タイトル 地底旅団ROVER元老院第329回CAVING
サブタイトル 第1次住田町洞穴群調査
分 類 調査ケイビング
入洞洞穴 小松地区・葉山地区の新洞、大岩の岩穴(大祝洞)
日 程 2016年4月28日(土)〜5月5日(木)
参加者 細野、家崎、菊地敏雄、土田孝之、松本力(以上、東山ケイビングクラブ)、小向益男、柳沢忠昭(以上、日本洞穴学研究所)、平宗雄(あぶくまけいばぁずくらぶ)、久米大作(龍泉洞カルストプレインプロジェクト)、東口和樹、倉片宏樹、新井健汰(以上、明治大学地底研究部) 以上12名
岩手県気仙郡住田町には多くの石灰岩帯があり、所々で洞窟が確認されている。東山ケイビングクラブにおいては、1989年と1994年に新洞探査を行い、地元情報のうち半分の新洞を確認、探検を行っている。しかしながら、山を知る方々が高齢となりつつあり、近年は情報を得ることが難しくなってきたことから、22年振りに洞窟探査を行うこととなった。
今回は滝観洞水系調査、小松地区で発見した小規模な洞窟の探検・測量、周辺の新洞探査を行うことにした。また、学生用に「大岩の岩穴(大祝洞)」の探検も併せて行うことにした。


28日20:30、細野は自宅を出発。東北自動車道をひたすら北上し、花巻JCTから釜石自動車道経由での遠野市街に入る。最短距離で考えると東北自動車道水沢ICから下道で行くのが理想なのだが、深夜の給油や行動食の事前購入を考えると遠野市街地経由の方が利便性が良い。
29日4:30、「滝観洞」駐車場に到着。途中コンビニで購入した夜食で小腹を満たし、車中で仮眠。

8:30、松本・家崎・小向さん・菊地さんが続々と到着。

9:15、滝観洞観光センターに挨拶。宿舎となる大広間とテラスに装備品を搬入し、先に水系調査を行っていた柳沢先生の調査状況を見せていただく。

10:30、今回の調査エリアである小松地区(小松洞窟など)周辺石灰岩帯、葉山地区(蔵王洞窟など)周辺石灰岩帯を下見。中小、数か所の洞口を確認し、翌日の探検・調査に備えることとなる。

15:00、遠野市街地に繰り出し、翌日からの行動食や夜のおつまみ、そして、ビールを買い込む。

17:30、久米さん到着。早めに夕食。

19:00、翌日のブリーフィングを行う。下見にて確認した洞窟の探検班、測量班を割振る。飲みながら談笑。

22:00、順次消灯 。
30日4:30、東口・片倉が到着。

7:30、順次起床。朝食。

9:30、ブリーフィング後、活動開始。全員で周辺の山狩り。
皆が稜線を目指し探査する中、自分のことで精いっぱいで周りを心配する余裕がないくらいの急斜面を細野は一人、ひたすら探査していた。
家崎含む明大地底研班が新洞となる小穴を発見。

15:30、一旦下山。松本・細野は測量体制を整え、前日に確認した新洞測量。小向は写真撮影。

17:15、全員下山し、帰宿後に片付け。

18:30、入浴後、夕食。

19:30、ミーティングを行い、飲みながら談笑。

23:30、順次消灯。
5月1日7:00、全員起床。朝食。土田さんが到着。

8:30、昨晩より降り始めた雨止まず、外は雨。活動準備は進め、ミーティング。急傾斜の山狩り活動を予定していたが滑り落ちる危険性もあり断念。

10:00、29日の下見で確認した葉山地区周辺石灰岩帯の洞内確認及び測量に変更。
新洞を5洞確認し、測量も5洞(家崎・細野3洞、明大地底研班2洞)。地上測量(松本・小向・土田・久米)も同時に行われた。

17:00、活動終了。

17:30、帰宿。測量データ入力作業。

18:30、夕食。ミーティング。入浴。測量データ入力作業再開。

22:00、測量データ入力作業完了。家崎は一旦自宅へ。

23:00、順次消灯。
2日7:00、順次起床。朝食。ブリーフィングと準備。

9:30、活動開始。明大地底研班&松本は「大岩の岩穴(大祝洞)」ファンケイビング。
細野・久米・土田は29日に確認した小松地区周辺石灰岩帯の洞窟探査。中小合わせ6洞確認。小穴(1〜3m規模)の3洞は細野がロープにぶら下がりながらの一人測量。

15:00、ファンケイビングを終えた松本が合流し、10m規模の洞窟測量。合計4洞の測量を完了させた。

16:30、活動終了。帰宿。装備の片付けを行い、順番に入浴。久米さん帰郷。

17:00、ミーティングを行っているところへ平さんが到着。

19:00、夕食後、平さんを囲みプチ宴会。新井が到着。

22:30、順次消灯。
3日4:30、細野が何故か起床。やることも無いので、前日測量した箇所のデータ入力。

7:15、順次起床。朝食。ブリーフィングと準備。

9:00、活動開始。山狩りメインの活動。一日歩き廻ったが、収穫なく。一同落胆。

18:00、活動終了。帰宿。片付け、入浴。平さん帰郷。

19:15、夕食。住田地区合宿の夕食で外せないジンギスカン。その後、地元でお仕事をされている方々と宴会。住田町の洞窟事情をお話しする良い機会となった。

22:30、順次消灯。
4日7:00、全員起床。朝食。外は暴風雨。

8:30、家崎が再度合流。
暴風雨が静まらないため、活動開始時間変更。午後からは好天になるとのことだったので、午前中は測量データの入力および製図作業を行った。

13:30、天気予報通り晴れたため、活動開始。葉山地区の小穴測量(細野・松本・家崎)。明大地底研班は1日に測量した小穴に測量ミスが確認できたため再々測量。明大地底研班+家崎は3回も同じ穴に行く羽目になった。良い経験だっただろう。

18:20、帰宿。風呂。データ入力。

19:30、夕食。

20:30、ミーティング後、洗濯。データ入力。

22:00、順次消灯
5日7:30、全員起床。朝食。ブリーフィング。

8:30、宿舎掃除後、解散。

10:00、細野・松本は小松地区の洞窟測量。横穴部分と竪穴部分の接続も確認できた。

13:30、現地にて解散。水沢ICから東北自動車道に乗り、大きな渋滞に巻き込まれることも無く、ひたすら南下。

22:00、細野が自宅に到着。
住田町 住田町 住田町 住田町
こんな斜面をひたすら探査 急勾配探査で疲労困憊 崖の中腹に小穴が点在 小規模な二次生成物が発達


急勾配での山狩りと測量と製図作業が入り交じり、毎日充実した活動だった。細野は小中規模合わせて9洞の測量。そして全てスケッチという、今までにない数のスケッチをすることになった。
住田地区では、新洞発見されそうな地域が有るため今後も調査活動を継続的に行う必要性がある。
6泊7日と久々の長期合宿であったが、滝観洞観光センターで3食付き(昼食はおにぎり準備してくれた)、風呂完備で生活環境はとても有意義であった。(文責 細野誠)

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