タイトル | 地底旅団ROVER元老院第413回CAVING | ||||||||||||||||||
サブタイトル | 日本洞窟学会大会(佐野市葛生大会)巡検プレ4 in 佐野市旧葛生町 | ||||||||||||||||||
分 類 | 大会プレケイビング | ||||||||||||||||||
入洞洞窟 | 大師霊窟、宇津野洞窟(宇津野観音洞、会沢鍾乳洞、會沢の風穴) |
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日 程 | 2024年9月15日(日)〜16日(月) | ||||||||||||||||||
参加者 | 平間、千葉、櫻田、矢島、松本力(東山ケイビングクラブ) 以上5名 | ||||||||||||||||||
2024年の日本洞窟学会大会第50回大会は栃木県佐野市葛生地区で開催されることが決定しており、地R元の学会員3名が大会実行委員、非学会員3名が巡検スタッフとなっている。 前回(地R元第412回CAVING)では、「大師霊窟」と「普賢霊窟」の位置を特定するため出流山満願寺境内を山狩りしたが、結果的には「普賢霊窟」の発見のみに終わった。 本活動は引き続き「大師霊窟」の位置確認となるが、大会前最後のプレ活動となるため、より詳細な情報収集及びルート整備、関係各所への挨拶を行う目的で企画された。 15日22:00、平間・松本@東山ケイビングクラブが牧親水公園に到着。公園に向かうまではゲリラ豪雨により前方が見えなくなるほどで心配していたが、到着時には雨も止んでおり、2人でタープを設営して千葉を待つ。 22:40、千葉到着。千葉も東京外環自動車道がやや冠水状態で2回ほど壁にぶつかりそうになったのこと。 少しばかりの肉などを肴に楽しく3人で酒盛りをした。 27:30(3:30)、空も心なしか明るく感じてきたのでお開きに。今回もなかなか気合の入った活動になりそうである。 16日6:00、起床。 7:45、朝食を済ませた後、新規で団体購入した9mmスタティックロープ200mを切り分ける。ロープは裸で入っていたためになかなか解くことができず、千葉・松本のおじさん2人がキャッキャしながらほどいていく。 8:20、なんとかロープを50m×4本に切り終えたころに矢島・櫻田が到着。平間の伝達ミスで葛生化石館で待っていたらしい。 8:30、ブリーフィング。葛生化石館学芸員への挨拶は千葉だけが行き、平間・矢島・櫻田・松本はまだ入洞したことのない無料観光洞「宇津野洞窟」へ行くことにした。 9:10、宇津野洞窟前駐車場に到着。整備されているとのことだが、一応ヘルメットと長靴を装備し入洞することにした。洞内は思っていたよりも広く、二次生成物も見られて意外と満足できた。 9:40、出洞。挨拶を済ませた千葉が洞窟周辺を散策していた。かつて付近の鉱山で努めていたという地域住民からのヒアリング等をしていたとのこと。葛生あくとプラザにある佐野市指定文化財の石筍は泉石灰工業会沢鉱山(磐城化工会沢鉱山?)の洞窟(泉石灰鐘乳洞?)から自分たちが掘り出した、その山は堀つくした、とのことであった。 マイナーな観光洞とおもいきや、続々と訪問者が現れて駐車場は満車となっていた。 9:50、「宇津野洞窟」を出発。 10:10、先頭を走る千葉車(Y61サファリ)が鉱山地帯で突然停車。降車して出流川のほうへ歩いていく。対岸には小さな祠が見え、上が「弁天様の霊窟」、下が「弁天様の水穴」とのこと。緯度経度を測定して移動再開。 10:20、再び千葉車が突然停車。出流川対岸の洞窟を探せという。「薙碧洞」を確認。緯度経度を測定して移動再開。 10:30、出流山満願寺に到着。入洞準備。 前回(地R元第412回CAVING)からそんなに日も経っていないため、全員の脳裏にはヤマビルへの恐怖が強い。その為、それぞれが対策を施した。松本はこれまでのプレでヒル撃退方法を見つけ出した。霧吹きの容器にシーブリーズを入れて吹きかける作戦だ。本当に効くかどうかは後ほどわかる。 10:40、駐車場を出発。寺務所にて手土産持参で僧侶に挨拶、大御堂でのお参りを済ませて入山。今回も『ヤマビル注意』の看板が緊張感を高めてくれる。 11:00、「大悲の滝」に到着。ここで休憩をとり「大師霊窟」に向かう予定だ。 前回(地R元第412回CAVING)は参拝道途中からコンクリート階段(閉鎖中)を登って「聖天堂」経由で「大師霊窟」にアクセスしようとしたが、山道が不明瞭で見つけることが出来なかった。そのため今回は「大悲の滝」から「大師霊窟」に続く山道(閉鎖中)を進むことにした。 11:20、「大師霊窟」に向けて出発。幸いなことに、山道は最初は崩れているもののその先は残っており、道をたどってトラバースをした。途中、土砂崩れによる倒木で埋め尽くされておりそこは四苦八苦した。 11:40、「聖天堂」からの道と「大悲の滝」からの道が合流する分岐路に到着。ここに設置してあった看板は破損して読めなかったものの、上に続く道との三又路になっていたため「大師霊窟」への道と確信。登っていくと洞口を発見した。 11:50、「大師霊窟」に到着。位置情報などをプロットしながら洞口前広場で休憩していると、地面に何やら異変が。地面のそこらかしこにヒジキみたいなものが動くのが見えた。ヤマビルだ!これまで見たなか最高レベルの密集度でヤマビルが地面から湧いていたのだ。