タイトル | 地底旅団ROVER元老院第257回CAVING | ||||||
サブタイトル | いくぜ秘境の大洞窟!! at 秩父市・豆焼沢 瀧谷洞 | ||||||
分 類 | 調査ケイビング | ||||||
入洞洞窟 | 豆焼沢 瀧谷洞 | ||||||
日 程 | 2011年5月14日(土)〜15日(日) | ||||||
参加者 | 芦田、本田、脇海道、佐野 以上4名 | ||||||
「豆焼沢 瀧谷洞」は、奥秩父が擁する関東最大級の洞窟である。高低差152.6m+、総延長2087.7m+と、竪穴としては関東で最深、横穴としても関東で第2位の長さを誇る。1989年にパイオニアケイビングが発見し、調査が進められた。竪横複合洞窟で危険が大きいため、警察・消防・営林署によって一般の方は入洞禁止となっている。 地R元としては2012年3月31日までの入洞許可を取得、今回は洞内生物調査を目的として活動を行なった。加えて、旅団員の穴力強化のために第1洞口から第2洞口への通り抜けも目的とした。 14日20:00、JR国立駅に集合し、中央自動車道経由で現地へ向けて出発する。 23:00、「出会いの丘」に到着。ブリーフィングの後、軽くお酒を飲んで談笑する。「出会いの丘」には、沢屋と思われるいくつかのパーティーもテントを張って眠っていた。豆焼沢は「癒し系の沢」として沢登りをする人たちとっては人気の沢である。 24:00、就寝。夜は思ってたよりも気温が下がり、薄手のシュラフを使っていた芦田・本田は寒くてあまり眠れなかったようだ。 15日5:00、起床。各自朝食後、出立の準備をする。セルフレスキュー用にSRT装備や短めのスタティックロープを持っていくことにする。 6:00、「出会いの丘」からアプローチを開始。豆焼沢出合いまでの登山道は割りと整備されていて歩きやすい。「トウの滝」や豆焼沢出合いでの休憩を挟みながら、スムーズに進んでいく。 8:00、洞窟周辺に到着。芦田以外は初入洞のため、芦田に道案内を頼むも記憶が怪しいらしく、結局4人で手分けして洞口を探索する。探し始めて30分、ついに第2洞口を見つける。ここに荷物を残置して、今度は第1洞口の探索に入る。 9:30、佐野が第1洞口を発見。全員を呼び寄せる。 10:00、入洞開始。測量図で現在置を確認しながら進んでいく。「男石」「女石」「瀧谷観音」「オバQ石」「Iルート」「白銀柱ホール」を通って、水流の流れる下層部を目指す。途中、「瀧谷観音」の近くでコウモリの死骸を発見。脇海道が嬉々として回収する。その後、水流の音が聞こえる辺りまでは降りたが、そこから水流部へ下れるルートが見つからない。迷いながらもいろいろな支洞を探るが、どこも広めの竪穴部でとてもフリーで降りられそうにない。また、いくら測量図を見直しても、現在置を完全に把握することができない。 13:00、第2洞口への通り抜けを諦め、来たルートを戻って第1洞口へと向かう。なんだかとても悔しいが、無理して怪我をしたり、出洞が遅れてしまってもまずいので、今回は諦めるしかない。 14:30、第1洞口より出洞。急いで第2洞口へ戻り、第2洞口から再度入洞する。第2洞口から入ってすぐの大ホール「嶺鳴の間」を確認したが、さすが関東有数の大洞窟という感じであった。第1洞口から入って到達していれば、感動も一入だったろう。時間もないため、「嶺鳴の間」を確認した後はすぐに出洞する。 16:00、豆焼沢まで降りて遅めの昼食と装備洗いをする。その後下山開始。本田は久しぶりの活動で膝を痛めたようで、苦悶の表情を浮かべながら歩いていた。芦田は、洞内以外では常に花粉症に苦しんでいた。一方、脇海道は、道中でヒダサンショウウオを捕まえて、おおはしゃぎで写真を撮っていた。どうやらこの時期の沢でしか見られない珍しいものであるらしい。 17:30、「出会いの丘」に到着。着替えを済ませて、温泉に向けて出発。 19:00、「ほったらかし温泉」にて入泉。展望の開けた露天風呂はとても人気があるそうで、かなり奥まったところにあるにも関わらずこの日も大盛況であった。 20:30、中央自動車道「初狩PA」にて夕食。測量図を見ながら反省会をする。どうやら「コの字ホール」の辺りで道を誤って「無限チムニー」の方に入ってしまったため、ラダーの架かる「メインシャフト」までたどり着けなかったようだ。 22:30、千葉宅に到着。活動の簡単な報告をして、装備を返却。 23:00、JR国立駅にて解散。 佐野にとっては、今回が初めての「豆焼沢 瀧谷洞」であった。関東最大級の洞窟ということで非常に楽しみにしていたが、洞口は意外と小ぶりで迷路状に支洞が広がっているため、「嶺鳴の間」を見るまでは大洞窟という実感はしなかった。しかしながら、常に現在置確認とルート探索をしながら、先のわからない支洞をおそるおそるチムニーで進んでいくのは久しぶりの経験で、洞窟探検の醍醐味を存分に味わうことができた。また、多少なりともSRTが出来るようになって、正直「所詮横穴なんて・・・」と舐めていた部分があったが、今回は自分の横穴技術の未熟さを痛感する活動であった。 なお、今回主目的に置いた生物調査であるが、洞内奥部でも地上のリター層に生息するイシムカデやヤスデなどの土壌生物が見られた(脇海道談)。ただ、ルートの把握にほとんど時間を割いていたので、洞内生物の探索・採集に専心することができなかった。そうした意味で、今回のケイビングで目的は達成できたとは言えない。次回は、再度生物採集と第1洞口から第2洞口への通り抜けを目的として、「豆焼沢 瀧谷洞」に再挑戦したい。(文責 佐野洋輔)
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