タイトル 地底旅団ROVER元老院第426回CAVING
サブタイトル 龍泉新洞測量調査第11次調査 at 岩泉町・龍泉新洞
分 類 合同・調査ケイビング
入洞洞窟 龍泉新洞(龍泉新洞科学館)
日 程 2025年9月13日(土)〜5日(月)
参加者 細野、千葉の、山田陽介(東山ケイビングクラブ) 以上3名
新洞科学館前駐車場岩手県下閉伊郡岩泉町の観光洞「龍泉新洞」は1967(昭和42)年、道路拡張の際に発見された。その翌年1968(昭和43)年に日本洞穴学研究所(日本ケイビング協会)と愛媛大学学術探検部が測量を実施。1975(昭和50)年には「龍泉新洞科学館」として一般公開となったが、現在の測量基準に基づいた測量図の作成が必要と考え、再測量調査を行うこととなった。
報告書執筆を進めている際に謎の基線データがあることが発覚、また意味不明の洞内記載が多数提出されていたために確認作業を行うことにした。今回は少数精鋭である。


13日5:00、千葉・細野はそれぞれ自宅を出発。JR中央線で東京駅を目指す。

6:00、JR東京駅に到着。構内の駅弁屋祭 グランスタ東京店にて合流。早朝からごった返すなかで駅弁「さば棒寿司」「あなご弁当」をそれぞれ購入。足早にホームへと向かう。乗り遅れ厳禁なので落ち着かない。

6:32、東北新幹線こまち1号にて出発。駅弁を食べながらブリーフィング。アルコールなしで真面目に作戦会議である。

8:44、JR盛岡駅に到着。

9:00、開店まで5分ほど待って盛岡駅ビル「フェザン」に入店。3ヶ所への手土産を購入。

9:30、近くで駐車していた山田を駅前ロータリーまで呼び出し、乗車して一路岩泉町を目指す。 東京より湿度が低くて秋っぽい。

11:00、岩泉町在住の旅団員である杉山宅、地元協力者の上川原さんに挨拶。
近くの砂子商店はご高齢で廃業したとのこと。ビールや調味料が足りなくなったときによく買いに行っていただけにちょっと残念である。
続いて岩泉町警察署岩泉消防署にも挨拶。
ローソン 岩泉店に立ち寄り、昼食を購入。隣家が無くなっており、停めやすくなった駐車場が広がっていた。

11:30、ヤマト運輸 岩泉営業所にて細野が個装を回収。

11:45、新洞科学館前駐車場に到着。ほぼ満車である。龍泉洞を見下ろすと多くの観光客が見え、第2駐車場も満車である。
龍泉洞事務所に挨拶。新所長は休みであったため、職員の方から鍵の受け渡しを確認する。

12:00、駐車場にて昼食。
そのまま着替え始めると、千葉の長靴が両方とも左足用と発覚。久々の失態である。

12:30、集合写真を撮ってから龍泉新洞に入洞開始。
まずは「北洞」へ向かう。写真を撮り、洞内記載と平面図を確認しながら洞奥へと進む。
「最北水流」を確認すると、湧出口が20cmぐらい開いていた。覗き込むと続いていそうである。一同絶句。第10次調査(地R元第417回CAVING)より水位が下がっているということである。全身濡れること必至、活動最後にアタックすることを決断。
「水溜まり」で飽和帯生成物、 支洞「天井裏」、最北端へと進んで終了。セピオライトが複数個所で確認できた。

15:30、千葉は引き続き活動しようとしたが、細野・山田がタバコ休憩したいということで、トイレも兼ねていったん出洞。

16:00、龍泉新洞に再入洞。
観光客と一緒に観光通路を進む。たまに見世物、アイドル、ガイドになりながら「観光出口前ホール」までの各支洞を確認する。

18:45、出洞。ノルマ達成である。
遅くなると外食ができなくなるので、急いで着替えを済ませる。

19:00、龍泉洞温泉ホテルへ直行して入泉。千葉は片方のコンタクトがズレ、その後は眼の中で行方不明。

19:45、宿舎の鍵を受け取るためにうれいら通り商店街の雑貨屋「横屋手しごとや」に到着。
隣接するパン屋「ウレイラオーブン」のショーケースを覗くと、かなり美味しそうなパンが並んでいた。以前から知ってはいたが、どうせ田舎のパン屋だろうと足を運んでいなかった。各自、朝食用に3ヶずつ購入(@200円前後)。この時間なのにまだパンを焼いていることが若干気になる。

19:50、ローソン 岩泉店にて朝食用に飲み物やスープを購入。

20:00、宿舎「あっけら館」に到着。古民家を改装したイベントスペースで、地元の会合(宴会)なんかにも使うらしい。キッチン2つ、トイレ2つ、ユニットバス、土間、囲炉裏、板張り部屋、畳部屋、2階とかなり広い。10名までなら快適に過ごせるのではないだろうか。
装備を搬入、つなぎを干す。

