タイトル 地底旅団ROVER元老院第342回CAVING
サブタイトル 第2次住田町洞穴群調査
分 類 調査ケイビング
入洞洞窟  
日 程 2017年10月30日(月)
参加者 家崎、菊地敏雄、松本力(以上、東山ケイビングクラブ)、小向益男(日本洞穴学研究所) 以上4名
岩手県気仙郡住田町には多くの石灰岩帯があり、所々で洞窟が確認されている。東山ケイビングクラブにおいては、1989年と1994年に新洞探査を行い、地元情報のうち半分の新洞を確認、探検を行っている。しかしながら、山を知る方々が高齢となりつつあり、近年は情報を得ることが難しくなってきたことから、22年振りに洞窟探査を行うこととなった。
第1次住田町洞穴群調査(第329回CAVING)では、新洞の発見や既存洞の探検・測量を行い、改めて住田町には未確認・未調査の洞窟が存在していることが認識された。
今回は第1次調査で発見した新洞の測量、洞窟に関する新情報を収集するために実施された。なお、活動は29日から行われており、家崎は30日からの途中参加である。


30日5:30、家崎は自家用車にて岩泉町内の自宅を出発。国道45号線を南下し、沿岸沿いに住田町を目指す。

8:30、活動拠点である「滝観洞観光センター」に到着。前日から活動・宿泊している菊地・松本・小向と合流してミーティングを行う。29日は第1次調査で発見した新洞2つ、某洞窟の第4洞口の計3ヵ所の洞口の地上測量を行ったそうで、かなりの距離を歩いて3人とも疲れが残っている様子。
本日は「滝観洞観光センター」から北北東方向にある「大絶壁」「中絶壁」と呼ばれる大きな石灰岩露頭付近の探査を行う。以前調査を行った菊地より、当時の状況を聞きながらの活動となる。

9:30、活動開始。まずは第1目標の「大絶壁」付近の竪穴を探す。北東方向に進み、続いて北北東方向に山の斜面をトラバースして「大絶壁」を目指す。
菊地によると洞口は直径5m程。洞窟のある場所は平坦な山の斜面の苔が繁茂した見通しが良い場所で、動物達の水飲み場のような水がたまっている窪み近くにあると言う。

11:30、急傾斜のトラバースに菊地・家崎はバテてしまう。トラバースルートは止め、松本が提唱した「高清水(たかすず)山」山頂まで登り、稜線を進んで「大絶壁」を目指す作戦に出る。

12:00、高さ約1mの笹の中を藪こぎ。傷だらけになり、体力を消耗しながら、「高清水山」山頂に到着。笹や木に阻まれて展望はなく、疲れのため黙々と昼食をとる。

13:00、「大絶壁」と思われる斜面付近に到着。緩やかな斜面を、4人並列で下りながら目標とする竪穴を探す。菊地によると、この緩やかな斜面は洞窟を発見した斜面と雰囲気は似ているそうだ。
しかし、期待するものの目標とする竪穴は見つからない。「大絶壁」の基部から中腹部付近には3つの横穴群もあるそうだが、斜面を下って行っても大きな露岩は見当たらず、洞窟は発見出来なかった。けれども、直径約3mのドリーネを2か所発見する。

14:30、小休憩。小向が差し出すチョコレートに癒される。 第1目標の竪穴の探査は止め、南南西方向へ沢を降りて「滝観洞観光センター」へと向かう。
その途中、「中絶壁」と思われる斜面付近で第2目標の竪穴を探す。この洞窟は当時調査に携わった菊地が発見したもので、洞口はクラック状の為に人間は入洞することは出来ないが、中から風が吹き出していたそうだ。「風が吹いてくる割れ目」とも言っていた。

15:00、付近を探査するものの露岩や洞窟らしきものは見当たらず。探査を中止して帰路につく。点在する方解石を鑑賞しながら下山する。

16:30、「滝観洞観光センター」に到着。着替え。

17:00、解散。家崎は国道45号線を沿岸沿いに北上。途中、宮古市街の「ザ・ダイソー 宮古長町店」で買い出し。

20:30、岩泉町内の自宅に到着。
住田町 住田町 住田町
早々からバテる大人たち 山狩りスタート! 笹薮のなか「高清水山」山頂を目指す
住田町 住田町 住田町
洞窟ではないが直径3mのドリーネを発見 帰路に「高清水山」山頂を臨む 方解石の結晶が点在


かなりの距離を歩いたが、成果は上がらなかった。分かりやすい&最短ルートということで稜線に上がってから尾根沿いに移動したが、笹が繁茂するなど道が悪く体力を消耗し、ルート設定の大切さを実感した。
今回は目標とする洞窟と大きな露岩に出会うことはできなかったが、まだ可能性のある地域だと思うので、次回以降の成果に期待する。 (文責 杉山晶)

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