タイトル 地底旅団ROVER元老院第364回CAVING
サブタイトル 龍泉新洞測量調査第1次調査 at 岩泉町・龍泉新洞
分 類 合同・調査ケイビング
入洞洞穴 龍泉新洞(龍泉新洞科学館)
日 程 2018年9月14日(金)〜17日(月)
参加者 細野、千葉の、杉山、小向益男(日本洞穴学研究所)、松本力(東山ケイビングクラブ)、荒波遼太(パイオニアケイビングクラブ) 以上6名
龍泉新洞岩手県下閉伊郡岩泉町の観光洞「龍泉新洞」は1967(昭和42)年、道路拡張の際に発見された。その翌年1968(昭和43)年に日本洞穴学研究所(日本ケイビング協会)と愛媛大学学術探検部が測量を実施。1975(昭和50)年には「龍泉新洞科学館」として一般公開となったが、現在の測量基準に基づいた測量図の作成が必要と考え、再測量調査を行うこととなった。
今回は1回目として、日中でも活動できる非観光部「北洞」の測量を目的とした。


14日22:00、千葉・細野は細野宅にて合流。デリカにて出発。
23:00、埼玉県川口市内の荒波宅に立ち寄り、東北自動車道路・浦和ICより北上を開始する。


15日4:00、盛岡ICを通過。

4:30、定食屋「半田屋 盛岡上堂店」にて朝食をとり、岩泉町へと移動。

6:30、宿舎である「尼額公民館」に到着。

8:30、松本・杉山が「尼額公民館」にて合流。

9:00、岩泉消防署、岩泉警察署、龍泉洞事務所の順番で挨拶周り。続いて、「薬王堂 岩手岩泉店」とスーパー「まつや」にて買い出し。

11:00、旧岩泉駅前にある焼肉屋「ぐうぐう亭」にて早めの昼食。みなが冷麺+ビビンバのランチセットを食べるなか、千葉は一人でビールを飲み始める。

12:30、「龍泉新洞」の駐車場にて小向さんと合流。

13:00、活動開始。「北洞」は基本的に1本道なので、入口と洞奥からそれぞれ進み、合流するという2班体制にて測量を行う。

【入口班(細野・杉山・小向)】
細野(スケッチ)・杉山(コンパス)・小向(メジャー)の体制で行う。
測量開始地点から通路は3つに分岐し、そのうちの2つの通路はその先のホールでループしている。ホールは天井高約4m、奥行約10mと開けてはいるが、崩落した岩が積み重なって構成されており、二次生成物などはあまり見られない。ホール下部には北西方向から南東方向へ流れていく水流が確認できた。
ループが多い崩落帯でのポイントの取り方に苦戦し、杉山の慣れていないコンパス測量に時間をとられながらも、おおかたホールの測量を終えて、1日目を終了した。

【洞奥班(千葉・荒波・松本)】
荒波(スケッチ)・千葉(コンパス・メジャー)の2名体制で行う。松本は「研究洞」1ヶ所と「北洞」2ヶ所で簡単なリギングを行ってから合流、コンパスを担当した。
最奥部付近は狭い箇所が多かったが、状況に応じてコンパスとメジャーを交代したり、逆読みをしたりしながら進める。
洞床に隙間があったので小石を落してみると水音がした。水流か水溜まりかはわからないが、間違いなく水はあるようだ。
天井部には未測量部を確認したが、こちらは明日への持ち越しとなった。

18:00、出洞。小向・杉山以外はそのまま「龍泉洞温泉ホテル」にて入泉。

19:00、宿舎での秋の味覚満載の宴会へ突入。小向差し入れの松茸、脂の乗った三陸産サンマ、松本が「宮古市魚菜市場」から仕入れてきた巨大ホタテなどの海鮮が並ぶ。炭火で焼くと酒がすすむ。
ゲストとして下岩泉公民館で活動していた東洋大学探検部OB・OGの山田と林、杉山の旦那さん、尼額地区の住民が登場し、宴が盛り上がる。

24:00、就寝。山田・林はそのまま宿泊。
龍泉新洞 龍泉新洞・北洞 龍泉新洞・北洞
洞口のたぶんウサギコウモリ 測量箇所へと向かう荒波パパ スケッチを開始する細野
龍泉新洞・北洞 龍泉新洞・北洞 龍泉新洞・北洞
下層部の水流 狭洞を降りてスケッチする荒波 コンパスを読む松本
尼額公民館 尼額公民館 尼額公民館
朝取り松茸 岩泉活動恒例のサンマ焼き 盛り上がる宴

