タイトル 地底旅団ROVER元老院第290回CAVING
サブタイトル 早春SRT訓練 at 日立市・大久保の風穴
分 類 合同・訓練ケイビング
入洞洞窟 大久保の風穴(風穴鍾乳洞)
日 程 2014年2月11日(火)
参加者 村野て、脇海道、家崎、黒田朋子(東京スペレオクラブ) 以上4名
大久保林道 「大久保の風穴」は総延長504.7m、高低差43.4mの竪横複合洞である。風穴は天神が造ったもので、人間がこの穴に入ろうとすると必ず洞穴の中から風が吹き出してくるという民間伝承がある。洞内には「六畳の間」と呼ばれるホールに古びた梯子など未だ名残が残っており、竪穴の基本訓練やリギング練習する場として、関東ケイバーには身近な洞穴のひとつである。
今回はSRT経験の浅い家崎の昇降訓練、脇海道のリギング訓練として企画。東京スペレオクラブからも黒田さんが参加。若手の技術向上を目指し企画した。


11日6:00、JR東京駅・八重洲パーキング西駐車場にて村野・脇海道・黒田が合流。
家崎にとって、村野・黒田は大穴鍾乳洞以来、脇海道はPHP(ピッグ・ヘッド・パーティ)以来の対面である。

9:00、村野組は常磐自動車道から下道に降りた後に若干の渋滞があったものの、予定時間通りに大久保林道に到着。しかし、近年稀に見る大雪による林道の状態は想像以上に悪く、林道入口で倒木により通行できなくなっていた。
頭を抱えて右往左往していると、近くの工場の女性従業員の方が声をかけて下さった。事情を説明すると大変ありがたいことに、ご厚意で駐車場を使わせて頂くことになった。

単独行動の家崎は、磐越自動車道の渋滞に加え、いわき勿来IC〜日立南太田ICの通行止めにより足止めをくらい到着が遅れる。

9:30、村野組は「大久保の風穴」洞口到着。
林道は工場の先で杉が3本倒れて道を完全にふさぎ、その先も断続的に杉や桧の倒木があったものの、徒歩でのアプローチは可能であった。

10:00、村野組が活動開始。脇海道は「六畳の間」、黒田は第1ピッチのリギングを行う。
脇海道は約2年ぶりの竪穴ということで、まずチェストハーネスの装着からてこずる。
一方、黒田は2週連続の大久保訓練とのことで、第1ピッチは玄人好みのトラバースラインに仕上げ、第2ピッチまでさくさくリギングを行う。

11:30、大幅に遅れて家崎が到着。
従業員の方が次々と声をかけて下さる。例年ちらついても根雪になることはないとのこと。やはり45年ぶりの大雪なのであろう。

12:00、合流して昼食。

13:00、活動再開。
家崎は「六畳の間」にて村野の指導を受けながら基本の昇降訓練を行う。リビレイ通過やチェンジオーバーを数回行う。途中の手順に若干誤りがあったものの、かろうじて及第点を得、第1・2ピッチへ進む。
その間、脇海道・黒田は第3ピッチのリギングを試みるも、第2ピッチから3m程の落ち込みを降りた先にコキクガシラコウモリのコロニーが見られたので中止する。

14:30、黒田が第2ピッチの撤収をしている間、脇海道・家崎は滝を見に水流を下っていく。躊躇なく水に浸かりながら進んでいく家崎に挑発され、2人して濡れ鼠の様に体をかがめて進んでいく。
そうこうして滝には着いたものの臆してしまい、5m程をフリーで降りられず引き返す。その先も続いているそうなので次回挑戦したい。
その後、第1ピッチを脇海道が撤収。

15:30、出洞。記念写真して雪合戦。

16:00、駐車させて頂いた工場の事務所にお礼。

16:30、「はぎや旅館」にて入泉。かじめの湯でゆっくり太平洋を拝む‥と言いたい所だがあいにくの強風。

18:00、日立おさかなセンター2階の「濱膳」にて夕食。脇海道は念願のあん肝を、他は天丼・海鮮漬け丼等を食す。2009年度の活動で食した謎の味噌スイーツはなくなっていた。

18:45、解散。黒田と次回活動を誓い合う。


初めてSRT技術を体験してから早1年。訓練を目的に活動をしたことがなかったので、このように自分の現在の力量を人から見てもらう、磨くという場が持てたことはよかった。言われてみないと気づかない自分の誤りがあったり、そもそも何故このような手順があるのか等を教えてもらったり‥。
また、アプローチは、今年の大雪により今後しばらく車両でのアプローチは困難と思われる。雪が溶けた後、倒木撤去もしくは歩道整備等の活動が必要かもしれない。(文責 家崎晶)
大久保林道 大久保の風穴・六畳の間 大久保の風穴
倒木・・・ 「六畳の間」をリギングする脇海道 昇降訓練中の家崎

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