タイトル | 地底旅団ROVER元老院第398回CAVING | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
サブタイトル | 深いのいいな、行けたらいいな−100m at 郡上市・熊石洞 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
分 類 | 合同・ファンケイビング | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
入洞洞窟 | 熊石洞(チンチン洞)、蛇穴、上畑洞、美山鍾乳洞(郡上八幡大鍾乳洞、坂辺洞)、GH−16、大滝鍾乳洞、縄文洞(縄文鍾乳洞、安久田地獄穴洞窟、安久田洞、地獄穴) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
日 程 | 2023年4月28日(金)〜30日(日) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
参加者 | 千葉の、脇海道、奥沢、櫻田、山口真也(東山ケイビングクラブ) 以上5名 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
「熊石洞」は岐阜県郡上市にある深さ155mの竪穴である。地R元では合同活動を含めて6回入洞しているが、コロナ禍もあって、最後に入洞してから8年の歳月が流れてしまった。 今回は千葉のリギングリハビリ、奥沢の−100m経験を目的として企画された。また、郡上市の洞窟確認や観光洞巡りを行うことにした。 28日20:00、奥沢が千葉宅到着。ロープやギア類の団体装備を準備を行う。 20:30、山口も千葉宅到着。千葉家ツインズもお手伝い。 21:15、櫻田も千葉宅到着。竪穴装備を持ってきていないことを申告。千葉が貸与。昔だったら残置である。 21:30、山口車Gクラスで千葉宅出発。Gクラスは中古で900万円だったらしい。 「ローソン 国立インター店」で買い物をしてから、千葉運転で中央自動車道・国立府中ICから西走。 24:00、駒ヶ岳SA到着。レジ横で長野県のソウルフード「牛乳パン」を発見。小松パン屋のもので、しかもレアな「イチゴ牛乳パン」(230円)。駒ヶ根市内のイチゴ農園とのコラボ商品とのことで、千葉・山口は早速購入。 山口にドライバーチェンジ。 25:00(1:00)、中央自動車道・中津川ICで一般道へと降り、「デイリーヤマザキ 中津川駒場店」到着。品数が限られている店内から朝食と行動食を購入。 裏木曽街道(国道257号線)を北上。 26:30(2:30)、道の駅 和良到着。そのまま車中で就寝。ちょっと寒い。 29日6:30、岐阜県内に住む脇海道が合流。各自、朝食。「イチゴ牛乳パン」はふわふわ生地にたっぷりクリームで、美味いが寝起きには重い。 地権者とのアポイント時間まではまだ時間に余裕があるため、すぐ近くの「蛇穴」の見学へ向かう。 7:15、割と良い年になってきた大人たちであるが、顔パカなどを楽しみながら和気あいあいと徒歩で洞口へ。 洞口は立派でベンチと小さなあずまやがある。また、看板の裏にも別洞口がある。洞内からは豊富な流水があり、ワサビ畑に利用されている(道の駅でお土産品として入手可能)。 山口は長靴を履いていなかったため洞口で待機。その他のメンバーで内部を探索。洞内は膝下の水流があり、プールになっているところまで行く。 ユビナガコウモリ、キクガシラコウモリ、コキクガシラコウモリの棲息を確認。 8:00、道の駅 和良出発。途中、国道256号線からGH−23を探したり(見つからず)、観光洞「郡上鍾乳洞(油石洞)」の営業状況などを確認しながら地権者宅へ。 8:20、時間がまだ早かったため、近くの旧観光洞の洞口を見学。以前、この洞窟の所有者は美山観光開発株式会社であったが、2022年7月よりアウトドアツアー会社が所有者となったとの掲示があった。 9:00、地権者宅に挨拶。久々の訪問にも関わらず、夫婦で笑顔で出迎えてくれた。 櫻田が警察署と消防署への入洞連絡に手こずっている間(auの電波状況は悪い)、千葉はヤマビルが多くなったこと、林道のこと、旧観光洞のことをヒアリング。 旧観光洞は「怪獣ランド」と書かれていたとのことで、令和のご時世、ある意味逆に新鮮なネーミング。