タイトル 地底旅団ROVER元老院第84回CAVING
サブタイトル 秋吉台大会in2002 日本洞窟学会第28回大会
分 類 大会ケイビング
入洞洞窟 磐窟洞(ダイヤモンドケイブ)、白雲洞、秋芳洞、中尾洞、姫山の穴、寺山の穴、猪出台の穴−末原栗園の穴、景清洞
日 程 2002年8月9日(金)〜11日(土)
参加者 千葉、細野、村野て、春山ゆかり(4/21体験ケイビング者)、中村允彦(明治大学地底研究部OB)ほか 以上参加者約150名
磐窟洞
「磐窟洞」群生しているヘリクタイト
帝釈峡・雄橋
ナチュラルブリッジ「雄橋」
秋吉台
幕営場所
「地底旅団ROVER元老院」としては5回目となる日本洞窟学会大会への参加。折角の遠征なので、前後に観光洞巡検を含めることにした。


8日20:00、千葉・細野・村野・春山さん・中村君・村田玲奈嬢(東京スペレオクラブ)と共に府中を出発する。
9日9:00、岡山県「磐窟洞(ダイヤモンドケイブ)」に到着する。阿哲台からは少し離れており、また冬季は週末しか営業していないために今まで来られなかった観光洞である。
入洞するとしばらく人工的(含1966年発破)に開発された通路が続く。期待はずれかと思っていたところに、ヘリクタイト・ヘリグマイトの群生が現れる。国内観光洞でこれだけのものを見ることが出来るのはここだけであろう。多少風化が進んでいるのも気になるところだが、白色の二次生成物を満喫して出洞となった。

11:30、広島県「白雲洞」に到着する。この観光洞はカルスト台地が侵食された「帝釈峡」に開口している。
洞内見学を足早に済ませ、ナチュラルブリッジ「雄橋」見学後に秋吉台へ向かった。次回は「幻の鍾乳洞」巡検も含めて、ゆっくりと「帝釈峡」を眺めてみたいものである。

16:00、秋吉台に到着。千葉・中村は買い出しへ向かい、残り4名は「秋芳洞」観光を楽しむ。その後、受付を済ませ、「恵藤穴」脇に設営をする。今年は草刈りがされておらず快適とは言い難い。

19:00、班別ミーティング後に懇親会が開かれる。この日の為に用意した地R元オリジナル法被を披露、なかなかの評判であった。

24:00、消灯。
10日、各巡検が開始される。
【中尾洞巡検班(千葉・中村参加)】
浦田さん@カマネコ探検隊を中心にゆっくりと「中尾洞」の地質・地形を楽しもうという準講習形式で行われた。「中尾洞」は総延長約250mの天然記念物洞である。午前中は洞口付近にて光カルストや割れ目を楽しみ、洞奥へ約30m地点で昼食となった。このままでは最奥部へ到達しないということで、午後は取りあえず最奥部まで行き、戻りながら二次生成物や溶食形態をじっくり観察する。並行して後藤さん@東京スペレオクラブと共に写真撮影を行いながら洞口へ向かう。途中、生物班(上野先生・西川先生・松村先生・曽根さん親子)には洞内生物の説明を受けて出洞となった。同伴入洞者9名中7名が知り合いであったため、非常にアットホームな巡検であった。

中尾洞周辺
「中尾洞」巡検班の準備風景
中尾洞
「中尾洞」洞内地形を楽しむ
中尾洞
「中尾洞」流礫棚と二次生成物
【中尾洞・姫山の穴巡検班(村野参加)】
午前中「中尾洞」主洞を最奥まで詰めた。洞内は二次生成物が非常に豊富で素晴らしく、美しいフローストーンや林立する石筍・石柱群など、目を見張るものが多かった。ただし洞床が粘土であるため、見とれて立ち止まったりするとすぐに足が上がらなくなってしまう。しかしこのようなハプニングを通じて他団体の参加者とも打ち解け合うことが出来た。
出洞後、駐車場で昼食を取り、「姫山の穴」に向かった。洞口からいきなりの急坂をひとしきり下ると非常に大きな空間となる。ここで巡検ルートの選択があり、下層部最奥の滝を見に行くことに決定。落盤帯の隙間をすり抜け、斜洞を下っていくと、ほどなく小プールが現れた。このプール、水深は30p程のものなのだが、うかつに歩くと急激に深くなるところがあると聞き、足元を探りながらこわごわと進む。そしてその先、最奥のホールで見たものは・・・水の涸れた滝であった・・・。

