タイトル 地底旅団ROVER元老院第156回CAVING
サブタイトル 3週間後に控えた体験ケイビング at 上野村・矢弓沢洞
分 類 現状視察ケイビング
入洞洞窟 矢弓沢洞
日 程 2005年6月19日(日)
参加者 酒井、村野て 以上2名
2005年現在、地R元メンバーによる「矢弓沢洞」入洞経験者は少ない。今回は3週間後に控えた「第17回体験ケイビング」を安全且つ円滑に運営するため、洞内および現地周辺の下見を行うために企画された。

目的
1.洞内での行動をシュミレーションする(洞内把握・コース選定・ポイント確認・時間配分となど)。
2.設営場所、野外料理場所の確認・環境整備。 
3.コウモリの観察(出産時期にあたるため)。


8:00、日高市内「JAいるま野高麗支店」集合、出発。

10:00、現地到着。周辺を確認、幕営地、野外料理の場所を検討する。幕営地は林道右側の2段に大きく開けた場所に決定。木陰なし・水場なしで、炎天下での野外料理には不適だが、平地で水はけのよさそうな場所である。
入洞準備してアプローチ開始するも、以前に来た時と何か様子が違う。沢の形などが微妙に違うのである。自然というのは実に変化に富んでいるなあと思いつつ、駐車した場所には疑いがないため沢を右往左往する。しばらくして、沢が違っていることに気づく。気づかなかったことが怖い。。
村野に罵倒されつつ、かなり恥ずかしい感じで再び移動。

11:30、「矢弓沢洞」入洞。上部洞口から入洞、斜洞部を下る。斜洞下にてキクガシラコウモリ15頭程を確認する。ちょうど出産の時期にあたるということで、コース選定にも関わる問題であったため、注意をしつつ観察したが、妊娠しているかどうかは判別できない。おそらく出産洞ではないと思われるが、当日も注意が必要である。その他にウサギコウモリ3頭程を確認。
村野は斜洞下から南方向へ延びる支洞を確認。+3mの取り付きがやや困難、傾斜が強く、洞床も泥で滑りやすいため、体験ケイビングの予定コースから除外する。西方向へ延びる支洞も酒井が確認したが、それほどそれほど面白くないため、同じくコースから外した。
次に洞奥へ向かう。途中コースが上下に別れる。上部ではボアパッセージなどの観察ポイントを確認する。さらに洞奧へは、−3mの段差があるが、比較的狭くチムニーが容易である。天井高の低い水流部の先には小さな滝もあり、若干のフローストーン、つらら石などの二次性生物も観察できるため、最奥部という到達感はある。 
洞口方向へ戻り、東方向の空間へ向かう。滑り台のような斜洞を降りると、洞窟サンゴやスカラップなどが観察できる。また小規模なメアンダートレンチがあり、洞内観察ポイントとしては意外と充実していることが判明した。 
今回は体験者3名に対しサポート6名であること、最奥部が狭いことなどから、上部洞口より入洞後は2班体制での行動とし、入洞時間は2時間で十分そうである。

14:00、出洞。昼食。野外料理の場所を探すため移動開始すると、林道中間点あたりから沢へ降りていく車道(ワイヤーが張られていて進入は不可)の先に程よい場所をみつける。林道に比べ涼しく、木立も適当であったため決定する。沢はあるが水流はなし。

15:00、「道の駅うえの」にて、体験当日メニューの上野村名物「猪豚肉」を購入。
続いて温泉施設を探す。100円で入泉できるという、いこいの里「いきいきセンター」へ行ったが休館であったため、再び矢弓沢方面に戻り、地図上の浜平温泉をめざす。
さびれた集落に入ったところ「浜平温泉 奥多野館 川向うにあります〜」と書かれた看板を発見。その看板からかなりの秘湯と察し、村野は意気揚々と温泉施設を探すが、橋の先にもそれしい施設見当たらない。犬と遊んでいた現地住民に尋ねたところ、「知らない」というあっさりした返答に唖然とした。念のため川向うの民家風の建物を訪ねると、コタツに入った老夫婦から、「今はやってない」との答えが返ってきた。対岸の住人も知らないくらい前から廃業していたようだ。
気を取り直して道の駅上野に戻り、近くの「国民宿舎 ヴィラせせらぎ」にて入泉。何かのキャンペーン中で入泉料は半額の300円(しかもキャンペーンは7月10日まで!)。外湯もありということで当日の入泉場所に決定する。

17:00、「しばらく休業します」と書かれた「ちゃんから穴」地主:木古里に到着。何があったのかわからず、一抹の不安を抱えつつ母屋へいくと、地主さんから3人目の内孫が生まれたばかりで、お嫁さんもまだ入院中だということを聞く。嬉しくまた安心した。

19:00、集合場所となる飯能駅周辺を確認。駅前の交通量が比較的少ない南口ロータリーを集合場所とする。

19:30、「JAいるま野高麗支店」にて解散。


「矢弓沢洞」は小規模ながら、二次性生物や溶食形態の観察ポイントがところどころにあり、匍匐前進、チムニー昇降といった横穴探検テクニックも一通り体験できる。また、キクガシラコウモリ、ウサギコウモリも間近で観察できる。洞口までのアプローチも近いため、初心者向けの体験ケイビングには最適ではないだろうか。
今回以降も体験ケイビングのフィールドになりうることも考慮し、3週後の体験ケイビングを計画・運営したいと考えている。(文責 酒井智文)

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