タイトル 地底旅団ROVER元老院第295回CAVING
サブタイトル 体験ケイビング30 暗黒世界への誘い at 神流町・立処鍾乳洞&抜け穴
分 類 体験ケイビング
入洞洞穴 立処鍾乳洞(立処鍾乳洞第1洞、立処山第1洞、立処山の鐘乳洞、立処山鍾乳洞、鐘乳洞、井戸穴、大黒洞、水穴、立處山石乳穴、田戸呂山鐘乳穴)、抜け穴
日 程 2014年6月7日(土)〜8日(日)
参加者 芦田、木嵜、脇海道、家崎、中川紘利、綿貫留美、遠藤浩太郎(以上、体験ケイビング者) 以上7名
木古里地R元発足以来、30回目となる体験ケイビングとして企画された。
今回の体験者は3名、サポートは4名というメンバー構成である。これまで体験ケイビングは「石舟沢鍾乳洞」をメイン会場として行ってきたが、2012年5月27日の某商業ケイビングツアーによる洞外事故により入洞禁止となってしまった為、初の群馬県奥多野地方での開催である。


7日18:00、芦田・脇海道はJR東京駅に隣接する新丸の内ビルディング脇にて体験者3名と合流。簡単に挨拶を済ませて芦田車にて出発する。
木嵜は東京都多摩地区から、家崎は新潟からそれぞれ自家用車にて順次出発。

22:30、木嵜が一足先に洞窟地権者宅に到着。少し遅れて芦田組も到着。
いつもご協力いただいている地権者も交えて懇親会スタート。体験者には江戸時代の探検絵巻「田戸呂山之記」のコピーと「立処鍾乳洞」測量図を渡す。江戸時代と現在で洞内の様子がほぼ変わらないことに驚く体験者たち、話が盛り上がる。

24:00、家崎も到着。

25:00、就寝。
8日7:30、起床。雨足が強い。「立処鍾乳洞」「抜け穴」共に洞口アプローチの足場が悪いため、順路を変えるか話し合い、結局朝食をとりながら様子を見ることになった。

8:30、小雨になってきたため予定通り行うことにする。

9:45、地権者宅前にて記念撮影。地R元おなじみの日付写真にはしゃぐ。

10:00、出発。木嵜・脇海道は「抜け穴」の竪穴部にて体験者用ロープをセッティングをするため、一足先に「抜け穴」へ向かう。
芦田・家崎は体験者と共に「立処鍾乳洞」へ向かう。芦田の長靴が割れ、テーピングで補修。洞口へのアプローチは足場の悪い急登が40分程続く。体験者達は登山が趣味の遠藤さんを筆頭に、皆順調に進んでいき、最高尾の家崎が一番バテていた。

10:30、「立処鍾乳洞」到着。記念撮影をして入洞開始。
入洞するとすぐにホールがあり、数頭のキクガシラコウモリが見られた。目立った二次生成物はあまりないが、洞内は立って歩ける程の広がりがある。
洞口付近で待ち構えて驚かす芦田にナイスリアクションの綿貫さん、一同和む。
洞内では、昨晩地権者に聞いた「光を通す石」を皆で探そうということになり、いたるところの狭洞に突っ込んでいく。女性の綿貫さんが果敢に挑戦する姿に触発された様に、男性陣も積極的に動く。結局は件の石は見つからなかったが、泥だらけになりながらも楽しかったー!と笑顔の体験者たち。
最奥部と支洞にわかれる分岐にて家崎はそっと離脱。芦田が最奥部に体験者を紹介している間、分岐終点の空間にこっそりキャンドルを設置。光の魔術師、芦田からのアドバイスで、直接明かりが見えないように間接的な照明を心がける。想像以上に幻想的な空間が広がり、体験者にも好評。厳かな気分で昼食をとる。
最奥部へはしごで降りていくのだが、その途中まで水が上がっており、体験者には地底湖として紹介したそうだ。

