タイトル 地底旅団ROVER元老院第180回CAVING
サブタイトル 第4次龍泉洞再測量調査 at 岩泉町・龍泉洞
分 類 調査ケイビング
入洞洞穴 龍泉洞(湧口・湧窟・龍泉窟)
日 程 2006年10月6日(金)〜9日(月)
参加者 星野、菊地敏雄(日本洞穴学研究所)、湊幸栄、小池純、宮崎朋彦、石川典彦、松澤亮、野池耕平(以上、東京スペレオクラブ)、松本力(東山ケイビングクラブ)、田中則清(日本大学探険部OB)、中込幸子(立教大学探検部)、城谷寛太(明治大学地底研究部)、松本晶 以上13名
龍泉洞日本三大鍾乳洞のひとつとされる国指定天然記念物「龍泉洞」。本洞穴は透明度日本一という地底湖が見所である、岩手県岩泉町経営の観光鍾乳洞である。「平成17年度日本洞穴学研究所総会」において協議された結果、再測量を行う運びとなった。
現在、観光洞最終地点の第3地底湖にある煙突竪穴に木製梯子が残置されており、今回は水源地である地底湖に木製梯子が落下して観光客への怪我や水質汚濁が考えられることから、観光客の安全と水質保全の確保を行う為に木製梯子の撤去作業を行うこととなった。


6日22:00、千葉宅で装備を受け取ってから出発。関東は台風の影響で、日昼は暴風雨だった。

24:00、さいたま市に到着。装備を松澤車へ移動して出発。

24:30、JR南浦和駅にて石川さん、中込さん、城谷くんと合流。岩手県を目指す。
7日7:00、暴風雨の影響で高速道路の状況は最悪。50キロ規制が出ていたものの、盛岡南ICまで無事に到着。

9:00、宿泊所である青少年旅行村ロッジに到着。外気温10度。管理人さんに挨拶してロッジで仮眠を取るが、寒さと暴風雨のせいでなかなか寝付けなかった。

16:00、全員が揃ったのでブリーフィング。東京からの後発隊は荒天により高速が途中で通行止めとなり、下道で来たらしい。この段階で岩手県内はかなりの雨量となっており、活動が出来るかどうかわからないとのこと。水量などの洞内状況を確認しながら活動することになった。なお、現在は山の保水力が下がったため、洞内へ影響が出るまでには雨が降ってから1日半ぐらいということである。

17:00、役場支給のお弁当が届く。夕食。

19:00、入洞準備。

20:00、入洞開始。洞口からは水が吹き出ているため、混雑期出口から入洞となる。「第3地底湖」に向かうが、水位上昇により地底湖は水没。ドラゴンブルーと称される通常時の青さはなく、ただの泥水となっていた。また、洞内は漏電を防ぐため電源は全て落とされている。この時点で洞床(観光通路)からの水位は180センチ。
「第4地底湖」まで行けるかどうかの確認をするため湊さん、小池さん、田中さんがボートで出動。しかし、すでに「人工トンネル」を通ることも厳しい状況になっていた。まだ水位が上がり続けているため、本日の作業を断念。
「月宮殿」側の状況を確認すると、「第1地底湖」方面へは階段半ばから水没。また、「亀岩」も頭の部分が水に浸かっていた。「白亜の議事堂」方面・洞口方面も分岐点で水没。「白亜の議事堂」へは壁をトラバースするか、水に浸かりながら行くかどちらかだった。

21:00、この時点で再度水位を測ると210センチにまで上昇。1時間に30センチあがっているようである。

22:00、活動は出来ないと判断して出洞となる。

23:00、岩泉町内のスナック:となりのみよちゃんにて夕食。

24:30、就寝。
8日7:30、朝食が届く。天気は曇り。外気温9度。

8:30、洞口の状態・水位確認。洞口は昨日よりも水の流出が激しくなっているとのこと。「第3地底湖」の水位は290センチになった。このままでは活動は出来ないため、お昼まではフリーとなる。

11:00、安家地区の状況を確認しに行く。その途中でドリーネを確認するが、特に水が吹き出た様子は見られなかった。「氷渡洞」の洞口を確認。既に水の流出は落ち着いてきていたが、扉上部からも水が流出していたと思われた。安家地区の被害は床上浸水、道路陥没、コンクリート橋の崩壊など。「安家洞」の駐車場からも水が吹き出ていた。

13:00、昼食が届く。柳沢先生から生サンマと大量の栗の差し入れを頂く。その際にお昼に水位を確認したところ、285センチであった。

13:30、やはり午後も活動が出来ないと判断。フリーとなる。

15:00、「第3地底湖」の水位を確認。260センチとなった。すでにピークは過ぎたと考えられ、夜の活動は行うこととなった。

16:30、ロッジの人に許可を頂き、サンマを焼く。

17:00、夕食が届く。

18:00、サンマをおかずに夕食。

18:30、入洞準備。

19:30、入洞開始。水位を確認すると230センチ。撤去作業班の判断で作業をすることとなった。湊さん、小池さ
ん、田中さん、菊地さん、石川さん以外は「白亜の議事堂」上部のルート工作へ。

22:00、今回は晶ちゃんも入洞していたが「もう帰りたい」とのこと。松本さんが連れて帰れない状況だったため、星野が連れて宿舎へ戻ることになり出洞。

23:30、宿舎には他に誰もいないため、晶ちゃんを寝かしつけて自分も就寝。
9日7:00、起床。

7:30、朝食が届く。まだ誰も戻ってきていないため様子を見に行くと、ちょうど全員が出洞したところだった。無事に「煙突トンネル」内の梯子は撤去出来たとのこと。また、この時点で水位は160センチまで下がっていた。

8:30、朝食。

9:00、仮眠を取る予定だったが、そのまま帰りたいという意見が多かったため宿舎撤収準備。

12:00、龍泉洞事務所に挨拶してからマザーズキッチンにて昼食。

13:00、現地解散。各車両ごと帰途につく。

23:30、千葉宅へ備品を返却。

24:30、帰着。


今回の活動は暴風雨の影響を大きく受け、当初予定していた作業が終わらないという結果になってしまった。しかし、最終日には煙突トンネル内の残材を撤去することができ、入洞から出洞まで休むことなく作業を続けた人工登攀班には脱帽である。
次回は本活動で出来なかった人工トンネル内の残材の撤去作業を行い、年末年始には再び測量活動を開始する予定である。(文責 星野亜沙子)

「活動報告」に戻る
 次の「個別活動報告」へ進む TOPへ戻る

2006 Copyright(C) 地底旅団ROVER元老院
cavers_rover_in_tokyo@yahoo.co.jp