タイトル | 地底旅団ROVER元老院第346回CAVING | ||||||||||||
サブタイトル | 第5次岩手県久慈市山根町洞窟群調査 at 久慈市・新失せ水洞 | ||||||||||||
分 類 | 合同・調査ケイビング | ||||||||||||
入洞洞窟 | 新失せ水洞(水穴bQ、新失水洞) | ||||||||||||
日 程 | 2016年12月28日(金)〜2017年1月2日(月) | ||||||||||||
参加者 | 細野、家崎、菊地敏雄、山口真也(以上、東山ケイビングクラブ)、小向益男(日本洞穴学研究所)、高橋駿介、東口和樹、倉片宏樹、新井健汰、西條達哉(以上、明治大学地底研究部)、田島大貴、有馬千夏、佐藤万耶(以上、東京農業大学農友会探検部) 以上14名 | ||||||||||||
岩手県久慈市における洞窟群調査は1960〜70年代に大学探検部が行なったが、現在残されている報告書は極めて少ない。久慈市洞穴リストとしてまとめられたものには、掲載数値以上の長さであったり、未掲載の洞窟情報が得られるなどしている。そこで再測量や新洞探査が必要と考え、久慈市洞窟群調査の計画立案に至った。 今回の調査は、山根町上戸鎖に位置する洞窟を中心に探検及び測量を行う事を目的として実施された。 28日20:00、山口が細野宅に迎えに来て、東京都小金井市を出発。 21:30、東北自動車道・蓮田SAの「蓮の花」にて夕食。チンタン醤油ラーメンなるものをを食す。 29日4:30、滝沢ICを降りて国道4号線を北上、野田・沼宮内街道(国道281号線)で山形村を目指す。 6:30、宿舎である久慈市山形町「小国地区多目的集会施設」に到着。前日到着して熟睡している学生を起こすのは申し訳ないので、車中で仮眠。 7:30、家崎が岩泉町の自宅を出発。 8:00、起床。学生たちに挨拶、荷物搬入してから朝食。 8:30、家崎が合流。装備部屋にブルーシートを敷くなどの環境整備を行う。 9:00、小向さんが合流。団装搬入と登攀装備を準備。 9:30、「新失せ水洞」へ向けて、まずは測量班が出発。 10:00、現地到着。付近で工事をしている浦和建設事務所のご厚意により、除雪された駐車スペースをお借りする。 「奥測量班」(スケッチ:東口、コンパス:倉片、メジャー:家崎、記録:西條)は、最奥分岐手前の空間「あきらめの間」から「吹上ホール」に向かうルートを測量。「あきらめの間」は二次生成物が豊富で、ループも多く、スケッチに苦心する。昼食を食べずに奮闘するも、ホール部分を書き上げて終わった。 「手前測量班」(田島・有馬・新井・高橋)は、「吹上ホール」から洞口に向かうルートを測量。
登攀1ヶ所目は「吹上ホール」の上部、約70度傾斜を約6〜7m程登攀し、湿った泥と砂が混じり合った洞床の通路とその先にホールを確認する。 14:30、登攀班は測量班の進行状況を確認してから出洞。 15:45、測量班も出洞。 16:00、「新山根温泉べっぴんの湯」にて入泉。家崎は翌日私用があるため離脱。 17:00、買出し班はスーパー「ユニバース 久慈・川崎町店」にて食材・行動食の調達。農大探検部1回生の佐藤さんを久慈駅にて回収。 18:00、買出し班以外の学生と社会人組はゆっくり帰宿。夕食作りの下準備。 19:30、買出し班が帰宿。学生が一斉に夕食作り。 20:20、夕食。キムチ鍋と鳥塩鍋。 21:10、測量班はデータ入力と測図の作成。オジ様たちは飲みながら、順次寝落ち。 30日7:00、宿舎の目の前に設置されているスピーカーより集落全域に向けて大音量で流れる「あまちゃん」の音楽にて起床。毎日7:00と17:00に1分ほど流れる。さすが久慈市。 7:30、朝食。目玉焼、ベーコン、味噌汁。 8:00、活動準備開始。
10:00、登攀班(山口・小向・細野)も出発。活動開始。 登攀2ヶ所目は「あきらめの間」と「吹上ホール」の中間地点。通路上部に天井高約15mの箇所があり、通路からだと左右に続くように見えるため登攀し確認。 約80度傾斜を8m程登攀したところで全貌が確認でき、右側は大きなくぼみ、左側も傾斜のきつく奥行きがあるのだが、支洞等の通路は確認できないために登攀終了。 15:30、登攀班は出洞。 16:00、「新山根温泉べっぴんの湯」にて入泉しながら測量班の出洞待ち。 17:00、測量班が温泉に到着。無事を確認。 17:30、登攀班は帰宿。登攀装備洗いをし、翌日の測量準備。 18:00、測量班も帰宿。またまた学生が一斉に夕食作り。 19:30、夕食。トマト鍋とマーボー豆腐。 20:30、測量班はデータ入力と製図作業。 23:00、順次消灯。 大晦日31日7:00、全員起床。 8:00、朝食。半熟卵、ソーセージ、味噌汁。ここで初めての全体ブリーフィング。 9:00、探検班(学生)が「新失せ水洞」へ出発。
