タイトル | 地底旅団ROVER元老院第256回CAVING | ||||||
サブタイトル | 第1次檜原村北秋川惣角沢洞穴探査 | ||||||
分 類 | 調査(新洞探査)ケイビング | ||||||
調査地域 | 東京都西多摩郡檜原村 北秋川惣角沢源流域 | ||||||
入洞洞窟 | [仮]惣角沢の小穴、御前山の穴、惣角沢の穴第1洞、惣角沢の穴第2洞 | ||||||
日 程 | 2011年5月1日(土) | ||||||
参加者 | 千葉の、村野て、脇海道 以上3名 | ||||||
昭和15年に発行された岳人用指導書『秋川の山々』には以下の記述がある。 「御前山の頂上には鍾乳洞があると云ふ専らの噂であるが、土地の人はその存在を認めても位置を詳らかにせず、或は頂上の北側と云ひ、或は頂上の南側と云ひ一致しない。恐らく入り口を見た者が殆ど居ないのではないかと思はれる。ただ、逆穴というのがあって、入口は上向きに落ち込んで居て、落ちたら上る術が無いさうである。位置は御前山に直登する惣角沢のつめに屹立する二十米餘の石灰岩の絶壁の下にある。御前近傍は千米以高が石灰岩で構成されて居る為、洞穴があるとすれば鍾乳洞であるから御前山の鍾乳洞とは恐らく、その惣角沢のつめに在る逆穴を云ふものではないかと云ふ帰結が生ずる。」 今回の調査では上記の「二十米餘の石灰岩の絶壁」と竪穴を発見することを目的とし、対象地域で山狩りを行った。 7:20、JR武蔵五日市駅にて集合。千葉車はお色直し(オールペン)に出しており、まさかの軽自動車であった。いつものゴツいサファリとは異なり、狭苦しい車内で運転する千葉の姿は新鮮な光景だ。 7:30、セブンイレブンあきる野戸倉店にて昼食購入。 8:30、奥多摩周遊道路「月夜見第二駐車場」到着。協議の結果、なんとなく測量道具とSRT装備は車内に残置。 8:50、強風の吹き荒れるなか出発。今回は終始のんびりムードであり、三叉に分かれる登山道では3人別々な道を行くなど、お散歩気分。また林床には可愛らしいカタクリが満開の季節。脇海道は嬉々として写真撮影。今回は登山道を歩いているのでよく人とすれ違うのだが、すれ違う登山者たちは皆物珍しそうな目でこちらを見る。いつもの事ではあるが、赤いツナギ集団が登山道を歩いているのは怪しさ満載である。 10:10、惣岳山山頂到着。山頂と体験の森方面への分岐との間から惣角沢方面の斜面に下り、探索開始。風が強く砂埃が酷い。鼻をかむと砂埃で真っ黒だ。 10:40、千葉が小規模な露頭の基部に洞穴を発見。洞口付近は下り勾配で、洞幅も50p程度。狭い。入れと命令する千葉。脇海道は入るのを怖がり、村野に懇願して先陣を切ってもらったが、中に入ってみるとせいぜい10m程の小さな洞穴であった。洞内にはフローストーンや洞窟珊瑚など僅かな二次性生物がみられ、テングコウモリ1頭を棲息確認。脇海道は「コキクガシラです!」と同定をミスり、千葉に怒られる。 12:00、付近の探索終了。20m余の岸壁は見つからず。新洞のあった露頭の上下にも小規模な露頭があるので、これら全体を総合すれば20mの岸壁とみることも可能ではあるのだが…。尾根に上がって昼食をとる。 12:30、昼食後に「御前山の穴」へ行ってみることとする。すぐに洞口発見。ガレ場のようなところに人がギリギリ通れるかという大きさの洞口。これを見つける村野の探知能力には驚きだ。 竪穴装備を持っていかなかったため、村野・脇海道がフリーで行ける所まで下り、洞内を観察。アプローチの目印にと、尾根脇にケルンを積んで撤退。 13:00、脇海道は初めてということで、すぐ近くにある「惣角沢の穴第2洞」へ立ち寄ることにする。洞口付近で割れ目状の洞口らしきものを村野が発見。石を落として反響音を伺うと、「惣角沢の穴第2洞」との接続しているようである。「惣角沢の穴第2洞」は測量が完了しているが、天井付近は未測量部分がある。余計なことをしてしまった。 14:30、活動終了し帰路へと向かう。道中、脇海道は千葉に石灰岩を3つも持たされた。最近、千葉は自宅花壇製作に石灰岩を集めているとは聞いていたが、本気にしていなかった自分がバカだった。ボッカ訓練をよくするので重さ自体は苦では無いが、新品だったパーソナルバッグに入れていた財布は無残な姿に。 16:00、「月夜見第二駐車場」到着。荷物をまとめて出発。駐車場にはいくつか露店があるのだが、強風で何もかもなぎ倒されていた。瓦礫の中には食材が大量にあり、ざく切り野菜が常温保存されていたが衛生的に大丈夫なんだろうか? 16:40、ラーメン「たちばな家」で少し早めの夕食をとる。檜原村では有名なラーメン屋らしい。昔ながらの雰囲気のラーメンが美味い。 17:30、「秋川溪谷 瀬音の湯」にて入泉。雰囲気の良い温泉で皆気に入ったようだ。待合室で待っていたらいつの間にか置いてけぼりに。 19:00、JR武蔵五日市駅にて脇海道は下車。その後、順次解散した。 今回の調査の結果、惣角沢源流域で新たな洞窟を発見、また「惣角沢の穴第2洞」に接続すると思われる新たな洞口も確認した。活動中は風が強かったものの雨は降らず、時間通りのんびりとした奥多摩散歩を楽しめた。 次回は新洞の測量、さらに下流域での新洞探査を行う予定である。(文責 脇海道卓)
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