巷の噂(2021年版)


あぶくま洞、御入洞印を発売(2021/12/26 入手)
あぶくま洞御入洞印 福島県田村市の観光洞「あぶくま洞」で御入洞印が発売されることが分かった。
 御入洞印は半紙(和紙)にあぶくま洞のシンボルマークを押したもの。御朱印や御城印を参考にしたと思われ、来洞記念として購入できる。
 1枚300円。レストハウス釜山売店にて購入可能。
 御入洞印は現時点ではあぶくま洞だけであるが、将来的に日本観光鍾乳洞協会加盟洞窟で配布されることになれば、スタンプラリー的に盛り上がることも期待される。

あぶくま洞ウェブサイト



マチドーヌティラ、洞口一部崩落で閉鎖続く(2021/12/14 琉球新報より入手)
白梅之塔隣のガマ「下の壕」が閉鎖 入口で落石…風化が原因か

 沖縄県糸満市真栄里の白梅之塔に隣接し、沖縄戦で負傷兵の看護に動員された学徒らが亡くなったガマ「マチドーヌティラ」(下の壕)で落石があり、1ヵ月近く閉鎖されている。新型コロナウイルス禍の前には平和学習で年間約2万人が利用しており、修復を望む声が関係者から上がっている。
 落石したのはガマ入り口の上部で、長年の風化が原因とみられる。10月に国吉自治会がガマ周辺で草木を刈った際、一部の落石を確認した。自治会は修復支援を求めたが、市は自然壕に対する支援措置がないことなどを理由に断った。自治会や市などは安全を考慮し、11月14日にガマを閉鎖した。神谷正和自治会長は「何とかしたいが、自治会で多額の修復工事を負担するのは困難だ」と肩を落とす。
 2018年には沖縄戦で住民らが避難した市内のガマ「マヤーアブ」が閉鎖された。県観光ボランティアガイド友の会の大田玲子ガマ対策部長は「地元自治体が『平和行政』をどう考えていくのかが問われる話だ。保存のためには文化財指定すべきだ」と指摘する。一方、市は「市内に200以上ガマがあり、特定のガマの支援は財政的に厳しい」との見解を示した。

※マチドーヌティラは別名:下の壕、白梅の塔の穴、白梅之搭下の壕、第24師団第1野戦病院壕。白梅之塔付近にある南禅廣寺の脇に開口する。
糸満市ウェブサイト(糸満市戦争遺構概要版について)





ドキュメンタリー洞窟映画「THE RESCUE 奇跡を起こした者たち」が日本公開決定(2021/12/9 映画.comより入手)
「フリーソロ」監督がタイ洞窟遭難事故の舞台裏に迫ったドキュメンタリー「THE RESCUE」2月11日公開

THE RESCUE 奇跡を起こした者たち 2018年に起こったタイ洞窟遭難事故の舞台裏に迫ったドキュメンタリー「THE RESCUE 奇跡を起こした者たち」が、2022年2月11日から公開されることが決定した。
 本作は、「フリーソロ」(2018)で2019年アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞したエリザベス・チャイ・バサルヘリィとジミー・チン両監督が、不可能と思われた救出劇の詳しい内容を明らかにしながら、洞窟探検のエキスパートたちの果敢な挑戦と功績を映し出す。2021年のトロント国際映画祭で最高賞にあたる観客賞を受賞。今年10月にアメリカで公開されるとたちまち話題を呼び、5館でのスタートから560館に広がる大ヒットとなった。
 2018年6月23日、少年12人がサッカーの練習後、コーチ同行のもとタイ北部チェンライ県のタムルアン洞窟探検に入った。しかしその日は豪雨により洞窟が浸水し、出入り口が塞がれてしまった。少年たちは帰宅できなくなり、不審に思った家族から行方不明と報告され、捜索作業が始まった。少年たちは洞窟の入り口から約5キロ入った場所に取り残されていることが確認されたが、洞窟内は増水し救助は不可能と思われた。タイ海軍特殊部隊、米軍特殊部隊に加えて各国から応援が入り数千人が集まったが、洞窟ダイビングは死のリスクが高く、特殊技能が必要であるため、少年たちの救出活動は進まない。そこで世界各地から集められたのは、民間の洞窟ダイバー達だった。彼らを中心にした決死の救出作戦が始まる。
 危険と隣り合わせの状況で、様々な困難が降りかかる綱渡りのような救出作戦は、息もつかせぬ緊張感が続き、エンターテイメントとしての面白さも兼ね備えている。今まで明かされなかった貴重な内部映像や関係者へのインタビューに加え、VFXを駆使して洞窟救助の全貌を3Dで描いたリアルな再現映像の撮影も行い、リアリティを追求。世界中から救助のために集まった民間ダイバーたちの人間性や勇気、団結力にスポットを当てた深い感動を呼ぶ仕上がりだ。また、日本の劇場公開に併せて素材を4K化したことで、映像の臨場感が高まっている。
 「THE RESCUE 奇跡を起こした者たち」は、22年2月11日から新宿武蔵野館ほか全国順次公開。




保良クバクンダイ鍾乳洞、利活用でルール作りへ(2021/11/30 宮古新報より入手)
保良の鍾乳洞 利活用でルールづくり、市長が方針

 観光と自然環境の保全・保護の両立が指摘される宮古島市内の海水浴場など海浜利用について、座喜味一幸市長は29日、城辺の保良泉ビーチ沿いで人気が高まる一方、一部事業者の観光客案内による損壊などの影響が問題となっている「保良クバクンダイ鍾乳洞」(通称・パンプキンホール)の利活用でルールづくりに取り組む意向を明らかにした。保良自治会(砂川春美会長)の要請で示した。今後、市内全域のビーチ利用と環境保全のための条例制定も視野に検討を進めるとみられる。
 自治会は同鍾乳洞の利用で、環境保全を前提とした規約の順守を徹底する事業者を観光推進発信者として有効利用を認め、さらに、鍾乳洞を資源として観光と学術的価値の両面で保存、活用するため事業者会(10社)と合意したという。
 一方、観光客を案内する一部事業者は、徒歩で鍾乳洞まで移動するため海岸沿いのサンゴを踏み荒らし、鍾乳洞内部の泥などを掘り出す行為などが横行し、自然環境に影響を及ぼしていると指摘。ただ、自治会で管理運営できず、保全のためのルールは強制力がないため、現状では注意できないとし、市に行政として対応するよう訴えた。
 要請で砂川会長らは、「自治会と事業者会が望むことは、鍾乳洞の保全及び活用、周辺海域のサンゴの保全」と強調。専門家調査を踏まえた両者と行政の協力体制による「強固で有効なルールの設定が急ぎ必要」とし、▽県の保全利用締結に向けた協力▽保良海岸周辺の文化財、環境調査の検討―を強く求めた。
 これに対し座喜味市長は、自然環境保全と文化財保護、活用が必要との認識を示すとともに、地元や事業者だけでなく県、市の行政、観光協会など関係団体と協力、連携を進めるとし「今こそルールづくりが必要」と述べ、行政主導でルールづくりに取り組む考えを明らかにした。




「ケイビングジャーナル第73号」発行(2021/12/1 入手)
ケイビングジャーナル73号 日本洞窟学会のケイビング情報誌「ケイビングジャーナル」の第73号が発行された。A4サイズ56ページ。650円(税込/日本洞窟学会々員には送付)。
 内容は以下の通り。
 ・グラビア
 ・スペレオニュース
 ・イベントカレンダー
 ・勝間田隆吉さん追悼
 ・第19回国際火山洞窟シンポジウムに参加して
 ・「秋吉台洞窟写真展 −闇と光の共演−」報告
 ・東京都西多摩郡奥多摩町「蚊の穴」測量報告
 ・東京都西多摩郡奥多摩町川苔谷「ちょうちん穴」の呼称
 ・International Year of Caves and Karst 2021 開会式報告
 ・ロープテック関のSRT知恵袋 ロープシステム体系
 ・観光洞と楽しむハイキング 河内風穴&霊仙山編
 ・日本の洞窟リスト【東京都】
 ・プロジェクトボード
 ・洞窟書籍新刊紹介
 ・編集部からのお知らせ
 日本洞窟学会会員以外の購読希望者は、ケイビングジャーナル編集部caving_journal@cj.dojin.comまで。定期購読年3冊分2940円も可能。龍泉洞(岩手県岩泉町)、カモシカスポーツ 山とスキーの店(高田馬場)、竜ヶ岩洞(静岡県浜松市)、まえちゃんねっと〜よろず販売〜(オンラインショップ)でも購入可能。

ケイビングジャーナル ウェブサイト




仏国、コスケール洞窟レプリカが公開(2021/11/29 AFP通信より入手)
海底洞窟のレプリカ展示施設、3万年前の洞窟画も復元 仏

【フランス共和国・マルセイユ発】
 フランスの海底にあるコスケール洞窟(Cosquer cave)のレプリカが、マルセイユ(Marseille)の公共施設ビラメディテラネ(Villa Mediterranee)で公開された。
 コスケール洞窟は、仏ダイバーのアンリ・コスケール(Henri Cosquer)氏が1985年に発見。1万9000〜3万3000年前にさかのぼる洞窟画も復元して展示される。

※コスケール洞窟(Grotte Cosquer)は地中海のマルセイユ付近に水没している石灰洞。水深−36mにある洞口から150mほど進むと空間が現われる。旧石器美術としてネガティブ・ハンド(手形)などが確認されている。




秋芳洞、照明のLED化で藻類の繁殖進む(2021/11/12 読売新聞より入手)
国内最大級の鍾乳洞・秋芳洞で「緑色に変色現象」…照明のLED化、藻類や細菌の繁殖進む

 山口県美祢市の国内最大級の鍾乳洞・秋芳洞(国特別天然記念物)で、乳白色の鍾乳石の一部が緑色に変色する現象が起きている。照明を発光ダイオード(LED)に替えたところ、その光の波長を好む藻類や細菌の繁殖が進んだため。市教育委員会は、「洞内の劣化や生態系への悪影響も懸念される」として、対策を本格化させる。
 全長約1キロの洞内の観光コースを進むと、通路に沿って足もとや頭上に照明があり、鍾乳石を浮かび上がらせている。ただ、光が多く当たる部分を中心に、緑色となっているところも少なくない。高さ約15メートルの巨大な鍾乳石「黄金柱(こがねばしら)」は特に変色が目立っている。
 市教委文化財保護課によると、2010年度、蛍光灯などの照明に替えてLEDを約200か所に設置した。翌11年度頃から変色が目に付くようになり、19年度に専門家6人でつくる対策委員会を設け、約2年半かけて調査を続けてきた。
 今月8日の住民説明会で報告された調査結果によると、照明に使っているLEDの波長は青色とオレンジ色が強く、これを好む藻類や細菌が繁殖している。足もとの照明がある約130か所のうち117か所で繁殖が確認された。洞内にはコウモリの排せつ物などに由来する栄養塩が蓄積されており、光があれば藻類などが生息可能なことも改めて分かったという。
 対策委は光を同じ場所に長時間当てず、栄養塩を洗い流すことが有効であると判断。藻類などの除去については、次亜塩素酸ナトリウム溶液による拭き取りも効果的と結論づけた。
 ただ、洞内には昆虫の「アキヨシシロアヤトビムシ」などの固有種が生息している。溶液の濃度によっては、変色の原因である藻類だけでなく、固有種まで殺傷してしまう恐れがある。
 市は文化庁に、除去や抑制手法の実施許可を申請し、22年度からの2年間で効果を検証する。対策委で委員長を務める吉村和久・九州大名誉教授(地球化学)は「どの方法も一長一短がある。場所によって効果的な手法も異なり、適した方法を継続的に行う必要がある」と指摘している。

美祢市観光協会ウェブサイト(秋芳洞)




英国、Ogof Ffynnon Dduで洞窟救助(2021/11/10 AP通信より入手)
54時間ぶりに英男性を救助 300メートルの洞窟に転落

【グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国・ロンドン発】
 ウエールズ南部のブレコン・ビーコンズ国立公園にある英国で最も深い洞窟に転落した探検家1人が11月8日未明、54時間ぶりに救出された。
 救出作業には、ウェールズ一帯の洞窟救助組織から約300人が、ペンウィルトの洞窟探検センターに集結して、2日掛かりで深さ300メートルの洞窟から40代の男性を救い出した。  男性は転落した際、顎と脚を骨折した他、背骨も負傷しており、体調と洞窟から引き揚げられるかどうか心配されたが、洞窟の入り口に担架が見えた瞬間、集まった救助チームから拍手と歓声が上がった。

