タイトル | 地底旅団ROVER元老院第308回CAVING | ||||||||||||
サブタイトル | 第18次稲荷穴調査 at 遠野市・稲荷穴 | ||||||||||||
分 類 | 合同・調査ケイビング | ||||||||||||
入洞洞窟 | 稲荷穴 | ||||||||||||
日 程 | 2015年6月5日(金)〜7日(日) | ||||||||||||
参加者 | 細野、家崎、山口泰史、菊地敏雄、土田孝之、松本力、山口真也(以上、東山ケイビングクラブ)、柳沢忠昭、渡辺修二、小向益男(日本洞穴学研究所)、鎌田亜裕美、板橋真美(以上、Japan Exploration Team)、濱野佑好、森下玲奈、新井健汰、倉片宏樹、東口和樹(以上、明治大学地底研究部)、馬場一徹、有馬千夏、吹上優芽(以上、東京農業大学農友会探検部)、稲浦翼、山田陽介(以上、東洋大学探検部)、作山宗樹(コウモリの保護を考える会) 以上23人 | ||||||||||||
岩手の名水20選の一つである、岩手県遠野市宮守町達曽部「稲荷穴」。これまで各専門研究者により、蝙蝠類調査、洞内で発見した炭化物調査、鉱物調査、洞内水系調査、洞窟と人との繋がり調査等を実施されてきた。一部は研究機関誌や日本洞窟学会誌に報告、これから作成する「稲荷穴調査報告書」の土台を構築してきた。 今回の活動は、残されていた部分の測量、生物調査、洞内写真撮影、周辺の地下水流入出口マップを作成するための現地調査を行うために計画された。調査期間は6月6日(土)〜7日(日) である。 5日21:30、JR東小金井駅・南口ロータリーにて、細野・山田・稲浦が集合。細野車にて出発。 外環自動車道・大泉ICから乗り、東北自動車道をひたすら北上。2時間に1回は必ずSA又はPAにて休憩はするが、短時間。仕事上がりにも関わらず、睡魔に襲われることなくひた走る。釜石自動車道・東和ICで高速を降りる。 6日4:00、「道の駅 みやもり」到着。向いの「ローソン 遠野宮守店」にて軽く夜食をとってから、各々仮眠。 7:00、細野は一人起床。到着時にはクタクタで見ていなかったのだが、目の前にJR釜石線の橋梁で宮沢賢治の名作「銀河鉄道の夜」のモチーフとなったといわれる「宮守川橋梁」(通称「めがね橋」)を発見。 そして、見たことのある碑が。ここも「恋人の聖地」となっていたのであった。 7:10、家崎は単独で岩手県岩泉町の自宅を出発。国道455号線(小本街道)で盛岡へ出てから、国道396号線(旧釜石街道)を南下する。 9:00、「道の駅 みやもり」に続々と参加者が集まってくる。集合時間までは休憩。 10:00、集合場所である「遠野市役所・宮守総合支所」へ移動。 初対面の方々もいたので、出欠をとる形で挨拶。その後、「ローソン 遠野宮守店」にて昼食と行動食の買い出し。 10:30、宿舎となる「白石涌水7区集会所」に到着。各自、個人装備を搬入して昼食。 12:00、活動開始。8つの班に分かれて入洞する。 【上層探査班(細野・松本】 上層部への登り口より約3m登った所に天井高約0.5mの横に伸びる通路があり、その先を探査した。 洞床には約10cmの泥が積もり、通過するだけで体中が泥だらけになる。 横方向に1m匍匐で進むと奥行2m、幅0.5m程度の空間に出る。洞床が斜めで、一人立つのがやっとの場所であるが、上方に通路が確認できたために登り始める。 傾斜は約70度であり、洞幅が狭いためチムニーで登れそうだが、足を掛けるところが一切ない上に、体中に付いた泥で滑る。 人工登攀というより、足場用の鐙を掛けるためのアンカーを打ちながら約3m登った。横幅が狭くなり始める。 途中でアンカー不足の為、出洞することにした。 【測量班(家崎・鎌田・板橋】 狭洞部「ねこくぐり」より先を測量。L字に曲がった難関は、華奢系女子ももだえる狭さ。 