タイトル | 地底旅団ROVER元老院第354回CAVING | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
サブタイトル | 岩泉町内未調査洞穴調査 at 岩泉町・宇霊羅山 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
分 類 | 合同・調査ケイビング | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
入洞洞窟 | 左への字穴(逆への字穴)、方解石の穴(水晶が取れる穴、宇霊羅山の竪穴)、宇霊羅山南の小穴1、宇霊羅山南の小穴2 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
日 程 | 2017年9月15日(金)〜18日(月) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
参加者 | 千葉の、細野、杉山、菊地敏雄、松本力、山口真也(以上、東山ケイビングクラブ)、小向益男、田鎖康之(以上、日本洞穴学研究所)、小林日(東京スペレオクラブ)、荒波遼太(パイオニアケイビングクラブ)、山田陽介(東洋大学探検部OB) 計11名 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
岩手県下閉伊郡岩泉町のシンボル「宇麗羅山(うれいらさん)」周辺の洞窟群調査を目的として企画された。 調査対象の1つ目の洞窟は、宇霊羅山の南絶壁にある「左への字穴(ひんだりへのじあな)」である。町中心部からも目視でき、洞口がひらがなの「へ」を左右反対にしたように見えることからそう呼ばれている。岩泉の由来にもなっているこの洞窟には、地元では入った者がいるとも言われているが真相は定かではない。 2つ目の洞窟は、2010年に日本洞穴学研究所の佐々木清文氏によって確認・命名されたが、探検がされていない「宇麗羅山露頭洞穴1」「宇麗羅山露頭洞穴2」である。こちらも宇霊羅山の南面絶壁中にある。 その他、宇霊羅山尾根沿いにあると言われる竪穴「宇霊羅山の竪穴」、横穴「ほらふき穴」など、小規模な洞窟の探査も行う。 絶壁中に洞窟があることが多く、まずはSRTを用いて洞口アプローチを試み、入洞できた場合は探検・測量を行うこととした。 15日23:00、東京都小金井市の細野宅に千葉が合流。千葉車で出発する。 23:30、埼玉県川口市の荒波宅(新築)に到着。燃費がいい?荒波車に乗り換え、東北自動車道・浦和ICより岩手へ向けて北上開始。 16日6:00、東京組は矢巾PAに到着。 7:00、「やまなか家 矢巾PA下り店」の開店を待って朝食。いつも通り、盛岡冷麺や盛岡温めん辛などをチョイス。冷麺はやっぱり上位に入る味である。美味い。 8:00、盛岡ICより一般道へ降りて、まずは給油。国道455号(小本街道)を東へ進む。 9:40、うれいら商店街駐車場に到着。山口車(山口・小林・山田)はすでに到着していた。まもなく、岩泉町在住の杉山も合流。 ここから宇霊羅山を眺める。肉眼でもなんとなく「へ」の字が見える。あれが今回のターゲットか。
10:30、宿舎となる「下岩泉公民館」に移動。館長の合砂さんから鍵を受け取り、使用手順の確認を行う。 11:00、3班に分かれて入洞準備。本日の目的は「左への字穴」「宇麗羅山露頭洞穴1」「宇麗羅山露頭洞穴2」「宇霊羅山の竪穴」である。 12:00、車両5台に分かれて出発。途中「ローソン 岩泉店」にて昼食の買い出し。 12:30、金山林道を進んで宇霊羅山登山口に到着。山中でパトカーとすれ違うが、おそらく対松茸泥棒であろう。 「宇霊羅山の竪穴」に行ったことのあるという田鎖さんが合流。 13:00、アプローチ開始。登山道の出だしはなかなかの急登である。岩場にはロープが設置している箇所もあった。途中までは全員で楽しく登山、班ごとにターゲットに向かって分かれていく。 【左への字穴班(細野・千葉・松本・小向)】 13:20、登山道の途中から左方向(南壁)に向かって獣道を進む。 13:30、まもなく石灰岩露岩が現れ、2つ並んだ小規模の横穴を発見。「宇霊羅山南の小穴1」「宇霊羅山南の小穴2」と命名、細野が一人測量する。 14:00、ここで菊地さんが下山。地上班としてサポートにまわる。 あちこち怪しい箇所を確認しながら南壁基部を西へ進み、岩壁が途切れた箇所から壁上部へと登る。 「うれいら商店街駐車場」「岩泉橋」から望遠鏡で覗く菊地さん電話で「もっと右だ、左だ」との指示を受けて降下場所を探る。 15:00、松本が樹木からロープをセット。絶壁を降下すると−14m地点に特徴的な「へ」の字の形をした洞口を発見。GPSデータを取ってから、洞内を覗き込むと奥行きは1m程であった。登り返す。 15:30、入洞できる規模のものではないとの報告だったので、高所恐怖症の千葉は降下を拒否するも、撮影担当として行ってきてと強要される。渋々降下。 確かに「へ」の字には見えるが、文献にある湧出していたという痕跡は見られず。表面の風化が著しく、単なる窪みかとも思えたが、溶食痕とおぼしきものがあった。一番印象に残ったのはスズメバチの巣とムカデだったが。。。登り返す。 16:00、小向さんが降下。登り返す。 16:30、細野が降下。ロープにぶら下がりながら一人測量。登り返す。 17:00、活動終了。下山を開始する。