【猪出台の穴−末原栗園の穴巡検班(細野参加)】
まず「猪出台の穴」側へ入洞する。洞口よりひたすら下り、最奥部を目指す。入洞から10〜50度傾斜が長々と続く。最奥部から数10m手前では、75〜80度傾斜を下りる。戻りはこれらをひたすら上がるわけだが、特に大変なところもなく楽しめた。山口大学洞穴研究会では、新歓として使われている洞穴であるらしい。関東にこのような洞穴があったら、体験ケイビングだけではなく、ファンケイビングとしても楽しめる穴であった。
次に「末原栗園の穴」へ向かう。洞口より約4mラダーでおり、ほとんど傾斜もなく最奥部まで到達する。また、洞口付近より大きなクラックがあり、背中と足の裏だけでのチムニーも自分にとっては楽しかったといえる。・・・・猪出台と末原栗園は別々の洞口より入洞した。両洞は狭いが連結しており、案内により確認してきました。再び今回のような機会があったら、是非、通過したいものである。

【寺山の穴巡検班(春山参加)】
「第1主洞」〜「第3主洞」ルートを巡検、最奥のプールでは洞内水泳を楽しんだ。

巡検終了後、春山さんは帰京となる。
20:00、班別ミーティング。合間をぬって地R元オリジナルステッカーを販売、なかなかの盛況であった(吉村会長も購入)。
寺山の穴周辺
「寺山の穴」巡検班の準備風景
寺山の穴・第4洞
「寺山の穴」第4主洞の二次生成物
寺山の穴・第4主洞
「寺山の穴」第4主洞の水流部
11日、各巡検が開始される。
【寺山の穴巡検班(千葉参加)】
二次生成物の発達が良いとされる「第4主洞」巡検を選ぶ。−8mのラダーポイントを経て水流部に到達、写真撮影後に出洞した。時間的余裕もあることから有志で「第1主洞」へ向かい、心霊ポイント等で記念撮影を行ってから完全出洞した。ケイブエキスポで痛めた腰が悪化、終始藤澤嬢@拓殖大学探険部に助けられての巡検であった。

【秋芳洞巡検班(細野・村野参加)】
エレベータ口から入洞し、すぐに観光コースを外れて琴ヶ淵へと向かった。終点「琴ヶ淵」までとにかく広大な空間が延々と続いた。洞内は非常に良く踏まれて道が出来ており、各所にペンキで標識がしてあるなど、天井がなければ登山道そのものである。「琴ヶ淵」では裸族となって飛び込むもの、ゴムボートを浮かべて奥へ進むものなど様々であったが、村野は歓声を遠くに聞きながら河原に寝転んでしばしの静寂を満喫した。

15:00、閉会式出席後に撤収開始。

15:30、景清洞トロン温泉に向かう。村野は「景清洞」巡検、千葉・細野・中村は入泉。その後、秋吉台を後にして九州へ向かった。


初参加であった村野は、懇親会やファンケイビングを通じて他団体の参加者と交流を持てた。また秋吉台を代表する自然洞に初めて入ることができ、非常に感激した。
細野は1999年大会と今回で2回目の秋吉台カルスト探訪であったが、今年は巡検のみと言うことであまり期待してはいなかったが、意外と楽しく巡検できた。また、前回同様カルスト台地の雄大さにも感動した。
次回は未定だが、石灰岩帯で開催出来るであろうということである。(文責 千葉伸幸・細野誠・村野哲雄)

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