※事故が発生したのはウェールズの石灰洞「Ogof Ffynnon Ddu」。ウェールズ語で黒い泉の洞窟の意味。総延長60,644m、高低差309.5mで英国最深。事故は−15mの転落。
サウス・ウェールズ・ケイビング・クラブ(Ogof Ffynnon Ddu)





藪地洞穴遺跡、1万〜9000年前の人骨発見(2021/11/9 朝日新聞より入手)
沖縄で1万年前の人骨 旧石器人と縄文人つなぐ資料に市

 沖縄県うるま市の藪地(やぶち)洞穴遺跡で、約1万〜9000年前の人骨片が出土したと、8日、市教育委員会が発表した。見つかったのは頭骨の額部分で、沖縄でこれまで空白になっていた、約1万4000年前以前の「港川人」など旧石器人と、約7000年前以降の貝塚人(沖縄の縄文人)の間を埋める資料として注目される。
 藪地洞穴遺跡は、九州以北では縄文時代早期にあたる時期の土器や石器が出土している。2014〜16年に市教委が発掘調査し、沖縄では最古となる約1万年前の土器が出土した。
 その後の出土品の整理で、石の破片と思われていたものが人骨片と判明したという。出土した上下の地層に含まれた炭化物の放射性炭素年代から、沖縄の時代区分では貝塚時代前期、九州以北の時代区分では縄文時代早期の約1万〜9000年前のものと判定された。




中国カルスト生態系野外観測研究ステーション連盟が設立(2021/11/2 人民網日本語版より入手)
中国カルスト生態系野外観測研究ステーション連盟が長沙で設立

【中華人民共和国発】
 中国カルスト生態系野外観測研究ステーション連盟が10月31日、湖南省長沙市で設立された。中国のカルスト生態系研究のイノベーション力を高め、カルスト生態脆弱エリアのグリーンで低炭素な発展をサポートし、カルスト生態学、地学、林学などの分野における国際科学技術の先端問題を解決する。科技日報が伝えた。
 中国南方のカルスト地帯には古生代から第三紀の炭酸塩岩が分布しており、環境の幅が広く、多様な自然景観を有し、地質条件が複雑で、チベット高原東縁−雲貴高原−大斜面−平原・丘陵という完全な傾斜を形成しており、熱帯・亜熱帯季節風気候帯に属する。南方カルスト地帯の生物多様性の高さ、クリティカルゾーンのタイプの多様さ、生態保護地帯の機能の重要さなどの研究にさらに力を入れ、関係機関の野外ステーション資源を統合し、中国のカルスト生態脆弱エリアの持続可能な発展に確かな観測、研究、試験、モデルプラットフォームを提供するため、中国科学院、中国地質調査局、教育部(省)、国家林業・草原局などに所属するカルスト生態系野外観測研究ステーションが自発的に同連盟を設立した。同連盟は現在、重慶金仏山カルスト生態系国家野外科学観測研究ステーション、中国科学院環江カルスト生態系観測研究ステーション、雲南大学開遠生態観測ステーションなど13のメンバー機関を有し、同連盟所属機関ネットワークは雲南省、貴州省、広西壮(チワン)族自治区、重慶市、四川省、湖北省、湖南省など南方地域の8省・区・市をカバーしている。
 将来としては、同連盟はカルスト生態脆弱エリアの持続可能な発展の問題をさらに模索・解決するとともに、地域石漠化総合ガバナンス、生物多様性の保護と育成、生態系最適化管理などの重要問題について国に戦略的コンサルティングを提供する。同時に分野や機関の枠を超えた国際的な影響力を持つカルスト生態系研究チームの構築に力を入れる。




ブラジル、訓練中の消防士が洞内で死亡(2021/11/2 ニッケイ新聞より入手)
《サンパウロ州》洞窟崩壊で9人が死亡=訓練中の消防隊員犠牲に

【ブラジル連邦共和国・ブラジリア発】
 10月31日未明、サンパウロ州アルチノーポリスで洞窟が崩壊し、訓練中だった市民消防隊員8人と指導員1人が死亡する惨事となった。10月31日、11月1日付現地紙、サイトが報じている。
 崩壊が起こったのはアルチノーポリスの田園地帯にある洞窟で、10月30日午後から訓練のために洞窟内にいた消防隊員ら28人のうち、10人が生き埋めになった。この訓練は、リベイロン・プレットにある学校「リアル・ライフ・トレイナメントス」が主催していた。
 崩壊現場にいた消防隊員の一部は無事に脱出することができた。また、生き埋めになった10人の内の1人は、半身が地表に出ており、救出されたが、骨折や低体温症などを起こしており、ヘリコプターで病院に搬送され、入院加療中だ。
 だが、残る9人は助からなかった。救出された遺体は法医学研究所に運ばれた後、1日に遺族に引き渡された。
 9人の内、指導員を含む6人はバタタイス市在住者で、同市市長が3日間の服喪を宣言。1日に同市体育館で合同葬が行われた。
 残る3人は、サンパウロ州のアルチノーポリスとサレス・オリヴェイラ、ミナス州モンテ・サントの在住者だった。
 現場付近では30日から強い雨が降り続けており、地盤がゆるんだことが原因と考えられている。
 州防災局や軍警の消防隊は、「このような訓練を行うとの連絡(届出)は受けていなかった」と語っている。
 リアル・ライフ校長のセバスチャン・アブレウ氏によると、「こうした訓練は普通に行われていた」というが、今回の 訓練を行うための許可を受けていたかは明らかにしていない。アブレウ氏は、雨のために訓練を延期する可能性もあったが、現場の指導者たちが継続を決めたと語っている。

※アルチノーポリス(Altinopolis)には複数の観光洞がある。




「満干の潮の研究」が発売(2021/10/25 入手)
満干の潮の研究  水門地質学書「福岡県北九州市小倉南区の間欠冷泉 満干の潮の研究」が発売された。
 江戸時代からの伝承が残る「満干谷(みちひだに)」の間欠冷泉「満干の潮」に35年間通い続けた著者による報告で、解明した全体像をわかりやすく紹介してる。
 花乱社発行。藤井厚志著。B5サイズ64ページ。オールカラー。DVDデータ集付き。定価3300円(税込)。10月25日発売。
 購入は書店、花乱社楽天ブックスAmazon.co.jpほかにて。

※満干の潮は国有林内にあり、入山禁止となっている。





タイ、ルアン洞窟が一般公開を再開(2020/10/22 アフロより入手)
少年たちが洪水で閉じ込められたタイの洞窟の一般公開を再開

【タイ王国・チェンライ発】
 3年前の2018年、洪水で閉じ込められたサッカーチームの少年たちの救出劇の舞台となった、タムルアン洞窟の一般公開が、10月15日に再開された。
 タイ北部チェンライにあるタムルアン洞窟は、コロナ禍で今年4月から閉鎖されていた。
 再開に当たり、入場者は新型コロナワクチンの摂取を完了しているか、検査の陰性証明を提示する必要があるという。
 安全を確保するため、入場者数は一度に40人までと制限されており、内部には混雑防止のためゲートが設置されている。さらに洞窟内のさまざまな場所で警官が監視をおこなっている。
 入場者全員に懐中電灯が提供され、洞窟の入り口から200メートルの地点まで歩くことができるという。




サキタリ洞、着色装飾品は日本最古(2020/10/21 沖縄タイムスより入手)
赤い貝製ビーズは日本最古 2万3000年前の着色装飾品 「沖縄の旧石器人を探る鍵」 サキタリ洞で確認

 南城市のサキタリ洞遺跡から2013年に発見された貝製ビーズが、顔料で着色された装飾品としては国内最古となることが21日、新たに分かった。周辺地層の年代分析から、2万3000年前の着色だと推定している。調査を進めていた県立博物館・美術館(田名真之館長)が発表した。国内での顔料精製は3万5000年前から、県内でも5500年前から使用が確認されていたが、これまで使用方法や塗られた対象物などは不明で、今回の最古例の確認によって顔料の具体的な使用法が明らかになった。
 着色された最古の装飾品(縦12.8ミリ、横7.9ミリ、重さ0.7グラム)は、沖縄近海で採れるニシキツノガイを加工したもの。13年に発見され、日本最古の貝製ビーズとしても知られていた。
 着色に使用されたのは鉄分を含む赤色顔料で、産地は不明。発見場所からは、顔料原材(約2万3500年前)や、顔料の塊(約1万6000〜1万3000年前)も出土しており、後期旧石器時代を通して赤色顔料が使用されていたことが示された。
 旧石器時代の顔料で着色された貝製装飾品は、アフリカからユーラシア大陸、オーストラリアまで世界各地でみられる。沖縄でも共通性が確認されたことで、県立博物館・美術館は「沖縄の旧石器人の社会や文化の具体的なありようを探る鍵になるだろう」としている。

※一部抜粋
ガンガラーの谷ウェブサイト(遺跡発掘について)





「山口ケイビングクラブ会報 第56号」発行(2021/10/17 入手)
山口ケイビングクラブ会報 第56号 山口県秋吉台を拠点とする「山口ケイビングクラブ」の年次研究報告が発行された。発行日は6月30日。B5サイズ37ページ。内容は以下の通り。
・ケイビング情報
・生物が造る岩石 〜香春岳のTufa・その成因と日本有数の理由〜
・洞窟の3次元計測と無人探査シミュレーション
・西秋吉台「白水の池」「寺山の穴」における測深システムのたの予備実験
・ロボット搭載用レーザー測域システムのための予備実験
・3次元レーザスキャナを用いた洞窟内および洞窟周辺地形の測定
・洞窟など非GPS環境におけるドローン飛行
 購入・問い合わせは山口ケイビングクラブ事務局(秋吉台科学博物館内/TEL0837−62−0640 Fax0837−62−0324)まで。一部のバックナンバーも取り揃えている。

山口ケイビングクラブ ウェブサイト




第33回日本鍾乳洞サミットが開催(2021/10/14 南海日日新聞より入手)
鍾乳洞の保全、魅力発信へ 日本鍾乳洞サミット

 鍾乳洞の保全と魅力発信などを目的とした第33回日本鍾乳洞サミット(日本観光鍾乳洞協会主催)が13日、オンラインで開催された。知名町を含め観光鍾乳洞がある9市町村の行政や管理団体の関係者ら約30人が参加。新型コロナウイルスの収束後を見据えた観光振興などについて意見交換し、観光鍾乳洞の発展に向けて連携を強化し、観光客のニーズに対応した観光地づくりや情報発信などに取り組んでいくとする共同宣言を採択した。
 サミットは当初、岩手県岩泉町で開催予定だったが、新型コロナの影響で、オンライン開催となった。今回のテーマは「アフターコロナ(コロナ収束後)に向けた観光鍾乳洞の役割」。
 全体討議では、新型コロナの影響で観光鍾乳洞の入場者が減少しているという報告が相次いだ。アフターコロナを見据えたインバウンド(訪日外国人)への対応について意見交換があり、「世界規模の鍾乳洞サミット開催を模索して外国人誘客につなげてはどうか」「外国語の看板やパンプレットを作成している」といった意見があった。
 知名町の昇竜洞の入場者数は、2018年度が9764人、19年度は9090人、20年度は3007人と減少傾向にある。同町の今井力夫町長は「奄美・沖縄の世界自然遺産登録により、インバウンドを迎え入れる可能性が高くなる。外国言語への対応やユニバーサルデザインを取り入れた地下道改修などに取り組みたい」などと述べた。

