タイトル 地底旅団ROVER元老院第270回CAVING
サブタイトル 第2次檜原村北秋川惣角沢洞穴探査
第3次檜原村惣角沢の穴調査
分 類 調査(新洞探査)ケイビング
調査地域 東京都西多摩郡檜原村 北秋川惣角沢源流域
入洞洞窟 惣角沢の穴第2洞
日 程 2011年5月27日(日)
参加者 千葉の、村野て、脇海道 以上3名
月夜見第二駐車場 昭和15年に発行された岳人用指導書『秋川の山々』(東京瓦斯山岳会編 木耳社)には以下の記述がある。
「御前山の頂上には鍾乳洞があると云ふ専らの噂であるが、土地の人はその存在を認めても位置を詳らかにせず、或は頂上の北側と云ひ、或は頂上の南側と云ひ一致しない。恐らく入り口を見た者が殆ど居ないのではないかと思はれる。ただ、逆穴というのがあって、入口は上向きに落ち込んで居て、落ちたら上る術が無いさうである。位置は御前山に直登する惣角沢のつめに屹立する二十米餘の石灰岩の絶壁の下にある。御前近傍は千米以高が石灰岩で構成されて居る為、洞穴があるとすれば鍾乳洞であるから御前山の鍾乳洞とは恐らく、その惣角沢のつめに在る逆穴を云ふものではないかと云ふ帰結が生ずる。」

2011年の第1次檜原村北秋川惣角沢洞穴探査では、この付近で小穴を確認した。今回はもう少し下流域にあるという「サカサ岩」を確認するとともに、小穴の測量・地上測量、「御前山の穴」の地上測量を目的とした。
また、「惣角沢の穴第2洞」の第2洞口と思われる竪穴から入洞しての探検・測量・地上測量を目的とした。


6:50 JR立川駅ケンタッキー前で千葉、脇海道が合流。当初の予定より40分ほど遅くなってしまったが、千葉曰く、脇海道の遅刻が原因であるとのこと。脇海道は5分ほどしか遅刻していない気もするのだが、我らがボスである千葉がそういうのだからそういうことなのである。

7:10、JR拝島駅ロータリーで村野が合流。

7:30、セブンイレブンあきる野戸倉店にて昼食を購入。

8:30、月夜見第二駐車場到着。準備開始。ここで地上測量道具一式を忘れてしまったことに気付く。サカサ岩の確認と「惣角沢の穴第2洞」の第2洞口(竪穴)の入洞・探検をメインの活動とすることにした。結果的には、人数と日程的に丁度良いボリュームの活動となった。

9:00、集合写真を撮り、アプローチ開始。天候にも恵まれ、前回と同様にのんびりムードで登山道を歩くことができた。

10:30、惣岳山山頂到着。ここは御前山へ向かう登山客も多く、中にはデビューしたての「山ガール」らしき女性も。どうやら御前山に水場があるからと水を持たずに山登りをしているらしい。軽く挨拶を交わし、楽しそうに御前山に向かっていった。確かに水場はあるが、細菌検査により直接の飲用は不適だったはず。

11:00、御前山山頂と体験の森方面への分岐との間から惣角沢方面に下り、「サカサ岩」の探索を開始。

12:00、惣角沢の分岐程まで探索を行いながら下ってから昼食。昼食後も暫くの間「サカサ岩」の探索を続けたが、それらしき露頭は見つからなかった。上部に存在する露頭の小穴の下に惣角沢の源流が位置することから、小穴のある石灰岩帯が石灰岩「サカサ穴」であり、上記の小穴が「逆穴」であるのだろうと結論付けた。
山狩りをきりあげ、「惣角沢の穴第2洞」へ向かった。

13:30、「惣角沢の穴第2洞」の第2洞口と思しき竪穴に到着、準備開始。

14:00、入洞開始。ロープを張ってみたものの、洞内は幅が20cm程度と非常に狭く、体格の良い千葉は入洞が困難であったため、村野・脇海道がアタックした。洞口付近は特に狭かったためストップを外しフリーで2mほど下りた場所から降下を開始するのだが、脇海道は相変わらずのビビりっぷりを発揮し、村野に頼み込み先陣を切っていただいた。我ながら情けない。
竪穴を抜けると、崩落しチョックストーンだらけの横穴が続いていた。村野と共に「惣角沢の穴第2洞」との接続部を確認して撤収、狭い竪穴は帰るのも難儀であった。脇海道は登っている途中落石を起こしてしまい、村野の肩に命中。幸い大事には至らなかったが、恩を仇で返すとはまさにこのことである。

15:30、出洞し帰路へ向かう。「惣角沢の穴」の目印となる祠があるのだが、落石のためか崩壊していた。御神体を見てみると、安政五年(1858年)と刻まれていた。幕末の頃から既にここに人が来ていたと思うとびっくりだ。
登山道では恒例の「荷物」持ち。いつもは一番若い脇海道が持つのだが、ジャンケンで負けた者が持つことに。脇海道は下克上を企むも、何故か千葉・村野に全ての手を読まれ全敗。延々と続く登り坂にヘトヘトになりながら駐車場へ向かう。

17:00、月夜見第二駐車場到着。荷物をまとめて撤収。温泉へ向かう。

18:00、「瀬音の湯」にて入泉。各自お土産等を購入後出発。

19:30、「東京亭 昭島店」で夕食。

20:00、出発。JR拝島駅で村野が離脱。JR立川駅で解散した。


今回の活動の結果、上に挙げたように小穴のある石灰岩帯が「サカサ穴」であることを確認した。しかし、「落ちたら上る術が無い」という記述は小穴には当てはまらず、付近の「惣角沢の穴第2洞」に当てはまることから、洞穴の情報が交錯しているものと考えられる。
次回は「惣角沢の穴第2洞」の第2洞口からの測量。必ず参加して測量技術を身につけたい。(文責 脇海道卓)
惣角沢の穴第2洞・第2洞口 惣角沢の穴第2洞 登山道
接続が確認された新洞口 洞内には狭い 恒例の荷物持ち

「活動報告」に戻る
 次の「個別活動報告」へ進む TOPへ戻る

2012 Copyright(C) 地底旅団ROVER元老院
cavers_rover_in_tokyo@yahoo.co.jp