タイトル 地底旅団ROVER元老院第242回CAVING

サブタイトル 第16次龍泉洞再測量調査(第2次潜水調査) at 岩泉町・龍泉洞
分 類 合同・調査ケイビング
入洞洞穴 龍泉洞(湧口、湧窟、龍泉窟)、内間木洞
日 程 2010年2月10日(水)〜14日(日)
参加者 細野、菊地敏雄(日本洞穴学研究所)、松本力(東山ケイビングクラブ)、石川典彦、木崎裕久、小林日(以上、東京スペレオクラブ)、鈴木雅子(洞窟救助隊)、藤田絵梨子(パイオニアケイビングクラブ)、久保彰良、武繁俊哉、青山泉、久米大作、竹内博、戸塚絹代、長山雅之、三浦俊一 (以上、龍泉洞カルストプレインプロジェクト) 以上16名
龍泉洞前 日本三大鍾乳洞のひとつとされる国指定天然記念物「龍泉洞」。本洞穴は透明度日本一という地底湖が見所である、岩手県岩泉町経営の観光鍾乳洞である。
第9次龍泉洞再測量調査によって確認された第7・8地底湖の上層部分において、かつて潜水(ケイブダイビング)調査によって確認された第5・6地底湖へ続く陸上通路の発見に重点を置いてこれまで調査をしていたが、発見には至っていない。
過去の潜水調査と、これまで確認された第7・8地底湖の位置は方向が違う。この不整合問題を検証するには、第3地底湖から水中通路の潜水調査を行なうしか 方法が無い事から、「平成21年度日本洞穴学研究所総会」にて提案、承認されたことにより、41年ぶりの潜水調査が実現した。
今回は第2次潜水調査となる。


10日23:00、細野、石川、小林、鈴木は東京を出発。車内にて第15次龍泉洞再測量調査(第1次潜水調査)時の反省点を確認しながら、東北自動車道を北上する。
11日6:00、矢巾SAへ到着。1時間程仮眠を取り、SA内にある「やまなか屋」で温麺を食す。激熱温麺で口内の薄皮が剥けるが、個人的には好きである。外は結構な残雪と降雪がちらほら。

10:00、龍泉洞事務所での集合までに時間があったため、遠回りをして「内間木洞」に到着。当日は「内間木洞氷筍祭り」が開催されており見学をする。先に到着していた菊地・松本とも合流した。

13:00、積雪で用心深い運転のなか「龍泉洞」に到着、ダイバーと合流する。龍泉洞事務所で挨拶を行い、宿舎である尼額公民館へ移動。食当の松本・鈴木は公民館に残り、食材調達と夕食準備を始める。

14:30、活動開始。
ダイバーは第3地底湖展望台で本部設営及び呼吸ガス混合施設の設置を行う。
ケイバーの細野・石川・小林は第3地底湖上のチロリアン設置と、水面へのタンク移動用システム(カウンターバランス)の設置を行う。

17:00、出洞。龍泉洞温泉ホテルにて入泉後、尼額公民館へ戻る。

19:00、ケイバーは夕食後に調理場にてブリーフィング。第1次潜水調査時に、ダイバー有事発生時でも第7地底湖への浮上は現実的ではないことが確認できたため(減圧症者を陸送するには時間がかかりすぎる)、残置してあったレスキューシステムは回収することに決定。少しお酒も入る。

22:00、特に東京組は20時間以上まともに睡眠を取っていないため、早々と順次就寝。
12日6:00、食当(細野・鈴木)起床。朝食準備。

7:00、全員起床。朝食、準備、活動確認後に出発。昼食食当(細野・鈴木)は公民館に残る。稲荷寿司70個、すいとん2鍋を給食のおじちゃんになった気分になって大量生産。