日本観光鍾乳洞協会ウェブサイト




イエメン、バラフートの井戸に初降下(2021/9/23 AFP通信より入手)
「地獄の井戸」底に到達 悪魔は不在 イエメン

【アラブ首長国連邦・ドバイ発】
 悪魔の監獄との言い伝えが残り、ほとんど近づく者もいないイエメン東部の巨大な穴「バラフートの井戸(Well of Barhout)」の底に、オマーンの探検隊が到達した。人が下り立つのは初めてとみられる。
「地獄の井戸(Well of Hell)」とも呼ばれる穴は、アルマハラ(Al-Mahra)県の砂漠の真ん中に位置し、幅は約30メートル、深さは約112メートル。異臭を発しているという証言もある。
 オマーン洞窟探検隊(OCET)が穴の底に下り、生きたヘビや動物の死骸、洞窟真珠を発見したが、悪魔の痕跡は見つけられなかった。
 2人が地上に残り、ドイツ工科大学(German University of Technology in Oman)のモハメド・キンディ(Mohammed al-Kindi)教授(地質学)ら経験豊富な8人がロープを使って底に下りた。
 キンディ氏は今回の探検について「情熱に駆り立てられての行動だ」と説明。「新たな驚異とイエメンの歴史の一部が明らかになると感じた」と語った。
 さらに「水や石、土、動物の死骸のサンプルを採取したが、まだ分析できていない」とした上で、近日中に報告書を公表すると述べた。「鳥の死骸が悪臭を放っていたが、耐え難い悪臭はなかった」
 イエメン当局は6月、穴は「はるかな昔」から存在するが、底に下りた人間は一人もおらず、何があるかは分からないとAFPに語っていた。
 現地の地質調査・鉱物資源当局責任者は、「井戸を50〜60メートル以上下りたことがある。中には奇妙なものがいた。異臭もした。(中略)謎めいていた」と述べていた。
 何百年も前から語り継がれてきた伝承では、井戸には悪魔が潜んでいて、亀裂から不幸の種が出て来て、地上の生命を脅かすとされる。地元住民は井戸に近づくどころか、話すことさえ不安に思っている。




秋芳洞、コロナ禍で入洞者数は例年の5割以下(2021/9/11 山口新聞より入手)
20年度秋芳洞入場者大幅減

 県内を代表する観光地、美祢市の秋芳洞への2020年度の入場者数は例年の半数以下の21万6936人にとどまり、市観光事業会計は1億1793万円の赤字となった。新型コロナウイルス感染症が影響した。
 秋芳洞の入場者数は1975年度の約198万人をピークに減少傾向にあるが、近年は50万人前後で推移しており、19年度は46万3788人だった。20年度は新型コロナ感染拡大防止のため、4月11日から5月21日まで41日間にわたって閉鎖し、観光客らの入場を中止。盆期間に続く書き入れ時である5月の大型連休中の閉鎖が響いて大幅減となった。
 大正洞、景清洞も同時期に閉鎖。20年度の入場者数は大正洞が4354人(前年度7449人)、景清洞が7382人(同1万5781人)で、観光3洞はいずれも前年度を大きく下回った。
 篠田洋司市長は「アフターコロナ、withコロナを見据えてどう宣伝していくかが大事。好評を得ている県内など近場からの修学旅行の誘客に引き続き取り組み、SNSなどを活用した観光宣伝を行いたい」としている。

美祢市観光協会ウェブサイト(秋芳洞)




あぶくま洞、ワイン塩を発売(2021/9/7 福島民友新聞より入手)
あぶくま洞貯蔵ワイン塩Grotte新たな逸品ワイン塩を開発 田村、あぶくま洞で販売

 田村市滝根観光振興公社は、同市滝根町産ヤマブドウのワイン「たきね北醇」を使った「あぶくま洞貯蔵ワイン塩Grotte(グロッテ)」を開発した。同市のあぶくま洞で販売している。
 あぶくま洞の新たな魅力づくりにつなげようと、産品開発に取り組んだ。あぶくま洞マーケティングアドバイザーの小田嶋聡さん、橋谷田商店(喜多方市)の橋谷田周平さん、同店フレンチシェフの井上幸司さんらが協力した。グロッテはフランス語で「洞窟」の意味。フランス産の塩にたきね北醇を染み込ませた。鮮やかな紫色が特徴で、ほのかなヤマブドウの香りを楽しめる。価格は1袋30グラムで840円。
 あぶくま洞では「ワイン塩がけソフトクリーム」(450円)、「ワイン塩がけフライドポテト」(300円)なども販売されている。問い合わせは同公社(電話0247−61−5157)へ。

あぶくま洞ウェブサイト




沖縄県の海底洞窟、新種「イラブドウクツウサミミゴカイ」発見(2021/8/11 NHKより入手)
下地島の海底洞窟で新属・新種ゴカイ類発見

 沖縄県立芸術大学やデンマークのコペンハーゲン大学の研究者らの共同研究により、下地島の海底洞窟で発見されたゴカイ類が新属「ニッポンウサミミゴカイ属」、新種「イラブドウクツウサミミゴカイ」としてこのほど発表された。和名は特徴的な副感触手がウサギの耳を連想させることに由来するという。副感触手は遊泳や摂食に役立っていると考えられている。
 今回の新種は2018年10月に下地島の海底洞窟内の入口から約50〜80メートル付近の暗黒かつ低塩分環境の砂泥サンプルから発見された。体長は約0.5ミリの小型種で体節が9節あり、長い感触手と副感触手を持ち、雌雄異体であることなどが特徴。
 共同研究の一員で県立芸術大学の藤田喜久教授は今回の発見は海底洞窟内の環境におけるメイオファウナ(約1ミリ以下の小さな生物)の生物多様性を示すものであり「国内の海底洞窟内のメイオファウナに関する研究知見は乏しいことから今後も新発見があることが期待される」としている。
 また洞窟性のゴカイ類は従来、大西洋のカリブ海沿岸やアフリカ北西部のカナリア諸島で高い種多様性が知られていたが、今回の調査により琉球列島でもそれらに匹敵する種の多様性が確認されており、今後の新種発見や研究の進展なども期待されるという。

沖縄県立芸術大学報道発表用資料「宮古諸島下地島の海底洞窟から新属新種のゴカイ類を発見 」




安森洞、新型コロナ対策でそうめん流しが中止(2021/8/9 愛媛新聞より入手)
安森洞そうめん流し12日から中止 鬼北町・2年ぶり営業も(愛媛)

 愛媛県鬼北町小松のあずまや「ロマン亭」で開かれている「安森洞そうめん流し」について、地元住民でつくる安森鍾乳洞保存会は9日、新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、12日から中止すると発表した。
 安森洞そうめん流しは7月10日、2年ぶりにオープン。券売機の設置や茶こしを使ってそうめんをすくうといった新型コロナ対策を施し、8月31日まで無休で営業する予定だった。

鬼北町ウェブサイト(安森洞そうめん流しの中止について)




龍河洞、開洞90周年記念グッズが登場(2021/8/6 高知新聞より入手)
龍河洞が開洞90周年、8/7から記念グッズプレゼント 高知県香美市 記念切手も

 香美市の龍河洞が9日に開洞90周年を迎えるのに合わせ、「龍河洞みらい」が記念グッズのプレゼントを企画している。また郵便局ではオリジナルのフレーム切手も販売される。
 7〜9日の各日は、入洞者500人に先着で記念の缶バッジを配布する。洞内の名所や「龍河洞リューくん」などがデザインされた3種類から1個選べる。
 また8月の土日祝日、入洞体験をSNS(会員制交流サイト)で発信した入洞者に、同市のキャラクターがデザインされたシールを贈る。
 記念切手は、日本郵便四国支社が企画。名所「記念の滝」など10種類の写真を使用した84円切手10枚組で、税込み1330円。6日から県内全郵便局と、徳島、高松、松山の中央郵便局計229局で販売する。問い合わせは、同支社郵便・物流営業部(089−936−5257)へ。

龍河洞ウェブサイト




洞窟切手「龍河洞 開洞90周年」発行(2021/8/6 入手)
龍河洞 開洞90周年 日本郵便株式会社四国支社より8月6日、オリジナルフレーム切手「龍河洞 開洞90周年」が発行された。
 高知県の観光洞「龍河洞」が開洞90周年を記念して発行されたもので、開発初期の洞口や石段、「龍口」、弥生式土器「神の壺」、坂道「逢坂峠」、洞内滝「飛龍の滝」「記念の滝」、石柱「裏見の滝」、ナチュラルブリッジ「雲の掛橋」、二次生成物が豊富な空間「サボテンの丘」がデザインされている。
 「龍河洞」は1931年に観光化。1934年には国指定天然記念物及び史跡に指定された。近年はプロジェクションマッピング(2019年)や探検型ルート(西本洞コース/2021年)が追加され、集客力アップを図っている。
 額面は84円。1シート10枚。シール式。販売価格は1330円。700シート限定。高知県内の全郵便局、徳島中央郵便局、高松中央郵便局、松山中央郵便局及び「郵便局のネットショップ」にて発売。

郵便局のネットショップ
龍河洞ウェブサイト





長島鍾乳洞、新たな二次生成物に固結礫塔と命名(2021/8/4 沖縄タイムスより入手)
無人島にニョッキリ生えた物体「天然記念物にして」と専門家 辺野古沖で世界に例のない発見

 大阪経済法科大学客員教授で元日本洞窟学会会長の浦田健作氏(カルスト地形学)らの研究チームがこのほど、沖縄県名護市辺野古沖の無人島「長島」の鍾乳洞で、枝サンゴや軽石の破片が鍾乳石のような形に固まった物体を発見した。世界的にも報告例がないことから、「固結礫塔(こけつれきとう)」と名付けた。国内で希少な光鍾乳石など13種類の鍾乳石も発見。辺野古新基地建設工事の影響で島周辺の環境が変わることに懸念を示している。
 浦田氏らの調査は、日本自然保護協会(東京都)の協力で2018年9〜10月に3日間実施した。
 長島は辺野古崎の東方沖約800メートルにある。鍾乳洞は全長約30メートルで高さ約5メートル。洞口部、東洞、北洞に分かれている。
 このうち北洞で発見された固結礫塔は、波で打ち上げられた枝サンゴのかけらと軽石が塔のように積み上がっていることから名付けた。大小4個が発見され、最大で高さ70センチ、直径20センチ。内側は空洞になっている。
 当初、洞窟の天井から石灰分を含んだ水滴が落ち、床に蓄積した物質がたけのこ状に伸びる「石筍」とみられていた。しかし、今回の調査で積もった枝サンゴや軽石のかけらに石灰分を含んだ水が浸透し、外側を固めていることが新たに分かった。
 研究チームは、長島が鍾乳洞の誕生や形成を解明する上で学術的に高い価値を持つことを指摘。鍾乳洞を県の天然記念物などに指定し、保存と継続的調査をするよう求めている。
 浦田氏は「鍾乳洞内部は人為的な影響を受けた痕跡がない。今後、新基地工事に伴う埋め立て土砂の影響などを受ける可能性もある」と述べた。
 研究チームの論文は2日、沖縄地理学会誌の電子版で公開された。

論文「沖縄県名護市辺野古崎沖の長島における鍾乳洞の地形と形成」




スペイン、アルダレス洞窟でネアンデルタール人が彩色(2021/8/3 AFP通信より入手)
スペインの洞窟芸術、描いたのはネアンデルタール人 研究で裏付け

【アリメカ合衆国・ワシントンDC発】
 6万年以上前にスペインの洞窟にある鍾乳石(石筍)に彩色を施していたのは、旧人類のネアンデルタール人で間違いないとする研究論文が2日、発表された。ネアンデルタール人は長年、粗野で野蛮だったと考えられてきた。
 スペイン・アルダレス洞窟(Cueva de Ardales)の鍾乳石で発見された赤褐色の色素は、現生人類(ホモ・サピエンス)の絶滅した近縁種のネアンデルタール人が塗布したものだとする研究論文が2018年に発表されて以来、この問題は先史考古学界で論争を呼んできた。
 年代測定によると、この「芸術作品」は少なくとも6万4800年前のもので、現生人類が欧州大陸にたどり着く前につくられたことを示唆している。
 だが、その後発表された科学論文の中には、鍾乳石の着色は自然物によるもので酸化鉄が流れてできた可能性が高いとするものもあったと、米科学アカデミー紀要(PNAS)で論文を発表した仏ボルドー大学(University of Bordeaux)のフランチェスコ・ディエリコ(Francesco d'Errico)氏はAFPに語った。
 ディエリコ氏らによる最新の分析では、色素の組成と配置は自然の作用と合致せず、飛び散らせたり吹き付けたりする動作を通じて色素が塗布されたことが明らかになった。また、色素の質感が洞窟から採取された自然の試料と一致しないため、色素の出どころが洞窟の外部にあることが示唆された。
 より詳細な年代測定の結果、色素は複数の異なる時期に塗布されており、1万年以上の間隔が空いていることが判明した。
 これは、「ネアンデルタール人が洞窟に色素を塗布する目的で、数千年にわたって何度か来ていたという仮説を裏付けている」とディエリコ氏は言う。
 研究チームは、鍾乳石は「ネアンデルタール人の一部の集団が有した象徴的な制度で重要な役割を果たしていた」が、その象徴が何を意味していたかについては、まだ謎のままだとしている。




