タイトル | 地底旅団ROVER元老院第396回CAVING | ||||||||||||
サブタイトル | ケイバー的、葛生の楽しみ方 at 佐野市・水木鍾乳洞 | ||||||||||||
分 類 | 合同・ファンケイビング | ||||||||||||
入洞洞窟 | 水木鍾乳洞、高松沢鍾乳洞(高松沢の穴)、奥之院(奥の院、奥之院鍾乳洞、観音霊窟) | ||||||||||||
日 程 | 2023年2月18日(土)〜19日(日) | ||||||||||||
参加者 | 奥沢、櫻田、矢島、山田陽介(東山ケイビングクラブ)、荒波遼太(パイオニアケイビングクラブ)、荒波理奈、西尾咲希(以上、東洋大学探検部OG)、有沢芽来(東洋大学探検部)、荒波キッズ2名 以上10名 | ||||||||||||
栃木県南西部に位置する佐野市は葛生地区を中心に石灰岩が分布しており、セメントを始めとした石灰産業が盛んな地域である。1950年代前半、旧石器時代のものと思われる人骨が採掘されたことで、葛生原人が一躍話題となった地でもある(葛生原人は2001年に行なわれた解析により15世紀頃のものと判明)。 今回は「水木鍾乳洞」「高松沢鍾乳洞」でのファンケイビングほか、周辺にある「水木の穴」「高実子の竪穴」の所在地確認、また出流山満願寺境内にある「奥之院」をはじめとした霊窟(いわや)にも観光の範囲で訪れる事を目的とした。大規模な採掘により日々変化している所であるため、現地の状況確認やヒアリングなども積極的に行った。 18日14:30、矢島 ・櫻田がJR横浜駅・東口ロータリーに到着。この日は暖かく、待ち合わせまで時間があるためドトールコーヒーショップ 横浜駅店でアイスコーヒーを購入。有沢の到着を待つ。 14:45、有沢到着。レンタカー(スズキ・スイフト)へ荷物を押し込みしばし歓談。西尾から連絡があり、半休を取得したにも関わらず残業させられていたとのこと。 15:00、西尾が合流して出発。スイフトの荷室はお世辞にも広いとは言えず、どうにか4人分の荷物を押し込む。 首都高速横羽線・東神奈川ランプより、都内を経由して東北自動車道方面へ向かう。 16:00、東北自動車道・蓮田SAにて休憩、程なく出発。 17:00、北関東道・佐野田沼ICで高速を降り、至近のベルク 佐野田沼店到着。先着している荒波家がおでんを作ってくれているとのことで、その量を確認して、食事担当の矢島指揮の下、買い出しを行う。唐揚げ、焼きなすを作ることに決定。そのほか刺身用のカツオ等の食材を購入。 18:30、あきやま学寮到着。管理棟にて各自宿泊者名簿へ記名、予約している宿泊コテージ「うど」へ移動して荒波家と合流。可愛らしい荒波家の天使2人にほっこりする。卓上にはおでん、エビチリ等が鎮座、食欲そそる匂いが宿舎中を満たしている。ありがたい。 19:00、調理開始。唐揚げ店でアルバイトをしているという有沢を期待の眼差しで見守る一同であったが、後にキッチン担当ではないことが発覚する。 荒波家の提案で作りつつ飲みつつの体制に移行。西尾の乾杯の練習を挟みながら、矢島・有沢らが手際よく唐揚げ、焼きなすを完成させる。櫻田は後輩達の活躍を横目にやや手持ち無沙汰。おでんはもちろんのこと、唐揚げ、焼きなす、どれも美味しく、酒が進む。 20:00、奥沢・山田が合流。今回の顔ぶれから東洋大学探検部OBOG会みたいな雰囲気(奥沢以外、全員東洋大出身)だが、これは地R元の活動である。地R元のバカップルである櫻田・矢島の入団(1週間前)を祝して乾杯する。