タイトル | 地底旅団ROVER元老院第345回CAVING | ||||||||||||||||||
サブタイトル | オソノエラ洞穴調査 at 山田町・オソノエラ洞穴 | ||||||||||||||||||
分 類 | 合同・調査ケイビング | ||||||||||||||||||
入洞洞窟 | オソノエラ洞穴(オソノエラ鍾乳洞)、[仮]とまりばの穴 | ||||||||||||||||||
日 程 | 2016年12月25日(日) | ||||||||||||||||||
参加者 | 家崎、菊地敏雄(東山ケイビングクラブ)、小向益男(日本洞穴学研究所)、関根博充(三陸ジオパーク推進協議会)、山田陽介、稲浦翼(以上、東洋大学探検部)、田島大貴(東京農業大学探検部)、関真生子(法政大学探検部) 以上8人 | ||||||||||||||||||
岩手県下閉伊郡山田町にある「オソノエラ洞穴」は信仰洞であるが、しばらく所在が分からず、一部では「幻の洞窟」と呼ばれていたそうである。 今回は、地元の方の協力で所在を確認し、概念図作成のための測量を行う目的で計画された。 25日6:00、家崎は岩泉町内の自宅を出発。国道45号線沿いに沿岸を南下。 8:00、家崎・菊地・小向・関は今回の協力者である関根さん宅に集合。宿泊させていただいている学生組(山田・稲浦・田島・関)、関根さん夫妻とお茶っこをしながら、関根さんが釣った尺イワナや、新洞らしき風の吹き出している穴などのお話を伺う。 参加予定だった赤堀(立正大学探検部)・林(東洋大学OG)は欠席。 9:00、各自5台に分かれて出発。舗装道路は早々に無くなり、石が転がったり段差があったりと、ひやひやしながら走る。 9:30、道路から比高約20mの山の中腹に、大きく開いた穴らしきものを発見。学生組が確認すると、以前近辺で採掘されていたというマンガンが転がり、試し掘りらしき痕跡もあったため、坑道と判断。 10:30、現地付近の駐車場に到着。準備。 11:30、急斜面を登ってアプローチののち、「オソノエラ洞穴」に入洞開始。社会人組は洞内確認、学生組は測量を行う。 本来の洞口は幅・高さ共に10m強であったが、現在は巨石によって塞がれて約1mの洞口になっていた。 洞口から入ってすぐに落葉が堆積した大きなホールになり、社が置かれている。オソノエラの由来はその社に餅がお供えされていたからと言われている。 ホールから奥は左右に分かれている。左手に進むと腰まで濡れる深さのプールを約15m進んでいく。菊地・小向・関は胴長ですいすいと渡っていくが、家崎はつなぎのまま腰下まで濡れる。 その先にある小ホールまで南北方向に延びている通路は、貫入岩によって隔てられ、東西へと延びの方向が変わる。 小ホールでは顕著な水平天井やケイブコーラル(洞窟珊瑚)が確認できた。最奥は落石によってふさがれているが、支洞もあり楽しんだ。 右手と左手の通路は最奥部付近でつながっており、帰りは右手の通路を進み、プールの上をチムニーで伝い、洞口すぐの大ホールに出た。 13:00、社会人組は確認終了。昼食準備。洞内でお湯を沸かしてカップラーメン。
14:00、昼食終了。学生組は測量続行。 社会人組は隣接する「[仮]とまりばの穴」の山狩り・探査を行う。以前、マタギが休んでいたから「とまりばの穴」と呼ばれているそう。 竪穴との事前情報により、立ち木にリギングする想定でロープ・スリング・カラビナを背負って急斜面を登るも横穴であった。 洞口は2ヶ所で大きく開口し、奥行きはどちらも約5m。岩陰といってもいいくらいであった。 向かって左手の洞窟は、約10cmの陶器でできた対になっているお稲荷さんがひっそりと置かれていた。奥行きは深くないものの、内部は明らかに暖かく発酵臭がした。 15:30、2台に乗り合わせ、関根さんから教えて頂いた林道沿いの風の吹き出している穴を確認する。 内部に入ると坑道であった。入口付近は石灰岩であったが、途中から岩質が変わっていたので、自然にできた洞穴を拡張して坑道を作ったと考えられる。 枝道やトロッコ道が錯綜する通路を進むと、キクガシラコウモリやコキクガシラクコウモリが随所で確認できた。「オソノエラ洞穴」ではコウモリが見られなかったことから、この坑道がコウモリの生活洞となっていると思われる。 16:30、終わりが見えないので切り上げて出洞。駐車場につくと家崎車のカギがないことに気づく。 17:00、全員の懸命の捜索の結果、林道脇に落ちている鍵を発見。移動中に車が石に引っかかった際、救出しようとしてポケットから落ちたものと思われる。安堵しながら駐車場を出発。 17:45、関根さん宅に到着。挨拶。 18:15、社会人組は解散。家崎は行きと同じく沿岸沿いに北上する。学生組は翌日の活動に備えて関根さん宅に宿泊。 20:30、「ザ・ダイソー 宮古長町店」にて買い物をしつつ、家崎は自宅に到着。
申し訳ないことに最後の最後にアクシデントとなったが、充実した活動だった。 「オソノエラ洞穴」は洞窟の形成の仕方が分かりやすく興味深かった。今回は探検しなかったが、社の上部に繋がる通路や、上層に広がる通路らしきものがあったので、これからも調査していく中で更なる発見も期待できると思う。 (文責 家崎晶) |
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