20:15、隣接する「お好み焼 広島屋」に移動。「うずら卵のカキ醤油漬け(350円)」「せんじがら(350円)」「豚バラのピリ辛キャベツ(500円)」「焼きみそ田楽(450円)」「ゴマだれ豆腐(500円)」「肉玉そば イカ天トッピング(1000円)」をつまみに生ビールを飲む。お好み焼きはオタフクソースを使用しているが、中華麺は白っぽくてコシが弱いものであった。残念。
山田には結婚を決断しろと説得を試みるが、オジサンたちの声は届いたでしょうか。

22:15、宿舎に戻って細野・山田は飲みなおし。

23:30、順次消灯。
龍泉新洞・北洞入口 龍泉新洞・北洞 龍泉新洞・北洞 水溜まり
北洞入口の顕著な岩層 ケイブパールの確認 かつてのプール痕
龍泉新洞・北洞 龍泉新洞・観光部 お好み焼 広島屋
セピオライトを確認 写真をせがまれる山田 宿舎の隣はお好み焼き屋

14日6:30、順次起床。前日購入したパンで朝食。小麦がしっかり感じられ、また購入しようと決意。

7:25、装備を詰め込んで出発。

7:30、ローソン 岩泉店にて昼食を購入。

7:45、新洞科学館前駐車場に到着。細野は龍泉洞事務所に行って挨拶。
千葉は昨日ロストした眼中内コンタクトレンズを探すが見つからない(外れない)。山田に覗き込んでもらい探すが、あるような無いような状態。あきらめて追加コンタクトレンズを入れる。
しばらくすると細野が新所長と共に駐車場に戻ってきたので、千葉・山田も新所長に挨拶。しばしの世間話。7月から道の駅いわいずみいわいずみ短角牛の自動販売機が設置されているとのこと。

8:30、集合写真を撮ってから龍泉新洞に入洞開始。
早々に洞内記載原稿を間違えて持ってきたことが発覚、山田が宿舎まで取りに行く。
その間、千葉・細野は観光通路の流礫棚、水流(湧出口〜吸い込み口)を確認、写真撮影を行う。吸い込み口付近のフローストーンは表面の凹凸が顕著で特徴的であった。

9:30、山田と再合流。
今日もたまに見世物、アイドル、ガイドになりながら観光部の各支洞を確認する。

11:30、観光部の確認が終わり、キリがいいのでいったん出洞。昼食を済ませる。

12:30、龍泉新洞に再入洞。
「研究洞」を進み、「大流礫棚」に到着する。第2次調査(地R元第369回CAVING)において、ここから基線が3方向に延びていたが、放射なのか何がしたかったのか不明であった。前回の第10次調査(地R元第417回CAVING)で千葉が付近を探索したころ、「大流礫棚」の下に未測量箇所があることが発覚。最後の追加測量を行うことになった。
簡単に終わるだろうと思い、山田に一人測量をさせていたところ、水流に出たとの報告。またもや一同絶句。夕食はコンビニ決定である。
測量は最後にすることとし、先に「研究洞」洞奥の確認を済ませることにする。

13:30、まずは分岐「T字路」から「右洞」を進む。
「右洞南支洞」を確認すると、平面図にも洞内記載にもない天井高30cmが現れた。細野・山田は通過できないので、千葉がインナースーツになって通過。更に現れた2ヶ所目の天井高30cmを通過すると、平面図や洞内記載にあるT字路がない。測量ミスに加え、現地確認しないで洞内記載を書いていたことが発覚。「大流礫棚」の下のルートといい、スキルやモチベーションに差がある他団体との合同調査の難しいところである。ヘリクタイトが確認できたので良しとしよう。

14:30、「右洞」の最奥部へと進む。

15:00、「右洞」側の「秘宝館」に到着。「左洞」側の「秘宝館」との連結部を再確認、ストローや飽和帯生成物の写真を撮って完了。引き返す。
この頃、千葉の長靴右足に裂け目が現れ始める。無理して履いているせいであろう。

15:30、「左洞」を進み、千葉・山田は「竪穴」を降りる。
山田は地底湖エリア入口「水責め」の水位を確認、上半身は濡れないで通貨できるほど水位が下がっているとのこと。
次に2人で「秘宝館」へ向かい、途中の流礫棚を観察。ここは流礫棚製作中といった状態で、棚に下には凝固した礫層がまだ残っている。いずれこの礫層が流失、完全な流礫棚になるのであろう。

16:30、トラバースラインを使って湧出口へと進む。すると山田から、ここの水面が少し開いているとの報告。確かに洞奥が見えるが、ここの水深は浅いので通過不可能。ちょっとホッとする。
続いて支洞「水響チムニー」の写真を撮って完了。引き返す。


