巷の噂(2002年版)
ブラジル、観光洞の保存状態悪化(2002/12/6 ニッケイ新聞より入手)
保存状態悪い鍾乳洞=聖州内424ヵ所 観光洞で損壊加速

 聖州の鍾乳洞が、大量の観光客によって保存状態が悪化していると、Ibama(国立自然環境保護院)付属Cecav(鍾乳洞研究・保存・管理センター)聖州支部の技師と鍾乳洞専門家が警告している。聖州は、ブラジルで4番目に鍾乳洞が多い。SBE(ブラジル洞穴学協会)に登録されている3251ヵ所の鍾乳洞のうち、424ヵ所が聖州にある。11月初め、鍾乳洞の保存と観光方法を定める鍾乳洞保存委員会が結成され、12月までに実行に移るもよう。
 観光客が鍾乳洞の中に入ると、内部の気温や湿度、大気の成分などが変化する。人体の熱や呼吸、洞窟内の照明で出るガスなどが、鍾乳洞内の環境に影響している。また多くの観光客が歩くことによって、鍾乳洞の地面の状態も悪化する。
 SBE元会長で顧問のクレイトン・フェレイラ・リーノ氏によると、聖州の鍾乳洞の損壊度はまだ小さいが、鍾乳洞の保存を慎重に考え始めなければならない状態にまできているという。
 聖州の鍾乳洞のほとんどが、南部ヴァーレ・ド・リベイラ地方に集中している。Petar(アウト・リベイラ観光州立公園)内に250に及ぶ鍾乳洞がある。鍾乳洞のほか、35万ヘクタールほどの大西洋森林の自然を満喫する観光客も多い。年間4万人の観光客が訪れる。




「フゴッペ洞窟」保存施設改修工事進む(2002/11/21 入手)
 北海道余市郡余市町の遺跡洞「フゴッペ洞窟」の保存施設改修工事が、2002年7月25日より行われている。
 本洞穴は1950年に洞内刻画が発見。今から1500年前の遺跡として、1953年に国指定文化財となった。その後、保存工事を開始、1972年にカプセル式施設が完成し現在まで一般公開されていた。しかし、年月経過による施設老朽化が著しくなり、刻画を良好な状態で保存するために2002年より施設改修工事が行われることとなった。
今回の改修工事では、@既存覆屋施設の内外改修工事、A新たな展示施設の増築、B史跡指定地内全体のバリアフリー化、が行われる。
 なお、工事期間中の公開停止に伴い、その間は「水産博物館」で写真パネルや考古資料の展示がされている。

6月 6日 フゴッペ洞窟前発掘作業(新展示施設建設予定地の調査発掘)
7月25日 フゴッペ洞窟工事開始(既存覆屋施設の内外改修工事)
8月28日 増築部基礎工事
10月2日 第一次基礎工事
11月6日 外壁工事

【平成14年度史跡フゴッペ洞窟保存施設改修工事概要】
構 造 鉄筋コンクリート造平屋建て
延べ面積 430.49平方メートル(約130坪)
契約金額 1億1182万円
工 期 2002年6月18日〜2003年3月28日
契約者 地崎・松岡特定建設工事共同企業体
(代表者:札幌市中央区南4条西7丁目 地崎工業北海道支店)





「竜宮城鍾乳洞」が「石垣島鍾乳洞」へ名称変更(2002/11/18 入手)
 沖縄県石垣島の観光洞「竜宮城鍾乳洞」が、2002年11月1日付で「石垣島鍾乳洞」へ改称された。
本洞穴は本来「マリヤイーザー」として知られていたが、1994年南都計画株式会社による観光化に伴い「竜宮城鍾乳洞」に改称されていた。




