タイトル 地底旅団ROVER元老院第186回CAVING
サブタイトル 第7次龍泉洞再測量調査 at 岩泉町・龍泉洞
分 類 調査ケイビング
入洞洞窟 龍泉洞(湧口・湧窟・龍泉窟)、瓢箪穴、内間木洞、龍泉新洞
日 程 2007年2月9日(金)〜12日(月)
参加者 千葉、村野、細野、菊地敏雄、田鎖康之(日本洞穴学研究所)、後藤聡、小池純、宮崎朋彦、石川典彦、松澤亮、中込幸子(以上、東京スペレオクラブ)、松本力(東山ケイビングクラブ)、石山慎弥、名眞大気(以上、パイオニアケイビングクラブ、脇長(東海大学文化部連合会探検会)、山口真也(明治大学地底研究部OB)、田中則清(日本大学探険部OB) 以上17名
龍泉洞日本三大鍾乳洞のひとつとされる国指定天然記念物「龍泉洞」。本洞穴は透明度日本一という地底湖が見所である、岩手県岩泉町経営の観光鍾乳洞である。「平成17年度日本洞穴学研究所総会」において協議された結果、再測量を行う運びとなった。
今回は第3地底湖〜第4地底湖及び白亜の議事堂の上層部探検を目的として、2月10日(土)〜12日(月)の日程で計画された。


9日22:30、地R元組は東京府中を出発する。冬の岩手へは泡沫的重量車両の4WD+スタッドレスタイヤが定番であったが、今回はギリギリまで判断、低燃費のカローラで行くことにする。
大泉ICより高速道路に入り、ひたすら東北自動車道を北上。
10日5:00、東北道・紫波SAに到着。車中にて仮眠をとるが、さほど寒くはなかった。

7:00、起床。一般道を岩泉町へ向かう。途中、コンビニで朝食を取りながら別車両に連絡、我々が先頭のようである。道路には積雪はなく、数日前に車が落ちたという岩洞湖では氷上ワカサギ釣りが行われてた。

9:00、岩泉町到着。集合時間にはまだ4時間もあるので、とりあえず遺跡洞「瓢箪穴」へ向かう。おおよその場所へ行くと、岩壁と洞口らしきものが確認できた。普段着にてアプローチ、ほどなく洞口に到着する。洞口は金網で覆われており、「ここもゴットハンドの現場かな?」といいながら10分ほど見学。古代人にとっては住み心地の良い岩陰であったであろう。

10:00、道の駅いわいずみで物色。定番の龍泉洞関連商品に加え、龍泉洞の氷、龍泉洞の醤油 紫の華、龍泉洞つゆ、龍泉洞ホイルケーキ、龍泉洞の鍾乳石なども増えていた。とどまるところを知らない龍泉洞シリーズ・・・。

10:30、岩壁に開口する遺跡洞「赤穴洞穴」を麓の女神橋から見上げる。遠い。それに急崖。本当にたどり着けるんだろうか。この洞穴には江戸時代の役人による壁書があるということで、いつかは訪れてみたいものである。

11:00、「龍泉洞温泉ホテル」に移動。すると柳沢先生と偶然出会い、ご挨拶。道路工事中に水が出たとのことで調査しに来たらしい。なかへ入ると、石川さんらが入泉していた。貸しきり状態の風呂でひとしきり暴れたあと、CD宇麗羅山(龍泉洞のある石灰山)を購入。

11:30、焼肉店「ママハウス」に菊地さん以外が全員集合。「目指せ!第7地底湖!」の掛け声とともに焼肉とビールで決起集会を行った。

13:00、「龍泉洞」にて全員集合。事務所に挨拶と本計画を伝える。その後、二手に分かれて買出しと宿舎「尼額公民館」準備を行う。そして各自、入洞準備や仮眠、夕食準備をとる。

7:30、夕食。ブリーフィングを行い、入洞準備をする。

19:30、「龍泉洞」に到着。外気温は0℃。着替えていてもさほど寒くない。

20:00、入洞開始。まずは全員で第3地底湖にボートを浮かべる。その後、5班に別れて活動を行う。
千葉・細野・田中班は、第6次調査で松本が登った「第4地底湖」奥の天井竪穴の人工登攀アタックを行う。順調に進むものの、+60m地点で閉塞していた。終始、近くで電動ドリルやハンマー音が聞こえ、壁一枚向こうに別班がいるようであった。
村野・松本・名真班は、「第3地底湖」奥の「三日月ルート」のアタックを行う。当初、狭洞部分の三日月型開口部をディギングする予定であったが、胸板が15cmしかない村野はスルリと抜けてしまった。その後、前後からディギングするが、こちらも+60m地点で閉塞していた。
小池・宮崎班は、「第3地底湖」奥の峠上層に人工登攀アタックを行う。こちらでも、終始ハンマー音が聞こえていたらしい。
後藤・山口班は、「白亜の議事堂」上でのトラバースラインを設置する。中途半端な足場、不安定な二次生成物に苦戦しながらも張り切った。
菊地・脇・石川・松澤・中込・石山・田鎖班は、水晶宮探検を行う。梯子を用いて有望な支洞2本を確認。その後、松澤さんはリギングを試みたが、アンカー設置場所がないとのことで断念した。