全員が小パニックになりながらはたき落としたりするなか、松本のシーブリーズが本領を発揮した。吹きかけると引っ付いたヒルは嘘のように丸まって落ちていく。これは大会巡検ものでも活躍することに期待される。 一通り洞口周辺のヒルを撃退して一旦落ち着いたが、さっさと中に入ろうと意見が合致した。 12:00、入洞開始。洞口に設置されていた鉄製の階段は大部分が朽ち果てており危険であったが、慎重に通過した。また、同じく洞口付近に鉄網を渡した簡易的な橋があったが、こちらも端は踏まずに気を付けて通過。どちらも大会巡検では脚立か何かで対策を取ることにした。 12:30、ひとまず測量図を見ながら最奥部を目指す。洞内は縦に空間が伸びており二次生成物も豊富で、巡検に使用されるどの洞窟よりも雰囲気が良かった。最奥部に行った後は支洞を探索、複数の寛永通寶を確認した。千葉は大会巡検でも楽しめるよう古銭を目立つところに移動していたようだ。 洞内で気が付いたのだが、平間・矢島はヒルにやられており、洞内にて南無阿弥陀仏した。 13:20、洞外はヒル地獄なので、洞内で昼食。 14:00、出洞。 千葉の命令で洞口前広場の草刈りと整備。かなり陽が当たるようになったので、少しは大会巡検のヤマビル被害が減るはずである。 帰路も先ほどの「大悲の滝」へのトラバースルートを進もうとしたが、大会巡検でその山道を通らせるのは少し危険なのでは?ということになり、「聖天堂」への山道を探す。先ほどの三又路より同レベルでトラバースしていくと、大木が倒れていた。半ば諦めかけたが、なんとか跨いで進むと目の前に「聖天堂」が見えた。このトラバースルートは「大悲の滝」へのトラバースルートよりも格段に安全であったため、こちらを大会巡検でも使用することにした。 千葉が持参してきたスコップを平間が駆使して切り開き、矢島・櫻田がミニスコップで綺麗に整備した。おじさん2人は後ろから踏圧。これにて「大師霊窟」の「聖天堂」経由ルートが安全且つ道迷いのない道に変わった。 14:30、「聖天堂」に到着。小休憩。 そこからのコンクリート階段はジュラシックパーク化していた。胸の高さまでシダ類が生い茂り、階段は全く見えない。 これがまた大変で、階段に生えている植物はもちろんのこと、落石や倒木までも取り除きながら一段ずつ整備して降りて行く。千葉・平間が大まかな障害物を取り除き、矢島・櫻田が整え、松本が最終的にヒルを撃退する隊列でローラー作戦である。 15:10、永遠に続くかと思えた階段整備が終了した。振り返ると、初めて訪れた時には何にも見えず荒れ果てていた階段がはっきりとそこに見えており、達成感は途轍もなかった。これであれば、ヒル以外は何にも心配することなく「大師霊窟」にたどり着けることだろう。 15:30、寺務所に到着。 そこにはつなぎを着たケイバー3人がいた。大会生物講習の下見に来た曽根さん・木アさん・新部さんで、「高松沢鍾乳洞」「水木鍾乳洞」にも行ってきたとのこと。千葉は談笑しながら見送る。 千葉は僧侶に草刈り報告するとともに、「○○霊窟の読みは○○いわやでよいのか?」と訊ねると、「○○霊窟は文字通り○○れいくつ」「地元の人からは○○のいわやと呼称されることもあるが、その際は○○の窟である」とのこと。まさかの答えに驚く千葉。というのも、報告書「Caving Reports 1997」では「○○霊窟は○○いわや」となっており、寺ではそのように読ませるんだなと思っていたからである。大会前に正しい読みがわかって良かった。 改めて大会当日の協力願いをして撤収。 15:40、駐車場にて着替え。というのもアプローチ道整備に全力を注ぎ切り、達成感も相まってここで活動を終了することに。在京にも連絡して大会巡検プレ4の活動は終了した。 16:00、出流山満願寺を出発。 16:30、「水木鍾乳洞」の地権者宅に立ち寄り、改めて大会当日の協力願いをする。移動再開。 17:00、平間のチョイスにより一同、らーめん大金に到着。ここも例のごとく佐野らーめんの類であるため、千葉は本当に美味しい店なのかと疑いの目を向けていたが、あっさり具合がいい塩梅であり好評であった。千葉・松本はお土産に生ラーメンを購入した。 18:00、解散。それぞれの帰路につく。 21:00、全員の帰宅確認。千葉は愛娘たちより誕生日ケーキにてお出迎えされていた。おめでとうございます。
前回の不完全燃焼プレ活動から3週間の後に挑んだ追加プレ。本来であれば、前回(地R元第412回CAVING)が最終プレになる予定であったが、私の決断力やリーダーシップの欠如により学生たちには思ったような良い経験をさせてあげられなかった。それもあり、今回こそ最後のプレ活動となるように頑張った結果、一番の活動主目的であった「大師霊窟」を見つけられ、且つアプローチ道の整備を出来た。 そこに全力で挑んだため、予備的目的の「満願寺北の竪穴」を見つける気力も体力は使い果たしてしまったが、結果にはとても満足している。 まだまだリーダーとしては未熟ではあるが、今後も活動を通して成長していきたい。 次に葛生に行くときは学会大会本番であるが、悔いのないよう楽しみたいと思う。(文責 平間弦・千葉伸幸) ※後日、シーブリーズはヒル撃退には効果がなかったと判明。生物講習プレ隊によると、死んだと思われたヒルは復活していたとのこと。やはりディート30%入り虫除けスプレーでないとダメである。 |
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