洞内では怪獣が動いていたらしい。まだ観光遺物が残っているとしたら一度覗いてみたいものだ。(後日、観光施設としての名称は「怪獣ランド熊石鍾乳洞」と判明。) 9:30、車で洞口前のご案内頂く。以前は林道から200mほど斜面を登っていたらしいが、近年伐採があったようで、搬出用林道支洞が洞口のすぐ下まで延長されていた。最近体力不足が気になる30代後半にはありがたい。 10:00、準備をして出発。といっても洞口までは徒歩3分。 千葉のリギングにより入洞開始。第1ピッチで使用したロープは強度は問題ないものの、劣化により非常に硬くなっておりロープワークに難儀している様子だった(出洞後に破棄が決定)。 櫻田は待ち時間でロープワークの再確認した後、山口、櫻田、奥沢、脇海道の順番で下降。 その間、千葉は「裏ルート」を探すが14年前の記憶がよみがえらない。唯一、見覚えがあったピッチヘッドで後続を待つ。 第1ピッチの洞床から5mほどの斜面を降り、そこからガレ場を下って第3ピッチとなるのだが、落石が多いため、全員が合流するまでリギングは停止。丁寧な下降ができておらず反省。 12:30、第3ピッチのリギング開始。山口はここは「表ルート」だと主張するが、千葉は信じない。 30mほど下降したところでロープが無くなり、山口にリギング交代。 50mスタティックロープを張りはじめるが、空中でロープが足りなくなり、わずかに立てるテラスで千葉と交信。どうやら裏ルートを来たつもりが表ルートに突入していたらしい。第2ピッチの待機場所上部の残置ロープを辿って行くのが正解であった。 14:30、大雨予報、全体のスキル、出洞予定時刻を考慮してこの時点で撤退を決定。 千葉はデリギングを兼ねて降りてみるが、この恐怖感に「表ルート」だと確信。そういえば、金網のある落石ルートが表ルートであった。時すでに遅し。 一応、全員第3ピッチ途中まで下降して下部を確認。表ルートはまだまだ底が深く、中々の恐怖レベルだ。到達深度としては、千葉・山口はそれぞれ−70m、奥沢・櫻田・脇海道はそれぞれ−50mほどといったところか。 第3ピッチは脇海道、第2ピッチは山口、第1ピッチは奥沢がそれぞれデリギング。 15:30、千葉・脇海道出洞。雨がぱらついてきたので脇海道はひとまず装備を片付けに車へ。 櫻田はディヴェエーション通過に苦しむ。 17:00、全員出洞。櫻田・奥沢により中々時間がかかってしまった。 小雨が降り始めるなか、千葉は警察署と消防署、在京への出洞連絡。やっぱり山ではNTTドコモに限る。 17:15、片付けをして現地出発。地権者に挨拶後、本日の宿泊先のキャンプ場へ向かう。 18:00、和良川公園オートキャンプ場到着。GWということもあり、事前予約では大分混雑しているとのことであったが、あいにくの雨天のためガラガラ。テントサイトもどこでもいいとのこと。他のキャンパーからは大雨の日に、こんな遅くに一体何をしに来たのだろうと思われたに違いない。 脇を流れる和良川もかなり濁ってきた。 18:30、ドームテント、タープなど張り終え、やっと宴会開始。今回は岐阜在住の脇海道より、「鶏ちゃん」など岐阜満喫コースのメニュー構成。「明宝ハム」と「郡上鮎一夜干し」が好評であった。岐阜名物は次回も持参予定なのでお楽しみに。 22:30、就寝。
30日6:30、起床。脇海道はマイカーで、その他のメンバーはテントで就寝したが、夜間の大雨によりテントは浸水し、タープの下に置いてあったものは全てずぶ濡れであった。今回テントは新品をおろしたため一部浸水で済んだ。テント入口付近にいた千葉は肩が濡れたそう。 和良川は濁流。ロープ洗いしたら誰かが消えること間違いなし。 7:30、朝食をそうめんで済ませた後、撤収して出発。2日目は観光洞も含めた郡上・下呂周遊ツアーである。 9:00、とりあえず道の駅 和良到着。併設する「ちんちろ屋」にて、千葉・山口の奢りで「ちんちろ長寿だんご」「明方ハム醤油フランク」を食す。長寿だんごは豆腐を使ったご当地グルメ。ありがとうございました。 トイレを済ませて鍾乳洞巡りに出発。雨は上がっていた。 9:30、まずは入間地区のため池に到着。ここでは「上畑洞」の洞口を上下2箇所確認。下部の洞口からは大量の出水があるため容易に確認できた。上部の洞口からは内部も確認。