【宇麗羅山露頭洞穴班(小林・山田)】 地上班の菊地さんと連絡を取り合いながら降下場所を探る。時間切れとなって洞口へ辿り着けずに終了。 【宇霊羅山の竪穴班(杉山・田鎖・荒波)】 13:45、宇霊羅山の尾根に出る。展望が素晴らしく、街並みが見渡せる。田鎖さんから高山植物である青い可憐な花の説明を受けていると、登山中の地元の子供たちに挨拶される。 田鎖さんの記憶を頼りに洞窟探査。北側の斜面にあるとのことで、登山道から外れてあちこち探しまわる。登山道から続く細い山道を田鎖さんが発見。そこを下っていくとあっさり洞口にたどり着いた。GPSデータを計測。 14:30、杉山・荒波が入洞開始。田鎖さんは入洞せず。 町の方からは竪穴と言われていたが、実際は斜洞というか横穴であり、フリーで約9m降りていくと洞床に辿り着く。全体の規模は20m程か。 特筆すべきは方解石の結晶に覆われている箇所があり、洞床にも結晶が散乱している。意図的にハンマーなどで割った盗掘痕である。 隅々まで探検し、写真撮影を行って出洞。竪穴ではないため名称変更が必要である。単純に「方解石の穴」か。 16:00、出洞。下山。
17:30、全班が宇霊羅山登山口に到着。町内在住の杉山・小向は自家用車で帰宅。他のメンバーは「龍泉洞温泉ホテル」へ向かう。入泉。 18:30、町内のスーパーやドラックストアで買い出し。 19:00、宿舎「下岩泉公民館」に到着。今夜は恒例の松茸祭りである。今年は雨の影響で不作とのかことだが、それでも町民から傷物や傘が開いたものなど何本も頂く。ありがたい。700本限定「龍泉八重桜 龍泉洞貯蔵酒秋あがり純米吟醸」も頂いた。 バーベキューコンロを屋外に持ち出して、宮古産サンマ、岩泉町短角牛、岩泉産松茸を焼く。口直しが松茸という贅沢さ。 また、本日は千葉の誕生日ということで菓子処「志たあめや」の特製コウモリケーキでお祝いのサプライズ。コウモリさんケーキ5体で千葉一家を表現。 24:00、順次就寝。
17日6:30、ほぼ年齢順に起床。おじさんは睡眠するパワーが残っていない。 8:00、入洞準備をしているところに杉山・小向が再合流。 宿舎を出発しようとした矢先に菊地車のバッテリーが上がるというハプニングが発生。杉山車と繋いで応急処置。 「ローソン 岩泉店」で昼食を買ってから移動。 8:30、宇霊羅山登山口に到着。班ごとに活動開始。 【宇麗羅山露頭洞穴班(小林・松本・山口・荒波・山田)】
3ピッチ下りたところで「宇麗羅山露頭洞穴2」の洞口を発見する。しかし、アンカーとロープの装備不足で洞内に入洞することは断念。洞口のGPSデータを計測し、洞口から見える部分の写真撮影を行う。登り傾斜の斜洞で、約3m続いていたが、そこで行き止まりなのか、続いているのかは判断できなかった。 「宇麗羅山露頭洞穴1」らしき洞窟も隣接して発見したが、これらが洞内で接続しているかは確認できなかった。次回の課題となる。 【宇霊羅山の竪穴改め方解石の穴班(細野・千葉・杉山・小向)】 9:30、入洞開始。本日は測量である。スケッチ:杉山、コンパス:千葉、メジャー:細野。スケッチ初心者の杉山に2人がかりで手取り足取りの測量講習会&時々罵倒。もの覚えの悪い杉山はかなりの牛歩スケッチ。小向は写真撮影。 12:00、小向は私用のため離脱。 13:30、杉山の牛歩スケッチに待ちきれない千葉・細野は、恐らく最初で最後の山頂登山になるだろうと、途中で宇霊羅山山頂に向かう。 山頂で鐘を鳴らしてから洞窟へと戻る。山頂よりも途中からの景色の方がきれい。 15:00、スケッチ終了。下山。
16:00、全班が宇霊羅山登山口に到着。「龍泉洞温泉ホテル」で入泉。 18:30、買い出しをしてから宿舎に到着。 19:00、夕食は「上あめや」のホルモン焼き&ホルモン鍋。ウニ味噌焼きおにぎり。 夕食後は「方解石の穴」の測量データを整理する。 24:00、順次就寝。 18日8:00、起床。昨夜の残りもので朝食。朝から焼肉。宿舎清掃。 9:30、宿舎にて解散。菊地は龍泉洞事務所へ挨拶。遠方組は帰途へつく。 22:00、千葉・細野は東京の自宅へ到着。 岩泉町のシンボル「宇霊羅山」、特に絶壁中に開口するという難易度の高い活動であったが、事故もなく終了して良かった。 また、「左への字穴」は地元の方にとってもなじみの深いもので、話にのぼることも多い。今後報告書としてまとまっていくなかで、地元の方がケイビングに興味を持っていただくきっかけとなれば良いと思う。(文責 杉山晶) |
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