現場帰りで空腹だったのでテーブルに並ぶ料理がとても旨い。 コテージ飯を囲いながら歓談タイム。 千葉から事前に「荒波は敵だから信用するな」と冗談で言われていたが、荒波さんは"サザナミ"のあだ名通り終始穏やかで何か安心するし、いい飲みっぷりの理奈さんはとても愉快な方だし、持参した宝物を紹介してくれた天使たちには皆がべた惚れで、すっかり気を許した。 荒波家が離脱して天使たちがいなくなってしまった後は、ただ酒を飲むしかなかった。何を話したのかよく覚えてないが、なんだかんだ3時半〜4時頃まで語らっていたらしい。 19日7:00、一応起床時刻。ぼちぼち朝支度を始める。眠いのでとりあえずコーヒーをいれて一服する。朝食は矢島が提供してくれたお餅。煮たり焼いたりした餅をきな粉、あんこ、醤油、海苔などテーブルに並んだものを各自好きなようにして食べるセルフ餅バイキング。お吸い物も合わせていただき若干二日酔いには優しい朝食であった。 9:30 宿舎の片付けも済み出発する。活動は2班にそれぞれ分かれ活動した。天気予報は今朝時点では曇りのち晴れだが、どんよりとした空模様である。 【水木鍾乳洞班(奥沢・櫻田・矢島・山田・有沢)】 10:00、地権者宅に到着、挨拶。車を庭先に駐車させて頂いたり、ご主人に洞窟の場所まで案内して頂いたりとご厚意に賜る。奥さんからは携帯番号を教えてもらい、今後入洞することがあれば連絡させてもらうよう話した。 10:15、入洞開始。 地権者宅の庭裏からすぐのところに洞口があった。洞口は2〜3mの竪穴状になっており、足でうまく突っ張るようにして降りるため人によっては降りづらい。まずは奥沢・矢島がクリアしたが、後続の有沢は小柄なため案の定難儀する。山田さんに持参していただいたロープと簡易ハーネス(スリング)を使用して降りた。 測量図を片手に一同は最奥部の地底湖を目指す。唯一の現役生である有沢は、卒業を控える先輩にむけてビデオメッセージを洞内で撮影する目的もあり、オオゲジを背景に撮影できるスポット(水木鍾乳洞にはオオゲジが沢山いる…)も一緒に探しながら進んだ。バカップルを先頭に色々迷いながらも最奥部に到達する。洞窟測量図の読図はこれから練習が必要そうである。 最奥部の地底湖はひっそりと存在して1人ずつ覗いて確認した。地権者の話によると、ボートを持って入洞した学生グループも過去にいたらしい。地底湖の奥行きは視認できる範囲で約4〜5mあり、一応浮かべられるといったところだ。 洞口まで引返す際に、行きの道中で見つけたオオゲジのコロニーを背景に有沢のビデオメッセージを撮影した。 11:30、出洞。雨がパラつき始めたため駆け足で片づける。最後に地権者にご挨拶して「水木鍾乳洞」を後にする。 12:00、強まる雨の中、「農林産物直売所 菜蟲館」にて「高松沢鍾乳洞」班を待って車内待機。 【高松沢鍾乳洞班(西尾・荒波ファミリー)】 高松沢鍾乳洞に向かう林道は鹿除けで塞がれていたため、休業中の「農林産物直売所 菜蟲館」に駐車する。必要な荷物を持って洞口前で準備。 洞口から水没しがちな穴だが渇水の時期に入れたため問題なかった。キクガシラコウモリ、ヤスデの群生を確認。 12:30、両班合流。時間や天候の関係で計画を変更し、皆で葛生名物の仙波蕎麦をいただくことにしたため、蕎麦屋が立ち並ぶ出流山満願寺の参道際へと向かう。 その途中で県道202号線仙波鍋山線からは石灰岩の採掘場を見下ろせるビュースポットがいくつかあり、採掘の様子を少し車を停めて眺める。一山が平らになってしまうほどの採掘規模で年々地形が変化しているらしい。