割き、焼く。香りが良く贅沢を満喫。調理している横で、栗栖・藤田は入っている箱に鼻を付けながら香りを堪能。その姿は「松茸」に取り付かれているようにも見えた。

17:30、夕食。初参加の照井が「戦車カレー」なるキーマカレー程ではないが水分少なめのカレー。ボーイスカウト上がりの細野にとっては何となく懐かしいような味。しかし、凝った感じのあるカレーであった。そして、松茸。明日はどのように調理するか迷う。

19:30、ブリーフィング後に宿舎を出発し、活動開始。
白亜の議事堂上層部探査班(小池・栗栖)は第7次調査第12次調査で千葉・山口がアタック・工作してきた上層の横穴部から垂直に延びる箇所をアタック。
第2斜洞中腹の支洞測量班(松本・細野)は一気に水晶宮を駆け上り測量開始。総距離としては20m程だが踏み汚されていない二次生成物もふんだんに存在し、収束するホールには傾斜約40度・6畳程の範囲でフローストーンが存在している。同じ歳の細野・松本は年末年始も含めた龍泉洞調査合宿にほぼ毎回参加し、都度家族は普通に見送るため、お互い本当に理解が得られているのか、諦められているのかを話し合いながら作業を行う。
白亜の議事堂測量班(石川・藤田・細木・後藤)は測量初心者へ石川の指導も入りながら牛歩測量。2回程やり直していたようである。
観光部分支洞探査班(菊地・鈴木・照井・Sofia・Karim)は水晶宮、コウモリ穴等々を探査後、次の日の活動のため、観光部分より確認できる支洞の位置を把握した。

27:00(3:00)、各班活動を完了し「亀岩」付近に集合している時、上から爆音と共に50cm程の石筍が落ちてきて真っ二つに破壊されていた。白亜の議事堂上層部班が戻ってくる途中、砂の上に生成されていた石筍にテンションがかかり落ちたようである。もし、この石筍が観光営業時間内に落下していたら大事だっただろう。

28:00(4:00)、全員で飛散した細かい石を片付け、出洞。

28:30(4:30)、宿舎到着。測量データ整理を行い、「戦車カレー」の残りを朝食にし、松茸を肴に酒を飲みながら各班の活動報告。順次消灯していった。
10日13:00、順次起床。「龍泉洞温泉ホテル」にて入泉後、宿舎に戻ってブリーフィング。

14:30、夕食準備。準備中に松茸を「松茸の味 お吸い物」に投入し、やっつけてみる。香りが倍増。

15:30、早めの夕食。夕飯は照井作「戦車唐揚げ」と松茸ご飯と豚汁。凄い組み合わせだが、全てが美味。松茸が無駄にも思えるくらいふんだんに使われる。夕食後各々仮眠。

18:00、起床。最終ブリーフィングを行い入洞準備。

20:00、入洞開始。
白亜の議事堂測量班(石川・細木・後藤)は9日に完了できなかった部分を牛歩測量。
支洞探査班(鈴木・照井・Sofia・Karim)は観光部分より確した多数の支洞に突っ込み、和気藹々と楽しげに規模を確認したようである。そして次回測量予定の支洞となる。
白亜の議事堂上層部測量班(小池・栗栖・松本・細野)は前日落下させた石筍と同条件にある石筍があり、たたくとグラグラしたため、撤去開始。落下させるのではなく、カウンターウェイトを使い安全な場所へ移した。結構な時間を費やしたが、その後、2班に別れ測量開始。小池・栗栖班は奥から、松本・細野班は議事堂上のポイントよりトラバースラインを経て、合流するような形で進め、測量完了。

26:00(2:00)、最終日のため早めに出洞。

26:30(2:30)、宿舎到着。測量データ整理・入力を行う。白亜の議事堂上層部と月宮殿上層部との位置関係が確認できた。夕飯の残りを朝食にし、まだ有る松茸を肴に酒を飲みながら各班の活動報告。順次消灯していった。
11日10:00、起床。装備洗い、宿舎掃除を行い、龍泉洞事務所に挨拶。

12:00、「龍泉洞温泉ホテル」にて入泉後、解散。岩泉町を出発する。

14:30、東北自動車道「前沢SA」にて昼食。連休最終日で渋滞が続発。途中常磐自動車道に切り替え、渋滞回避することになる。

22:00、東京到着。順次解散となった。


今回は白亜の議事堂がメインで測量が行われ、月宮殿上層部との接続ポイントの位置関係が確認できた。測量途中で確認された支洞、更なる上部の測量と、まだ残されている所がある。
また、龍泉洞全体においても小さな支洞が多数確認され、測量が必要になる。今後の活動において、探査は勿論、少しずつでも測量を進めたく思う。(文責 細野誠)
尼額公民館 龍泉洞・観光部 龍泉洞
マツタケ祭り 測量練習をする細木 腹ばいで測量を進める松本
龍泉洞 龍泉洞・観光部 龍泉洞
測量風景 観光部へ落下した石筍 ロープで安全な場所へ移動

「活動報告」に戻る
 次の「個別活動報告」へ進む TOPへ戻る

2011 Copyright(C) 地底旅団ROVER元老院
cavers_rover_in_tokyo@yahoo.co.jp