タイトル 地底旅団ROVER元老院第369回CAVING
サブタイトル 龍泉新洞測量調査第2次調査 at 岩泉町・龍泉新洞
分 類 合同・調査ケイビング
入洞洞穴 龍泉新洞(龍泉新洞科学館)、龍泉洞(湧口、湧窟、龍泉窟)
日 程 2018年12月28日(金)〜2019年1月3日(木)
参加者 細野、千葉の、木嵜、杉山、松本力、山口真也(以上、東山ケイビングクラブ)、小向益男(日本洞穴学研究所)、小林日、黒田朋子、清水こなつ、田島大貴(以上、東京スペレオクラブ)、山田陽介(東洋大学探検部OB)、吹上優芽、奥沢香那(以上、東京農業大学農友会探検部) 以上14名
龍泉新洞岩手県下閉伊郡岩泉町の観光洞「龍泉新洞」は1967(昭和42)年、道路拡張の際に発見された。その翌年1968(昭和43)年に日本洞穴学研究所(日本ケイビング協会)と愛媛大学学術探検部が測量を実施。1975(昭和50)年には「龍泉新洞科学館」として一般公開となったが、現在の測量基準に基づいた測量図の作成が必要と考え、再測量調査を行うこととなった。
今回は観光部の測量のために夜間活動である。


28日22:00、千葉車デリカが細野宅へお迎え。

22:30、JR東小金井駅・南口ロータリーにて、木嵜・吹上・奥沢と合流して出発。外環道・大泉ICより東北自動車道を北上。

24:00、清水と合流のため、佐野SAにて待機。土産物や特産品を見て回るも、時間が時間だけにすぐに飽きてしまう。

24:30、高崎市内より公共機関と徒歩でやってきた清水と合流し、すぐさま出発するが、掲示板に嫌な表示。「二本松IC〜福島西IC」間にて事故と大雪で通行止め。
二本松ICで降ろされるが、下道も雪深く渋滞。通行止め区間を回避し、福島西ICで再び東北自動車道に乗る。
29日6:45、相当なタイムロスはあったが矢巾PAに到着。仙台市内より単独で北上して来た松本と合流。

7:00、やまなか屋 矢巾PA下り店にて朝食。各自好きなものを注文。細野はいつも通りの温麺とミニカルビ丼のセット。松本は冷麺大盛り。外は雪が降り積り始めている。

7:30、矢巾PA出発。盛岡ICを降り、給油。国道に雪が積もるなか一路、岩泉町へ向かう。

9:30、宿泊場所となる尼額公民館に到着。先に到着して仮眠していた山口車(山口・小林・黒田・田島)と合流し、装備の搬入と生活環境を整える。

10:30、龍泉洞事務所に到着。所長や事務員の皆様に挨拶し、今回の活動計画及び入洞の段取りを行う。

11:00、岩泉町警察署岩泉消防署に挨拶。活動計画書を渡し、簡単に活動予定を連絡する。

11:30、岩泉町内にて必要用品、食材の買い出しを行い、宿舎に搬入。

13:00、山口車組(山口・小林・黒田・田島)は龍泉洞温泉ホテルにて入泉。他参加者は旧岩泉駅前にある焼肉店「ぐうぐう亭」にて昼食。

14:00、全員帰宿。購入していた食材にて、活動前食を作り始める。食事担当以外の面々は活動装備の準備。細野は一人、今晩の活動班編成や活動内容を考える。

17:00、活動前食と今晩の活動内容と班編成の連絡。

18:00、活動準備とブリーフィング。小向さん到着。

20:00、宿舎出発。

20:30、「龍泉新洞」側駐車場到着。細野が洞口の鍵を取りに行き解錠している間に、各班ごとに入洞準備。初日の入洞前集合写真撮影を行ってから活動開始。

【観光部@班(スケッチ:小林、コンパス:木嵜、メジャー:吹上)】
自動ドアのある人工洞口より測量開始。第1次調査(地R元第364回CAVING)にて測量した北洞の起点と接続させ、洞奥に向かって観光通路及び支洞の測量を行う。