入洞者がいないおかげか、大量のキクガシラコウモリとグアノを確認。 10:00、今日も休業中の「郡上鍾乳洞(油石洞)」を横目にしてから、「美山鍾乳洞」到着。GWというのに他の観光客は車1台。営業が心配なところだが、洞窟は非常に入り組んでおりとてもボリュームがある。また、ケイビングツアーも頻繁に行われているようで、観光ルート以外にも入った形跡が多い。 ケイバーとしては中々楽しめる洞窟であったが、観光洞としてはルートが長いので一般客には体力的にきついのと、印象的な見どころが少ないところが人気の無い理由なのかもしれない。なお、「美山鍾乳洞」は「プローポーズにふさわしいロマンチックなスポット」として、「恋人の聖地サテライト」に選定されている。本来は恋人同士で記念写真をとるための「しあわせの鐘」というスポットが設置されているが、何故かここで全体記念写真撮影。 11:00、安久田地区の「大滝鍾乳洞」到着。ここは釣り堀や食事処などがあり、先ほどとはうって変わってGWらしい賑やかさだ。 駐車場脇の洞窟「GH−16」を確認した後、「縄文洞」とのセット券1,300円を購入して入洞。 ここは「美山鍾乳洞」よりはルートが短いが、洞口までのケーブルカーや大滝などの見どころがはっきりしている。ちなみに見どころの大滝は落差30mと謳っているが、実際はどう見ても8mほど。測量図を見ると、滝の上層部からの比高は30mだが、滝の水源は+20m地点の斜洞からで、大目に見ても落差20mである。 出洞後は併設する土産屋で押しの強いおばちゃん店員から「特別純米酒 鍾乳洞熟成酒」や「郡上八幡サイダー」(220円)を購入。釣れないことで有名な釣り堀で釣れない女子を眺めてから、レストランで鶏ちゃん定食などを注文。 12:30、「縄文洞」到着。ここは初めて来たが、入口から色々と凄い。入口付近には牙の折れたマンモスが鎮座しており、洞内には縄文人の実物大の像が設置されているらしい。また、「縄文洞ミステリーツアー」と称して照明がついておらず、観光客には受付で薄暗いハンドライトが渡される。我々からしたら大したことはないが、この令和の時代、ここもまた観光客からはさぞ新鮮に感じるだろう。 洞内はそこそこのボリューム感で、いたるところに縄文土器のレプリカや縄文人の像が設置されている。一人で来たら結構怖いかもしれない。照明がないためかコウモリもそこそこおり、コキクガシラコウモリのコロニーの他、テングコウモリもいた。その他、ホラアナゴマオカチグサの殻も沢山見つけることができた。 トイレはかなり昭和の雰囲気が残っていた。 14:30、日本3大名泉下呂温泉に到着。「下呂温泉 望川館」に向かうが、ギリギリで日帰り入浴時間に間に合わず断念。 公衆浴場「白鷺の湯」にて入泉後、加恵瑠神社をプチ見学、「鷺の足湯」に浸かりながら下呂プリンを食べ、「湯島庵」で飛騨牛寿司を味わい、「ヤマカワ招猫店」でお土産購入タイム。 下呂プリンは割と最近できた店で、個人的には「レトロプリン」がオススメ。 16:30、解散。各車帰路へ。 山口車は裏木曽街道(国道257号線)を南下、「セブンイレブン 中津川苗木店」に寄ってから中央自動車道・中津川ICへ。 18:30、駒ヶ岳SA到着。にて夕食。「大正浪漫亭」で駒ヶ根名物「ソースカツ丼」(890円)をいただく。ソースの味がご飯が進む旨さでガツガツいけた。 覚悟していた中央自動車名物「小仏トンネル」も渋滞なし。 21:30、中央自動車道・国立府中ICで降りて千葉宅到着。装備を片付け、びしょ濡れテントも袋から出す。 22:30、山口が奥沢・櫻田をJR谷保駅まで送って解散。
久々のSRTということもあり、チームとして必要な動きやロープワークなどを確認しながらの活動となった。千葉・山口などのベテランメンバーにリギングを任せた一方、不慣れなメンバーはスピードが出ず、降下に時間がかかったことから約−50m地点での撤退となった。限られた活動時間において物理的なスピードは正義。自身も含め、セカンド以降のメンバーにおいては迅速な登下降、ロープワークに努めていきたいと思う。 それにしてもケイビングはやはり楽しい。脇海道は関東から離れて活動し難くなったが、できる限り参加していきたい。(文責 脇海道卓・奥沢香那) |
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