28:00(4:00)、小池・宮崎班以外は予定活動を終えたため、各班出洞する。千葉・村野・山口・菊地は「第3地底湖」にて待機。

30:30(6:30)、小池・宮崎班が戻ってくる。未探検部分を残すものの「第7地底湖」へのルートの可能性は薄いとのことであった。

31:00(7:00)、全員出洞。宿舎へ戻る。

32:00(8:00)、朝食。朝からビールとレバー祭りである。

33:00(9:00)、データ入力したものから消灯となる。
龍泉洞・第4地底湖奥の天井竪穴 龍泉洞・第4地底湖奥の天井竪穴 龍泉洞・第4地底湖奥の天井竪穴
垂直に延びた天井部を登る +30m地点でビレイ準備をする田中 +50m地点の二次生成物

11日12:00、起床。

12:30、焼肉店「ママハウス」で今日も焼肉。第4次調査から通い詰めているので、サービス品も出てくるようになった(嬉)。

13:30、満腹のまま「内間木洞」へ顔を出すことになり、車両移動を開始する。山道はちょっと気持ち悪い。

14:30、「内間木洞」に到着。氷筍祭りはほぼ終了しており、熊汁も完売であった。まったく未練などない洞内へ入ると、今年の氷筍の発達は著しく悪く、数10cmであった。

15:30、新山根温泉「べっぴんの湯」で入泉。いつのまにか露天風呂ができていた。

17:30、宿舎へ戻って夕食準備。眠い。

18:30、夕食。ブリーフィングを行い、入洞準備をする。

20:30、「龍泉洞」に到着。外気温は−1℃。

21:00 入洞開始。6班に別れて活動を行う。
細野・田中班は、第4地底湖奥の「人工トンネル天井竪穴」を測量する。作業中に細野が支洞入口らしきものを発見し、「第7地底湖」への陸上ルートの可能性は首の皮一枚つながった。
村野・名真・脇・中込班は、「第3地底湖」奥の三日月ルートを測量する。竪穴部のフリー通過に手間取り、タイムアップで未完に終わってしまった。
小池・宮崎班は、「第3地底湖」奥の峠上層での人工登攀アタックの続きを行う。すべて閉塞しており、続けて簡易測量を行う。
千葉・山口班は、「白亜の議事堂」上で人工登攀アタックを行う。一面フローストーンに覆われており、わずかな母岩を狙って登るが、再びフローストーンに一面を覆われてタイムアップとなった。次回までに登攀方法を再検討しなければならない。
菊地・松澤・松本・石山班は、「水晶宮」探検を行う。
後藤・石川班は、洞口付近の測量を行った。

27:00(3:00)、全員出洞。外は銀世界となっていた。

29:00(5:00)、朝食+ビール類。自己申告で働きが良かったものはビール、いまいちは発泡酒、反省ありはその他の雑種を選択して飲んだ。データ入力を済ませて順次消灯。
尼額公民館 龍泉洞・第3地底湖 龍泉洞・亀岩付近 龍泉洞・白亜の議事堂上層部
装備確認(石山氏撮影) 第3地底湖はボートで 落石から施設を養生 人工登攀中(山口氏撮影)

12日8:30、起床。撤収作業。

11:00、尼額地区長に挨拶し宿舎をあとにする。

11:30、龍泉洞事務所に挨拶、活動結果を報告する。その後、お願いして「龍泉新洞」を無料見学させていただく。

12:00、現地解散。各車両ごとに盛岡へ移動。峠では雪が降り、不安ながらも岩手らしさにほっとする。

14:00、千葉・細野・村野・脇・山口は有名焼肉店「三千里」で冷麺+焼肉。冷麺探訪6店目となる冷麺で、そして本活動3回目の焼肉であった。

15:00、東北道にて一路東京へ。

21:30、東京到着。解散となった。


残念ながら「第7地底湖」への陸上ルートは見つけることはできなかった。
次回は日本洞穴学研究所総会を経てから、「白亜の議事堂」付近の探検、全体の測量を開始する予定である。(文責 千葉伸幸)


「活動報告」に戻る
 次の「個別活動報告」へ進む TOPへ戻る

2007 Copyright(C) 地底旅団ROVER元老院
cavers_rover_in_tokyo@yahoo.co.jp