タイトル | 地底旅団ROVER元老院第373回CAVING | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
サブタイトル | 夏休み自由研究 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
分 類 | 調査ケイビング | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
入洞洞窟 | 龍河洞、若宮洞(龍馬洞)、甲床洞、天崎鍾乳洞トンネル、伊尾木洞(あなごう) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
日 程 | 2019年8月18日(日)〜20日(火) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
参加者 | 千葉の、千葉諒生 以上2名 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
高知県内で1935(昭和10)年と1936(同11)年に新洞が発見されたという新聞記事を見つけた。その洞窟名は「郷朧洞」と「床華洞」である。 高知県の洞窟に関する資料を確認すると、両洞共に該当する洞窟はなかったが、所在地から「若宮洞」と「甲床洞」のことではないかと推測された。しかし、断定するには資料が少なかったため、現地調査を行うことにした。 なお、急遽決めた計画であったこともあって賛同するメンバーはいなかったため、8歳の息子との父子旅行も兼ねた。 18日4:00、起床。息子を起こして、自宅を徒歩で出発。荷物が重い。 4:45、JR谷保駅に到着。南武線と京浜電鉄にて空港へ向かう。 6:30、羽田空港第2ターミナルに到着。チケットを発券するが、窓側は空いておらず。帰りに期待しようと、初フライトの息子に伝える。現地協力者への手土産を購入。 8:05、全日空(ANA561便)にて出発。機内Wi−Fiで「スパイダーマン スパイダーバース」を途中まで鑑賞。 すると、CAさんが息子に子供用おもちゃ「オリジナルお絵かきボード」をプレゼント。これなら双子も一緒に遊べるねと言っていたら更に2つも頂いた。 9:30、高知龍馬空港に到着。あちこちで島崎和歌子ポスターに出迎えられる。高知では圧倒的に島崎和歌子>広末涼子である。 荷物を受け取り、レンターカー受付へ。少し待って店舗へ送迎。 10:00、「タイムズカーレンタル 高知龍馬空港店」に到着。予約内容を確認して、日産ノートを借り受ける。3日間で13700円也。 同時に貸し出された4台中、唯一のブルーで(他はシルバー)息子は大満足。 荷物を積み込み出発。
洞口までの商店街は16年前の訪問時(地R元第93回CAVING)に訪れた時とほぼ変わっていない印象。いや、シャッターの(洞窟)壁画が描き変えられたか。 11:00、チケットを並んで購入後に入洞開始。 団体客と一緒になってしまったためか、進みがすこぶる悪い。息子に洞内を説明していると、一緒に見学することになった老夫婦からも質問攻めにされる。まぁ、嫌いじゃないけど。 変更点としては、出口までの液晶案内板が新設されていたが、洞内図が分かりにくく、さっそく変更を期待したいところ。 また、照明はカラフルなものになり、個人的にはどうかと思うが、これは流行りということで止むを得ない。 最大の変更は、観光最後のホール「七福神の館」でのプロジェクションマッピングである。BGMと共に約4分間のショートムービーが洞壁に照らし出さた。石器時代へのタイムスリップものだろうか。比較的「静」といった洞窟に「動」を与えるといった点では成功しているが、一本道を堰き止めることになり、繁忙期には観光客のストレスとなるであろう。
土佐刃物を買わないかと勧誘されながら下山。 前回立ち寄らなかった「龍河洞博物館」を見学するが、昭和を感じさせる展示内容と方法。かなり残念である。 「山内浩先生寿像」に挨拶、「龍河洞珍鳥センター」にもちょこっと立ち寄ってから商店街へ。 12:10、土産店「土佐土産ふるさと」にて、アイスクリン、塩けんぴ、ごっくん馬路村(ゆずジュース)を賞味。息子は自由研究のために高知グルメをその場で格付け。 「龍河洞観光センター」でも洞窟関係ものを探したが、持っていない資料などは特になかった。 12:40、フローストーンで覆われた国内唯一の土器「神の壺」、山内浩先生のケイビング黎明期の探検話。この2つを主軸として、太古のロマンと冒険を感じさせる案内ができたら、特色のある観光洞として魅力的なものになったのではないか、と考えながら「龍河洞」を後にした。