「ケイビングジャーナル第72号」発行(2021/8/1 入手)
ケイビングジャーナル72号 日本洞窟学会のケイビング情報誌「ケイビングジャーナル」の第72号が発行された。A4サイズ56ページ。650円(税込/日本洞窟学会々員には送付)。
 内容は以下の通り。
 ・グラビア
 ・スペレオニュース
 ・イベントカレンダー
 ・憧れの3D測量を試す 〜お手軽な測量手法〜
 ・沖縄「松田鍾乳洞」リアル洞窟探検
 ・在宅ケイビングのススメ
 ・東京都西多摩郡奥多摩町「夫婦たぬき穴」測量報告
 ・富士山の溶岩洞窟・溶岩樹型の形成年代と溶岩流噴出時代について
 ・生物が造る岩石 香春岳のTufa・その成因と日本有数の理由
 ・ロープ体系
 ・観光洞と楽しむハイキング 橋立鍾乳洞&武甲山編
 ・米国・カスケード山系のセントへレンズ火山とニューベリー火山の溶岩チューブ洞窟
 ・日本の洞窟リスト【奈良県】
 ・プロジェクトボード
 ・洞窟書籍新刊紹介
 ・編集部からのお知らせ
 日本洞窟学会会員以外の購読希望者は、ケイビングジャーナル編集部caving_journal@cj.dojin.comまで。定期購読年3冊分2940円も可能。龍泉洞(岩手県岩泉町)、カモシカスポーツ 山とスキーの店(高田馬場)、竜ヶ岩洞(静岡県浜松市)、まえちゃんねっと〜よろず販売〜(オンラインショップ)でも購入可能。

ケイビングジャーナル ウェブサイト




カルスト切手「福島市×ベトナム社会主義共和国ホストタウン フレーム切手」発行(2021/7/21 入手)
福島市×ベトナム社会主義共和国ホストタウン フレーム切手 日本郵便株式会社東北支社より7月21日、オリジナルフレーム切手「福島市×ベトナム社会主義共和国ホストタウン フレーム切手」が発行された。1シート5枚のうち、1枚がベトナムのカルスト地形「ハロン湾」。
 このフレーム切手シリーズは「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会」に参加する国・地域の住民等が末永い交流を実現することを目的とした取り組み。
 「ハロン湾」は沈水カルストで、1994年にユネスコ世界遺産(自然遺産)に登録されている。
 額面は84円。1シート5枚。シール式。販売価格は920円。500シート限定。福島県福島市、二本松市、伊達市、本宮市、伊達郡桑折町、国見町、川俣町、安達郡大玉村内の郵便局、東京中央郵便局、大手町郵便局及び「郵便局のネットショップ」にて発売。

郵便局のネットショップ
UNESCOウェブサイト(Ha Long Bay)





ドイツ、アインホルン洞窟の骨はネアンデルタール人彫刻作品か(2021/7/6 AFP通信より入手)
ネアンデルタール人、現生人類到達前に描写的手法獲得か 研究

【フランス共和国・パリ発】
 山形の模様を刻み込んだ5万1000年前のシカの骨がドイツで見つかり、現生人類(ホモ・サピエンス)が中欧にたどり着くよりも早い時期に、ネアンデルタール人は独自の描写的手法を獲得していた可能性が出てきた。研究論文が5日、発表された。
 模様が刻まれたシカの骨が発見されたのは、ネアンデルタール人が住んでいたドイツ中部アインホルンヘーレ(Einhornhoehle)の洞窟。英科学誌「ネイチャー・エコロジー・アンド・エボリューション(Nature Ecology and Evolution)」に論文を掲載した研究者らは、この模様に明らかな実用性はないが、絶滅したネアンデルタール人の創造性に新たな光を投げ掛けるものになるとしている。
 欧州でこれまでに発見された、こうした模様が刻まれた石器時代の遺物の大多数はホモ・サピエンスによるものだ。そのため、長きにわたり専門家らの間では、ネアンデルタール人が象徴的なものを作り始めたのは、ホモ・サピエンスと交配してからと考えられてきた。
 だが今回発見された模様が施されたシカの骨は、放射性炭素年代測定法で少なくとも5万1000年前のもので、ホモ・サピエンスが中欧に到達するより約1万年前のものと研究チームは結論付けている。洞窟から見つかった巨大なシカの脚の骨の表面には、6本の斜線が交わる形で模様が刻み込まれていた。
 研究チームによると、ネアンデルタール人が作ったとされる同時期のものには、斜交平行線やジグザグの模様が付けられた火打ち石のかけらや岩盤、歯などがあるが、今回発見されたシカの骨は「これまでに分かっているネアンデルタール人の文化的な表現の中で最も複雑なものの一つ」だという。




間欠冷泉「満干の潮」が県天然記念物指定へ(2021/6/26 朝日新聞より入手)
間欠冷泉「満干の潮」、県天然記念物に 北九州の山中

 福岡県教育委員会は25日、北九州市小倉南区の山中にある間欠冷泉「満干(みちひ)の潮(しお)」を県指定の天然記念物に加えると決めた。国内最大級だが、周辺の山道などが整備されておらず非公開となっている。県指定文化財は計692件となった。
 間欠冷泉は、熱水と水蒸気の混合物を周期的に噴出する間欠泉のように、冷水が湧き出るもの。満干の潮は鱒渕(ますぶち)貯水池の近くの国有林内にあり、石灰岩の地層の割れ目にたまった水が数時間から3週間ほどの周期で地表に湧き出し、斜面を流れ下る。1回に湧き出す時間は9〜42分間という。
 県教委によると、地元では明治初期ごろ、湧き水のため下流にある川の水位が上がり、洗濯物が流されることがあったという。人々が水位の上昇を「潮が満ちる」と呼んだことが名前の由来。1秒間に4〜35リットル流れる湧き水は、岡山県新見市の国天然記念物「潮滝」(8〜11.5リットル)を含めた全国4ヵ所の間欠冷泉と比べても突出して多い。
 北九州市立自然史・歴史博物館の元学芸員藤井厚志さんが、1987年から32年間観測を重ねて、こうした実態を調べてきた。藤井さんは湧き出る水量が月や太陽の引力で地球がゆがむ地球潮汐(ちょうせき)の影響を受けているとみており、県教委は「地域に伝承された歴史に加えて地学の現象も内包しており、学術的価値が高い間欠冷泉だ」としている。

「満干の潮」の福岡県天然記念物の指定について




球泉洞、8月再開へ向けて復旧作業(2021/6/23 毎日新聞より入手)
九州豪雨で被災した熊本の球泉洞、8月再開へ復旧作業大詰め

 2020年7月の九州豪雨で被災して閉鎖中の熊本県球磨村の鍾乳洞「球泉洞」で、復旧作業が大詰めを迎えている。年約6万人が訪れた村最大の観光名所だが、豪雨で土砂が施設内に流入するなどして立ち入れなくなっていた。約2000人のボランティアらにも支えられ、8月の再開を目指す関係者は「ようやく出口が見えてきた」と手応えを感じている。
 球泉洞は1973年に見つかった長さ約4.8キロの九州最大の鍾乳洞。約3億年前に海底にあった石灰岩層が隆起してできたと考えられ、内部の神秘的な光景を楽しもうと県内外から多くの人が訪れていた。
 しかし、1年前の豪雨で状況は一変。運営する村森林組合総務部長の犬童(いんどう)大輔さん(47)は、自宅からヘリコプターで救出された後、組合事務所から約5キロ歩いて球泉洞にたどり着いた時のことが忘れられない。崩れた裏山の大量の土砂が洞窟までのアクセス道や付属の観光施設などに流入し、駐車場にも流木や土砂が積もっていた。
 付属施設の従業員15人も解雇せざるを得ず、絶望感に打ちひしがれていた時、支えてくれたのは各地からの支援だった。20年8月〜21年1月に延べ約2000人のボランティアが土砂をかき出してくれ、約2000万円の支援金も寄せられた。土砂が日に日に撤去されるのを見るうちに犬童さんは「支援に応えなければ」と思うようになった。
 21年1月には土砂撤去が終わり、5月には鍾乳洞に生息するコウモリにちなんだ食堂「幸盛(こうもり)亭」がオープン。被災前にあったレストランは壊れ、周辺で道路や河川の復旧工事で汗を流す作業員が食事できる場所がなく、犬童さんらは「温かい食事を提供したい」と、球泉洞の再開に先行して店を開いた。6月上旬に来店した作業員の男性(32)は「体力勝負の仕事なので助かる」と笑顔でカツカレーをほおばった。
 券売所などの修理工事も最終段階に入り、犬童さんらは8月の再開を目指すが、周辺の道路は仮復旧しているだけで大雨が降れば危険な箇所もある。球泉洞への観光客が利用していたJR肥薩線も壊滅的な被害を受け、周辺区間は不通のままだ。
 それでも犬童さんは「あの悲惨な状況からここまで来られた。長かったトンネルの出口に向かって進んでいる」と実感している。球泉洞を観光名所として復活させ、村の復興を引っ張っていきたい。そのために全力を尽くすつもりだ。

球泉洞ウェブサイト




「ナショナルジオグラフィック6月号」に洞窟記事が掲載(2021/5/30 入手)
ナショナルジオグラフィック 日本版 2021年6月号 地球の素顔を伝えるビジュアルマガジン「ナショナルジオグラフィック 日本版 2021年6月号」の一項目に、「クリジナ洞窟 美しき地下世界」が掲載された。
 スロベニアにある石灰洞「クリジナ洞窟」が美しい写真と共に紹介されている。筆者はマルコ・シミチ氏、写真はピーター・ゲダイ氏。日本語監修は浦田健作氏。74〜91ページ。
 1991年に発見された下流部「新クリジナ洞窟」は、洞窟保護の観点から入洞制限がされており、入洞者はこれまで30人もいないとのこと。「クリジナ洞窟」との接続が期待される。「クリジナ洞窟」はガイドツアーとして見学可能。洞奥へのツアーは年間1000人まで。
 その他の記事も琉球列島、カフカス山脈、ユカタン半島、トリエステ、とカルストに関係する地域が掲載されている。
 日経ナショナルジオグラフィック社発行。A4サイズ136ページ。オールカラー。定価1,210円(税込)。5月30日発売。
 購入は書店、日経BPストア楽天ブックスAmazon.co.jpほかでも可能。電子書籍版もある。

ナショナルジオグラフィック日本版ウェブサイト(クリジナ洞窟 美しき地下世界)
クリジナ洞窟(Krizna Jama)





あぶくま洞、絶滅危惧指定ヒナノキンチャクが周辺に群生(2021/5/24 福島民報より入手)
絶滅危惧指定の希少植物ヒナノキンチャク 田村・あぶくま洞周辺に群生、PRや保全

 田村市滝根町の観光鍾乳洞「あぶくま洞」周辺に、「ヒナノキンチャク」が群生している。環境省のレッドリストで絶滅危惧TB類に指定されている希少な植物で、専門家は、あぶくま洞周辺を「国内で最も大きな個体群の一つ」とする。あぶくま洞管理事務所は、看板を設置するなどして、PRと保全に乗り出した。
 ヒナノキンチャクの群生は、2014(平成26)年の調査で確認された。第2駐車場そばの石灰岩地やラベンダー園などに合わせて千株以上が生えている。福島大共生システム理工学類生物多様性保全研究室の黒沢高秀教授は「石灰岩地は他の植物が生えにくいため、裸地や明るい場所を好むヒナノキンチャクが群生しているのではないか」と分析する。
 黒沢教授によると、あぶくま洞周辺は、ヒナノキンチャクの他にも多種多様な植物が自生しており、「魅力的な観光資源になる」とという。あぶくま洞管理事務所は黒沢教授らの助言を受け、活用と保全を進めることにした。手始めに今春、ヒナノキンチャクをはじめとした周辺の植生を紹介する看板を、ヒナノキンチャクが群生する場所の近くに立てた。事務所の職員は「あぶくま洞周辺の四季折々に咲く植物を楽しんでもらえれば、うれしい」と話す。
 黒沢教授は、ヒナノキンチャクの保全に向け、「木や他の花を植えず、岩場を撤去しないなど、ヒナノキンチャクにとって好適な環境を保つことが重要だ」と助言している。