9:00、活動開始。
ダイバー(久保さん・久米さん・武繁さん・三浦さん・竹内さん)は第3地底湖での潜水準備。水中プライマリーラインへの測量マーカー設置。
ケイバーは、松本が第3地底湖〜第7地底湖間のインターホン設置(電線は第15次調査時に設置済)と、第7地底湖にてライトを付けたロープを吊り下げる作業を行い、午前中の潜水が完了するまで待機。気泡が上がってきた時に本部への連絡係である。菊地・小林・木崎・石川は第3地底湖へのタンク等の装備上げ下ろしのサポートを行った。

13:00、藤田が合流。龍泉洞事務所2階の小部屋にて全員昼食。ダイバーは各自休憩。夕食準備のため、小林・木崎は公民館へ移動。

15:00、活動再開。
ダイバー(久保さん・竹内さん)は水中10ポイントあるうちの5ポイントまで測量。40分程潜水し、タイムアップで帰還。
ケイバー(菊地・松本・石川・藤田)は第3地底湖にてサポート。細野・鈴木はレスキューリギングの写真撮影及び第7地底湖上の割れ目〜天井竪穴間のレスキューリギングのデリギングを行う。

18:00、全員出洞。龍泉洞温泉ホテルにて入泉後、尼額公民館へ戻る。

20:00、夕食後にケイバーは調理場にてブリーフィング。やっぱり少しお酒も入る。

23:00、順次就寝。
13日6:00、食当(細野・藤田)起床。朝食準備。

7:00、全員起床。朝食、準備、活動確認後に出発。昼食食当(細野・藤田)は公民館に残り準備。

9:00、活動開始。
ダイバー(武繁さん・久米さん・竹内さん)は残りの水中10ポイントまでの測量。
ケイバーは、松本が第7地底湖での待機とレスキューリギング撤収作業。小林が第7地底湖撮影のためにTVカメラマンのサポート。菊地・木崎・石川・鈴木は第3地底湖へのタンク等の装備上げ下ろしのサポートを行った。

12:30、昼食。ダイバーは各自休憩。夕食(最終日打ち上げ)準備のため、小林・石川・鈴木は公民館へ移動。

14:30、活動再開。
ダイバー(久保さん・青山さん・戸塚さん)は水中スケッチ。装備の回収及び撤収。
ケイバー(細野・木崎・藤田)は第3地底湖にてサポート。

15:15、潜水活動終了。
ダイバー(全員)は装備、器材類の搬出作業。
ケイバーは、松本・小林が出洞して昼食後、第3地底湖ロープシステムの撤収。細野・藤田は天井竪穴部のレスキューリギングのデリギングを行う。

18:00、全員出洞。龍泉洞温泉ホテルにて入泉後、尼額公民館へ戻る。

19:30、最終日打ち上げ宴会。ダイバー、ケイバー酒を酌み交わしながらの鳥団子チゲ鍋パーティーとなる。無事終わることが出来た喜びと、潜水の成果を分かち合える場になり、馬鹿なことを言えるまで打ち解けて時間を忘れ、飲み食いしていた。

24:00、順次就寝。
14日7:00、起床。朝食を済ませ、回収した装備・備品等の洗浄を行う。

12:30、「龍泉洞」に集合。洞口前でダイバーと共に記念撮影を行い、公民館清掃を行い解散。帰京の途に着く。東北自動車道路に乗る前に、「食道園」にて冷麺を食してから一路東京へ。

22:30、JR新宿駅到着。順次解散となる。


第15次龍泉洞調査から、第16次龍泉洞調査まで事故や怪我が無く活動ができた。事前打ち合わせや都内でのダイバーとの顔合わせなど、綿密な準備による結果であった。それに付いてきた潜水の成果。第7地底湖が確認でき、41年ぶりの潜水調査までたどり着けたことは嬉しいと共に、今後の龍泉洞調査活動においての方向性が見えてくる内容でもあった。(文責 細野誠)
尼額公民館 龍泉洞・第3地底湖 龍泉洞・第3地底湖
ブリーフィング風景 潜水準備 ボンベなどの昇降をサポート

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