店外にはネコバス風カスタムカー、ホウジロザメ、トリケラトプスの頭が転がっている。まずは、大喜びで息子がサメに喰われる。 店内は更にカオス状態で、巨大龍馬像、宇宙人、龍、クジラ、古物などが所狭しと配置されている。まったく落ち着かない。 同じく落ち着かないメニューから、塩タタキ定食、クジラカツ定食、ウツボの唐揚げを注文。値段は高いが、味はどれもおいしい。 器に大当たりの文字があったのでレジで申請すると、1億円札をくれた。最後まで楽しい店で、いつかまた来店したい。 14:00、スーパー「マルナカ 土佐山田店」で食材探し。今夜の宿泊先では夕食が出ないため、事前購入である。高知グルメを探すが、乳酸菌飲料リープル、ミレービスケット、ゆずサイダーはあるものの、カツオのタタキは焼津産の解凍品だったりと期待外れ。後から分かったことだが、イオングループで、四国のスーパーマーケットらしい。 14:20、ガッカリしながらたまたま通りかかったスーパー「バリュー あけぼの店」でリベンジ。こちらのほうは香美市土佐山田町のみのローカルスーパーのようで、高知グルメ度は高く、ウツボのタタキなども売っていた。秘密のケンミンSHOWで見たお目当ての田舎寿司を購入。
現在は日帰り温泉がメインのようで、湯治場として、素泊まり客がたまにいるような雰囲気である。隣接する「湯治場託老所どんぐり」は閉鎖中で、印象としては寂れた場所である。 斜面に建っているため、建物入口は4階部分にあたり、部屋と温泉は3階である。洋室に通されて荷解き。トイレ、洗面台はもちろん、ユニットバスまで付いていた。古臭いが、なかなかの充実ぶりである。冷蔵庫にはブドウ2房のサービス。
道から外れ、橋を渡り、曽我部川支流沿いに山道を登ること70m。洞口が現れた。コンクリートで固められ、鉄格子が固定された洞口からは水が流出しており、曽我部川へと流れている。この支流が新聞記事にあった郷朧谷か。 男性従業員によると、若宮温泉が閉鎖されて数年後に現経営者へと代わり、以前の様子は分からないとのこと。郷朧谷という名称も聞いたことがないという。昭和40年代にはイオン菜と呼ばれるもやしに似た野菜が栽培されていたとのことで、「龍馬洞」として観光化されたという話は知らなかった。 また、平成20年代に入洞した際には、新聞記事にあった杉丸太による通路整備の痕跡、案内板はなく、洞内は崩れて進むことが出来なかったという。危険なため、2013(平成25)年頃に閉洞された。 洞内から延びるホースは、「ニューわかみや温泉」で飲料水や温泉以外として利用されているらしい。 これらの話を聞いた後、洞窟の位置を特定するために地上測量を行った。洞口〜若宮温泉入口は約200mと、新聞記事の約2丁(=約218m)とも合致した。 17:00、やぶ蚊や蜂に追いかけられながら測量終了。入洞はできなかったが、過去の測量図にある洞内名称、洞口位置、地形から「郷朧洞」は「若宮洞」と断定した。 犬に吠えられてから、大浴場にて入泉。他の宿泊者はいないため、内湯、露天風呂、サウナのどれも貸し切り状態。息子は大騒ぎしながら温泉を楽しんだ。 19:00、室内で夕食。事前購入した田舎寿司をつまむ。ゆず酢+野菜という郷土料理で、シャリが美味い代物であった。 それほど市内から離れていないと思うのだが、テレビとインターネットの電波状況は悪い。 星空を観察する予定だったが曇天で断念。 21:00、データ整理してから消灯。2度ほどベッドから落ちる息子。
19日7:00、起床。あまり天気が良くない。 8:00、息子と共に朝のお散歩。まずは犬に吠えられる。 昭和10年の様子をイメージしながら曽我部川沿いを歩くと、比較的新しい祠2つを発券。その隣には施錠された小扉がある。更に進むとお墓であった。 引き返したところで男性従業員と遭遇。あの扉は現在の源泉ということで、現経営者が掘削したとのこと。元の源泉は託老所側に沸いており、いつの頃からか湯量が減ってきたために新源泉となったらしい。祠は山の神と川の神。 また、曽我部川ではツガニ(モクズガニ)が取れ、殻ごと潰してツガニ汁として食べるらしい。 8:30、宿に戻って朝食。朝食だけは頼んでおいたので、フロント前でテレビを見ながらゆっくり朝食(トーストや小夏)。 9:30、ひとりで貸し切り朝風呂。
