タイトル 地底旅団ROVER元老院第192回CAVING
サブタイトル 奥多野かんな姫計劃・第12次神流町旧万場地区洞穴調査
分 類 調査ケイビング
入洞洞窟 むじな穴(金作穴)
日 程 2007年5月2日(水)〜4日(金)
参加者 村野て、細野、山崎、本田、村上 以上5名
むじな穴・洞口付近2000年から発動した奥多野地域調査「奥多野かんな姫計劃(プロジェクト)」。2005年6月に「奥多野かんな姫計劃報告書1群馬県多野郡神流町立処山洞穴地域調査報告」を発行、第1章立処山地域を終えることが出来た。引き続き第2章を開始、対象地域は旧万場町地区、持倉地区など神流町残地域及び旧鬼石町地区となる。
本活動はGW活動として6日間行う予定であったが、チーフリーダー千葉が親指を切断して入院してしまったため、期間を急遽3日間に短縮、内容を「むじな穴」測量に絞って行った。


2日24:30、村野・本田は奥多野洞穴地権者宅「木古里山荘」に到着。地権者:高橋隆さんは、明朝5時に起きて出掛ける用事があるにもかかわらず、寝ずに待っていてくださった。居間に上がり、千葉の状況などを簡単に報告。「とりあえず生きてます」との伝言に、隆さんも安堵されたようだ。
途中で次女:明美さんも合流。「やっぱりフェレットは連れて来てないよねぇ」との発言に、村野も本田も初めはその真意が掴めないでいたが、ほどなく2階から孫娘たちの泣き声が・・・。そうか、フェレットがくるのを楽しみにしていたのか。可哀想なことをしてしまった。

26:00(2:00)、明日のブリーフィング後に消灯。
3日6:00、起床、朝食。

9:00、宿舎「木古里山荘」を出発し、神流町黒田地区に向かう。まずは「むじな穴」の地権者:S藤S夫氏宅に挨拶に伺い、今回の調査の趣旨を説明。入洞を快諾していただく。昨年9月に一度挨拶に伺って以降、半年振りの訪問であったため、S藤さんの我々に対する記憶も遠い彼方に行ってしまっていたようだ。最初は役場の人間だと思われたようである。また忘れられないうちに調査結果をまとめて報告しよう。

9:30、「むじな穴」の登山口に到着。入洞準備を整え、30分ほどかけて洞口へ向かう。道はそれほど悪くないのだが、ひたすら登りのために意外ときつかった。

10:00、「むじな穴」入洞開始。とりあえず洞内を一通り探索し、状況を確認する。半年前の予備調査の際に、村野はムジナらしき影を見ており、洞口から入ってすぐのあたりで獣の匂いを感じたが、今回は出会うことはなかった。
洞内は三層構造になっており、上層部から中層部へ抜ける通路は狭洞となっていた。村野は難なく平気そうに通っていたが、本田は唸り声を上げながらなんとか通過。今回の測量でここを何度か通ると思うと若干憂鬱になった。

11:00、一度出洞して用意を整え測量開始。体制はスケッチ村野・コンパス&メジャー本田。上層部の支洞の計測を行う。

13:00、一時休憩して昼食。

14:00、測量再開。

17:00、上層部の測量を終え、中層部へ接続したところで本日の測量終了。例の狭洞部は、体制を入れ替えながらなんとか二人で計測ができた。

17:30、現地を出発する。途中、地元商店「太多屋」で後続隊の細野と合流し、夕食の食材を調達。

18:00、「木古里山荘」に到着。荷物を置いた後、国民宿舎「ヴィラせせらぎ」に向かい、温泉で本日の汗と泥を洗い落とす。

19:00、「木古里山荘」に戻り、夕食の準備。献立は、男メンバーのみなので手軽にできる鍋に決定。山間部なのになぜか海鮮キムチ鍋。エビや鱈などを適当に放り込んで作ったのだが、意外と美味に仕上がった。食後は順次、眠りに落ちて消灯。

24:30、村上合流。
4日7:30、起床。朝食を取りつつ、本日合流予定の山崎用に地図を作成する。山崎の下車するバス停にこの地図を残置し、それを頼りに「むじな穴」の洞口前まで来させようという算段である。村野が作図し、村上が挿絵、みんなでコメントを入れる。

9:00、神流町関係者:T橋S雄氏宅を訪問。ご本人は不在であったため、奥さんにご挨拶をする。

9:30、みなで墓参りを済ませてから「木古里山荘」を出発。

10:00、山崎が降り立つであろう西黒田バス停に地図を設置し、途中に目印などを置きつつ洞口まで移動する。

10:30、「むじな穴」に到着。休憩をしていると、タイミング良く山崎が到着。無事に地図を見て来れたようだ。 山崎が用意している間に本田・村野が先に入洞し、昨日の測量で誤差が大きかったループを再測量。
その後、全員で中層部へ移動する。しかし、細野は肩がつかえて狭洞部を通過することができなかったため、4人で測量を行う。体制は平面図スケッチ村野・縦断面図スケッチ村上・コンパス山崎・メジャー本田。細野は上層部に残り、吸虫管で生物採集を行う。時期的なものか、洞内生物は少なく、収獲はカマドウマとオビヤスデにとどまった。

13:00、昼食のため出洞。村上は狭洞部を難なく通っていたので問題ないように見えたが、出るのがだいぶ嫌だったらしく、午後は入洞拒否。細野が狭洞部を通れなかったのは肩幅のためでは、と言う事で、全員の肩幅測定を行う。みんなの中で村野が一番細く、他の3人はあまり変わらないことがわかった。そこで細野は再度、狭洞部の通過を試みることに。

14:00、再入洞。細野は狭洞部でまたもや肩がつかえるも、村野にコツを教えてもらって何とか通過。縦断面スケッチは村上から山崎に交代。コンパスは細野が担当し、本田に指示を出しながら基線を延ばしていく。

17:00、中層部主洞と下層部の一部を測量したところでタイムアップとなり、出洞。村上は洞外待機中、ずっと倒木の皮むきをしていたらしい。20歳の娘がやることだろうか?(笑)。

17:30、現地出発。「木古里山荘」に立ち寄り、全員で挨拶を行う。孫娘:野々香愛用の水色ランドセルを見せてもらうと、標準装備で防犯ブザーが付いていて物騒な世の中になったものだと思う。

19:00、小鹿荘で入泉。

20:00、小鹿野町の食堂「イデウラ」でわらじカツ丼を食べ、そこで流れ解散となった。


「むじな穴」の現時点で基線延長は65.1m、高低差は9.9m。中層部はループ箇所が多く、また下層部が意外に通路が延びていることが判明した。参加旅団員は測量に不慣れな者が多く、2日間の活動で全体の半分程度しか終わらせることができなかった。完結にはあと2日くらい必要であろう。総延長が100mを超えることは確実である。(文責 村野哲雄)

むじな穴 むじな穴 むじな穴
狭洞部を通過する村上 上層主洞部でコンパスを読む本田 縦断面スケッチをする山崎

「活動報告」に戻る
 次の「個別活動報告」へ進む TOPへ戻る

2007 Copyright(C) 地底旅団ROVER元老院
cavers_rover_in_tokyo@yahoo.co.jp