タイトル 地底旅団ROVER元老院第358回CAVING
サブタイトル 奥多野かんな姫計劃・第7次神流町平原地区洞穴調査
分 類 調査ケイビング
入洞洞穴 荒神穴
日 程 2018年2月18日(日)
参加者 村野て、細野、千葉の 以上3名
持倉集落 鈴波橋 2000年から発動した奥多野地域調査「奥多野かんな姫計劃(プロジェクト)」。2005年6月に「奥多野かんな姫計劃報告書1 群馬県多野郡神流町 立処山洞穴地域調査報告」を発行、第1章立処山地域を終えることが出来た。引き続き第2章を開始、対象地域は旧万場町地区、持倉地区など神流町残地域及び旧鬼石町地区となる。
本活動は、持倉地区の「荒神穴」の測量第2弾を目的として計画された。


18日6:00、千葉・細野がデリカにて千葉宅を出発。

7:00、村野宅到着。合流して秩父市、小鹿野町、土坂峠経由で神流町を目指す。土坂峠付近ではカモシカ2頭とご対面。

9:30、持倉地区の鈴波橋に到着。よく晴れているがとにかく寒い。震えながら着替えや準備を進める。

10:30、徒歩アプローチ開始。林道には雪が積もり、沢は凍り、砂防ダムは巨大な氷瀑と化している。日の光を受けて輝く氷柱や水面を覆う結晶は、フローストーンや浮遊カルサイトを彷彿とさせ、目を奪われるが、いかんせん寒い。

11:30、洞口到着。日向にいるにもかかわらず、やっぱり寒い。まずは昼食を取る。湯を沸かしても、すぐに冷めてしまう。

12:30、入洞。測量開始。体制はスケッチ千葉、コンパス村野、メジャー細野。入洞前にじゃんけんで担当決めを行ったものの、結局は各自が慣れた(?)担当に落ち着いてしまったのであった。
洞口ホールには氷筍や氷柱が美しく発達し、冬の「荒神穴」の新たな一面を見た思いがした。
今回の活動では、最奥部へ延びるメインルートの測量を予定し、まずは洞口からメインルート入口まで、簡易的に測量。ついで、細野がメインルートへ匍匐で突入・・・が、2mほどで氷で閉塞されていることが発覚。まさかの展開である。やむなく迂回ルートを利用し、何とか閉塞部の裏側に回りこむことができた。
回りこんだ先は、距離にして3mほどではあるが、かなり狭いクラック状の通路となる。そこを何とか通過し、1.5mほどの段差を降りたところまで基線を延ばす。
段差を降りたところは、洞奥方面に向けて比較的強い気流があり、じっとしていると寒さが身にしみる。この付近で、テングコウモリ1頭が確認された。

15:00、タイムアップ。その後、千葉・村野で下り傾斜の狭洞を通過してさらに洞奥へ進み、水流部を視察。水流部付近は荒神穴の最下層に当たるが暖かく、冬眠中のキクガシラコウモリが6頭確認できた。
そして改めて気づかされたことは、メインルートとはいえ、この穴は終始狭いということと、測量終了までは、それなりの時間がかかりそうということである・・・。

15:30、出洞。「荒神沢右岸の穴第2洞」を3人で再探索するも、やはり発見できなかった。

16:00、洞口出発。鈴波橋手前にある水穴のある露頭を改めて眺めると、岩壁の中腹と上部に洞口らしきものが視認できた。
細野は前回(第355回CAVING)の活動時、それらの存在に気付いていたようであるが、やはり冬場は見通しが良くなるので山狩りに向いているようである。これらの洞口らしきものは、もしかしたら下層の水穴に通じているのかもしれない。可能であれば、時期を見てアタックしたいものである。

16:30、鈴波橋に到着。

17:00、出発。

18:30、食事処の選定もそろそろネタ切れとなってきたため、無難に「西武秩父駅前温泉 祭の湯」のフードコート「呑喰処 祭の宴」で夕食を取る。前回食べそびれた「炙り豚味噌丼」「秩父味噌拉麺」「しゃくしなチーズ餃子」などを食す。味はやはり観光客向けと見えて、全体的に上品であった。「しゃくしなチーズ餃子」は、チーズがなくても十分旨いのではないかと思われた。

19:30、隣接する「ちちぶみやげ市」でおみやげを購入し、21:00に解散となった。
船子川(持倉沢) 持倉沢第2号鋼製堰堤 荒神穴・洞口
雪のなかをアプローチ 持倉沢第2号鋼製堰堤の氷瀑 「荒神穴」のメイン洞口
荒神穴 荒神穴 荒神穴
洞口ホールにはつららが発達 冷風のなかでのスケッチ作業 テングコウモリ


今年初となる地R元的穴活動は、短時間ながら充実した活動となった。
「荒神穴」測量第1弾は、2009年8月のことであり、第2弾まで9年近い期間が空いてしまった。前回のデータで使用可能であるものは使用するが、ほぼ0からの再スタートとなりそうである。
「荒神穴」は奥多野らしい狭くてループの多い穴である一方、奥多野の穴としては珍しく水流のある洞穴であるし、まだまだ未探検の部分も出てきそうな面白い洞穴である。今後も出来るだけ多くの参加者を募り、しっかりとした測量図を作り上げていきたい。(文責 村野哲雄)

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