高知自動車道・南国ICから西走。南国SAに立ち寄ってから、土佐ICで一般道へ降りる。 11:00、土佐市甲原大川内地区に到着。雨が降ってきた。 まずは「甲床洞」があると思われる場所へと続く道を探す。現地協力者による情報と新聞記事から、甲原川沿いにレンタカーで行けるところまで行ってみる。人の気配がないのでヒアリングはできず。
途中でサワガニを捕まえたりしながら、軽自動車しか通れないような車道を進むこと15分、甲原川左岸沿いに延びる山道が現れた。位置的にはこの山道のほうである。 更に5分ほど進むと、右手に山へと登る小道が現れた。 12:00、小道を約60m登ると石灰岩が出現。注意して周辺を探すと、小道から6.5m外れたところに竪穴が開口していた。これに間違いない。 まずはひとりで入洞開始。ざっくり洞内を探索した後、手を貸して息子も入洞。 直径約2.5mの竪穴洞口から−2mの段差を降りると、南と西方向にそれぞれ通路が延びている。 南通路はマイナス傾斜で、直径0.3〜0.4m程度。5m先には空間があるように見える。洞壁にはフローストーンとオオゲジ。子供連れで行くにはリスクが大きすぎる。それに、ケイバーでもなければこの通路を進むという選択はしないのではないか、と入洞を断念。 西通路は水平で、高0.6×幅04mが約3m続く。−2.7mの段差を降りると、北方向には天井高0.8m程度のホールがやや下りながら3つ続いていた。小動物のグアノあり。二次生成物は小規模なカーテンやフローストーンはあるが、新聞記事にあった鍾乳石や石筍は見当たらない。盗掘されたような痕もない。 南通路の先に「龍河洞」を凌ぐという二次生成物や百畳敷の大洞があるのかもしれないが、この入洞ではその気配はなかった。 また、総延長約15mと報告されているが、測量図はなく、最低でも30m以上はあった。 規模や二次生成物は新聞記事とは程遠いが、所在地、洞口サイズ、洞口付近の数値や形態は合致しており、「床華洞」は「甲床洞」と断定した。 13:00、出洞。雨はほぼ上がっていた。 洞窟の位置を特定するために地上測量。こちらは小道のみ測って66.9mで完了。 14:00、レンタカーへ戻り、泥だらけつなぎを着替えてから、周辺でのヒアリングを試みたが人気はなく断念。 大川内地区を出発。 昼食(ミレービスケット)を取りながら、全体的な地形を確認するために谷地地区まで往復したが、かつての景勝地「地床谷」の気配はなかった。やはり川沿いを進むようだ。 斜面には緑色の柑橘類がいっぱい実っている。これは何だろうと息子との会話。 14:30、神谷地区の現地協力者宅へアポなし訪問。表札はなく、周辺に人気もない。おそらくこれであろうというお宅のインターホンを鳴らすが不在。電話をかけると、畑から戻ってきてくれた。近くにいてくれて助かった。 初対面となる現地協力者はほぼ同年代で、文旦農家さん。「甲床洞」のことを報告し、また連絡する旨を伝える。 文旦のことを聞くと、例の緑色の柑橘類であったことがわかった。12月にかけて黄色くなっていくらしい。今度、お取り寄せしてみよう。
それなりに話題になったので訪れたかった場所だが、トンネル上には石灰岸壁がそそり立ち、洞窟が出てきて当然という地形であった。 16:00、高知市内「ブライトパークホテル」に到着。カップルプランで6959円也。部屋からの眺めは皆無だが、立地はすこぶるいい。
藁焼き鰹たたき店「明神丸」で藁焼きたたき(塩)と鰹のハランボ、「珍味堂」でうつぼのたたきと(鯨の)さえずりと川えび、屋台餃子店「ひろめで安兵衛」で屋台餃子、鯨専門店「千松」で鯨ステーキ、土佐料理店「土佐凧」でうつぼの唐揚げ、と高知グルメを満喫する。とにかく鰹たたきが美味い。 相席なので、人が変わるたびに色々と話せるのも楽しい。 息子はランクをメモリながら色々とチャレンジ。鯨ステーキと揚げ餃子のような屋台餃子が気に入った模様。 18:30、席を確保できない人たちも出始め、かなり満腹になったため場外へ。 商店街を散策しながら、なんとなくはりまや橋へ。小さい。。。さすががっかりスポットであるが記念撮影。 19:30、ホテルに到着。風呂を浴びてからオセロ対決。真剣にやったが引き分けだった。 20:30、洞窟調査が前倒しで終わってしまったので、明日の活動を真剣に悩む。日高村内「猿田洞」で遊ぶか、高知市内「菖蒲洞」の洞口でも見に行くか、高知グルメも一通り食べたしなぁ、とマップル高知をめくる。 目に留まったのはホエールウォッチングとドルフィンセンター。前者は距離的に無理だが、後者へは82km程度でイルカと触れあえるらしい。要予約と書いてあるが、すでに問い合わせもできない時間帯。よし、現地で交渉しよう。息子も地上測量を頑張ったのでご褒美活動である。 21:30、パッキングして消灯。