ハーレム班(家崎・東口・有馬・佐藤)とメンズ班(田島・高橋・西條)の2班に分かれて行動。「あきらめの間」から左手の支洞を進み、約幅40cm・高さ30cmの狭洞部を抜けると、高さ約2mの純白の石柱が立つホールに出る。その後も二次生成物が豊富な通路を進んでいくと、黒っぽい貫入岩が目立つようになり、泥の急斜面を下ると、高さ約15mのほぼ垂直の壁になる。 ハーレム班は早々にあきらめ、細かな支洞にアタック。メンズ班は壁をフリーで上って最奥まで探検。100mほど進むと落石でふさがっていたようである。 10:00、登攀箇所測量班(スケッチ:細野、メジャー・コンパス:山口)が活動開始。 登攀1ヶ所目(「吹上ホール」の上部)は、登り着いた箇所より南西方向と南方向に分岐。南西方向へは幅約4mX高さ約3m、奥行き12mのホールとなっていた。南方向へは、幅約2mX高さ約3mを約12m進むと西方向に幅約0.8mX高さ約0.5mの狭い通路が確認。3m程進むと上方向に約5mの地点で閉塞して終わっていた。 登攀2ヶ所目(「あきらめの間」と「吹上ホール」の中間地点の通路上部)は、洞床より+8m地点で空間の全貌が確認でき、南南西方向に約9m地点で閉塞していた。高さ15m×幅12mの大きなホールのような空間となっていた。 15:00、登攀箇所測量班が出洞。「新山根温泉べっぴんの湯」にて入泉。 16:00、探検班も出洞。 16:30、細野・山口は学生に頼まれた不足食材調達のため、久慈市内のスーパーにて買出し。1時間後に帰宿。 18:00、探検班も入泉を終えてから帰宿。学生が一斉に夕食作り。家崎が買ってきた岩泉町「上あめや」のホルモン鍋だけは社会人が調理。 19:00、菊地さんが合流。夕食。ホルモン鍋、野菜炒め。 20:00、登攀箇所測量班はデータ入力。学生は前日まで行っていた測量の製図作業。 23:30、「緑のたぬき」にて年越し蕎麦。 元日0:00、宿舎にて新年の挨拶。洞外で年を越すのは何年振りだろうか…。10年近く「龍泉洞」の第3地底湖での年越しをしているだけに何か物足りない。順次消灯。 7:00、全員起床。 8:00、朝食は目玉焼、ソーセージ、ベーコン、味噌汁。その後はブリーフィング。 9:00、測量班(学生)が「新失せ水洞」へ出発。主洞部測量の続き。
学生測量のお手伝いとして、「吹上ホール」の測量起点より傾斜約60度の箇所を上部まで約20mを測量(スケッチ:細野、メジャー・コンパス:山口)。その間、菊地さんと家崎は、登攀した上部のホールの状況確認が終了したところで、ロープ・ギアの回収。 14:00、細野・山口・家崎は出洞。洞外の川で泥々ロープ、ギア、個人装備、つなぎを洗う。 14:30、「新山根温泉べっぴんの湯」にて入泉。、久慈市内にちょっと買出し&「すき屋 45号久慈店」で遅い昼食。 16:30、帰宿。細野は測量データ入力して基線を作成。 17:00、測量班帰宿。学生が一斉に夕食作り。 18:00、夕食。豚肉入りタラ鍋とスパゲッティ(ミートソースとたらこ味)。 19:00、小国地区の自治会長さんを招き、新年会。参加者全員の自己紹介と自治会長さんの松茸取りから販売や出荷までのお話を聞く。 22:00、自治会長さんが帰宅し、新年会はお開き。その後、測量班はデータ入力と製図作業。 24:00、順次消灯。 2日7:00、全員起床。 7:30、朝食。目玉焼、具沢山の味噌汁。松茸御飯(自治会長さん差し入れ)。ブリーフィング。 8:00、宿舎の掃除開始。個人装備を纏め、明大地底研、農大探検部、社会人に分かれ持ち回りの箇所を掃除。学生数名は消防、警察、その他に活動完了の連絡回り。 10:00、掃除完了。自治会長さんに挨拶を行い、宿舎の鍵を返却。全員解散。 11:00、菊地さん・細野・山口・家崎・東口・有馬は岩泉町へ。龍泉洞所長に新年の挨拶をし、生酒、缶コーヒーを購入。菊地さん・家崎は解散。 14:30、JR盛岡駅のめんこい横丁にある「盛岡じゃじゃめん 小吃店 フェザン店」にて遅めの昼食。土産物屋にて買い物。 15:20、JR盛岡駅前出発。盛岡南ICより東北自動車道を南下。おなかいっぱいなので夕食も取らず、首都高速経由にて中央自動車道の稲城ICで降りる。 22:10、JR南武線「矢野口駅」にて有馬が解散。 22:40、細野自宅到着。以降、山口が東口君を自宅に送り届けて帰路についた。(文責 細野誠) 改めて思ったことは「すごい洞窟だな」ということ。最奥部への探検・上部への登攀で新たに見えてきた可能性。これからもその発見を一緒に見ていきたいと思った。 また、学生たちから大きな刺激を受けた。今年の目標はスケッチのレベルを上げることになった。(家崎) 人工登攀と登攀箇所の測量メインの活動となった。洞床が分厚い泥で覆われている箇所が多く、アンカーを打ち込むところを探し出すのに苦労した。「新失せ水洞」の最奥部分ではループ箇所や、縦に延びる箇所もあり、探検、調査しがいのある洞窟。 今後の調査活動にも参加させていただくとともに、学生ケイバーへ技術的なレクチャーを行っていく必要があると感じた。(細野) |
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