12:00、出洞。

12:20、立処山山頂に寄り道する。岩場周辺が一望でき、もやがかった厳かな景色に感動する一同。天気が良ければ、山頂で昼食をとってもよかったかもしれない。

13:30、雨足も強くなり、尾根をトラバースするルートに少々時間をとられながらも、斜面を下って無事に「抜け穴」到着。体験者のみハーネスを装着する。

14:00、「抜け穴」は上部洞口から下部洞口へ抜けられる洞窟である。今回は上部の第3洞口から入洞し、石柱が3本並ぶ「三本柱」までの斜洞はフリーで下り、その後の5m程の竪穴部「落とし穴」は、体験者はロープで下りることとなった。
事前に脇海道・木嵜組が「三本柱」にセッティングしたロープで、脇海道が確保を取って体験者に降りてもらった。綿貫さん、中川さん、遠藤さんの順で、はじめは怖がりながらも徐々に慣れて楽しんでいた模様。特に中川さんは初めてながらも、余裕の表情でポーズを見せたりしていた。
芦田・家崎は「まわり道」のトラバースルートで下り、体験者と時間いっぱい洞内を散策する。下部第2洞口付近には小さいながらプールとフローストーンがあった。
木嵜・脇海道はロープを回収してから出洞。

15:20、地権者宅に到着。神流川でみんなで装備洗い。 脇海道のGPS紛失が発覚し、必死に探すも見つからず。

17:00、地権者にご挨拶して出発。 雨足が強くなる中、手を振って見送って下さる。

17:30、「赤谷温泉 小鹿荘」にて入泉。内風呂の他に露店風呂もあり、ついつい話こんでしまう。

18:30、「赤谷温泉 小鹿荘」にて解散。 行きと同じく、芦田車にて芦田・脇海道・体験者、木嵜車、家崎車での帰路となった。


私自身、初めての地R元としての体験ケイビングでしたが、ただ洞窟に入るだけでなく、江戸時代の文献を使った学術的な調べ方や、横穴と竪穴をセットで経験できるなど、様々なケイビングの楽しみ方を紹介できる活動だったと思います。アプローチや抜け穴での確保など、改良点はあるのかもしれませんが、今後もこの体験ケイビングに携わっていきたいです。(文責 家崎晶)
立処鍾乳洞 立処鍾乳洞 抜け穴
泥んこピース☆ 洞内キャンドルライト 下りまーす!

【体験者の感想】
◆事前連絡に関して(ガイド・計画書を含む)
こまめにご連絡くださり、不明・不満だった事は特にありません。
◆洞内に関して
「立処鍾乳洞」 初心者でも難しすぎることなく、楽しめました!洞内で昼食を食べるの素敵だなぁと思いました。
「抜け穴」  下りなどスリリングで楽しかったです!個人的に洞内がものすごく寒かったです。
◆その他
この会の準備にすごく手間と時間をかけて下さってるなぁと感じました。細やかな手配と心遣いありがとうございました。
(綿貫留美)

◆事前連絡に関して(ガイド・計画書を含む)
大変丁寧に書かれていました。自動車に荷物を預けられることを問い合わせで答えて頂けたことや、事前に詳しい説明を頂けたので安心できました。
◆洞内に関して
「立処鍾乳洞」 最初にケイビングするのに最も適していると思いました。素人としてはおそら閉塞感が試練になりますので、少しずつ導入していくのに最適と思いました。水が多いのもとてもよかったと思います。
「抜け穴」  コウモリと縄がとてもよかったと思います。地上のコウモリより翼が大きく見えました。また毛並みもよくてより面白いものがみえました。また、ムカデか何かの子供やカマドウマが見れたのも魅力の一つです。クライミングは初だったのですが、徐々になれることができたら楽しいかなと思いました。 ロープワークはもっと学んでみたいと思いました。とくに吊るしについてはとても面白かったと思います。
◆その他
体験は終わってしまいましたが、機会があれば他の洞窟に行ってみたいと思いました。特に滝やボートで移動するような湖はとても興味のある話でした。少し危ない時もありましたが、とてもよい思い出になりそうです。無理を言って参加させて頂いた甲斐がありました。
(遠藤浩太郎)

◆事前連絡に関して(ガイド・計画書を含む)
木古里山荘がネットで調べても出てこなかったので、どんなところなのか気になりました。そのほかはわかりやすかったです。
◆洞内に関して
「立処鍾乳洞」 鍾乳洞の江戸時代頃のの文献が残っていること、その文献と洞内の様子が一致していることがすごいと思いました。結構広くて楽しめました。光源ろうそくでの洞内も一風変わって素敵でした。
「抜け穴」  ロープで下してもらうのが、より非日常感が濃く面白かったです。 横穴、竪穴どちらも経験でき、それぞれよかったです。
◆その他
学術的な視点等もあり、いろいろな楽しみ方があって冒険的なワクワク感、非日常感があり、とても面白かったです。ありがとうございました。
(中川紘利)

「活動報告」に戻る
 次の「個別活動報告」へ進む TOPへ戻る

2014 Copyright(C) 地底旅団ROVER元老院
cavers_rover_in_tokyo@yahoo.co.jp