タイトル 地底旅団ROVER元老院第300回CAVING
サブタイトル 日本洞窟学会第40回大会・七釜大会
分 類 大会ケイビング
入洞洞窟 森のポノール(森野ポノール)、淵ヶ洞、七ツ釜鍾乳洞(清水洞)、龍王洞
日 程 2014年9月4日(金)〜7日(水)
参加者 千葉の、宮野原、木嵜ほか 以上参加者約60名
長崎県立西彼青年の家2014年の日本洞窟学会大会は、石灰質砂岩洞「七ツ釜鍾乳洞」がある長崎県西海市にて開催された。後援は西海市教育委員会・NPO法人西海市観光協会。期間は9月5〜7日である。
「七ツ釜鍾乳洞」とは観光洞である「清水洞」のことで、「七釜鍾乳洞」は国指定天然記念物名であり周辺10洞窟の総称。なんともややこしい。
2009年から行われた「天然記念物"七釜鍾乳洞"天然記念物緊急調査」によると、周辺には35洞窟があるとのことである。


4日14:00、宮野原は宮崎県西都市を車両にて出発。「長崎空港に迎えに来い」との千葉の命令である。
ナビには所要時間4時間30分、距離320kmと表示される。千葉はまったく地理が分かっていないようで、迎えに行くような距離ではない。    

16:00、九州自動車道・宮原SAにて休憩。すでに熊本県内だが、宮崎のお土産を購入。これを貢いで何かいいものを食べさせてもらう作戦。

18:00、長崎自動車道・大村湾SAにて2度目の休憩。駐車場で車内に掃除機をかけてクリーンナップ。ちょうど掃除が終わる頃、千葉より予定通りフライトする旨の連絡がある。

18:30、長崎空港すぐ近くの海岸端にある森園公園に到着。飛行機到着まで時間があるので、降車して海岸沿いの歩道を歩く。
周囲は夕日を見るカップルばかりで、男一人さみしい。航空自衛隊の基地が近いのか、時折、爆音とともにヘリコプターが離発着している。蚊が多い。デング熱が心配だ。。。

18:35、千葉は羽田空港からソラシドエア(スカイネットアジア航空)にて離陸する。

20:30、長崎空港にて千葉・宮野原が合流。再会を祝っての豪遊のため長崎市内へと向かう。

多ら福 亜紗
長崎名物「ハトシロール」
21:30、居酒屋「多ら福 亜紗」に到着。まずは刺身盛り合わせ、地元の野菜を食べながらビールがすすむ。
千葉は昔を思い出しながら鯨のカツレツを食べる。なんでも給食に鯨が出ていたとのこと。宮野原は30円のビッグカツとの違いがわからないと評価したため、危うく除名されそうになる。
その後も、アオリイカ刺身やハトシロールなど、海の幸山の幸をたらふくいただきお腹いっぱい。飲み代12800円は貢物の甲斐あって、800円以外は千葉のおごりとなった。

25:00、店近くのパーキングで車中泊。しかも繁華街ど真ん中にありながら、1時間100円という超優良パーキング。ところが真夜中、ビルに囲まれていることもあり無風。あまりの暑さで全ドア解放。幸いデング熱ウィルスを媒介する蚊がいなくて助かった。
ちなみに千葉の寝顔は熊本ゆるきゃら「くまモン」みたいだった。人間皆、寝顔だけは優しいものなんだなぁと少し悟った。

5日6:50、起床。西海市へ向けて、外海経由(国道202号線)で北上開始。若干、胃もたれ状態。
とりあえず朝食をと思ったが、どうやら山道に差し掛かる最後のタイミングを逃したようで、1時間ほどコンビニも何もない沿岸道路を彷徨う。まさか現地にもコンビニがないのでは?と少し不安になったが、なんとかファミリーマートを発見。

8:30、七ツ釜鍾乳洞事務所に到着。まだ数名しか到着していないなか、後藤さん・中込さんと再会。宮野原は実に10年ぶりである。
次々と参加者が集まるなか、千葉はスロベニア人のブラシュと交流。クリジィナ洞やポストイナ洞、ビールの話で盛り上がる。また、曽根さんからはチビゴミTシャツを頂いた。
入洞準備をしていると、怪しい怪しい風貌の田村さんと再会。またまた宮野原は10年ぶり。