あぶくま洞ウェブサイト




飛騨大鍾乳洞、7月16日まで時短営業(2021/5/15 中日新聞より入手)
高山・飛騨大鍾乳洞の営業時間を短縮 21日から7月16日

 高山市丹生川町で「飛騨大鍾乳洞&大橋コレクション館」を経営する飛騨大鍾乳洞観光は、全国で新型コロナウイルスの感染が拡大している状況を受け、21日から7月16日までの間、時短営業を行うと決めた。通常は午前8時〜午後5時の営業時間を、午前9時〜午後4時に短縮する。

飛騨大鍾乳洞ウェブサイト




龍泉洞、洞内熟成日本酒を蔵入れ(2021/5/15 岩手日報より入手)
龍泉洞で奥深い日本酒に 岩泉・泉金酒造が熟成開始

 岩泉町岩泉の泉金酒造(八重樫義一郎社長)は13日、製造した日本酒を同町の龍泉洞内に搬入した。天然の冷蔵庫で熟成させる独自の取り組みは今年で7年目。従業員らは秋の仕上がりに思いをはせながら作業を進めた。
 マスクを着用し、洞内に大型扇風機を設置して換気効果を高めるなど感染防止策を講じ、龍泉洞トンネル出口から230メートル奥の貯蔵所に日本酒を搬入。龍泉洞の水で仕込んだ純米吟醸酒1.8リットル入り420本、720ミリリットル入り2505本を収めた。
 洞内は年間を通して気温が10度前後で、紫外線の心配もなく保存に適している。熟成によってまろやかで奥深い味わいに仕上がる。

龍泉洞ウェブサイト
泉金酒造ウェブサイト





球泉洞、飲食店の営業を再開(2021/5/10 読売新聞より入手)
「球泉洞」飲食店再開 豪雨10か月

 昨年7月の豪雨から10か月が過ぎた。国道や鉄道といった主要な交通網は復旧していないが、人吉・球磨地域の観光施設や特産品販売の店が営業を再開し始めた。
 九州有数の長さを誇り、球磨村の主要観光施設の一つでもある観光鍾乳洞「球泉洞」(延長4.8キロ)は今月、食事の提供や弁当を販売する飲食店の営業を再開した。被災した球泉洞関連施設の営業再開は初めてとなる。
 豪雨で裏山が崩れ、鍾乳洞に続くトンネルや売店には大量の土砂が流れ込んだ。各地の森林組合の協力を得て土砂を撤去し、水道や電気は復旧。ただ、肝心の国道やJR肥薩線が復旧に至っておらず、目標とする今夏の全面営業再開は、不透明な状況にある。
 村内の飲食店のほとんどは営業休止状態。復旧工事に日々汗を流す作業員らからは「昼食を食べられる場所がない」との声が出ていた。
 そこで、1日から屋外の屋根付き施設の骨組みを使って設けた飲食店「幸盛亭」の営業を始めた。被災後に一時解雇した職員4人を再雇用し、店名には、鍾乳洞の象徴でもあるコウモリにちなみ、地域に幸せが訪れるようにとの願いを込めた。17席あり、うどんやそばといった軽食を提供するほか、弁当も販売する。
 観光鍾乳洞を運営する村森林組合の犬童大輔総務部長は「まずは地域、工事関係者の方々に温かい食事を届け、村の復旧に少しでも貢献したい」と語る。
 営業は午前10時半〜午後2時半で、水曜定休。問い合わせは村森林組合(0966−34−0211)へ。

球泉洞ウェブサイト




伊国、ガタリ洞窟でネアンデルタール人9人の化石発見(2021/5/9 AFP通信より入手)
ネアンデルタール人9人の化石発見 伊ガタリ洞窟

【イタリア共和国・ローマ発】
 イタリア文化財省は8日、国内の洞窟でネアンデルタール人9人の化石を発見したと発表した。
 ローマとナポリ(Naples)の間の海岸に位置するサンフェリーチェチルチェーオ(San Felice Circeo)のガタリ洞窟(Guattari Cave)で発見された化石は、すべて成人のものだと考えられるが、うち1人は若者だった可能性もある。
 文化財省は、8人は5万〜6万8000年前のもので、最も古い1人は9万〜10万年前のものだとしている。これより前に発見された2人と合わせ、ガタリ洞窟で発見されたネアンデルタール人は11人となるという。同省は「この地はネアンデルタール人の歴史において、最も重要な場所の一つであることが確認された」と述べている。
 ダリオ・フランチェスキーニ(Dario Franceschini)文化財相は「非常に素晴らしい、世界的な発見だ」と強調した。
 発掘作業を率いたフランチェスコ・ディ・マリオ(Francesco Di Mario)氏は、今回の発見は、この地域に多くのネアンデルタール人がいたことを示すものだと指摘している。また、発掘で人類学研究を指揮したマリオ・ルビーニ(Mario Rubini)氏は、イタリアにおける定住の歴史解明の重要な手がかりとなると説明した。
 1939年2月に労働者らによって偶然発見されたガタリ洞窟では、2019年10月から新たな調査が進められている。
 最新の発掘では、動物の骨も多数発見されている。ハイエナやその被食者の骨も見つかっており、ハイエナが洞窟に持ち帰り、保管していたと考えられている。
 ゾウやサイ、オオツノジカ、ホラアナグマ、野生ウマ、絶滅したウシ属のオーロックスなど、大型哺乳類の骨も見つかっている。文化財省によると、骨の多くにはかじった明確な跡が残されていた。




龍泉洞、14年振りの神事でコロナ払い(2021/5/7 岩手日報より入手)
熱湯まきコロナ払い 岩泉・龍泉洞で14年ぶりの神事

 岩泉町観光協会(八重樫義一郎会長)は5日、同町岩泉の龍泉洞で安全祈願祭を行った。14年ぶりに復活した湯立(ゆだて)神事で新型コロナウイルス感染症の収束や観光客の安全を祈った。
 洞窟の入り口で行い、関係者ら15人が出席。湯立神事は大釜で沸かした龍泉洞の水に神酒や塩などをささげる。祝詞を奏上した岩泉大神宮の八重樫定津彰(てつあき)宮司(59)がササの葉で熱湯を振りまいて場を清めた。

龍泉洞ウェブサイト




ケニア、パンガヤサイディ洞窟で幼児の墓発見(2021/5/7 AFP通信より入手)
ケニアの洞窟に幼児の墓 アフリカ最古の埋葬

【フランス共和国・パリ発】
 7万8000年前、ケニア沿岸部の洞窟で3歳に満たない幼児が埋葬されていたとする論文が5日、発表された。論文によると、アフリカで発見された人間の埋葬としては最古の事例で、幼児は両脚を注意深く胸の前に引き寄せた形で横向きに寝かされていたという。
 英科学誌ネイチャー(Nature)に掲載された論文によると、このパンガヤサイディ(Panga ya Saidi)洞窟に掘られた墓穴からは、同じ地域のより新しい石器時代の墓で出土しているような装飾品や供物は見られなかった。
 スワヒリ語で「子ども」を意味する「ムトト(Mtoto)」と名付けられたこの幼児は、布で包まれ、枕らしきものに頭部が乗せられていた。これは「コミュニティーが、何らかの形で葬儀を行った可能性を示している」と、論文の筆頭著者でスペイン・ブルゴス(Burgos)の国立人類進化研究センター(National Research Centre on Human Evolution)長であるマリア・マルティノン・トレス(Maria Martinon-Torres)氏は述べる。
 今回の希少な発見で注目されるのは、現生人類ホモ・サピエンス(Homo sapiens)の複雑な社会的行動と、アフリカとその他の地域のホモ・サピエンスの間の文化的な差異の両方が出現していることだ。
 この洞窟では、この幼児の骨の破片が2013年に出土していたが、洞窟の地下3メートルの深さにある浅い円形の墓を完全に発掘するには、その後5年を要した。墓からは、分解の進んだ一塊の骨が見つかった。
 その後の顕微鏡分析とルミネッセンス年代測定によって、ムトトは墓の周囲を掘った土で丁寧に埋められた状態で約8万年間、静かに眠っていたことが確認された。

■文化のある埋葬
 アフリカはホモ・サピエンスが出現した地であるものの、欧州や中東と比べて、埋葬の儀式についてほとんど分かっていない。欧州や中東では、12万年前のものとされるイスラエルの例など、より古い時代の埋葬地が発掘されている。
 膝を抱えた姿勢で埋葬される理由について、先のマルティノン・トレス氏は「遺体を狭い空間に収めるための合理的な理由だと論じる研究者もいますが、子どもが眠る姿勢にしたものだとも考えられます」と言う。  そして、「胎児の姿勢で横たわり、包まれていることは、(中略)人間の温かさを伝える何かしらの形である可能性があります」と述べている。
 石器時代の埋葬地には文化の発現が示唆されていることが少なくない、と英ロンドンの自然史博物館(Natural History Museum)人類進化研究センター(Centre for Human Evolutio)で研究員を務めるルイーズ・ハンフリー(Louise Humphrey)氏は指摘する。
 同氏は「ネイチャー」の論評で、「そうした行為には、墓の中に望ましい姿勢や向きで遺体を丁寧に安置すること、移送目的以外の理由で包んだり縛ったりすること、または意図的に貴重品を墓内に入れることなどが挙げられる」と述べている。
 この3つの判断基準のうち、ムトトの墓には最初の2つが該当する。3番目も当てはまる可能性がある。
 同氏によると、ムトトの墓は、南アフリカにあるほぼ同時代の子どもの埋葬地とともに、「中石器時代後期のアフリカの一部では、少なくとも非常に幼い子どもに対して、象徴的な意味のある埋葬を行う伝統が存在したことを示唆している」という。




ウンブギアナゴが天城町指定天然記念物に(2021/5/6 南海日日新聞より入手)
ウンブキアナゴ保護へ 徳之島天城町 町初の天然記念物に指定

 鹿児島県天城町教育委員会は4月30日付で同町浅間湾屋洞窟「ウンブキ」に生息する「ウンブキアナゴ」を町の天然記念物に指定した。ウンブキアナゴは国内では天城町でのみ見つかっている希少種。町文化財としては35例目の登録となり、天然記念物の指定は同町で初めて。同教委は「指定により地域住民へ周知し保護を進めたい」としている。
 同町文化遺産データベースによると、ウンブキアナゴは成体で全長約50センチ。ウナギやアナゴよりウツボに近く、えらの後ろに胸びれが無いのが特徴。海水と淡水が混ざる汽水域の洞窟、という同様の環境で生息するアナゴは世界全体では5ヵ所で見つかっている。
 2011年12月に自然写真家の山田文彦さん(54)=同町在住=が捕獲し、14年2月に日本初確認が分かった。天然記念物指定について山田さんは「アマミノクロウサギが国の天然記念物に指定されたのが1921年なのでちょうど100年前。ウンブキアナゴも県や国の天然記念物になってほしい」と話した。
 昨年にはウンブキ内で密漁目的とみられるトラップが見つかっており、監視カメラの設置や徳之島地区自然保護協議会がパトロールするなどして対策しているという。
 山田さんは「簡単に歩いて行ける汽水域という恵まれた条件があだになっている。天然記念物になることは保護の観点からも重要」と指定の意義を強調した。

一般社団法人徳之島観光連盟ウェブサイト(ウンブギ」)




吉田胎内、胎内祭は今年も自粛開催(2021/5/1 毎日新聞より入手)
コロナ禍に安寧を 富士講道者がお焚き上げ 洞穴の吉田胎内神社

 世界文化遺産・富士山の構成資産の一つ「吉田胎内樹型」がある山梨県富士吉田市の吉田胎内神社で29日、胎内祭が営まれた。富士山を信仰する富士講の道者が神事「お焚き上げ」を行い、コロナ禍の中、安寧を祈った。
 吉田胎内樹型は富士山の溶岩でできた洞穴で、富士講の道者が洞内を巡った。胎内祭は、洞穴を管理する富士山北口御師(おし)団が主催し、1年を通じてこの日だけ洞内に入れる。昨年に続いて新型コロナウイルスの感染拡大で規模を縮小して実施した。
 神事に続いて丸伊講(神奈川県横須賀市)の斉藤義次先達(90)ら5人の富士山を信仰する道者が、神社正面に備えた粗塩の上に富士山型に立てた線香に火をつけ、富士講の始祖・長谷川角行(1541〜1646)が富士山の浅間大菩薩からさずかったという「御神語」を唱え、願い事を書いた「焚き符」を火にくべた。

