タイトル | 地底旅団ROVER元老院第172回CAVING | ||||||
サブタイトル | 洞内清掃vol.2&第2次青岩鍾乳洞洞内気象測定調査 at 丹波山村・青岩鍾乳洞 | ||||||
分 類 | 合同・清掃・調査ケイビング | ||||||
入洞洞窟 | 青岩鍾乳洞 | ||||||
日 程 | 2006年5月20日(土)〜21日(日) | ||||||
参加者 | 鈴木、村野て、中野亜由美(山口ケイビングクラブ)、木嵜ちひろ、白井正人、永田雪乃、島田大輔、松尾拓哉、田丸光起、飯泉友貴(以上、東京農業大学農友会探検部)、野口知子(立教大学探検部) 以上11名 | ||||||
2004年秋に行われた「青岩鍾乳洞」の洞内気象調査・ファンケイビングにおいて、鈴木・山崎が見たものは、息を呑むほどに神々しい二次性生物群と、最奥部にある木製はしごの醜く朽ち果てた残骸であった。この木製はしごは、過去に大滝上部を調査した際に搬入されたものと思われるが、洞内環境保護の観点から、速やかに撤去すべきものである。そこで、このはしごを回収すべく「洞内清掃合宿」を企画した。 前回第155回CAVINGでは「大滝」下にてはしごを切断し、「大広間」まで搬出した。今回は「大広間」から洞外への完全搬出が目標である。同時に洞内気象測定調査第2弾(春の部)を行うこととした。 20日23:30、村野、中野が後山林道終点に到着。学生参加者は遅れて到着することになっており、中野は車内で仮眠。村野は車外で明日の気象調査の準備を行う。下界は真夏の暑さでも、ここまでくるとさすがに夜は肌寒い。 24:30、学生組が到着する。自己紹介とブリーフィングを行い、簡単に酒宴。 25:30(1:30)、就寝。 21日5:00、「洞内気象測定班」(村野)が起床。朝食を済ませ、6:00、単独「青岩鍾乳洞」に向けて出発する。先発したのは、人間の洞内活動による気象への影響を最小限に抑えるためである。 6:30、三條小屋に到着。「青岩鍾乳洞」管理人・木下さんに挨拶し、鍾乳洞の鍵を借り受ける。ここからアプローチは急な登山道に変わる。坂はきついが、好天の下、新緑に囲まれた道は気分が良い。しかし、途中の桟道の状態は年々悪化しているような・・・コワイ(汗)。 8:30、「青岩鍾乳洞」洞口着。洞口前広場の気温は13.3℃であった。測定機材の調整を終え、入洞を開始する。 6:00、「洞内清掃班」(鈴木・中野・木嵜・白井・永田・島田・松尾・田丸・飯泉・野口)は起床・朝食。 7:00、林道終点を出発。青岩谷からアプローチする隊(木嵜・白井・島田)と別れる。 7:30、三條小屋に到着。木下さんに飲み物を勧められるも、活動前なので遠慮させていただいた。 9:00、洞口着。青岩谷からのアプローチ隊も、ちょうど良いタイミングで合流した。 9:30、入洞・清掃開始。大広間より木材を運び出す。今回は前回の反省を踏まえてタックルバックを増やし、また前回の経験者も多数いたため、手際よく搬出することができた。「大滝」周辺ほど天井高が低い箇所や段差が少ないことも、搬出に好都合であった。 11:30、木材を全て搬出し終わり、清掃終了。洞口近くに木材を集めた後、青岩を訪れるのが初めてのメンバーもいたため、「大滝」を目指すことにした。 12:00、「大滝」到着。新一年生が滝に打たれるという洗礼を受ける。 12:30、「青岩氷河」を見学後、出洞。 一方の村野は、洞口から洞奥に向けて順調に気象測定を行っていく。今回から水温測定も行うことにしたため、気温・湿度・風向・風力・pH・水温測定およびそれらのデータ記録と、地味な作業のわりに忙しい。大広間にたどり着く前に、洞内清掃班に追いつかれてしまった。 気温を測定していると、背後をタックルバッグの行列が「大名行列」のごとくぞろぞろと通過していく。すると気温は0.2℃くらい上昇してしまう。う〜む、人の体温はずいぶんと影響を及ぼすものだ。 気象測定の結果、今の時期の気温は洞口付近がもっとも低く(6.5℃)、洞奥に向けて徐々に気温が高くなる傾向があることが分かった。大広間から先は10.3℃でほぼ一定であり、前回測定時の結果とあわせると、洞奥部は年間を通じて10℃前後に保たれているようである。気流は呼吸効果により全体として洞奥から洞口方面へ流れており、水流のpHは前回同様、弱アルカリ性、水温は9℃前半であった。 12:30、「洞内清掃班」と再合流し、出洞。 13:00、全員揃って洞口を後にする。 14:00、三條小屋に到着し、活動内容の報告を行う。木下さんには大変喜んでいただき、ジュースまで頂戴してしまった。本当にありがたい。ここから林道終点までは恒例の爆走である(ただし一部の馬鹿限定。笑)。小屋の従業員の方も「元気だね〜」と、苦笑気味である。 15:30、林道終点に到着、解散となった。 学生主体となって行われた洞内清掃活動は、今回をもって無事に完了することができた。活動内容自体は地味であり、後世の記録に残ることでもないが、洞内環境保全に微力ながらも役立てたことはケイビングに携わる者として嬉しい限りである。今後もこのような活動を行う機会があれば、積極的に企画・参加していきたい。洞内気象測定は、今後も継続して行う予定である。(文責 鈴木達朗・村野哲雄)
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