【観光部A班(スケッチ:千葉、コンパス:小向、メジャー:奥沢)】
シャッターで閉じられている観光出口より測量開始。付近に鉄製の手摺や配電盤があり、磁場の影響を受けやすい環境であることから、多角測量にて測量を行う。「龍泉新洞原人」周辺の支洞を含めた測量を行う。

【研究洞@班(スケッチ:黒田、コンパス:松本、メジャー:山田)】
非観光部「研究洞」の奥にある分岐地点より、北東方向の通路から約−10mを降下するルートと支洞の測量を行う。

【研究洞A班((スケッチ:田島、コンパス:山口、メジャー:清水)】
観光部を起点とし、「研究洞」入口より奥の分岐点までの主洞、支洞の測量行う。

細野は単独で動き回り、各班の活動状況を確認して回る役目に徹するが、ちょっとツマラナイ。

25:20(1:20)、昼夜逆転生活の初日ということもあり、少し早めに出洞開始。

25:40(1:40)、全員出洞。寒空の中、汚れた装備を脱いで宿舎へ移動。

26:10(2:10)、全員帰宿。宿舎の暖房をフル稼働させて宿内を暖め、片付けを行う。

26:30(2:30)、活動後食準備。細野は各班の活動報告を貰い、ノートに記録。翌日の活動班編成および活動内容を考える。小林は早速、測量データ入力。

27:00(3:00)、活動後食はせり鍋。過去に一度食べたせり鍋が忘れられずリクエストしていた。お酒も進む。そんな中、田島はせっせとデータ入力。

28:00(4:00)、順次消灯。
やまなか屋 矢巾PA下り店 龍泉新洞・観光部 ・観光部
朝食は雪のやまなか屋 山田測量中 脇から出てきたく千葉(黒田朋子撮影)
龍泉新洞・研究洞 龍泉新洞・観光部 龍泉新洞・研究洞
山田リギング中(黒田朋子撮影) 小林・木嵜測量中 研究洞入口にて休憩中(黒田朋子撮影)

30日10:00、順次起床。若人はまだまだ寝たい様子ではあったが、風呂に行くことを伝えると、起きてきた。

11:00、龍泉洞温泉ホテルにて入泉予定であったが、お風呂は11:30からとのことで、先に昼食をとることにする。

11:15、道の駅いわいずみ内「レストラン岩泉」にて各自注文。昼食後は土産物を物色。毎年、目新しい物品が販売されているため楽しい。

12:10、初龍泉洞というメンバーもいたので龍泉洞観光。

13:30、龍泉洞温泉ホテルにて入泉。やっと活動の汗を流す。

14:30、帰宿。黒田がデータ入力をする。他メンバーは昼寝、装備チェック等々、自分の時間を過ごす。千葉・木嵜・山田・清水・吹上は安家地区へ向かい、閉洞中の「安家洞」「氷渡探検洞(氷渡洞)」を見学。

17:00、活動前食準備。

18:00、活動前食。活動後食と昼食で皆、食欲がわかない様子であったため、あっさり煮込みうどんの予定であったが、がっつり煮込まれたうどんに仕上がる。
食後にブリーフィングを行い、今晩の活動内容と班編成の連絡。

19:00、活動準備。小向さん到着。

21:00、宿舎出発。

21:30、現地到着。洞口解錠して活動開始。内容は基本的に前日の続きとなる。

【観光部@班(スケッチ:小林、コンパス:木嵜、メジャー:吹上)】
前日に続き、観光通路を洞奥へ向かいながら、ホールの放射、支洞も含めた測量を行う。

【観光部A班(スケッチ:千葉、コンパス:小向、メジャー:奥沢)】
こちらも前日に続き、龍泉新洞原人ホール付近の支洞の測量を行う。

【観光部B班(スケッチ:黒田、コンパス:松本、メジャー:山田)】
非観光部「研究洞」入口付近にあるループを登攀を行い探査し、測量を行う。

【研究洞@班(スケッチ:田島、コンパス:山口、メジャー:清水)】
非観光部「研究洞」奥の下層部分、水流部の探査と測量。測量値を水流音に負けない大声で発しているのが印象的だった。