一般財団法人ふじよしだ観光振興サービス ウェブサイト




「洞窟ばか」新書版で再発売(2021/5/1 入手)
洞窟ばか  ケイバーの吉田勝次氏によるノンフィクション・エッセイ「すきあらば、前人未踏の洞窟探検 洞窟ばか」が新書版として再発売された。
 ケイビングクラブ「J.E.T」、アウトドアロケ事業「地球探検社」、ケイビングガイド事業「CiaO!」、ケイビングガイド育成事業「社団法人日本ケイビング連盟」などを主催する吉田氏の国内外での活躍を描いたもの。ケイビングにのめり込んでいった経緯、安家洞や霧穴などでのケイビング活動、ベトナムや中国などでの海外遠征、各事業の立ち上げ、自己流探検術、洞窟や探検の魅力などが面白おかしく、時に真剣に書かれている。
 堅苦しさは一切なく、一気に読める内容。ケイバーであれば楽しさ倍増の一冊となっている。
 扶桑社発行。新書サイズ270ページ。グラビアカラー。定価968円(税込)。5月1日発売。
 購入は書店、楽天ブックスAmazon.co.jp他にて。 電子書籍版もある。

J.E.Tウェブサイト
地球探検社ウェブサイト
社団法人日本ケイビング連盟ウェブサイト





青龍窟、汚損行為を確認(2021/4/29 入手)
 苅田町は「青龍窟」の洞内で火をたいて煤を付着させるなどの汚損行為が確認されたと、町ウェブサイトにして発表した。
 福岡県の平尾台にある「青龍窟」は1962(昭和37)年に国の天然記念物に指定。かつては普智山等覚寺の奥の院として修験道の修行場になっており、また1976(昭和51)年にはナウマンゾウの頭蓋骨化石が出土している。照明はない。

苅田町ウェブサイト(国指定天然記念物青龍窟における汚損について)




帝釈峡の雄橋、落書きを除去(2021/4/28 中國新聞より入手)
帝釈峡の国天然記念物「雄橋」の落書き除去 庄原市教委、看板で禁止訴え

 庄原市教委は、同市と東城町と神石高原町にまたがる国定公園帝釈峡内の国天然記念物雄橋(おんばし)に刻まれた落書きを取り除いた。当面、現場近くに落書き禁止を伝える仮看板を設置し続けて再発防止を図る。
 文化財である雄橋に手を加える「現状変更」の許可が文化庁から下りたのを受けて、市教委の職員が現地で除去作業をした。石灰岩の表面に掘られた落書きと周辺を研磨機で削った。
 落書きは昨年11月に、雄橋の東側根元部分の2ヵ所で見つかった。縦横約10センチの大きさの「R」や、縦約13センチ、横約20センチの範囲で日付やアルファベットとみられる文字が刻まれていた。
 市教委は、2018年8月に同様の落書きが見つかった際には、雄橋近くの看板に落書きしないよう呼び掛ける注意喚起文を載せるなどして啓発してきた。生涯学習課は「二度と起こらないよう観光客のモラルに訴える情報発信を強める」とする。

帝釈峡観光協会ウェブサイト(雄橋)




洞窟映画「THE CAVE(ザ・ケイブ)」DVD発売(2021/4/21 入手)
THE CAVE(ザ・ケイブ) レスキューダイバー決死の18日間  2020年11月に日本公開されたタイ映画「THE CAVE(ザ・ケイブ) サッカー少年救出までの18日間(原題:THE CAVE)」が4月21日にDVD発売された。DVDタイトルは「THE CAVE(ザ・ケイブ) レスキューダイバー決死の18日間」に変更されている。
 本作品は2018年にタイで起きた「ルアン洞窟幽閉事故」の映画化。増水により洞内に閉じ込められた地元サッカーチームの少年12人とコーチを、世界中から集まったケイブ・ダイバーらが救出を試みる。
 監督はタイ・バンコク生まれのイギリス人トム・ウォーラー。本人役でケイブ・ダイバーであるジム・ウォーニー、エリック・ブラウンが出演している。
 オリジナル予告編付き。コムストック・グルーブ発売、TCエンターテイメント販売。税込4180円、本編時間104分。





龍河洞、体験型観光として西本洞コースを新設(2021/4/14 高知新聞より入手)
日本三大鍾乳洞・高知の龍河洞に「水の洞窟」新公開 地下水広がる神秘の世界

 香美市土佐山田町逆川の龍河洞に29日、22年ぶりとなる新ルートが登場する。初公開となる西本洞を中心とした約300メートルで、地下水が常時流れる水の洞窟=B13日、報道機関に公開され、関係者は「洞の生成の歴史を感じられる場所」と、魅力をアピールしている。
 日本三大鍾乳洞の一つに数えられる龍河洞は、石灰岩質の三宝山中に約1億7500万年かけて生成。総延長約4キロで、メインコースの東本洞のほか、西本洞、中央洞がある。1999年には冒険コースが整備された。
 新ルートは、8月の開洞90周年に向け、龍河洞保存会と株式会社「龍河洞みらい」が2018年から約1000万円で整備。未公開だった西本洞のほか、中央洞も一部含んでいる。
 大人がやっと通れる狭さの順路は常に地下水が流れ、腰下まで水に漬かる場所も。照明はなく、貸与のヘルメットや長靴などを着用し、ヘッドランプを頼りに進むと、流水に削られた丸い穴「ポットホール」や落差5メートルを超す滝など、神秘的な光景が広がる。
 オープンに合わせ、入り口付近の更衣室を改装し、足洗い場も新設。同社の永嶋孝之専務は「長い眠りから覚めた洞窟で、非日常な空間を提供したい」と話す。
 公開は毎年4月29日〜10月末頃に限定。入洞は小学生以上で、ガイド制のため前日までに予約が必要。所要時間は30分程度で、料金は観光コースとのセットで大人1人2400円など。問い合わせは同保存会(0887−53−2144)へ。

龍河洞ウェブサイト




山口県美祢市の陥没、2020年は11ヶ所(2021/4/8 毎日新聞より入手)
山口・美祢市 道路や農地で陥没相次ぐ 一夜で幅50センチ拡大も

 山口県美祢市内の道路や農地で陥没が相次いでいる。県や市によると、市内では2020年度に計11ヵ所の陥没を確認し、このうち5ヵ所は同市伊佐町だった。県などは周辺地域の地中に陥没につながる空洞が無いかを調べているが、原因の特定には至っていない
 20年4月下旬、同市伊佐町伊佐の70代女性は、自宅前の市道に幅約50センチの穴が開いているのを見つけた。穴は夜までに幅1メートル以上にまで広がったといい「近所ではこの1、2年で陥没が相次いでおり、不安だ」と振り返る。
 県や市によると、20年度に確認した11ヵ所の内訳は、道路1ヵ所▽河川2ヵ所▽農地7ヵ所▽空き地1ヵ所。それ以前に確認した分は、19年度6ヵ所▽18年度4ヵ所▽17年度1ヵ所で、20年度の多さは目立つ。市は埋め戻し工事を実施したが、財政上の制約や私有地であることなどの理由で、多くの陥没箇所で原因究明のための掘削工事ができていない。
 一方、県と市は市内の県道や市道でレーダーを使った調査を実施し、異常を検知した19ヵ所のうち15ヵ所を掘削して空洞が無いことを確認した。7日には、残り4ヵ所がある同市美東町赤の県道に直径約5センチ、深さ約20〜40センチの穴を開け、小型カメラで内部を調べた。今後、空洞の有無を特定していくという。
 鍾乳洞調査が専門の村上崇史・市文化財保護課特別専門員(44)によると、日本最大級のカルスト台地、秋吉台(同市)周辺は石灰質の岩盤で水に浸食されやすく、他の岩盤と比べて格段に陥没が起きやすいと説明。その上で「近年の集中豪雨で岩盤上の地中に水の通りが増え、陥没が続く一因になった可能性がある」と指摘した。

※関連記事
3/10 山口県美祢市で陥没相次ぐ





「ケイビングジャーナル第71号」発行(2021/4/1 入手)
ケイビングジャーナル71号 日本洞窟学会のケイビング情報誌「ケイビングジャーナル」の第71号が発行された。A4サイズ56ページ。650円(税込/日本洞窟学会々員には送付)。
 内容は以下の通り。
 ・グラビア
 ・スペレオニュース
 ・イベントカレンダー
 ・PETZL新製品&リニューアル製品紹介2021
 ・上野俊一先生追悼特集
 ・スマートフォンの3Dレーザースキャナーを用いた「精進湖口・試練の穴」の新溶岩洞窟の測量
 ・日本洞窟学会第46回大会(仙台大会)大会記録
 ・日本洞窟学会第46回大会(仙台大会)講演要旨
 ・カラビナのサバ折れ試験
 ・西アフリカ・カメルーン山の溶岩流と溶岩チューブ洞窟
 ・洞窟書籍新刊紹介
 ・プロジェクトボード
 ・学会からのお知らせ
 ・編集部からのお知らせ
 日本洞窟学会会員以外の購読希望者は、ケイビングジャーナル編集部caving_journal@cj.dojin.comまで。定期購読年3冊分2940円も可能。龍泉洞(岩手県岩泉町)、カモシカスポーツ 山とスキーの店(高田馬場)、竜ヶ岩洞(静岡県浜松市)、まえちゃんねっと〜よろず販売〜(オンラインショップ)でも購入可能。

ケイビングジャーナル ウェブサイト




「日本洞穴学研究所報告 第38号」発行(2021/3/31 入手)
日本洞穴学研究所報告第38号 岩手県下閉伊郡岩泉町にある「日本洞穴学研究所」の年次研究報告が発行された。内容は以下の通り。
 ・龍泉新洞再測量調査 中間報告
 ・龍泉新洞、地底湖発見とその意義
 ・龍泉洞と龍泉新洞における洞内気象観測についての経過報告(2020年5月− 9月)
 ・龍泉洞第一地底湖と第三地底湖の水位変動(2020年5月から12月までの記録)
 ・岩手の洞穴に纏わる伝説・言い伝え等
 日本洞穴学研究所発行。A4サイズ93ページ。カラー。頒価500円(税込)。3月31日発行。
 購入・問い合わせは日本洞穴学研究所事務局(龍泉洞事務所内/рO194−22−2566)、または地R元事務局まで。なお、日本洞穴学研究所報告第2〜37号までのバックナンバー(各500円/35号36号は2,000円)も取り扱っている。




洞窟ゲーム「元祖みんなでスペランカー」発売決定(2021/3/26 入手)
元祖みんなでスペランカー 株式会社Tozai Gamesは、PlayStation 4、Nintendo Switch用ソフト「元祖みんなでスペランカー」を7月15日に発売すると発表した。
 本作は、2009年にPlayStation 3で発売されたアクションゲーム「みんなでスペランカー」のフルリメイク版。新ゲームモード「無限洞窟NEO」が追加され、オフラインで4人、オンラインで6人までのマルチプレイに対応している。
 また、全てのゲームモードは、ファミコン版スペランカーのドット絵グラフィックと8ビットサウンドでもプレイすることが可能。
 パッケージ版(3300円)、ダウンロード版(2640円)のほか特典付きの特別限定版(7480円)も同時発売。
 「スペランカー」シリーズは洞窟探検家が隠された財宝を求め、より深くへと進んでいくアクションゲーム。1983年にアメリカで誕生、日本では1985年にファミリーコンピュータ用ソフトとして発売された。わずかな段差から落ちてもミスとなる難易度から「ゲーム史上最弱の主人公」と呼ばれ、ゲームファンから親しまれている。