平尾台で1日2回巡視(2002/11/8 毎日新聞より入手)
自然の宝庫、平尾台を守ろう−−指導員やボランティア、1日2回巡視 /北九州

 石灰岩特有の風景や植物、動物など豊かな自然に恵まれている国定公園・平尾台(北九州市小倉南区)には、01年度に約49万3000人が訪れている。その多くがバードウオッチングや植物観察、行楽など自然に親しむ目的だが、一方でマナーのない行楽客によるごみのポイ捨てなど、自然を傷付ける振る舞いで環境悪化も進んでいる。
 平尾台には900種以上の植物が自生し、年間60種以上の野鳥が観察される自然の宝庫。しかし、平尾台を活動拠点にしている日本野鳥の会北九州支部と北九州植物友の会、カマネコ探検隊の3団体が88年6月に結成した「平尾台の自然を考える会」によると、70年代ごろから自然公園法で禁止されているオフロードバイクなどの車両の乗り入れが横行した。現在も不法投棄や野草の盗掘も後を絶たないという。
 平尾台は国定公園のほか天然記念物、県立自然公園にも指定され、自然公園法や文化財保護法で植物の採取や損傷、たき火、道路以外での車両の乗り入れなどが規制されている。また、ごみや汚物などの放置やトイレ以外での用便は軽犯罪法に違反する行為だ。しかし、県が平尾台環境対策事業として今年4月からごみの撤去作業を実施したところ、7月末までの3ヶ月間で撤去したごみは瓶や缶など約18トン、タイヤやコンクリートの塊など約20トンと計約38トンに上った。
 県と市は、環境庁の補助を受け、00年に自然保護の拠点施設として総事業費約10億円で平尾台自然観察センターを開設。鉄筋コンクリート2階建てのセンターでは、平尾台の成り立ちなどの展示をするほか、専属の自然観察指導員3人や自然観察ボランティア約70人が1日2回巡視をするなどの対策を取っている。野草の採取やごみの投棄などを発見した場合は、注意・指導し、悪質な場合は県自然環境課へ報告している。
 会でもごみの投げ捨て防止や持ち帰りを訴え毎年春にセンターが主催する「クリーンキャンペーン」に協力。国定公園内でのパトロールなど自然保護活動や、平尾台の案内をするガイド活動に力を入れており、参加者を募っている(問い合わせは事務局・前田さんрO93−661−4998)。
 また、全国有数のケイビングのメッカとしても知られている平尾台には1年を通じて3000人以上のケイバーが訪れ、観光化されていない洞窟に入る人も多い。しかし、マナーを熟知していなかったり、知らないうちに鍾乳洞を傷付けてしまうことも少なくない。
 10〜100年で1ミリ成長し、10センチの大きさになるのに最低1000年はかかるという鍾乳石。鍾乳洞内部には、つらら石や石筍など自然が長い年月をかけて作った鍾乳石などニ次生成物もたくさんあるが、中には軟らかい石灰岩や鍾乳石に自分の名前などを刻み込む確信犯もいるという。センター(рO93−453−3737)では、マナーの徹底や安全の確保のためにも、洞窟に入る前の事前届け出を出すよう求めている。




「秋芳洞」桟橋掛け替えへ(2002/9/6 中国新聞より入手)
秋芳洞入り口で落石相次ぐ 桟橋架け替えへ

 山口県秋芳町の国特別天然記念物「秋芳洞」で十数年前から、入洞路の桟橋に落石が相次いでいることが5日、分かった。管理する町は「観光地のイメージダウンを避けたかった」などの理由で、これまで観光客への注意呼び掛けをしていなかった。人的被害を避け るため今秋、桟橋を架け替える。
 桟橋架け替え検討のため、町が落石日誌から作成した抜粋資料に よると、1986年に石灰岩壁から落ちたこぶし大の石が観光客の衣服に接触したのをはじめ、昨秋までに17回の落石が発生。けが人はいなかった。町は2ヵ月に1回の定期点検、お盆や5月の大型連休中の入洞者誘導などを実施しているが、落石の事実は公表して いなかった。
 岩壁には約10年前、落石防護の金網を設置した。昨年10月、金網が途切れた場所から横20p、縦10p、幅3p程度の石が観光客の目の前に落下。案内所に石が届けられたのを機に、町は対策を協議し、桟橋の架け替えを決めた。
 県の「秋吉台国定公園保全管理実施要領」に基づく学術者会議は今年5月と7月、町の架け替え案を検討。8月末に県教委を通じ、 文化庁へ現状変更許可申請書を提出した。
 案では、桟橋を落石が続く岩壁から離して新設。一部に防護用の屋根を設ける。今月20日に開かれる文化庁の審議会へ諮問される予定。
 町は「現状変更の許可申請手続きに時間がかかり、財政面の問題もあった。観光地としてイメージダウンも避けたかった」と説明。「対策の遅れは反省し、橋の架け替え実現へ最大限努力する。看板などで注意を呼び掛ける対策も早急にとる」としている。




コウモリフェスティバル2002in富士山開催(2002/8/25 入手)
 2002年8月24日〜25日の日程において、コウモリを通じて環境保全を考える「第8回コウモリフェスティバル」が富士山もりの学校(足和田村)など3ヶ所で開催された。
 溶岩洞「西湖蝙蝠穴」(足和田村)には、50年前は数千頭いたというが、不法侵入者が相次ぎ、管理のため1989年に封鎖されて絶滅。同村が1998年に封鎖を解き、コウモリだけが出入りできるよう洞口に柵を設け、100頭前後に復活した。このため、コウモリの生息地で開いてきた同フェスティバルを富士山麓で初めて開催することとなった。




