タイトル | 地底旅団ROVER元老院第352回CAVING | ||||||||||||||||||||||||||||||
サブタイトル | 奥多野かんな姫計劃・第24次神流町旧万場地区洞穴調査 | ||||||||||||||||||||||||||||||
分 類 | 調査ケイビング | ||||||||||||||||||||||||||||||
入洞洞窟 | コウモリ穴、北コウモリ穴、中コウモリ穴 | ||||||||||||||||||||||||||||||
日 程 | 2017年6月24日(土)〜25日(日) | ||||||||||||||||||||||||||||||
参加者 | 村野、千葉の、細野 以上3名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
2000年から発動した奥多野地域調査「奥多野かんな姫計劃(プロジェクト)」。2005年6月に「奥多野かんな姫計劃報告書1 群馬県多野郡神流町 立処山洞穴地域調査報告」を発行、第1章立処山地域を終えることが出来た。 引き続き第2章を開始、対象地域は旧万場町地区、持倉地区など神流町残地域及び旧鬼石町地区となる。 本活動は、昨年夏の姫プロ・第23次神流町旧万場町地区洞穴調査(地R元第336回CAVING)以来となる塩沢地区の「コウモリ穴」の測量第8弾(ファイナル)、周辺洞穴の測量、地上測量を目的として計画された。 24日23:30、神流町塩沢地区「塩沢ダム」に到着。実は、千葉・村野は細野より1時間ほど先に東京を出発していたのだが、途中の「セブンイレブン 小鹿野バイパス店」にて細野に追い付かれる。いったいどれだけ飛ばしてきたのか、細野・・・。 6月になったとはいえ、深夜の神流町は空気が冷たい。揚げ鶏やカレーうどんなどの温かいコンビニ夜食が嬉しく感じられた。 25:00、消灯。 25日6:00、うっかり予定より1時間遅く起床。雨が降っていながら、時々日差しもある変な天気。まあ穴に入ってしまえば関係ないか。 朝食と入洞準備を済ませ、「コウモリ穴」へと向かう。いつもは栃金田橋たもとの路肩スペースに駐車するのだが、今回は渓流釣りの車両が停められていたため、県道脇の釣り客用(?)の駐車場に駐車。 8:00、入洞、測量開始。体制は、スケッチ千葉、コンパス村野、メジャー細野である。実は、細野は今回が初「コウモリ穴」であった。意外というか、そう言われればそうだったかもというか、複雑な感じであるが、いずれにしてもラスト「コウモリ穴」に間に合って良かった、良かった。 コウモリは、キクガシラコウモリ、コキクガシラコウモリが数頭確認されたのみで、現時点では出産保育洞としては利用されていないようだ。 未測量箇所は、第3洞口のあるホール([仮]ぞうさんホール)の洞床から南方向下方に伸びる支洞で、狭洞部を潜り抜けると、東西方向の割れ目に沿って左右に分かれて発達した通路となる。初めに西方向下方に延びるルートを測量することとした。こちらのルートは、入口は狭くてループもあるものの、奥に行くと人が立てるようになり、比較的測量しやすいルートであった。続いて東方面上部に延びるルートの測量。こちらは奥に行くほど泥が堆積しており、しかも人一人がやっと入れるほどの狭洞+ループのおまけつきで、なかなか「コウモリ穴」らしい、エグいルートであった。 斥候として細野が入洞したが、3人同時の進入はとても無理とのこと。とりあえず細野には近くで待機してもらい、千葉と村野が入れ替わりで測量した。入れ替わるといっても、空間をうまく使って身をかわしながら行わないといけないので、なかなか難儀するルートであった。 ちなみに前回の活動でこのルートを探検した木嵜による口伝では「通路はAの字形をしている」ということであったが、なるほど的確な表現かもしれない。ともあれ、午前中に晴れて「コウモリ穴」の測量を完了した。 12:00、出洞。雨は上がっており、駐車場で昼食を取る。 13:00、活動再開。「コウモリ穴」の第1洞口の上方、岩壁中腹に、以前から穴がありそうと睨んでいた箇所に細野がSRTでアタックをかける。さすがは猊鼻渓で実績を積んでいるだけあって、立ち木をうまくナチュラルアンカーに利用して、岩壁をするすると下降していく。 目的とするテラスにたどり着くと、初めに目論んでいた場所からはずれていたものの、果たして洞口が見つかり、別洞口と接続していることが判明した。位置関係から、「中コウモリ穴」と命名。 細野がSRTのセッティングをしている間に、千葉・村野は「北コウモリ穴」の測量を行い、併せて地上測量も完了させた。 その後「中コウモリ穴」の測量を行い、無事コウモリ穴シリーズの測量を完結させた。 16:00、現地出発。小鹿野町に入り、前回の活動で味をしめた、コインランドリーでのつなぎ洗濯を行う。出来上がりまでの間、「ヤオヨシ 小鹿野店」 でショッピングや秩父のB級グルメ「みそポテト」を楽しむ。なお、この店で売っていたタケノコ(牛の心臓付近の大動脈)は、かなりの美味であったようだ(千葉談)。 洗濯も無事終了し、村野の提案で、西武秩父駅に隣接する「西武秩父駅前温泉 祭の湯」に行くことにした。 17:00、「祭の湯」に到着。ここは今年4月にオープンしたばかりの温泉施設であり、非常にきれい且つ空いており、露天風呂もあって全体として好印象であった。入館料が土日祝日は1080円と、汗を洗い流す目的だけだと若干の割高感は禁じ得ないが、再入場が可能であるため、食事などをしながら半日くらいゆっくり過ごせばかなりお得感があるのではないだろうか。ただし千葉は職業柄、建築上の難点をいくつか発見していたようだ。細かすぎである。
ところで、わらじかつ丼といえば元祖は小鹿野であることは疑いもないことであるが、ここでは“秩父名物”とあるように小鹿野との差別化を図っているようで、丼にふたがなく、小鹿野にはない繊切りキャベツ、紅生姜、糸唐辛子などが添えられている。小鹿野わらじかつ丼的見地からすると、いわば“規格外”であるが、さすがはゴールデンポークを使っているだけあって肉は柔らかく、味付けも多くの人の口に合う薄目で上品なものとなっており、小鹿野わらじかつ丼の入門的な一品といえるだろう。 ここで食べた「しゃくしなチーズのたい焼き」「みそポテト」もなかなかの美味であった。 19:00、物販エリア「ちちぶみやげ市」で地酒などのお土産を購入し、解散となった。 今回の測量で、2006年5月から11年におよぶ(そのうち約10年がブランク)「コウモリ穴」測量が完結した。 「コウモリ穴」の総延長は301.6m・高低差は21.1mと確定した。これは奥多野エリアでは不二洞(587m+)、ちゃんから穴(462.4m)、下穴(320.5m)に次ぐ第4位の規模である。 また、「北コウモリ穴」は総延長4.3m・高低差1.0m、「中コウモリ穴」は総延長3.7m・高低差1.6mとなった。 製図を早めに行い、報告書として形にしていきたい。(文責 村野哲雄)
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