16日7:00、順次起床。朝食と準備。
山田・林は下岩泉公民館へと戻る。東洋大学探検部は葛巻町の「明神穴祭り」に参加するとのこと。

9:30、「龍泉新洞」の駐車場に集合。

10:00、活動開始。昨日に引き続き2班体制で測量を行う。

【入口班(細野・杉山・小向)】
前半は細野(スケッチ)・杉山(コンパス)・小向(メジャー)の体制、後半は杉山(スケッチ)・細野(コンパス)・小向(メジャー)の体制で行う。
天井高約1m、奥行約5mほどの小規模なホールを過ぎると通路は2つに分かれ、主洞は徐々に下降しながらほぼ北西方向に伸びていた。

【洞奥班(荒波・千葉・松本)】
荒波(スケッチ)・松本(コンパス)・千葉(メジャー)の体制で行うが、例によって臨機応変にコンパスとメジャーを交代したり、逆読みをしたりしながら進めた。
天井部に開いていた未測量部を進むと、洞奥は天井高の低いホールとなっていた。崩落石を2ヶ所どかしながら進むとループになっていた。文句を言いながら測量。

14:00、一旦出洞。龍泉洞園地にあるカフェ「Ponte」にて昼食。観光洞はこんなことできるからいい。
山椒が効いたピリ辛麺「ドラゴンラーメン」や「龍泉洞たまごのふわとろオムカレー」を食しながら作戦会議。中々進まない測量に、まずは細かい支洞をとばして測量を進めることにする。

15:00、再入洞。両班共に急ピッチで測量する。

16:15、両班が合流。この付近では小規模ながらフローストーンやつらら石といった二次生成物が確認でき、鉱物「セピオライト」を写真撮影。
とばした支洞の測量を細野(コンパス)・杉山(スケッチ)・荒波(メジャー)で行う。崩落帯の隙間を通り抜けるような狭い通路だった。

17:30、出洞。杉山・小向以外はそのまま「龍泉洞温泉ホテル」にて入泉。

19:00、宿舎で岩泉活動の定番「岩泉ホルモン鍋」の夕食。東山ケイビングクラブの菊地さんが顔を出す。
本日は千葉の誕生日ということで、志たあめや特製コウモリケーキでお祝い。

25:00、データ整理を行ってから就寝。
龍泉新洞 龍泉新洞・北洞 龍泉新洞・北洞
2日目は工藤町長と 牛歩スケッチする杉山 崩落帯での測量
龍泉新洞・北洞 龍泉新洞・北洞 尼額公民館
スケッチする荒波パパ 接続ポイント付近 特製コウモリケーキ

17日7:00、順次起床。朝食と片付け。

10:30、宿舎を出発。岩泉消防署、岩泉警察署、龍泉洞事務所へ挨拶周りをする。「明神穴」帰りの林・山田と偶然再会してしまったため、「龍泉洞」を観光。

12:00、尼額地区の「砂子酒店」にて公民館の鍵を返却。当たり前だがビール類やカレールーなどが売っており、これからはここで買おうということになる。
解散。

14:00、千葉・細野・荒波はJR盛岡駅に到着。納豆嫌いの千葉がテレビ「秘密のケンミンSHOW」で見たという盛岡ソウルフード「キムチ納豆ラーメン」を食べに「柳家 フェザン店」へ。納豆自体はスープに溶け込んでおり、口直しをするたびに納豆味が襲ってくるという代物。もちろん不味くはないが、納豆嫌いとしてはもう食べることはないだろう。しかし、女子高生から年配の方まで、店内の混雑ぶりは広く愛されているということか。

15:00、東北自動車道・盛岡ICから東京へと向かった。
岩泉消防署 龍泉洞・第3地底湖 柳家 フェザン店
岩泉消防署にて終了報告 第3地底湖での記念撮影はホラー

盛岡ソウルフード「キムチ納豆ラーメン」



今回は2日間かけて、龍泉新洞「北洞」の測量を行った。入口班はホールのループ、洞奥班は狭洞部に悩まされたが、2日目にはなんとかノルマを達成することができた。
全体を通して崩落帯やそれを通り抜ける狭洞部が多く、慎重に測量しなければいけなかった。杉山はコンパスとスケッチを担当させてもらったが、牛歩スケッチとコンパスの精度が悪かったのが課題となった。技術向上を目指す!(文責 杉山晶)

「活動報告」に戻る
 次の「個別活動報告」へ進む TOPへ戻る

2019 Copyright(C) 地底旅団ROVER元老院
cavers_rover_in_tokyo@yahoo.co.jp