タイトル 地底旅団ROVER元老院第303回CAVING
サブタイトル 第26次龍泉洞再測量調査 at 岩泉町・龍泉洞
分 類 合同・調査ケイビング
入洞洞穴

龍泉洞(湧口、湧窟、龍泉窟)、五郎兵衛穴、(仮称)西側1穴、(仮称)西側2穴、(仮称)西側3穴、(仮称)東側1穴、(仮称)東側2穴、(仮称)東側3穴

日 程 2014年11月22日(土)〜24日(月)
参加者 細野、菊地敏雄、小向益男(以上、日本洞穴学研究所)、松本力、山口真也(以上、東山ケイビングクラブ)、鈴木雅子(洞窟救助隊)、武繁俊哉(パイオニアケイビングクラブ)、山下泰史、久米大作(龍泉洞カルストプレインプロジェクト)、三澤優、竹林眞葵(東洋大学探検部)、八重樫園、橋本氏(以上、龍泉洞事務所職員) 以上12名
日本三大鍾乳洞のひとつとされる国指定天然記念物「龍泉洞」。本洞穴は透明度日本一という地底湖が見所である、岩手県岩泉町経営の観光鍾乳洞である。
今回の活動は、第7地底湖へのルートで使用されているロープ・金具類の交換作業、「龍泉洞」洞口上部の露頭基部に確認された洞窟らしき箇所の探査、「五郎兵衛穴」の測量を行うために計画された。


11月21日21:30、細野はランクル80にて自宅を出発。途中、千葉宅に寄ってて測量器具を借用。

23:00、鈴木宅にて鈴木さん・山下さんと合流。首都高速道路より東北自動車道に入って北上。
22日5:30、盛岡南ICで降りて給油。
その後、吉野家 盛岡南店にて朝食。目が欲しがってしまい「牛チゲ鍋膳」を注文。さすがに空腹には堪えた。胃もたれしながら岩泉町に向け出発。

8:00、尼額公民館に到着。そのまま仮眠。

11:30、龍泉洞事務所へ赴き、武田所長をはじめ事務所の方々に挨拶。

12:00、道の駅「いわいずみ」にて松本が合流。レストラン「大地工房」にて昼食。JR盛岡駅で合流していた山口・竹林・三澤も合流して昼食。
昼食後、全員で岩泉警察署・岩泉消防署・岩泉病院への挨拶回り。食材等の買い出しを行う。

14:30、帰宿。団装の搬入と環境整備。山下さん・竹林・三澤のSRT講習を行う。久米さん到着。

16:00、ブリーフィング後、装備チェックと活動準備。翌日が朝からの活動である為、本日の活動は早くから入洞し、早めに出洞することとした。

16:30、宿舎出発。この時間であたりは暗くなってきている。

17:00、小向さん合流。最終観光客の出洞が確認されたので活動開始。
【第7地底湖ルートのロープ交換作業班(松本・細野)】
松本は30m地点から第7地底湖へ下るルートの交換作業、細野は天井竪穴ルートを下りながら交換作業を行った。
このルートは開拓された当時のままの状態であり、石灰成分を含んだロープが硬くなっていた。金物系も水滴による錆や劣化、石灰成分によりカラビナが通常開閉出来なくなっていた。

【SRT訓練班(山口・山下・久米・小向・山下・竹林・三澤)】
SRT初心者を連れ、三原峠観光通路足元の竪穴から下降をし、トラバースラインをつたって第一地底湖展望台へ。また、その逆を往復訓練。
第7地底湖ロープ交換が終わった松本・細野が合流し、第7地底湖ファン(松本・久米・小向・三澤)へ行く。
三原峠上部探索班(山口・細野・山下・竹林)は三原峠上部の探索を行う。

【龍泉洞ナイトケイビング下見班(鈴木・八重樫・橋本)】
第3地底湖をボートで渡り、第7地底湖に向かう松本・細野の写真撮影と新企画であるナイトケイビングの下見を行った。

19:30、龍泉洞ナイトケイビング下見班が出洞。鈴木はSRT訓練班と合流。

23:30、三原峠上部探索班が出洞。武繁さん尼額公民館に到着。

24:40、第7地底湖ファン班が出洞。活動終了。

25:10(1:10)、全員が帰宿し、夜食(ホルモン鍋、うどん)をつつきながら各班の活動報告。

26:00(2:00)、順次消灯。
龍泉洞・洞口 龍泉洞・煙突穴 龍泉洞・三原峠
集合写真 第7地底湖に向かう松本 三原峠上部の探査

23日7:00、起床。朝食、活動準備。

9:00、龍泉洞事務所に到着。サポートしていただく方々(対岸の龍泉新洞駐車場にて誘導指示に田鎖さん、観光客への誘導に武田所長)と打ち合わせを行い、龍泉新洞駐車場にて散策箇所の確認。
第7地底湖ファン班(山口・山下・竹林)は入洞開始。