地道な作業ではあるが、各パーティーは和気藹々楽しみながら、調査、測量を進めている。細野は途中、研究洞@班の測量手伝いをするも、各班の活動状況を確認して回る役目もすることになる。観光通路から研究洞まで何往復もし、状況確認と各メンバーの状況確認をするのである。

26:00(2:00)、全員出洞。

26:30(2:30)、全員帰宿。今晩も宿舎の暖房をフル稼働。片付けを行う。

27:00(3:00)、活動後食準備。今晩はどんこ汁。

28:30(4:30)、通常の生活とは違う毎日を過ごしている事もあり、疲れが出てきているため、順次消灯。
龍泉洞 龍泉新洞・観光部支洞 ・研究洞
拒絶する山田 小向さん測量中 山口水流部探索中

大晦日31日10:30、全員起床。木嵜・清水は帰路につく。
他メンバーは龍泉洞温泉ホテルにて入泉。昼食を求め、色々と考えて道の駅たろうに行けばいつもと違う何かにありつけると思いつき32km移動。

13:00、道の駅たろう到着。しかし、食堂など店舗がやっている気配がない。そういえば今日は大晦日。。。

13:30、更に18km移動して宮古まで足を伸ばし、道の駅みなとオアシスみやこ シートピアなあど内のレストラン汐菜にて各自注文。漁港の道の駅だけあって海鮮が豊富。

14:00、昼食を終えて出発。宮古、岩泉にて買い出しする班と、帰宿してデータ入力や製図する班と分かれる。

15:30、製図組が帰宿。

16:00、買い出し班が帰宿。活動後食用に岩泉ホルモン(鍋)を仕込み、各々休息。

17:30、活動前食は各自、ある物で済ませる自由スタイル。

19:30、ゆっくりお腹を休ませ、今晩の班編制と活動ブリーフィングを行い、班ごとに分かれて活動準備。

20:00、活動開始。

【観光部@班(スケッチ:小林、コンパス:松本、メジャー:吹上)】
観光通路を洞奥に向かいながら、ホールの放射、支洞も含めた測量の続き。

【観光部A班(スケッチ:千葉、コンパス:山田、メジャー:奥沢)】
龍泉新洞原人ホールから研究洞方向に延びる観光通路裏の支洞の測量を行う。

【観光部B班(スケッチ:黒田、コンパス:小向、メジャー:細野)】
非観光部「研究洞」入口付近にあるループ測量の続きを行う。

【研究洞@班(スケッチ:田島、コンパス・メジャー:山口)】
非観光部「研究洞」メインルートの未測量部分を測量を行う。

連日の活動では観光ルートと周辺の支洞を測量しているが、地道な作業により基線による全体像が見えるようになってきた。

23:30、龍泉新洞原人付近の展示ケース前に全員集合。事前にポットで持ち込んでいるお湯をカップそばに注ぎ、年越しそばの準備。

23:45、そばを食らいながら談笑してカウントダウン。

24:00、新年明けましておめでとう。今年も洞窟内で新年を迎えました。ケイバーとしては至福の時間。新年の挨拶を交わし、早々に活動再開。

26:20(2:20)、全員出洞。

26:40(2:40)、帰宿。下ごしらえしてあった岩泉ホルモン(鍋)で飲みながら食す。

28:30(4:30)、順次消灯。
龍泉新洞・研究洞 龍泉新洞・観光部支洞 ・観光部
黒田スケッチ中 1968年調査では未探検の支洞 恒例の洞内年越しそば(黒田朋子撮影)