元祖みんなでワイワイ!スペランカー ウェブサイト
プレスリリース





フランス、ロンブリーブ洞窟で閉じこもり実験(2021/3/24 AFP通信より入手)
洞窟で閉じこもり実験「ディープタイム」 時計なしで6週間 フランス

 新型コロナウイルス流行によるロックダウン(都市封鎖)という未知の領域に踏み込んでから1年を経たフランスで、あるグループがさらに極度の閉じこもり状態に入った。時間の分からない地下で6週間近くを過ごし、極端な孤立が人間にもたらす影響を調べる実験だ。
 「ディープタイム(深い時間)」と呼ばれるこの実験に参加しているのは、仏系スイス人探検家クリスティアン・クロット(Christian Clot)氏をはじめとする男女15人。今月14日の夜から、仏トゥールーズ(Toulouse)南方のピレネー山脈(Pyrenees)にある広大なロンブリーブ(Lombrives)洞窟で生活している。
 グループは電話や時計、自然光を奪われた状態で、40日間にわたって地下の洞窟に住む。最低限のプライバシーを守るためのテントは各自にある。
 クロット氏は洞窟に入る数時間前に行われた記者会見で「生活空間は三つに分けて設けられている。一つは就寝する場所、もう一つは生活する場所、それから動物相と植物相を中心に地形学的研究を行う場所だ」と説明した。
 だがこの研究の主な対象は、27歳から50歳までの男女それぞれ7人のボランティアとクロット氏本人だ。一行は常に気温12度、湿度95%の環境に適応しなければならない。
 科学者十数人がモニターできるように、参加者はセンサーを装備している。通常の時空間の基準がないところで、人間がどのように反応するかを探るのだ。
 モニターチームの一員で、パリ高等師範学校(Ecole Normale Superieur、ENS)認知神経科学部のエティエンヌ・ケクラン(Etienne Koechlin)部長は今回の実験について、この種のものとしては初の試みだと語る。「これまでのこの種の実験は身体の生理的リズムを研究するのが目的で、時間からの断絶が人間の認知的および感情的機能に与える影響に関するものはなかった」
 仏各地から無報酬で実験に参加しているボランティアの職業は、宝石商、麻酔専門医、警備員、とび職人などさまざまだ。
 洞窟の中には食料や器材計4トンが運び込まれ、参加者らは完全に自立した生活ができる。水は現地の泉から調達し、電気は自転車発電機で供給する。
 29歳の生物学者アルノー・ビュレル(Arnaud Burel)さんは実験への参加を決めた動機について「時間から切り離された生活を体験するため、コンピューターや携帯電話がひっきりなしに約束の時間や仕事を知らせてくる外の世界では不可能なことを体験するためです」と説明した。「一生のうちの40日なんて、大海の一滴にすぎないのでは?」と言う。
 幸いなことに、参加者は実験に耐えられなくなったら、いつでも離脱することができる。

ロンブリーブ洞窟(Grotte de Lombrives)ウェブサイト




玉泉洞、営業再開後は期間限定ピンクワールド(2021/3/19 琉球新報より入手)
鍾乳洞がピンクに染まる 南城・玉泉洞で「愛の泉」ライトアップを開催 28日まで

 新型コロナウイルスの感染拡大で臨時休園していた南城市玉城前川のおきなわワールド文化王国・玉泉洞が10日、営業を再開した。同園にある国内最大級の洞窟「玉泉洞」では、期間限定でピンク色にライトアップしている。同日、来園者が玉泉洞に入り、ピンク色に染まる鍾乳石に目を輝かせながら見入っていた。
 通常天井一面に広がる鍾乳石と流れる透き通った水を、青のライトで照らす玉泉洞の「青の泉」エリアを今回、期間限定で「愛の泉」と名前を変えて、ピンク色に染まった。
 企画広報課の市原いづみ係長は「当初はバレンタインデーに合わせてピンク色にしようとしたが、緊急事態宣言で休園となった。コロナ禍の中、多くの方々が明るく、楽しい気持ちになってほしいと願いを込めた」と語った。
 ピンク色のライトアップは28日まで。問い合わせ先はおきなわワールド(電話)098−949−7421。

おきなわワールド ウェブサイト(ピンクワールドin玉泉洞)




「洞窟学雑誌 第45巻」発行(2021/3/17 入手)
洞窟学雑誌 第45巻 日本洞窟学会の機関誌「洞窟学雑誌」の第45巻が日本洞窟学会会員に配布された。発行日は2020年12月31日。B5サイズ69ページ。3000円(税込/日本洞窟学会々員には送付)。掲載論文は以下の通り。
・上野俊一博士のご逝去を悼む
・フッ素含量に基づく化石骨の相対年代推定 −その歴史と現状および展望−
・中国東北部・北部の哺乳類化石を含む洞窟・裂罅堆積物 −その分布や特徴,含まれる動物群と時代および日本のものとの比較−
・国指定天然記念物「秋芳洞」で発見された新空間「殊勝殿」の概要
・3次元レーザスキャナを用いた竜渓洞の形状測定
 購入・問い合わせは日本洞窟学会事務局(福岡大学理学部地球圏科学科地球科学分野内)まで。一部のバックナンバーも取り揃えている。




米国、ルアン洞窟幽閉事故映画はV・モーテンセン&C・ファレル出演(2021/3/13 シネマトゥデイより入手)
タイ洞窟遭難事故の映画化、ヴィゴ・モーテンセン&コリン・ファレルら出演

 タイの洞窟で起きた遭難事故と救出劇を描くロン・ハワード監督の新作映画『サーティーン・ライヴズ(原題)/Thirteen Lives』に、ヴィゴ・モーテンセン、コリン・ファレル、ジョエル・エドガートンらが出演するとDeadlineが報じた。
 2018年6月23日、練習を終えたサッカーチームの少年12人とコーチは、チームメイトの誕生日を祝うために地元チェンライのタムルアン洞窟に入った。だが、雨季の豪雨で水位が急上昇し、洞窟内に閉じ込められてしまう。本作は少年たちとコーチが7月10日に救出されるまでの18日間を描き出す。事故発生当時、世界中から軍や経験豊富なダイバーが救出に参加。救助活動にあたった元タイ海軍のダイバーが亡くなるほど命懸けの救出現場だった。  脚本は『グラディエーター』『レ・ミゼラブル』のウィリアム・ニコルソンが執筆。撮影は今月から、オーストラリアとタイで行われる予定。




NHKスペシャル「巨大地下空間 龍の巣に挑む」が文部科学大臣賞受賞(2021/3/10 入手)
 2020年2月に放送されたNHKスペシャル「巨大地下空間 龍の巣に挑む」が3月10日、第62回科学技術映像祭において文部科学大臣賞(自然・くらし部門)を受賞した。
 受賞した作品は、中国貴州省にある世界最大の地下空間「ミャオティン」を最新の3Dレーザー測量によって全貌を明らかにしたドキュメンタリー。企画・製作は日本放送協会。カメラマンら日本洞窟学会会員が複数参加している。
 科学技術映像祭は1930(昭和35)年から開催され、優れた科学技術映像を選奨することで科学技術への関心を喚起するとともに、その普及と向上をはかり、社会一般の科学技術教養の向上に資することを目的としたもの。




山口県美祢市で陥没相次ぐ(2021/3/10 山口放送より入手)
【山口】山口県美祢市で陥没が相次ぐ・地下の構造を調査

 山口県美祢市では市道や空き地などで去年から相次いで地面の陥没が確認された。穴は大きいもので直径4メートル深さ1.5メートルにもなる。美祢市では10日、今後さらに陥没する場所がないか地下の構造の調査が行なわれた。
 調査が行なわれたのは、陥没が相次いで確認された美祢市伊佐地区の市道約150メートル。10日は、市の委託を受けた業者が、電磁波で地下の状況を調べるレーダー探査機で調査を行い、地下約5メートルの地質の状況を計測していた。美祢市の伊佐地区では、市が把握してるだけでも、去年から6か所の陥没が確認されている。近くに住む女性はここ数年、建物の床などに亀裂が入り傾いてきているように感じると話していた。地下には空洞の多い石灰岩が広がっているため、その上の土壌が地下水により崩壊した可能性が指摘されている。美祢市ではデータの解析を終え次第、対策を検討していく方針。美祢市では来週以降、実際に陥没した箇所のボーリング調査も行うことにしている。




秋吉台、山焼きをYouTube初配信(2021/2/28 産経新聞より入手)
秋吉台、早春恒例の山焼き コロナ禍、サイトで生配信

 日本を代表するカルスト台地で知られる山口県美祢市の秋吉台国定公園で28日、早春恒例の山焼きがあった。新型コロナウイルス禍で、現地を訪れなくても見られるよう美祢市観光協会は動画投稿サイト「ユーチューブ」の公式チャンネルで様子を生配信した。
 午前9時半、スタートの号砲が鳴ると、地元住民ら約230人がガスバーナーで枯れ草に点火。一面茶色の台地を、炎が線状になって走った。枯れ草は焦げて真っ黒となり、これまで草で隠れていた白い石灰岩もくっきりと現れた。
 美祢市によると、約1500人が訪れた。山焼きの範囲は国内最大級の約1138ヘクタールで、カルスト台地特有の石灰岩が点在する景観を維持するため、市が毎年実施している。焼けて黒くなった台地は5月頃、新緑に覆われる。

一般社団法人美祢市観光協会ウェブサイト




洞窟小説「インナーアース」発売(2021/2/25 入手)
インナーアース  近未来を舞台にした架空科学洞窟小説「インナーアース」が発売された。
 地図製作会社の若手社員がケイビング部の立ち上げを命じられるが、その本当の目的は、下関の北東約30Km、地下約20Kmに発見された大空洞を地図化することであった。
 目白洞での訓練ケイビングや地下空洞での測量の様子が描かれてはいるが、探検よりも会社プロジェクトとしての取り組みがメイン。「落盤碌」といった聞きなれない言葉、ケイバーとしても魅力に欠ける主人公、探検描写の少なさから、ケイバーには物足りない内容となっている。
  集英社発行。小森陽一著。文庫サイズ416ページ。定価858円(税込)。2月25日発売。
 購入は書店、honto楽天ブックスAmazon.co.jpほかにて。電子書籍版(税込792円)もある。




内間木洞、地元児童観察会を実施(2021/2/20 岩手日報より入手)
久慈の氷筍、寒さの造形美 内間木洞で地元児童観察

 久慈市山形町の県指定天然記念物・内間木洞で、天井から落ちる水滴が凍ってできた氷筍が連なり、自然の造形美が広がっている。18日は同市山形町の山形小(角谷隆章(かどやたかあき)校長、児童58人)の4年生14人が総合学習の一環で洞窟に入り、冬の寒さが作り出した世界に歓声を上げた。
 内間木洞は総延長が6000メートルを超える鍾乳洞で、普段は一般公開されていない。今年は新型コロナウイルス感染症の影響で例年2月に行われていた氷筍観察会は中止となった。

久慈市ウェブサイト(内間木洞)




平尾台、野焼き特別見学会は新型コロナウイルス対策で中止(2021/2/14 西日本新聞より入手)
平尾台に早春の炎 カルスト台地で恒例の野焼き 特別見学は中止

 日本有数のカルスト台地・平尾台(小倉南区など)で13日、早春恒例の野焼きがあった。炎がバチバチと音を立てながら草原に広がり、山肌を黒く焦がしていった。
 山火事や森林化の防止、害虫駆除などを目的に、地元住民らでつくる「平尾台野焼き委員会」が毎年この時期に実施。飛び火の警戒などにあたる市消防局職員らを含む約280人が参加し、午前と午後の計3回、ガスバーナーを使って枯れ草に点火して約340ヘクタールを焼いた。
 例年、平尾台中央の茶ヶ床園地で開かれる特別見学会は、新型コロナウイルス対策で中止。委員会の内尾正憲会長(69)は「風も強くなく、天候に恵まれた。無事に実施できて良かった」と話していた。

