タイトル 地底旅団ROVER元老院第334回CAVING
サブタイトル 万野風穴生物観察会
分 類 調査ケイビング
入洞洞穴 万野風穴(大日穴)、窓穴、銀河風穴
日 程 2016年7月3日(日)
参加者 千葉の、木嵜、脇海道、木崎裕久(東京スペレオクラブ)、保竹貴幸(富士宮市教育委員会)、山口修次郎、滝沢和宏、千葉諒生(以上、無所属) 以上8名
万野風穴 静岡県富士宮市万野原新田付近には万野熔岩流による熔岩洞が複数開口し、「万野風穴(大日穴)」はそれらの中でも規模が大きく、国指定天然記念物となっている。
今回は東京スペレオクラブにお誘いを頂き、前回調査である1982年以来のコウモリグアノの減少状況、洞窟性の現状調査などを目的とした。
なお、千葉Jr.の初ケイビングも兼ねた。「吉田胎内」「鳴沢氷穴」「日原鍾乳洞」と観光洞には入洞したことはあるが、装備を付けての入洞は初めてである。


6:00、千葉親子・木嵜はデリカにして東京都府中市の千葉宅を出発。
中央自動車道・国立府中ICから河口湖ICへ、県道71号線(通称:開拓道路)経由で現地へと向かう。

7:30、万野風穴池田公園付近に到着。想像していた公園とは違い、メインゲートを求めて2周ほどする。どうやら、看板も無いチェーン施錠された駐車場が正面のようだ。

その頃、脇海道は名古屋からJR富士宮駅に到着、洞窟に向かって5kmの距離を徒歩移動中であった。千葉の好意で車両で迎えに来てもらう。
千葉Jr.は久々に会う脇海道に嬉しそうである。

7:45、公園駐車場にして待機。そこへ山口さんが合流。続いて、木アさん・滝沢さんが合流。
談笑していると、駐車場管理人は隣家の方だったようで、我々が集まっているのを見て早めに開錠してくれた。
池田公園自体は小さな公園で、万野風穴の説明看板と石碑以外は何もない。公園よりも駐車場の方が広い。

8:00、富士宮市教育委員会の保竹氏が合流。木アさんと千葉はご挨拶。

8:30、入洞準備完了。簡単にブリーフィングを行ってから、先ずは駐車場の入口脇にある「銀河風穴」の洞口を確認する。「銀河風穴」は道路工事中に発見されたということであり、マンホールによって入口を確保、内部を覗く事ができない状態で保存されている。規模は大きくないが、洞内は美しいらしい。

9:00、「万野風穴」へ移動。洞口は公園内の施錠されたフェンス内にある。フェンスは所々に穴が開いた状態で、動物侵入や不法入洞の形跡がある。元観光洞(1984年閉鎖)ではあるが、無料で入洞させていたということである。
直径3m程の立派な洞口に設置された石階段を降りて入洞。洞内はほぼ真っ直ぐ一本道で、途中ループして接続している溶岩洞らしい単純な構造で難しいところは無い。暫くの間はコンクリートで舗装された一本道をあるく。内部には電灯や作業機械の部品が残置されている。
途中各所にある水たまりではメクラミズムシの仲間の生息を確認できた。今回は採集許可は下りていないため、詳細な同定は不可。付近が住宅街のためか、獣糞は殆ど見られない。

9:15、観光部終点に到着。鉄柵を乗り越えて洞奥へ。舗装はされていないが、相変わらず起伏もなく天井も高いため歩きやすい。不法侵入者も多いようで、割れたビンや落書きもところどころ見られる。
今回の活動では洞内乾燥化による崩落も調査要項の一つであるが、特別目立った崩落個所は見られなかった。
洞内生成物に関しては、地上のコンクリート由来と思われるカルシウムの結晶が所々見られた。木アさん曰く、過去の入洞(1982年)においては確認できなかったとのこと。
洞内生物に関しては、コウモリ類は本活動ではコキクガシラコウモリ1頭のみであった。コウモリグアノも殆ど落ちていないので、近年においてはコウモリの利用は殆ど無いと考えられる。獣糞に関しては観光部を過ぎると所々にハクビシンの糞が落ちており、糞由来と考えられる椿やスイカの種子が確認できた。新しい糞にはフタバオビヤスデ、シロホタルヤスデ、スズカホラトゲトビムシなどが多数集まっていた。岩の隙間ではホラヒメグモ類を確認できた。

9:30、ループの分岐に到着。ここから先は段々と水分が多くなり、足元はひどいぬかるみになる。溶岩洞なので乾燥していると油断し、長靴を履いていなかった事が災いした。木嵜・脇海道はひざ下まで泥に埋まる悲惨な状況に。泥々のルートを進むとほどなく水没していた。
水没箇所付近は獣糞も無く、洞内生物も特に見受けられなかったため、引き返してループの接続箇所を確認。本洞とは匍匐前進で通れるほどの高さで接続していた。
千葉Jr.の諒ちゃんは終始テンションが高く、楽しんでいるようである。

