タイトル | 地底旅団ROVER元老院第301回CAVING | ||||||
サブタイトル | −87mのV字型竪穴 at 岩泉町・素岩の穴 | ||||||
分 類 | 合同・ファンケイビング | ||||||
入洞洞窟 | 素岩の穴 | ||||||
日 程 | 2014年9月13日(土)〜15日(月) | ||||||
参加者 | 細野、菊地敏雄、松本力(以上、東山ケイビングクラブ)、小向益男(日本洞穴学研究所)、久米大作(龍泉洞カルストプレインプロジェクト) 以上5名 | ||||||
「素岩の穴(はだかぐらのあな)」は日本唯一と言われるV字型竪穴である。地R元的には第165回CAVING以来の9年振りの入洞となる。 13日22:30、細野は東京を出発。4ヶ月振りの単独北上だが変化は何も無い。 14日4:00、2時間おきに数分の休息を取りながら東北自動車道・盛岡南ICで降りる。給油。 6:00、ローソン 岩泉店にて軽食を購入してから宿舎の尼額公民館に到着。菊地さん、松本、久米さんは小部屋でグッスリお休み中。 調理場でコソコソと軽食を食していると、別活動をしている東洋大学探検部の面々が起きてきて、朝食の準備。数名は知っていたので、彼らに挨拶するが、他学生たちは「誰だこの人?」って感じだったようだ。 少しでもと思い仮眠に入る。 7:30、学生たちの朝食に合わせて起床。おすそ分けをしてもらい、再朝食。簡単にブリーフィングを行う。 8:30、装備準備。現地のアンカー状況が分からないので、登攀装備と、過去の活動情報より50mロープの2本を準備して宿舎出発。 素岩沢がなかなか発見できず右往左往したが、何とか発見。 10:30、林道に車を止めアプローチ開始。枯れ沢の素岩沢を約200m登ると、沢の真ん中に石灰岩が現れ、基部から約5m上った箇所に竪穴状に開口していた。 12:00、入洞開始。細野が電動ドリルを抱えトップで入洞。 9年前から誰も入洞していないとの事だったので、アンカーの状況を確認し、必要と判断した所は打ちながら下降。洞口から下り斜面、流入した泥や枯葉が堆積していて、滑りそうになる。 約8m進むと垂直に約10m落ちこんでおり、そこを下降すると第1テラスに到着。テラスと言っても傾斜があり、一人が待機できるくらいのスペースで一面礫が堆積している。 その下の「踊り場」と呼ばれるホールまで下降。移動中は落石が多く危険なので、松本へコールをした後、安全な場所で待機。 松本の到着後、狭洞部を抜け再びリギング。急勾配の斜洞を下降し、小ホール「戻りの間」に到着。ここで洞口付近で待機していた小向さんと久米さんへコール。 細野はその先の狭洞部を通過し、状況を確認すると約5mの段差。そこが最深部「ジャリ地獄」となるのだが、「あれ?ロープが足りない!」過去の活動報告の反省点から大目にロープ持って来ていたのに何故だろう。と言っても無いので、明日のV字昇り返し用ロープと一緒に持って来て続きを行うこととした。 小向さんと久米さんが「踊り場」で待機していたが、「戻りの間」は大人2名がやっと待機できる位のスペース。入れ替わり立ち代りで「戻りの間」まで来てもらおうと思ったが、予定以上に時間が過ぎていたためタイプアップ。全員が出洞体制になる。 ホールは大量の礫が洞床を覆っているため、全員がいっぺんにロープに取り付くのは危険なので、出洞も思った以上に時間がかかった。 16:00、全員出洞。外は大粒の雨となっていた。 17:00、龍泉洞温泉ホテルにて入泉。その後、この時期恒例となっている「さんま祭」を行うため、事前にお願いしていた秋刀魚50匹と他食材の買い出し。 18:00、「さんま祭」準備開始。BBQコンロに炭を入れ、火を付ける。雨もやみ、風も穏やかになっていた。秋刀魚を焼きながら、ビールで乾杯! 小向さんが山で採れた松茸を差し入れてくれたので、その場で割きながら焼き、食す。贅沢な秋の味覚満載の「さんま祭」となる。 19:00、別活動をしていた東洋大学探検部が帰還。明神穴祭りで焼き肉をたらふく食してきたようだが、秋刀魚を振舞う。「おなかいっぱい」とは言っていたが、焼秋刀魚、焼松茸もたらふく食べていた。 21:00、秋刀魚は数匹が残ったが皆満足。片付けを行い、宿舎内で再度飲み始める。 23:30、順次消灯。 15日8:00、遅めの起床。またもや、朝食のおすそ分けをしてもらう。 9:00、装備準備。30mロープ、1本、登り返し用50mロープ2本を準備して宿舎出発。 11:00、林道に車を止めてアプローチ開始。 細野、松本、小向さん、久米さんの順番で入洞。「戻りの間」の奥で松本が下降しているのを待っている間、周りを見回してみると、コウモリの亡骸が4体見られた。途中も何体か確認できたのだが、狭い空間で、しかも一部狭洞部分が有るので、戻ることが出来ず絶命してしまったのだろうか。壁面の20cmもないちょっとした平らな場所で2体の亡骸が寄り添うようにして存在していた。 松本が下降してきたのでロープセット。細野が5m下降し、最深部「ジャリ地獄」に到着。 「あれ?通路が無いぞ?」 洞床が砂利で埋め尽くされており、通路と思われる個所が完全に埋没していたのである。待機していた松本を呼び、状況の確認。最深部の奥からは水流の音が聞こえているため、通路が有ることは間違いないのだが、砂利はかき出すという量でもなく、かき出した砂利を置くスペースも無く、道具もないため、活動断念。次回の活動でかき出す作業を行うようにした。 13:00、待機場所が狭いので、後続している小向さんと久米さんと入れ替わり立ち代わりで最深部を確認してもらう。重い思いをして持ってきた50mロープを持って登り返すことになってしまった。 15:00、全員出洞。デリギングと砂利除去作業は一週間後に行われる「素岩の穴」ファンケイビング活動で行われるため、リギングしたロープ類は残置。小向さんと解散。 16:00、装備片付けと撤収準備。 16:30、尼額公民館にて全員解散。三連休最終日で渋滞が予想されたが、いつも渋滞している個所の通過時間が遅かったため、渋滞も無く南下。 25:00、細野が自宅到着。 二次生成物が少なく、見どころが少ない洞穴であったが、初入洞であったため、楽しかった。事前情報で水没はあり得るという事だったのだが、砂利で埋没しているとは思ってもいなかった。次回は砂利の撤去を行い、V字反転の先である、最奥のホールまで行ってみたい。 また、恒例となっている「さんま祭」では旬の秋刀魚と地元の山で採れた松茸のBBQは続けて行きたいと思う。毎回地元の方が松茸を差し入れてくれることに感謝!(文責 細野誠)
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