10:00、七ツ釜鍾乳洞事務所付近の駐車場ヘ移動して、染谷会長らによる挨拶とプレ巡検ブリーフィング。3班に分けられ、千葉・宮野原は竪横複合洞「森のポノール」へ入洞が決定。 サポートスタッフは山口大学洞穴研究部と北大探検部である。

10:15、アプローチ開始。10分ほど道路を歩くと、田んぼの脇に竹林があり、林道が現れる。ここから山道バンブーロードを10分ほど歩くと、ひと際鬱蒼とした緑の奥に、巨人の背中のような岩肌が目前に現れる。そしてこの基部にはポッカリと洞口を開けて待っている。

10:30、まずは村上崇史さん(山大洞研OB)・清水こなつ嬢(山大洞研)・戸澤茉莉花嬢(山大洞研)・千葉・宮野原が入洞開始。 なるほど、洞壁は非常にもろく、アンカーは効かなそうである。
堅穴部−12mにはワイヤーラダーを設置。大きな崩落岩でアンカーを取り、ビレイロープは村上さんが寝転がってブーリーを使い方向調整。
茉莉花嬢、千葉、宮野原の順で降下開始。前日までの降雨によってできた滝にうたれてびしょ濡れ。野武士の荒行のようなものだ。
最低部は支洞が2本。川が流れ、純白の二次生成物もある。小規模空間ながらなかなか楽しめる。
ここで曽根さん勅令による虫採集を実施。千葉・宮野原両名は、茉莉花嬢が必死に吸虫管を吸う姿の可愛さに心を奪われる。夕方合流予定である妹分の木嵜ちひろとのトレードを提案。協議の結果、木嵜を売りに出すことに決定した。
出洞開始。
待ち時間にラダー近くにいた山大生、北大生に滝行を命じると快く修行開始。最近見なくなった、気立ての良い若者に感動していると、石につまづき半蔵水没・・・。よりによって一番の荒行を成し遂げてしまった。

13:00、「森のポノール」出洞。順次下山する。

13:30、帰路、時間に余裕があったので「淵ヶ洞」に立ち寄る。小川の脇に洞口があり、洞内は轟々と水が流れる。機会があれば、最奥まで詰めてみたい洞窟だ。

14:00、駐車場にて昼食。

15:00、木嵜はソラシドエア(スカイネットアジア航空)にて長崎空港に到着。その直後、千葉・宮野原から長崎名物「ワラスボ」をご所望との連絡あり。レンタカー手配後、店員さんにワラスボが買える場所を尋ねるも、簡単に入手できるか不明。地元の方も通う「道の駅彼杵の荘」なら置いてあるかも知れないと教えてもらい出発。

15:30、木嵜は「道の駅彼杵の荘」に到着。彼杵は鯨が有名なので、鯨の刺身はあるが、ワラスボは置いていない。鯨カツなど代替購入。ここでご当地料理なのか「鯨のだご汁」を頂く。鯨の風味が強いが柚子胡椒との相性が良い。
「ハウステンボス」などをチラ見しながら宿泊所へ。途中、店に立ち寄り探すもあえなく撃沈。

15:30、巡検全班が帰還。

16:00、巡検班全体解散。
千葉・宮野原・田村さんの3人で、観光洞「七ツ釜鍾乳洞(清水洞)」へ行く。内部はなかなか高低差や距離もあり、楽しめた。売店では鍾乳洞の水で作ったラムネを購入。ほんのり鍾乳洞の味がした(ような気がした)。
従業員の方に、向かいにあった「西海楽園」は、「七つ釜観光ホテル」と共に7年前に閉園したとのこと。マニアックなテーマパークだっただけに残念である。そういえば40mの聖観音像も撤去されていた。