2019年元日10:00、順次起床。お腹事情がそれぞれであり、様々な食材が少しずつ残っていることもあり、各々、思い思いの朝食を取ってくつろぐ。

12:30、龍泉洞温泉ホテルにて入泉。樽酒をいただきながら、金屏風の前で記念撮影。

13:30、龍泉洞事務所にて三上所長に新年の挨拶と活動状況報告。


14:30、帰宿。データ整理と製図をして各自休息時間。

17:30、各自で活動前食。

20:00、ブリーフィングを行い班編制の連絡と活動内容の確認後に活動準備。

21:30、活動開始。

【観光部@班(スケッチ:小林、コンパス:細野、メジャー:千葉)】
前日までの測量データに不備が確認されたため、再度測量を行う事になった。
千葉は観光出口付近にて、崩落石の隙間から獣骨を発見。写真や場所を記録して、龍泉洞事務所へ提出。

【観光部A班(スケッチ:田島、コンパス:松本、メジャー:吹上)】
観光通路の細かい支洞の測量を行う。

【観光部B班(スケッチ:黒田、コンパス:小向、メジャー:山口)】
非観光部「研究洞」入口付近の水流部の測量の続きを行う。

【観光部C班(スケッチ:奥沢、コンパス・メジャー:山田】
観光通路の細かい支洞を測量を行う。主洞の測量はほぼ完了し、支洞を詰める活動を行う。

26:30(2:30)、全員出洞。

27:00(3:00)、全員帰宿。活動後食はカレーと焼きカレイ。各班、データ入力を行う。

28:30(4:30)、順次消灯。
龍泉洞温泉ホテル 龍泉新洞・観光部脇 ・観光部支洞
明けましておめでとう 骨髄を食べた可能性もある獣骨 山田&奥沢測量中

2日10:00、全員起床。活動後食の仕込みを行う。

12:00、龍泉洞温泉ホテルにて入泉。

13:30、昼食と活動前食も兼ねてカレーの残り等を食し、活動までゆっくり過ごす。

19:30、ブリーフィングを行い班編制の連絡と活動内容の確認後に活動準備。

20:30、活動開始。

【観光部@班(スケッチ:小林、コンパス:奥沢・田島、メジャー:千葉)】
【観光部A班(スケッチ:細野、コンパス:松本、メジャー:吹上)】
【観光部B班(スケッチ:黒田、コンパス・メジャー:山口)】
3班共に観光通路の細かい支洞の測量を行う。

【研究洞班(写真撮影:小向、サポート:山田)】
非観光部「研究洞」の写真撮影を行った。

24:30、最終日ということで、帰路のこともあるので早めに活動を切り上げて出洞。

25:00(1:00)、宿舎にてデータ入力および装備の片付け。

25:30(1:30)、残り物にて活動後食を取る。

27:30(3:30)、順次消灯。
龍泉新洞・観光部支洞 龍泉新洞・観光部脇 ・観光部
吹上・千葉測量中 観光部裏ルートの入口 おつかれちゃんでした

3日7:00、順次起床。希望者は龍泉洞温泉ホテルにて入泉。

8:00、宿舎の片付け。岩泉町警察署岩泉消防署に活動終了の挨拶。

10:00、龍泉洞事務所にて活動終了の挨拶と簡単な活動報告を行う。

11:30、土産物を物色してから現地解散。

13:00、盛岡じゃじゃめん小吃店 フェザン店にて久し振りのじゃじゃ麺。3回食べると癖になるというが、確かに回数を重ねるごとに美味くなっていく。不思議。
千葉車は盛岡ICより東北自動車道路を南下。

21:30、細野自宅到着。
尼額公民館 盛岡じゃじゃめん小吃店 フェザン店 盛岡じゃじゃめん小吃店 フェザン店
門松と記念撮影 人気店「小吃店」 3回目にして美味しくなってきた


今回の活動は、龍泉新洞の観光部と研究洞の主洞部の測量をメインに行った。測量を進めるにつれ、多くの支洞が確認され複雑に入り組んでいることも確認出来た。次回以降の活動では、研究洞奥の測量がメインになり、非観光部の全貌を明らかにするよう、測量と探査を進めていくことになる。(文責 細野誠)

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