10:00、アプローチ開始。人工トンネル出口の上側付近から入山し、一気に山の中腹まで登って東へ向かう。

11:30、「五郎兵衛穴」洞口到着。落葉で埋まった洞口を掘り返し、測量班(菊地・鈴木・武繁・三澤)は測量開始。

11:45、新洞探査班(小向・松本・久米・細野)は対岸から確認できた洞窟らしき箇所の上部に到着。

12:00、細野が下降のため立ち木にリギング開始。10m程なだらかな斜面を下降し、露頭上部より更に10m直下して基部に到着。続いて松本・久米・小向の順に下降。
対岸から確認した洞窟らしき箇所は単なる窪地であることが確認できたが、露頭基部が東西に広がっているため、探索を行う。限られた時間内での探索であったため網羅することは出来なかったが、6箇所の洞窟を確認した。

「(仮称)西側1穴」
洞口(高さ1.2m×幅1.3m)から南西方向に伸び、+9度の緩やかな斜洞。総延長2.75mで収束して終わっており、洞床は流入した土、洞壁には乾燥した二次生成物が少量確認できた。

「(仮称)西側2穴」
洞口は露頭の基部から約1mの高さに開口。洞口(高さ1.0m×幅1.1m)から南東方向に伸び、洞口より+20〜+40度の急峻な斜洞。総延長8.22mで収束して終わっている。洞床は泥、洞奥の洞壁は湿ったフローストーンで覆われている事が確認できた。

「(仮称)西側3穴」
洞口(高さ1.7m×幅3.0m)からすぐに+1.3mの段差となる。南東、南西方向に分かれて伸び、南東方向は高さ0.7m×幅1.0m、傾斜+23度の通路を約3m進むと北方向に変わり傾斜−15度を約2m進むと、もう一つの洞口より洞外に出る。
南西方向は高さ1.0m×幅1.1m、傾斜+13度の通路を約7m進むと、洞壁は湿ったフローストーンで覆われている事が確認できた。総延長12.2mで収束して終わっている。

一方、下降した箇所より東側の3洞は時間の都合上簡易測量(距離のみ)となってしまった。
「(仮称)東側1穴」
洞口(高さ約0.6m×幅約1.0m)から南西方向に伸び、総延長約3mで収束して終わっている。洞床は流入した土で、二次生成物は確認できなかった。

「(仮称)東側2穴」
洞口(高さ約1.0m×幅約1.0m)から南方向に伸び、傾斜約+10度の緩やかな斜洞。総延長約7.2mで収束して終わっている。洞床は泥で、最奥個所で乾燥した二次生成物が少量確認できた。

「(仮称)東側3穴」
洞口(高さ約1.0m×幅約1.5m)から南方向に伸び、傾斜約+20度の緩やかな斜洞。総延長約9.5mで収束して終わっている。洞床は泥。最奥個所は幅3.0m程のちょっとした空間で湿ったフローストーンや太さ20cm程の石柱が確認できた。

16:15、タイムアップのため現場活動終了。全員が登り返し、松本のデリギングにて装備回収。下山開始。

17:00、龍泉洞事務所に到着。第7地底湖ファン班と先に下山していた五郎兵衛穴測量班と合流。サポートの皆様にお礼を言い、成果を簡単に報告。

18:30、龍泉洞温泉ホテルにて入泉をしてから尼額公民館に帰宿。

19:30、夕食。各班の活動内容を簡単に報告。

22:30、順次消灯。
龍泉新洞駐車場 五郎兵衛穴 宇霊羅山
龍泉新洞駐車場にて対岸の岩帯確認 枯葉で埋まっている「五郎兵衛穴」 西側1穴(手前)と西側2穴(奥)
宇霊羅山 宇霊羅山 宇霊羅山
洞窟かと思われていた窪地 露岩を下降する小向さん 岩帯基部より対岸を見下ろす

24日5:00、山下さん・武繁さん帰京。

8:00、全員起床。朝食(あまり食材)。

9:00、尼額公民館の片付けと清掃。

10:00、龍泉洞事務所へ挨拶。警察署・消防署・病院への活動終了報告し、現地出発。

11:30、ちょっと早い昼食。道の駅「三田貝分校」の食堂で細野は昔懐かしい数量限定の「給食定食」を注文。鈴木さんが注文した短角牛肉を使ったカレーは値段のわりにボリューム満点。

12:30、道の駅「三田貝分校」出発。ここで全員解散。各車帰路に着く。

21:00、鈴木さん宅到着。

22:00、細野宅到着。


今回の活動は「龍泉洞」の調査活動とはならなかったが、劣化が気になっていた第7地底湖ルートのロープ・金具類を交換することができ、今後の活動でも安心して活動することが出来るようになった。
龍泉洞上部の新洞窟調査活動に於いては、小規模ながらにも6箇所の洞窟を確認できたことは嬉しい結果であった。時間に限りが有り、岩帯すべての確認が出来なかった為、まだ新洞が発見できる可能性はあると感じた。
今回、確認できた全ての洞窟を測量しきれていないため、他スタッフの方々の御協力が得られれば、再度周辺探査と測量をしたいと思う。(文責 細野誠)

「活動報告」に戻る
 次の「個別活動報告」へ進む TOPへ戻る

2015 Copyright(C) 地底旅団ROVER元老院
cavers_rover_in_tokyo@yahoo.co.jp