17:00、「道の駅さいかい みかんドーム」に移動。お土産を物色しつつ、柑橘系シャーベットを食べる。

17:30、宿泊所「長崎県立西彼青年の家」に到着。

18:00、木嵜も宿泊所に到着。車から降りる間もなく、千葉から「歯ブラシ買ってきて」と新たな指令が。体育館で寝ていた宮野原と合流し、ワラスボが入手出来なかったことを罵られながら、再び探しに行くが、近くの魚関係店舗は片っ端から閉店。実に残念。干潟のエイリアンはまたお預けである。

18:25、千葉は評議員会へ出席。

18:30、宮野原・木嵜は宿泊施設内の展望台で夕日を眺める。一応、茉莉花嬢とのトレードの話をしてみたが、あっさり断られる。

18:50、宮野原が大会を離脱(26:30に帰宅)。

19:00、評議員会を中断して大会参加者全員で夕食。

20:00、評議員会再開。今回は議題が多く、結果的には3時間半の長期戦となる。木嵜は評議員会の書記になるものの、内容の前後関係が全くわからず苦悩。

23:00、評議員会終了。そのまま、千葉・木嵜・後藤さん・中込ちゃん・村上さん・戸澤茉莉花嬢・田村さんでプチ飲み会。
適当に順次消灯。
七ツ釜鍾乳洞付近の駐車場 森のポノール・洞口 森のポノール
巡検スタッフの山大洞研など 「森のポノール」の洞口 最初の−5m落差
森のポノール 森のポノール 森のポノール
−12m落差にはワイヤーラダーをセット 吸虫管を使っての採集 むしとった!
淵ヶ洞・洞口 七ツ釜鍾乳洞(清水洞) 七ツ釜鍾乳洞(清水洞)
「淵ヶ洞」へ寄り道 観光洞「七ツ釜鍾乳洞」の施設 観光部内の様子

平和公園
原爆落下中心碑
6日6:00、千葉は木嵜を引き連れて宿泊所を出発。長崎観光である。大村湾経由(国道206号線)で南下。

7:30、長崎市営競技場に駐車して「平和公園」に到着。原爆落下中心碑、浦上天主堂遺壁などを見学する。やはり実際に訪れてみないと、地形などは分からない。

8:00、「長崎原爆資料館」を見学。中国人団体客のマナーの悪さには閉口する。

9:30、「浦上天主堂(カトリック浦上教会)」を見学。

10:00、駐車場へ戻り、そこで長崎名物「チリンチリンアイス」を食べる。さっぱりしていて美味しい。

江山楼 長崎中華街本店
長崎名物「ちゃんぽん」と「たいぴんえん」
11:00、「長崎新地中華街」へ移動。「江山楼 長崎中華街本店」にて「ちゃんぽん」と「たいぴんえん(太平燕)」を注文。基本スープは一緒のようだが、後者は干しシイタケのダシが効いており、どちらもかなり美味しい。しかし、後に「たいぴんえん(太平燕)」は熊本名物だと判明。木嵜の失態である。

11:30、「出島」を見学。

12:30、15分歩いて南山手グラバー通りに到着。ここは観光地らしい商店街で、カステラや角煮まんの試食を薦められる。
国宝「大浦天主堂(日本二十六聖殉教者堂)」を見学。「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」として、ユネスコ世界遺産の暫定リストに入っている教会である。

13:00、南山手グラバー通りにて土産を物色。ミルクセーキと角煮まんを食べる。「福砂屋 松が枝店」にてカステラを購入。

13:30、路面電車に乗って駐車場へ向かう。

14:00、長崎市内を離脱。

14:30、長崎空港に到着。慣れないスカイマークの搭乗手続きに戸惑う(神戸で乱気流におののきながら22:00に帰宅)。

15:30、木嵜は再び大会会場へ向かう。

17:00、「西海市公民館」に到着。学会総会の開始直後に入室。書記を務める。

18:00、総会終了。一旦「西彼青年の家」に移動し、懇親会会場「海の駅 船番所」へマイクロバスにて移動。このお店は地元でも人気らしい。楽しみである。

海の駅 船番所
重鎮の方々と懇親
19:00、曽根さんに連れられて上野先生、杉さん、ブラシュと同じテーブルに着席。後ろには西海市の方や吉村先生、染谷先生に囲まれ緊張。
乾杯後、バイキング形式の食事を堪能。地元で獲れたお刺身やその場で握ってくれるお寿司、ちゃんぽんや和・洋・中華どれも美味しく堪能。
ビール片手に地R元を代表し他団体交流に精を出す。西海市の方ともお話する機会があり、西海市大島で作られている芋焼酎「ちょうちょうさん」を飲ませて頂き楽しい会となった。