その中で消滅したであろう穴たちを思いながら蕎麦屋へ行く。 13:00、満願寺参道は家族連れなどで賑わっており、久しぶりに人を見かけた気がした。10名でも入店できた蕎麦屋「手打ちそば いしやま」に決定。広々したお座敷に通してもらう。肉汁そば、もり、茶そばなど各々注文。ゆるりとできる居心地が良いお店だった。 14:15、岩手県一関在住の山田とはここで解散。その他は出流山満願寺の観光へと行く。境内には複数の石灰洞があるので、参拝もしつつ洞窟にも入られたらと期待。 受付から参道の階段を登ると立派な本堂が構えていた。奥之院へと続く道は本堂脇から入れる。健脚なら問題ないが軽く登山である。参拝登山道にはユニークな標語の看板が所々にあり読み上げながら頑張る。中々センスある文句が並んでいる。 ようやく奥之院のラストスパートの階段を駆け上がると、参拝口(洞口)すぐにある見事なフローストーンとご対面。十一面世音菩薩の後ろ姿とされるご尊像で、ライトアップもされてより神秘的である。 次に奥之院の階段脇にある「大悲の滝」を見物。滝の流出口は洞窟でもあり、この「胎内くぐり(別名:奥の院横の小穴)」を確認。 更に「大日岩窟」「不動霊窟」「大師霊窟」「普賢霊窟」まで行くべく道を進もうとしたが、「此れから先は案内人無しでは御参り出来ません」と書かれた看板があり、どうやら進めるのはここまでらしいと分かり引き返す。 15:30、下山後に受付でお土産タイム。満願寺は子授かり、安産、子育ての御利益で信仰されており、御守りも色々並んでいたが、酒難除けの一升瓶型ストラップが面白く購入。 また、満願寺の鍾乳洞群について受付のお坊さんに話を伺うと色々教えてもらった。以下、鍾乳洞群についてのヒアリング内容を記す。 「出流山満願寺は令和元年東日本台風(2019年台風第19号)により、奥之院に続く参道が通行止めとなっていたが、2年8ヶ月に及ぶ復旧工事により2022年6月より奥之院への参拝や滝行が再開した。しかし、長らく人間が立入らなかった影響で熊などの動物が降りてくるようになったため、主参道から外れた場所に位置する不動霊窟、大日霊窟、大師霊窟、普賢霊窟へは立入できない状況にある。お坊さんは滝行をしに非公開エリアに立入しているが、土日に観光客が賑わってくれると獣等の心配が和らぐと言っていた。 また、奥之院より奥へと続く道の入り口には、"大日霊窟 此れから先は案内人無しでは御参り出来ません"と書かれた看板がある。50年前には出流山満願寺には多くの修行僧がおり、これは参拝人を案内していた時の名残である。」 ケイビング目的で霊窟群には行けない現状であることが分かった。 お坊さんは話が面白く、他にも色々聞かせていただいた。矢島はお坊さんから「ばっさー(本田翼 )」に似ている!とお褒めの言葉をいただく。矢島のあだ名候補に推薦したい。 16:00、出流山満願寺で荒波ファミリーとお別れ。東京組は5人乗りスイフトを満員にして帰路につく。 19:00、JR王子駅で奥沢が下車。 20:30、JR横浜駅・東口にて解散。
関東圏内で最近入洞してなかった地域として、またお手頃ファンケイビングとしての葛生地区。天候の関係で予定していた山狩りは行えなかったが、「水木鍾乳洞」では地権者にご挨拶もでき、今後に繋がる活動にもなった。また、出流山満願寺の鍾乳洞群についても直近の事情を知ることができた。若手メインの活動だったが今回のような活動も企画して増やしていきたい。(文責 奥沢香那) |
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