17:00、千葉・山田は「竪穴」を登り、細野と合流。「大流礫棚」へと戻る。
まずは測量箇所を確認。「大流礫棚」から続いていた水流は、測量済の「T字路下層部」かと思われたが、雰囲気は似ているものの未測量箇所と確認。「T字路下層部」の隣の空間であった。
急いで測量を開始。水流音でデータ読みが掻き消される。

19:00、測量完了。成果は62.8m。「大流礫棚」を後にする。

19:15、一旦出洞。脚立を持って龍泉新洞に再入洞。次は昨日確認した「最北水流」である。

19:30、「北洞」の「最北水流」に到着。千葉は山田に行って来いと尻を叩く。
山田は同壁に引っ掛かりながら、頭まで潜って突破。その先は水流が9m続いて湧出口となり、+5mのドーム状竪穴になって終わっていた。
帰還後に震えながらスケッチを描いて終了。怖かったらしい。

20:00、出洞。ノルマ達成である。
龍泉洞の洞口に設置された龍型イルミネーションを見ながら着替えを済ませる。今夜は温泉も外食も時間的になしである。
出洞と同時に千葉の長靴は完全崩壊。急いで着替える。

20:30、道の駅いわいずみに到着。
龍泉洞事務所新所長の情報通り、2000円、3000円で販売するいわいずみ短角牛の自動販売機が稼働していた。お楽しみパック、ハラミ、レバー、ホルモンを9000円分購入。

20:45、ローソン 岩泉店にてビールやつまみ、サラダ、焼き肉のたれを購入。

21:00、宿舎「あっけら館」に到着。
装備を搬入、つなぎを干す。同時にユニットバスに湯を張り、順番に汗を流す。

22:00、いわいずみ短角牛をフライパンで焼きながら夕食。どれも柔らかくて美味しいのももちろんだが、レバーやホルモンの新鮮さが際立っていた。

24:00、順次消灯。
あっけら館 龍泉新洞・研究洞 龍泉新洞・研究洞
古民家の宿舎「あっけら館」 流礫棚と礫層 新たに発見した湧出口
龍泉新洞・北洞 最北水流入口 龍泉洞 道の駅いわいずみ
最北水流を突破 龍のお出迎え 短角牛を大人買い

15日7:00、順次起床。残り物で朝食。装備を車に積み込みながら宿舎の清掃。

8:30、宿舎「あっけら館」を出発。雑貨屋「横屋手しごとや」に立ち寄って鍵を返却。朝なのに隣接するパン屋からは匂いがしないのが若干気になる。

8:45、ヤマト運輸 岩泉営業所にて千葉・細野は個装を発送。

9:00、龍泉洞事務所に到着。新所長に成果のご報告。

9:30、観光施設「龍泉洞レストハウス」に移動。土産ものにウサギコウモリデザインの新商品を発見。トートバッグ、コースター、ステッカーの全種類を購入。千葉・細野のお目当てであるのだ塩はない。
道の反対側にある観光施設「龍泉洞わっか」に移動。ここにものだ塩はなかった。販売縮小しているのかと不安になる。

9:45、帰路に道の駅三田貝分校があるが、万が一のことを考えて道の駅いわいずみに移動。やっとのだ塩を購入。

10:00、旅団員:杉山宅、地元協力者の上川原さんに挨拶。岩泉ヨーグルト、三陸わかめ等、お土産をいっぱいもらう。 現地離脱。

11:45、apollostation セルフ盛岡バイパスSSにて給油。

12:00、JR盛岡駅に到着。みどりの窓口へ行くと、本日の指定席は完売。やはり座って帰りたいので、1時間以上多くかかるが自由席のある車両を選択。
山田とはこの時点で解散。昼食を一緒に取ろう思っていたが残念。

12:15、盛岡駅ビル「フェザン」にて土産を物色。

12:45、改札口へ向かう途中、八百屋たけうちにて香茸(4000円)を発見。千葉は以前、岩泉町スーパーで見かけたときから欲しかったキノコで、小躍りして購入。
構内で駅弁「鮭いくらまぶし弁当」「はらこめし」をそれぞれ購入。

13:08、東北新幹線やまびこ58号にて出発。駅弁を食べながら南下。福島駅あたりで立乗り客が激増する。同時にトイレで急病人発生のアナウンス。

16:24、JR東京駅に到着。
JR中央線に乗り、途中の車内で解散となった。
今回はストイックに活動を行った。当初からこのペースで行えば半分の期間で終わったのではないだろうか。
龍泉新洞は総延長1449.3m、高低差21.7m。年内に報告書を書き上げなければならない。(文責 千葉伸幸)

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