21:30、宿泊所に戻る。鈴木雅子さんや北大探検部とSRT、竪装ギア、骨折部位による出血量の違いなどの話を聞き盛り上がる。

23:00、食堂に自然と十数名が集合。小規模な交流会を楽しむ。

25: 00、ほろ酔いして超熟睡!

7日7:00、朝食後に宿泊所を片付け。石川さんの車について「七ツ釜鍾乳洞」へ移動。

9:00、皆で記念写真を撮ってから、各班ごとに分かれて講習会開始。
木嵜の参加した洞窟生物講習は、上野先生と曽根さんが講師、九州大学探検部1名、山口大学洞穴研究会2名、北大探検部2名、東北大学1名の若い男子に囲まれる。今回の目的は「七ツ釜鍾乳洞(清水洞)」での60年振りのメクラチビゴミムシの確認と採集。ご褒美はチビゴミムシTシャツ。
吸虫管を片手に「七ツ釜鍾乳洞」へ入洞。レクチャーを受けながら、観光部と探検コースで虫探し。非常に地味な作業だが、チビゴミムシ、トビムシ、ホラヒメグモを探す。特にチビゴミムシが居そうな箇所は沢山あり、掘ってみるものの見つからず出洞。上野先生は探検コースには入らず、先に出洞して外で虫探し。

12:30、昼食後に「龍王洞」へ移動。上野先生は引き続き外で待つことに。他班ともすれ違いながら、ひたすら泥を掘ることわずか1時間。遂にメンバーの1人がチビゴミムシを採集。ドヤ顔で採取した小瓶を持つ姿に、他のメンバーの闘争心に火がつく。この頃にはすっかり打ち解け、非常に地味な作業だが一体感が生まれ楽しい。洞内探検よりも自分も採集したいという闘争心が勝り、残り15分ひたすら泥を掘り続けたが、惜しくもタイムアップ。
「龍王洞」ではプレ巡検時に3匹採集したらしく、今日の1匹で計4匹のチビゴミムシの生息確認。自分で採集したかった。悔しい。

15:00、駐車場に戻り、曽根さんからチビゴミムシを採集出来なくても全員にTシャツと今回使った吸虫管を頂いた。ありがとうございました。

16:00、大会閉会式後、挨拶をして各自解散。昨夜の懇親会で頂いた焼酎を求め「大島酒造」に立ち寄るも、日曜定休日。残念。道の駅の方に聞いても取扱店不明で購入断念。
「道の駅彼杵の荘」で鯨の刺身等を購入後、「サンスパおおむら 天然温泉ゆの華」に立ち寄ってからレンタカーを返却。

19:00、長崎空港内の土産店探索しようと思いきや、ほとんどが19時までには閉店するみたいで落胆。さらに出発が30分ほど遅れるとアナウンス。最終便が安い理由はこういうことも関係しているのかと実感。待機時間は卓袱料理、ハトシと郷土料理を堪能。

21:30、ソラシドエア(スカイネットアジア航空)にて離陸となった(24:30に帰宅)。
龍王洞 龍王洞
吸虫管内ガン見中 チビゴミムシ採集一番乗りのドヤ顔 採集を中断して行った龍王洞の上層部


全国のケイバーとの交流、洞窟生物講習巡検、仲間である宮野原との再会に加え、市内観光、郷土料理も堪能できとても実りのある3日間であった。
危うく若い女子とトレードされそうになったが、木嵜は旅団を辞めません♪
実行委員会の皆様のお陰でとても楽しい大会でした。ありがとうございました。(文責 木嵜ちひろ・宮野原弘規・千葉伸幸)

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