秋吉台大会in2002開催(2002/8/11 入手)
 2002年8月9日〜11日の日程において、日本洞窟学会第28回大会が山口県・秋吉台にて開催された。
学術講演会、招待講演、シンポジウムに加え、2日間の洞穴巡検が行われた。
 なお、来年の開催地は未定とのことである。




2002三陟世界洞窟博覧会開催(2002/7/10 入手)
 2002年7月10日〜8月10日(32日間)、大韓民国江原道三陟(サムチョク)市にて世界初の国際的洞窟博覧会が開催された。
 メイン会場は生成過程や生物などを展示する「洞窟神秘館」、7種洞穴をリアルに再現・体験展示した「洞窟探検館」、各国学会・観光洞の資料を展示した「世界洞窟館」、洞窟観光産業を中心に展示された「新千年洞窟館」などテーマ別建物が点在し、日本からは日本洞窟学会らが出展した。
 学習目的とした学生が多く詰めかけたことから、目標数48万人を大幅に上回った模様である。




珪質片岩洞窟発見される(2002/6/29 毎日新聞より入手)
<洞窟群発見>静岡県に「珪質片岩洞窟群」 国内初

 珍しい珪質片岩(けいしつへんがん)の洞窟群が静岡県天竜市の山林で見つかった。発見した同県引佐町の「日本洞窟学会」会員、小野寺秀和さん(49)親子が3年がかりで調べ29日、発表した。硬くて塩酸などの強酸でも溶けにくい珪質片岩が溶けた洞窟の報告例は国内初という。
 小野寺さんによると、16の洞窟と七つの小穴が約100m四方の谷地に密集している。最大で全長約80m、地表からの深さ12m。現場保護のため、所在地は詳細には公表していない。
 洞窟は一般に、石灰岩が流水で浸食された鍾乳洞がほとんど。珪質片岩は層状になった堆積岩。現場は杉やヒノキの人工林で土壌が酸性化しており、強い酸性の天然水が岩盤のすき間などにたまり、数万年以上かけて岩を溶かしたらしい。
 日本洞窟学会長の吉村和久・九州大大学院理学研究科教授(化学)は「珪質片岩の洞窟は世界的にも珍しい。岩の溶けたメカニズムが興味深い」と話している。




キティブタバナコウモリの生息地確認(2002/6/15 毎日中学生新聞より入手)
最小哺乳類再発見 生息の鍾乳洞確認−−タイ・カンチャナブリ県

 世界最小の哺乳類で、絶滅の危機にひんしているといわれるキティブタバナコウモリの最大級の生息地が、タイ・カンチャナブリ県で日本の調査チームによって確認された。
 このコウモリは1974年に発見され、体長3センチ、体重2グラム前後。世界的にもカンチャナブリ県周辺の限られた地域の鍾乳洞にだけ生息し、国際自然保護連合が絶滅の恐れが高い種として保護を呼びかけていた。
 しかし、この周辺では第2次大戦末期の旧日本軍による埋蔵金伝説が広く伝わり、鍾乳洞の採掘が続いている。70〜80年代に米国の研究チームが調査した生息地でもコウモリの姿は見られなくなり、現在ではどこで生息しているか分からない状態だった。
 カンボジアのアンコールワット遺跡群のコウモリ調査を手掛けるコウモリ研究者で青森県立三戸高校教諭、向山満さん(59)ら日本の調査チーム4人がカンチャナブリ県で調査し、100匹以上が生息する鍾乳洞を確認した。向山さんらは「すでに絶滅したのではないかともいわれていただけに貴重な発見だ。タイと協力して保護の手立てを考える必要がある」と話している。




高知土佐市の新洞、一般公開へ(2002/5/30  毎日新聞より入手
高岡町のトンネル工事現場で発見の鍾乳洞、一般公開へ 進入路など設置 土佐市/高知

 土佐市高岡町丁の県道トンネル工事現場で見つかった鍾乳洞の保存、公開方法などについて話し合う鍾乳洞調査検討委(委員長、鈴木堯士・高知大名誉教授=地質学)が29日、高知市内で開かれた。トンネルの下にある鍾乳洞内に進入路を設置して、一般公開することが決まった。鍾乳洞が発見された昨年11月以降、中止されていた工事は6月に再開され、来年度内の完成を目指す。進入路も同時に完成し、一般公開が始まる予定。
 同検討委は、鍾乳洞の保存を前提に、トンネル工事を行う工法などについて、学識経験者や県、土佐市職員ら11人の委員が検討を重ねてきた。
 この日の検討委では、トンネルの路面や天井部分をコンクリートで補強したうえで、歩道横に洞内に降りる階段(落差2メートル)を設置▽さらに進入路(幅約1メートル、延長約25メートル)を造り、約2メートルの至近距離から鍾乳洞を上から観察できる方法をとることで意見がまとまった。進入路設置に伴う工費は約2500万円の見込み。
 鍾乳洞は、東西約15メートル、南北約5メートル、高さ約11メートルの空間。うち約6.6メートルは水没しており、天井から水面までの高さは約4.4メートル。この空間だけでも100本近くの乳白色の鍾乳石が見られ、貴重な鍾乳洞と位置づけられている。