11:30、出洞。公園の水道で装備を洗ったあと、荷物をまとめて「窓穴」へ。ここで保竹氏は離団した。
銀河風穴 万野風穴池田公園 万野風穴・洞口
「銀河風穴」の入口 木アさんによる概要説明 観光洞の面影が残る洞口
万野風穴 万野風穴 万野風穴
メクラミズムシを確認 発達が遅いという珪酸鍾乳 スズカホラトゲドムシなどを確認

12:20、5分もかからないで「窓穴」脇の駐車スペースに到着。農耕地に所々林が取り残されており、その中に洞窟が点在している。ここは私有地となるので、挨拶してから入洞。
「窓穴」も溶岩洞らしい直線的な構造であり、大きな空間が直線的に伸びている洞窟である。その名前の通り、天井部に窓が開いたように崩落している箇所があり、そこから光が差し込む様子が美しいところだった。
記念写真を取りながら内部を探索。洞窟性生物は見られず、崩落個所から落ちてきたトカゲや甲虫等、地上の生物が多かった。
脇海道・滝沢さんで最奥部を確認。特に何も無く埋没していた。

13:00、出洞。崩落個所の上部から洞内を覗いてから、洞窟付近にある洞窟にまつわる石碑を確認。木アさんの案内のもと、その他の埋没した崩落個所を確認して活動終了。
窓穴 窓穴 窓穴付近
天井部から外光が差す トカゲget 窓穴の石碑と道祖神

14:00、折角富士宮に来たので、ここからは観光となる。
裏目的の一つ、富士宮焼きそばを食べるために景勝地「白糸の滝」にある「平石屋」へ。脇海道は初の富士宮焼きそばを実食。特徴としては、肉の代わりに肉かすが入っていて、魚粉がかかっている。駄菓子屋で出てきそうな味が旨い。ここで千葉が焼きそば代をかけて男気ジャンケン(買った人が全員分おごり)を言い出し、段々といつもの地R元テンションになってくる。結局、言いだしっぺの千葉が負けて全額支払い。
腹を満たしたあとは、国指定天然記念物&世界遺産「白糸の滝」の見学。湧水が地層の変わり目から一斉に湧き出ている景観は圧巻!涼しい風に癒されながら、諒ちゃんと水遊び。この夏っぽい感じが楽しい。
遊んだ後はお土産の富士宮焼きそばを購入するためスーパーマーケットへ。山口さんはここで離団。

16:00 スーパーマーケット「よどばしD’S 万野原店」で買い物。富士宮焼きそばを買い込む。何故か木アさんは桃缶と蜜柑缶を大量購入していた。

16:20、解散。木アさん・滝沢さんはそのまま帰宅。
地R元は観光牧場「まかいの牧場」へ。脇海道は名古屋に転勤してからめっきり諒ちゃんと遊ぶ機会を減らしていたので、大分下がってしまった好感度ランキングを上げるため全力で遊ぶ!乗馬や動物への餌やり、ミニアスレチックなどがあって思いのほか楽しいところだった。

18:00、〆にソフトクリームをかけて男気ジャンケン。脇海道が負けてソフトクリーム全員分負担。
「まかいの牧場」も営業終了、そのまま中央自動車道・河口湖ICから帰路へ。

20:00、大渋滞が発生していたので、「談合坂SA」内のフードコートにて夕食。諒ちゃんは注文した大人用カツカレーがお気に召さず(辛過ぎとのこと)、醤油ラーメンに変更。残したカレーと食べきれないラーメンは、脇海道が愛情パワーで完食!
約3食分平らげ、ただでさえ腹いっぱいなのに、ここでも男気ジャンケンで食べ物を買おうと千葉が言い出す。このノリが好きです。結局、脇海道が負けて、デザートに桔梗信玄生プリンを全員分購入。満腹。木嵜は結局一度も払わずに終わった。憎たらしい。

22:00、国立府中IC経由でJR国立駅に到着。解散。
平石屋 白糸の滝 まかいの牧場
新殿堂入りB級グルメ「富士宮焼きそば」 世界遺産で水遊び 乗馬を楽しむ諒ちゃん


普段は入洞出来ないこれだけの規模の溶岩洞に入洞でき、またそれらにおける周辺環境との関わりや保護に関してお話を聞けたことは非常に貴重な経験でした。
本活動において、巡検とりまとめ頂きました木ア様、また入洞許可・ご同行頂きました富士宮市教育委員会の保竹様にはこの場をお借りして御礼申し上げます。(文責 脇海道卓)

東京スペレオクラブによる動画(山口修次郎氏撮影/約5分)

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