スケッチ・コンパス鎌田、メジャー・記録を家崎と板橋が交代で行う。 「ねこくぐり」測量後、普段は水没している「水くぐり」を測量。今回は水量が少ない絶好のチャンスと、鎌田はウエットスーツを着込み測量する。 【写真撮影班(小向・山口(真))】 洞内を周回しながら各班の活動風景を撮影。主に上層班の撮影を行う。 【洞内生物調査班(渡辺・土田・馬場・有馬・吹上】 生物調査を行い、チビゴミムシなどの観察をした。 【コウモリ調査班(作山・濱田・森下】 約90分観察し、終了後に濱田・森下は測量訓練班に合流する。 【測量訓練班(山口(泰)・新井・倉片・東口】 洞口から「一の分かれ」までの幅2m弱の比較的歩きやすい通路にて測量訓練を行う。地底研OBの山口から現役へ熱い檄が飛ぶ。 【湧水調査班(菊地・山田・稲浦】 区長にご挨拶後、GPSの再計測4ヶ所などを行う。途中で蕨をどっさり採ってくるというおまけつき。 【水系調査(柳沢)】 単独で調査を行っており、いち早く入洞して13時頃には出洞されていた。 18:00、測量訓練班が最後に出洞。 19:00、「ベルプラス 東和店」にて買い出し。 19:30、日帰り温泉「日高見の霊場 東和温泉」にて入泉。かけ流しの湯と、趣ある露店風呂に1日の疲れも癒される。 21:00、宿舎に到着。 22:00、中々お米が炊けず、やっとタコライスの夕食完成。 待っている間に細野・松本・山口(真)はビールでベロベロ。飲んだビール缶をピラミッド状に積み上げて遊んだり、測量練習と称して様々な人の額をポイントにコンパスを向ける。 23:00、ミーティング後に消灯。学生たちは日付が変わっても、山口(泰)に指導を仰ぎながら製図していた。
7日8:00、起床。朝食。活動準備後にブリーフィングを行う。 9:00、6つの班に分かれて入洞開始。 【上層探査班(細野・松本・山口(真)】 アンカーを補給し、前日の最終箇所より山口が登攀開始。目視では人が通れる可能性が低いと思っていたが、思いのほか進むことができ、更に約2m上部に進むことが出来た。タイムアップのために出洞。 人がやっと通れる通路が更に上方へ伸びているため、次回の課題となった。 【生物調査班(渡辺・板橋・倉片)】 「コウモリ洞」周辺のやや狭い部分において調査を行う。 【湧水調査班(菊地・山田・稲浦】 前日に区長さんより頂いた宿題と湧き水調査を行う。 【写真撮影班(家崎・小向】 「六角ホール」手前まで、家崎が時々モデルになりながら撮影を行う。 【データの整理班(山口(泰)・鎌田)】 宿舎にて作業を行う。 【宿舎清掃班(濱野・森下・新井・倉片・東口】 宿舎の清掃を行う。 12:00、全員出洞。宿舎にて昼食。 13:30、現地解散。 細野車(細野・山田・稲浦)は釜石自動車道・東和ICより乗り、東北自動車道を南下。朝食、昼食でお腹いっぱい食したため、夕食をとることなく、また渋滞に巻き込まれることも無く順調に走る。 家崎は東北道の駅スタンプラリーを制覇する為、「道の駅 はやちね」「道の駅 紫波」を経由して、国道396号線を北上する。 17:00、家崎は岩泉町内の自宅に到着。 21:00、細野はJR新宿駅西口ロータリーにて、山田・稲浦と解散した。
今回は総勢23名という大所帯であったが、各班とも効率的に動いていた。探査、測量、生物、水系、山狩り等、多角的に一つの洞窟にアプローチするということが興味深かった。 報告書作成に向けこれから大詰めを迎えるそうで、どんなものが出来上がるか楽しみである。(文責 家崎晶・細野誠) |
|||||||||||||
「活動報告」に戻る 次の「個別活動報告」へ進む TOPへ戻る |
|||||||||||||
2015 Copyright(C) 地底旅団ROVER元老院 cavers_rover_in_tokyo@yahoo.co.jp |