20日6:30、起床。 7:00、チェックアウト。一路、 室戸市に向かって一般道を走る。 香南市内で通勤ラッシュに巻き込まれたが、裏道で回避。途中、コンビニで朝食を購入。 安芸市内では「伊尾木洞」という看板を確認。「伊尾木洞」が高知にあるなんてすっかり忘れていた。これは帰りに寄ることにしよう。
オープン前の扉を開け、予約していないが空きがあるか否かを確認。ドルフィンスイムの2回目なら空きがあるとのこと。5400円也。 1時間ほど周辺を見て回ったり、トイレに行ったりと時間調整。 ちなみに、宮野原@地R元はここで嫁と出会い、2005年に結婚することになった。 9:50、施設に集合。参加者は5名。選択した「ドルフィンスイム」はウェットスーツを着てイルカと触れるというプログラム。 レクチャー後に海水(−7m)へ。まずは触って、一緒に漂って、一芸をさせて、目の前でジャンプ、背びれをつかんで一中して終了となった。 息子は大喜び。いい経験をさせてあげられた。 11:00、終了。着替えてからお土産を買って移動。 11:30、「道の駅 キラメッセ室戸」に到着。 まずは敷地内にあるレストラン「食遊鯨の郷」で昼食。鯨刺身定食、鯨竜田揚定食、鰹の土佐太巻を注文。竜田揚げは、学校給食で食べたものより遥かに美味しい。息子は鯨刺身を気に入ったようだ。 12:15、同じ敷地内にある資料館「鯨館」を見学。古式捕鯨絵図4枚をデジタルアート化して、鯨発見、捕獲、解体まで一気に見せるデジタルアートシアターは素晴らしい出来栄えだった。 13:00、道の駅を出発。
この洞窟は砂岩による約40mの貫通洞。海蝕洞とあるが、どう見ても海蝕洞が河川の浸食によって、現在の形になったもの。暗部にはコウモリ、壁にはフローストーン。貝の化石があると書かれているので、それによるものだろう。 洞窟を抜けると、そこには幻想的なシダ群生の世界があった。支流もあり、渓谷となっているため湿度が高く、「伊尾木洞シダ群落」として国指定天然記念物になっているらしい。時間帯によっては、インスタ映えの写真も撮れるだろう。 300m先には滝があるというので、じゃぶじゃぶと水流を進む。それほど大した滝ではなかった。 帰りは息子のリクエストで、サンダルを流しながら帰る。 14:30、出発。 15:00、給油してから「タイムズカーレンタル 高知龍馬空港店」に到着。返却して、 空港に送迎。 15:15、高知龍馬空港に到着。チケットを発券し、今度は窓側にしてもらう。 空港内で土産を買い、携帯を有料充電。 16:30、おなかは空いていなかったが暇だったので、早めの夕食ということで「レストランチャオ」に入店。息子は味噌カツラーメン、千葉はうつぼのたたきを注文。味噌カツラーメンは和風パーコー麺といった味わいで、想像していたものよりも美味しかった。 18:05、全日空(ANA570便)にて出発。機内Wi−Fiで「スパイダーマン スパイダーバース」の続き。CAさんからは子供用おもちゃ「ひこうきふうせん」のプレゼント。 19:30、羽田空港第2ターミナルに到着。 21:00、京浜急行、南武線と乗り継いでJR谷保駅に到着。 21:30、無事に帰宅した。
「若宮洞」には入洞できなかったが、現地ならではの情報を得ることが出来た。 「甲床洞」はおそらく測量図がないため、詳しく調べる必要性があると思う。もしかしたら、新聞記事にある様な大空間が存在しているかもしれない。 これらの調査結果は、何かしらの形で報告したいと考えている。 また、父子での洞窟&高知グルメ旅はなかなか面白いものであった。息子も喜んでいたので、また手元として連れて行ってみよう。(文責 千葉伸幸) |
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