タイトル 地底旅団ROVER元老院第223回CAVING
サブタイトル 奥多野かんな姫計劃・第19次神流町旧万場地区洞穴調査
分 類 調査ケイビング
入洞洞窟 下穴(仙人窟・蛇窟)、下穴の上穴
日 程 2009年1月31日(土)
参加者 細野、荒木 以上2名
奥多野地域調査「奥多野かんな姫計劃」第2章は、旧万場町地区、叶山麓地区、持倉地区など神流町残地域及び旧鬼石町地区が調査範囲である。これまで「白水の滝洞窟」、気奈沢シリーズ4洞、むじな穴シリーズ2洞、コウモリ穴シリーズ(継続中)の測量、獣骨採集、新洞探査、渉外などを行ってきた。
前回活動にて、明治年間の皇国地誌にも記載されている「下穴」の測量を終えるはずであったが、後日、最奥部付近にて基線2本を張っていなかったことが発覚。急遽、測り忘れた2名によって本活動が企画された。また新たに得た情報を受けて「下穴の上穴」測量、追加地上測量を行うことにした。


7:00、細野車でJR谷保駅出発。残念ながらの雨。現地は止んでいるか雪であることを願うが、道中はずっと雨・・・。寒さにやる気を削がれていく。

10:30、坂丸林道に到着。小雨で空も明るいので、やる気が湧き出発。川の増水・濁流でずぶ濡れを覚悟していたが、まったく沢の水が濁っておらず、水量も前回とほぼ変わらない様子で驚く。しかし、地面はかなり水を含んでいるようで足もとが怪しく、恐る恐る山を登る。着替え中は寒かったので、悩んだ末、セーターを着こんだら汗だくで苦しくなってしまった。

11:00、「下穴」到着。前回は洞口付近にミニ氷柱があったがなくなっている。暑さに耐えきれず、セーターを脱いでちゃっちゃと準備をして最奥部へ直行。無念の再測量。洞内も滴下水がさぞかしすごいだろうと思いきや、そんなこともなく、なんとなく前よりも湿度があって息がしやすい様な気がするだけであった。濡れなくて一安心。しかし、コウモリが1匹もいない。前回は水たまりにエビか何かがいたようだが気付かなかったので、探してみたが分からなかった。私の目は節穴のようだ。

12:00、順調に再測量終了。ただただ上手くいっていることを願ってお昼ごはん。外に出れば雨があがっている。素晴らしい。おにぎりがうまい。

13:00、コンパスとレーザー距離計をポッケに忍ばせ「下穴の上穴」を探す。ほぼ垂直の岩は登れないので、迂回して「下穴」の上に回り込むことを試みる。なぜこんなに急斜面なのか意味が分からない。足もとが滑るので、力強そうな丸太に手をかけるとスポンジのようであった。もう何もかもが怪しい。さらに枝に引っ掛かり足も滑り落ちそうなので、もがこうかもがくまいか悩んでいると、『安全なとこでちょっと待ってて!』と細野は消えてしまった。あぁ。とりあえず1人でさらに迂回して細野の方へ行こうとしたら『穴を見つけた』と声が聞こえた。収穫がありほっとする。

13:30、細野が「下穴の上穴」発見。しかし、相当足場が悪いらしく、行くことを止められてしまった。一人前の道は遠いようだ。バンジーをして根性をつけようと心に誓う。GPSがなかなか衛星をキャッチしてくれないようなので、洞口にて衛星と細野をひたすら待つこととなった。細野は1人で測量開始。やはりじっとしていると寒くなってきた。

14:00、「下穴の上穴」測量終了。泥だらけで何もない穴らしい。衛星も無事キャッチ。「下穴」に戻り、地上測量開始。雲行きが怪しくなってきた。寒さに凍えながらポケットコンパスを覗く。

15:30、地上測量終了。下山開始。

16:30、坂丸林道を後にし、アプローチ道の地権者:A井T也氏を訪問。改めて「下穴」の地権者について聞くと、『あそこもうちのだよ。』との返事。前回と答えが違う。若干困惑しつつ、お礼を済ませ帰路に着く。
17:00、旅館「小鹿荘」にて日帰り入浴。露天は混雑して入れなかったが、内風呂独占で心身共に疲れを癒す。やはり温泉は良い。

18:30、入浴後に移動して夕食。前回の活動では「イデウラ」にて店主一押しのポークソティーを注文したところ、なんの面白みもない豚肉にガッカリしてしまった。そんなわけで今回は小鹿野名物わらじカツ丼を注文。甘いタレはなかなか好みであるが、キャベツが欲しいと思いつつ食した。

21:30、JR谷保駅にて解散。


今回の活動は本来なら無いはずの活動である。自分の携わったデータを確認・把握することの大切さを思い知らされた。基線の張り方やコンパスの正確さはもちろん、まだ気温や風を感じる余裕がないので今後経験を積んで習得していきたい。測量がこれほど奥深いものとは。(文責 荒木ひとみ)
下穴の下穴・洞口 下穴の上穴・洞口 下穴の上穴
ポケットコンパスを読む荒木 「下穴の上穴」の洞口 「下穴の上穴」は天井高が低い

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