平尾台自然の郷ウェブサイト




中国、洞窟調査で現生人類は5万年以内に出現か(2021/2/13 AFP通信より入手)
現生人類、5万年前以内に中国南部に出現か 最新研究で解明

【中華人民共和国発】
 中国の南京大学の孫雪峰(Sun Xuefeng)副教授率いる国際共同研究チームはこのほど、解剖学的現代人(現生人類)が中国南部で出現した時期について、5万年以内の可能性があるとの研究成果を発表した。同大学が12日、明らかにした。
 論文の共同筆頭著者である孫氏によると、研究チームは中国南部にある洞窟5ヵ所(湖北省(Hubei)ウン西県の黄竜洞、同省建始県の楊家坡洞、同省宜昌市の三遊洞、広西チワン族自治区(Guangxi Zhuang Autonomous Region)田東県の陸那洞、湖南省(Hunan)道県の福岩洞)を調査。研究者は詳細な地形・層序学的調査を行い、洞窟内の未固結堆積物や石灰質堆積物、哺乳類の化石、人類の化石を総合的に年代測定するとともに、上海市の復旦大学と協力して人類化石の古代DNAを分析した。
 その結果、5ヵ所の洞窟から採取した未固結堆積物と石灰質堆積物に比べ、哺乳類化石の堆積物の大半が比較的遅く形成されたことが判明した他、放射性炭素年代測定や古代DNA解析の結果、化石人類の年代も5万年前を超えないことが明らかになった。
 孫氏は、中国南部のカルスト地形にある洞窟で見つかった古人類遺跡の大半が、水流による浸食や再堆積など複雑な過程を経て形成されたと説明。上部の石灰質堆積層が下部の化石層を覆っているのは、堆積過程で形成された「偽の覆い」の可能性があり、新しい地層の上に古い地層がかぶさる「地層の反転」が起きやすい傾向があったと指摘した。
 孫氏はさらに「こうした状況下で、従来の年代測定法を用いても化石人類の年代を正確に特定できない。ここ数年の国際的な研究では、現生人類は7万年前から13万年前に中国に出現していたとされているが、今回の研究は学術的論争に重要な年代学的証拠を提供することとなる」と語った。
 研究成果はこのほど、米学術誌「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」に掲載された。




フランス、マルスラ洞窟でホラ貝の笛を発見(2021/2/11 時事通信より入手)
1.8万年前のホラガイの笛 ドやレの音、世界最古か 仏ピレネーの洞窟遺跡で発見

 フランス南西部、ピレネー山脈の麓にある「マルスラ洞窟」遺跡から、約1万8000年前のホラガイの笛が見つかったと、仏国立科学研究センターなどの研究チームが10日付の米科学誌サイエンス・アドバンシズに発表した。現代の演奏者に吹いてもらう実験を行ったところ、ドやレ、ドのシャープに近い音がした。
 研究チームによると、後期旧石器時代は笛や太鼓などによる音楽が重要な役割を果たしたと考えられるが、楽器の材料は自然に分解されやすく、遺跡から発見されるのは珍しい。この笛は大型巻き貝の笛としては世界最古の可能性があるという。
 笛の貝殻は大西洋沿岸に生息するホラガイ属の一種で、長さ31センチ、最大直径18センチ。1931年の発見当初は儀式用のカップと考えられ、長らくトゥールーズ自然史博物館に収蔵されていた。近年の分析の結果、とがった部分に穴を開け、マウスピースを取り付けて吹いたとみられるほか、反対側の開口部を広げるなど、楽器として加工していたことが分かった。
 洞窟の壁には赤い色素を指で点々と多数付けた模様があり、笛の内側にも同様の模様があった。




九折瀬洞、川辺川ダム計画復活で再び水没の危機(2021/2/10 熊本日日新聞より入手)
暗闇の生態系「ダム心配」 五木村の九折瀬洞

 昨年の7月豪雨により、球磨川の支流・川辺川に流水型ダムの建設計画が浮上し、熊本県五木村にある鍾乳洞「九折瀬洞(つづらせどう)」の生態系が損なわれるのではないかと心配する声が再燃している。3000匹のコウモリや、ここにしかいない昆虫が生息するが、ダムができれば、洞の大半が水に沈んでしまうからだ。旧川辺川ダム計画時から、闇の中で繰り返される命の営みを追い続けている自然観察指導員県連絡会の調査に同行した。
 五木村役場から川辺川沿いに約3キロ上流。左岸に切り立った岩壁の下部に縦3メートル、幅6メートルの穴がのぞく。総延長1.2キロに及ぶ九折瀬洞の入り口だ。
 40メートルほど進むと暗黒の世界となる。ヘルメットのライトで照らされた天井のあちこちに黒っぽいものがぶら下がっている。1匹ずつ下がっているのがキクガシラコウモリ。数匹が身を寄せ合っているのがユビナガコウモリだ。冬眠中とみられ、じっとしている。
 自然観察指導員県連絡会の一行は、岩の狭い隙間を腹ばいになったり、腰をかがめたりしながら、さらに奥に向かうと大きなホールに出た。気温は15.5度と外気より高く、湿度は80%でじめじめしている。地面にはコウモリのふんが堆積し、その上で節足動物のヤスデが群がるようにうごめいていた。ふんをえさにしているのだ。
 この日は、ガやカマドウマなど12種類の生物を確認した。ほかにも、固有種で絶滅危惧種のツヅラセメクラチビゴミムシ、イツキメナシナミハグモが生息する。長い年月、光が届かない所で生きてきたため、目が退化した。
 「九折瀬洞特有の食物連鎖が繰り広げられています」と案内役で連絡会副会長の中田裕一さん(58)。会は2000年に本格調査を始めた。川辺川ダム建設で洞内が水没し、生態系に影響が出るのを懸念したからだ。
 国土交通省はコウモリの移動のため、ホールと洞外をつなぐトンネル設置案を提示。これに対し、同会などは「不用意に穴を開ければ、恒温多湿の環境が変わり、生態系が崩れる」と指摘。結局、ダム計画が止まり、洞の環境は保全された。
 その後も連絡会は調査を継続し、今回が74回目だ。「ダム計画が再び動きだした時に備えるためでしたが、本当に計画が復活するとは思わなかった」。中田さんは戸惑う。
 ホール最奥部の壁に丸い突起が数百個並んでいた。触ると弾力性がある。全国でも確認例が少ないムーンミルクという特殊な鍾乳石だ。国交省の調査報告書にも記述がない。
 川辺川ダムでは、環境影響評価(アセスメント)がなされず、任意の調査が行われただけだ。連絡会会長のつる(雨かんむりに金+鳥)詳子さん(71)は「流水型ダムを造る場合、法に基づく環境アセスを求めていく」と言うが、国交省は実施を明言していない。
 今回の調査には八代市の災害ボランティアグループ「チームドラゴン」の4人も初参加した。今後、調査を支援する。「真っ暗な世界での生物たちの営みに驚いた。命がつながるよう見守りたい」。グループのメンバーで山鹿市の龍崎さちさん(41)は、泥がついた顔の汗をぬぐい言葉に力を込めた。




七ツ釜鍾乳洞、バレンタインイルミネーション実施へ(2021/1/31 読売新聞より入手)
鍾乳洞ハートの光 西海で来月催し

 西海市にある国指定天然記念物「七ツ釜鍾乳洞」で、バレンタインデーに合わせたイルミネーションイベント「バレンタイン・ウィーク」の準備が進んでいる。2月6日から同14日まで。
 昨年12月に始まった「光の鍾乳洞2020」の一環。「光のトンネル」(約70メートル)に加えて、出口部分の約10メートルを、LED(発光ダイオード)で作った4つのハートのアーチで彩っている。
 期間中は、トンネル内に天使像が隠され、見つけた人にお菓子をプレゼントするなどの特典もある。
 洞内の気温は年間を通して15度前後。鍾乳洞事務所では「バレンタインを、心も体も温かく過ごしては」と呼びかけている。問い合わせは同事務所(0959−33−2303)へ。

※観光洞名が七ツ釜鍾乳洞、天然記念物名は七釜鍾乳洞となっている。
西海市観光協会ウェブサイト(七ツ釜鍾乳洞)





「なんで洞窟に壁画を描いたの?」発売(2021/1/30 入手)
なんで洞窟に壁画を描いたの?  13歳からの考古学シリーズ「なんで洞窟に壁画を描いたの? 美術のはじまりを探る旅」が発売された。
 中高生を対象としたシリーズ第2弾は洞窟壁画の謎を探るもの。歴史好きの中1女子が2016年11月〜2017年2月に国立科学博物館で開催された「ラスコー展」を見学したのをきっかけに、先史時代の謎の答えを求めて各地へ旅をするといった内容。第2章では、フランス「ラスコー4」「フォン=ドゥ=ゴーム洞窟」「ルフィニャック洞窟」を訪問、実際の洞窟壁画を目にする。
 最終的には文化祭発表といったストーリーなので大人には多少もどかしいが、壁画に関しては分かりやすい視点で疑問などが書かれている。巻末の「洞窟・施設・博物館案内」もうれしい情報で、実際に訪仏したくなる一冊だ。
  新泉社発行。五十嵐ジャンヌ著。四六判サイズ324ページ。定価2000円(税別)。1月30日発売。
 購入は書店、honto楽天ブックスAmazon.co.jpほかにて。





景清洞、美東中学校が立志式(2021/1/24 山口新聞より入手)
31人将来へ決意新た 美東中2年生、景清洞で立志式

 美祢市美東町大田の美東中学校の2年生31人が23日、同町赤の鍾乳洞、景清洞で立志式に臨み、将来に向けて決意を新たにした。
 生徒たちは景清洞の入り口に並び、「永遠の命の流れの中で現在の自分があることを自覚し、祖先を敬い、親や家族を大事にし、人々に奉仕できるたくましい心身を鍛錬する」などと立志の誓いを全員で読み上げ、女性デュオKiroroの「未来へ」を合唱して入洞。ヘッドライトの明かりを頼りに観光コースの奥にある探検コースを歩いて最深部を目指した。
 約20分で到着。生徒は一人ずつ「何事も諦めず、やり遂げられるように努力する」「感謝の気持ちを忘れない大人になりたい」「困っている人を助けられるようになりたい」「相手の気持ちを考えて行動したい」などと目標を発表した。

美祢市観光協会ウェブサイト(景清洞)




インドネシア、世界最古の洞窟壁画発見(2021/1/14 AFP通信より入手)
世界最古、4万5500年以上前の洞窟壁画 インドネシア洞窟で発見

【アメリカ合衆国・ワシントンDC発】
 インドネシア・スラウェシ(Sulawesi)島の洞窟で少なくとも4万5500年前に描かれた実物大のイノシシの壁画が見つかり、これまで発見された中では世界最古の洞窟壁画だとする研究結果が13日、米科学誌サイエンス・アドバンシス(Science Advances)に発表された。この地域に人類が定住していたことを示す最も古い証拠だ。
 論文を共同執筆した豪グリフィス大学(Griffith University)の研究者マキシム・オーバート(Maxime Aubert)氏がAFPに語ったところによると、この洞窟壁画は2017年、同大研究チームがインドネシア当局と共同で行った調査で、博士課程の学生バスラン・ブルハン(Basran Burhan)氏が発見した。
自然の風景 洞窟は、最も近い道路からでも徒歩で約1時間かかる人里離れた谷間にある。切り立った石灰岩の断崖に囲まれていて、乾期にしか行けない。現地の孤立先住民ブギス(Bugis)の人々によると、これまで欧米人が目にしたことはなかった。
 縦54センチ、横136センチのイノシシの絵は暗い赤色の土性顔料を用いて描かれ、短い毛が逆立ったたてがみや、スラウェシ島固有種のイノシシの成体の雄に特徴的な顔から角のように生えた一対のいぼが確認できる。臀部の近くには、2つの手形が押されている。
 このイノシシと向かい合うような位置には、部分的にしか残っていない別の2匹のイノシシの壁画もあり、論文共著者のアダム・ブラム(Adam Brumm)氏は「2匹の闘いか交流を、もう1匹が観察しているように見える」と述べている。
 スラウェシ島では人類が数万年前からイノシシの狩猟を行っていたことが分かっており、狩猟の様子は先史時代の洞窟壁画の主な特徴となっている。
 オーバート氏は、壁画の上に付着した方解石堆積物の放射年代測定を行い、4万5500年前のものだと突き止めた。これにより、壁画が4万5500年以上前に描かれたことは確かだとしている。
 これまで確認されていた世界最古の洞窟壁画は、少なくとも4万3900年前に描かれた狩人と動物の壁画で、同じグリフィス大の研究チームがスラウェシ島で発見したものだった。

サイエンス・アドバンス ウェブサイト(Oldest cave art found in Sulawesi)




洞窟切手「自然の風景」発行(2021/1/12 入手)
 日本郵便株式会社より1月12日、グリーディング切手「自然の風景」が発行された。1シート10枚のうち、1枚が観光洞「稲積水中鍾乳洞(大分県)」。
 「稲積水中鍾乳洞」は人工的に水位を下げて、1977年に観光化。水中二次生成物やベルホールが見られ、近年は商業的ケイブダイビングも行われている。
 額面は84円。1シート10枚。シール式。販売価格は840円。250万シート限定。全国の郵便局及び「郵便局のネットショップ」等にて発売。

郵便局のネットショップ
稲積水中鍾乳洞ウェブサイト

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