タイトル 地底旅団ROVER元老院第145回CAVING
サブタイトル 奥多野かんな姫計劃・第25次神流町立処山洞穴調査
分 類 調査ケイビング
入洞洞窟 立処鍾乳洞(立処山の鍾乳洞、立処山鍾乳洞、鐘乳穴、立処鍾乳洞第1洞、立処山第1洞、大黒洞、井戸穴、水穴、田戸呂山鐘乳穴)
日 程 2005年1月16日(日)
参加者 村野て、千葉、細野 以上3名
木古里前「奥多野かんな姫計劃」の一環として企画された。
立処山は1980年に「明治大学地底研究部」によって洞穴調査及び測量がなされているが、地主の話によると未報告の洞穴が多数あるようなので洞穴調査・測量を行うことにした。
今回は「立処鍾乳洞」の洞内気象測定第4弾(冬の部)、「立処魚穴」洞内記載確認、蝙蝠生息確認、天狗岩〜中岩地域の山狩りを目的として企画された。


7:00、東京出発。朝から降っていた雨は正丸峠にさしかかる頃にはみぞれ混じりとなり、正丸トンネルを抜けると一面真っ白な世界に。積雪は15cmはありそうである。志賀坂峠越えを避けて、長瀞〜鬼石方面へと迂回。

9:30、神流湖畔に沿って走行中の車窓から、「お蝶ヶ穴」の洞口が見えることに気づき、急遽立ち寄っていくことにする。「お蝶ヶ穴」は、夏の間は神流湖の水位が上昇するために洞口が水面下に沈んでしまい、冬の間だけ洞口が見えるようになる非石灰洞である。ただし洞床はやはり水没しており、測量にはゴムボートが必要そうである。

10:30、地主宅「木古里」に到着。「外は寒いから」と炬燵に入れさせてもらうと、早くもだれてしまう。地主孫娘・野々香と何故か「しちならべ」をしたり、木古里裏メニュー「ずりあげうどん」をご馳走になったりして、気が付くと2時間以上が経ってしまっていた。

13:00、活動開始。今回は2班体制での活動とする。
村野・千葉は「立処鍾乳洞」の洞内気象測定、細野は単独「立処魚穴」の洞内記載確認を行う。それぞれの活動終了後、2班合流して蝙蝠生息確認を行うこととする。天狗岩〜中岩地域の山狩りは積雪のため、見送ることにした。小雨の降る中、登山開始。外気温は2℃である。積雪は山麓でも20cmほどあったが、高度を上げるごとに次第に積雪量が増える。途中で細野と分離。

14:00、村野・千葉は「立処鍾乳洞」洞口に到着。洞口付近の積雪は50cmに達しており、洞口は下半分が雪に埋もれていた。洞口を掘り出して気象測定を開始。さすがにこの時期になると洞内の方が相対的に気温が高くなるため、外気が洞内に向かって強く吹き込んでいた。当然の現象ではあるのだが、村野は、今まで「立処鍾乳洞」を訪れたときはいつも洞口から外に風が吹き出していたため、内心感激していた。コウモリはキクガシラコウモリが150頭余、モモジロコウモリが2頭観察された。
細野は雪の斜面を「立処魚穴」へと向かう。「立処魚穴」は、岩壁の中腹に開口しているため、慎重にアプローチする。しかし、洞口直前で雪の下の岩に足をとられて滑落。幸い、すぐに立ち木に引っかかり、1mほどの滑落で済んだが、転落の衝撃で眼鏡をなくしてしまったりして、すっかり戦意喪失。予定していた活動は諦め、もと来た足跡を頼りにようやく「立処鍾乳洞」にたどり着く。

15:30、「立処鍾乳洞」の洞内気象測定を終了した村野・千葉は洞口に向かう。が、洞口付近でエマージェンシーシートに包まる細野を発見し、驚愕。とりあえず下山することにする。

16:00、「木古里」到着。本日は雪のために店は休業であったが、地主・高橋さんがストーブをたいて店に招きいれてくださった。甘酒もふるまって頂き、体の芯から温まることができた。

17:00、「木古里」出発。鬼石町の桜山温泉センターで入泉後、解散となった。


今回は、姫プロ活動史上最高の積雪の中での活動となった。慎重な行動を心がけたつもりだが、細野の滑落という事態を招いてしまった。大事に至らず、一安心といったところだが、積雪のある中での活動は、里山といえどもより一層の慎重な判断が必要であることを痛感した。
「立処鍾乳洞」の洞内気象測定は今回で終了し、報告書に掲載予定の立処山の洞穴調査は完了した(このフレーズ、何回か書いたような・・・)。報告書は年度内に発行の予定である。(文責 村野哲雄)
立処山登山道 立処鍾乳洞・洞口 立処鍾乳洞・伊常通路
どんどん雪深くなるアプローチ 洞口が・・・・ない。 モモジロコウモリ

「活動報告」に戻る
 次の「個別活動報告」へ進む TOPへ戻る

2005 Copyright(C) 地底旅団ROVER元老院
cavers_rover_in_tokyo@yahoo.co.jp