タイトル | 地底旅団ROVER元老院第307回CAVING | ||||||||||||
サブタイトル | 久慈市山根町洞窟群下見調査 at 久慈市・新失せ水洞 | ||||||||||||
分 類 | 合同・調査ケイビング | ||||||||||||
入洞洞窟 | 新失せ水洞(水穴bQ、新失水洞)、蝙蝠穴(コウモリ穴)−失せ水洞(水穴bP、失水洞)、(仮)間伐樹林帯横の穴 | ||||||||||||
日 程 | 2015年5月23日(土)〜24日(日) | ||||||||||||
参加者 | 家崎、菊地敏雄、松本力(以上、東山ケイビングクラブ) 以上3名 | ||||||||||||
岩手県久慈市の洞窟群調査は1960〜70年代に大学探検部が行なったが、現在残されている報告書は少ない。そこで2015年5月2〜6日に掛けて実施した第53次内間木洞調査(第306回CAVING)において、山根洞窟群の各位置と内部確認を行った。 過去全長10mと報告されていた「新失せ水洞」では、水流が流れている水路だけで100mの長さを確認し、水路から枝分かれしている2本の支洞を探検したが、終点まで辿り着く事ができなかった。 「新失せ水洞」に近接した北側には「蝙蝠穴」(総延長730m)があり、「蝙蝠穴」と「失せ水洞」は連結していると推測され、3洞窟の接続が確認されれば総延長1000m規模となる可能性がある。 今回の下見調査は、今後の調査指針となる洞内通路を確認する事を目的として実施された。なお、山根洞窟群は久慈市山根町中戸鎖地区、上戸鎖地区に点在する洞窟群である。 23日9:00、龍泉洞事務所で集合。調査地区に続く県道7号(久慈岩泉線)が工事中につき、10時以降しかゲートが開かないため、しばし作戦会議。 9:30、出発。 10:10、工事ゲートを通過し、洞口付近に車を止める。道路沿いに「山根洞穴群 新失せ水洞」の看板があり。 10:30、活動開始。本日はメインルートと「敏雄支洞」の簡易測量である。記録は家崎、コンパス菊地、メジャー松本の体制。 菊地さんが老眼によりコンパスの目盛がよく見えず、代わりに家崎がたどたどしく読む光景に松本が爆笑。その後もメガネを紛失して探し回る等、老眼事件が続く。 洞口付近は水流があり、洞内は全体的に泥で覆われ、天井付近にまで洞外から流れ込んだと考えられる草木がこびりついている。 途中、高さ3mほどのぬかるんだ斜面を登ると、ミミズが次々と出没。松本が「みみず壁」と命名する。 洞内はほぼ中腰で歩け、フローストーンなどの二次生成物が見事な5m四方ほどのホールもあった。 過去の探検では総延長10mと報告されていた。見過ごすとは中々考えらない通路の規模に疑問を抱きながら進んでいく。 前方に自然光が見え、菊地さんが調査に向かう。出洞時間も迫っていたため、松本・家崎は来たルートを戻る。 14:00 出洞。ゲート通過時に安家地区の方から新しい洞窟の情報を頂く。明日の午前中に調査を行うことにし、急いで「龍泉洞」へ。 14:30、龍泉洞レストハウスにて昼食。家崎は初めて龍泉洞ラーメンを食す。 15:00、菊地さんは龍泉洞温泉ホテルにて日本洞穴学研究所総会に参加。その間に家崎・松本はホテルでの入泉や仮眠をとる。 17:00、同会場にて日本洞穴学研究所総会の懇親会がスタート。松本・家崎も参加させて頂く。 女を見せてみろ、と挑発を受けた家崎はめいっぱいめかしこんでいくが、誰もノーコメント。松本がケイビング普及に向けて熱い思いを語る。 25:00、スナック「かほく」での二次会も終了。家崎は自宅で、菊地・松本は車内にて就寝。
24日9:00、龍泉洞事務所にて集合。 昨日のデータを整理し、「蝙蝠穴」の測量図と照らし合わせる。松本・家崎は「新失せ水洞」は大部分が「蝙蝠穴」と重複しているとの考えであり、菊地は自然光が見えた部分から連結しているとの考え。両者意見を譲らず、結果は測量後に持ち越しになった。 10:40、昨日地元の方から教えて頂いた洞窟を調査する。 山根洞窟群よりやや岩泉よりの県道沿いに位置していた。竪穴とのことだったので期待を膨らませていくも、8mほどで終了。 スケッチ菊地、コンパス家崎、メジャー松本の体制。家崎はクリノコンパスの使い方を教えてもらいながら測量する。 間伐樹林帯の切れ目のすぐそばにあったため、「(仮)間伐樹林帯横の穴」とする。 11:30、「新失せ水洞」に到着。簡単に昼食を取る。 12:00、入洞。2日目はメインルートの次に長く、北西方向に延びる「力支洞」の簡易測量である。 記録は菊地、コンパス松本、メジャー家崎の体制。本日は測量のテンポが早く、「力支洞」を詰めきった後も、大きな支洞を2つ測量。メインルートを比べると通路幅は狭いものの、ストローなどの生成物も所々にあった。また、昨日と同様に天井付近まで泥に覆われ、水没していた痕跡が見られた。 16:00、出洞。 17:00、 龍泉洞事務所にてデータの入力を行う。 18:30、昨晩が遅かったため、詳しい結果は後日とすることにして解散した。
「新失せ水洞」には長内川の水が流れ込み、源泉は岩泉町安家地区にある「清水の泉」とされる。過去の報告によれば、山根洞窟群は「蝙蝠穴」(総延長730m)と「山根洞」(総延長570m)を除いては、「失せ水洞」(総延長70m)、「新失せ水洞」(総延長10m)と小規模な洞窟群とされていた。 しかし、今回の調査で新空間が多数確認された。洞内は天井付近まで水没した痕跡があったり、かなり土砂で埋まっていた。 そのため、30年前に調査した際は塞がっていた空間が、月日と共に水流で土砂が流され、あらわになった可能性がある。(文責 家崎晶) |
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