「満奇洞」で池の硬貨を回収 市社協へ全額寄付(2002/4/25 毎日新聞より入手)
 県指定天然記念物の観光名所、新見市豊永赤馬の鍾乳洞「満奇洞」で24日、イタリア・ローマのトレビの泉をまねて洞内の池に投げ込まれた硬貨を市の職員が回収した。
 「満奇洞」は歌人、与謝野鉄幹・晶子夫妻が、かつての地名・槙から命名したことで知られる。いつのころからか、「トレビの泉のように、背を向けてコインを右手で左肩越しに2枚投げると、好きな人と結婚できる」といううわさが広まったという。
 1998年6月に回収した際は9万6383円分の硬貨が集められ、市社会福祉協議会に寄付した。この日は、市商工観光課の坂東義生主幹ら3人が、長靴姿で洞内にあるいくつもの池から手で拾い集めたり網ですくい、4万2639円分の硬貨を回収した。今回も市社協へ全額寄付する。




河内の風穴、洞内保護活動と新入洞許可条件(2002/4/1 東京スぺレオクラブより入手)
 3月30〜31日、東京スぺレオクラブ主催「河内の風穴」の調査活動「第3回イザナギプロジェクト」が開催された。測量用ベンチマーク設置のほか、洞床面の微細な結晶保護の目的で通行ルートを制限するトラロープを4ヵ所に設置した。今後、プレートを含めて立入禁止箇所を増やす方向で管理人と調整中。
 また、今年から入洞条件が再度変更となった。非観光部へは「入洞経験者・団体のみ」というこれまでの条件に加え、1260円(6泊7日)の保険代が必要となった。




鍾乳洞のわき水原料にミネラルウオーター製造(2002/2/16 毎日新聞より入手)
会社設立「過疎に歯止めを」−−おいしいと評判

 釜石市橋野町能舟木(よいふなぎ)の過疎の集落に住む八幡登志男さん(70)が、地元の鍾乳洞からわき出る天然水でミネラルウオーターを製造する事業に乗り出した。不況、リストラ、厳しい雇用難の中、会社を設立し従業員も15人採用、地域おこしに燃えている。
 同地区は市の中心部から県道釜石・遠野線で北西へ約25キロ、民家は隣接の中村地区を入れても52戸の集落。かつては90戸を数えた。
 天然水は約2キロ山中に入った雄岳山系の大仁田山鍾乳洞のわき水。専門機関の分析の結果、大腸菌が含まれず飲料水に適していることが分かった。地区にはここを源流とする能舟木川が流れ、清浄な沢水は昔から住民の飲料水にも使われている。
 八幡さんは長く営んできた林業の限界を感じ、集落にも廃屋が増えるなど過疎にも頭を痛めていた。有限会社・八幡総業を設立し、鍾乳洞近くに工場(330平方メートル)を建設した。従業員は地元からの採用。設備投資にかかった費用は当初の見込みを超えて1億円以上にも膨らんだ。
 煮沸してボトル詰めしたミネラルウオーターは「山華(さんか)」と名付けた。カルシウムなどに富み、お茶やコーヒーにはぴったりでお米もおいしく炊けると評判は上々。都内の料理店や地元の食料品店などで扱ってくれるようになり、少しずつ販路が広がっている。
 八幡さんは「地域の資源を掘り起こし、事業を進めて過疎に歯止めをかけたい。これからの需要期が楽しみです」と手応えを感じている。
 山華は2リットル入りで240円。問い合わせは同社(電話0193−57−2711)。

※現在、今地域においては「明治大学地底研究部」が調査活動を行っている。




岩手・瓢箪穴遺跡石器76点 1点除きねつ造か(2002/1/15 河北新報より入手)
 東北旧石器文化研究所(多賀城市、鎌田俊昭理事長)の藤村新一・前副理事長による旧石器発掘ねつ造問題で、岩手県岩泉町の瓢箪穴(ひょうたんあな)遺跡から発掘されたとされる石器の真偽を調べていた日本考古学協会の調査研究特別委員会(委員長・戸沢充則明治大教授)は14日、調査概要を公表した。石器76点のうち、後期旧石器時代のものとみられる1点を除く75点について「極めて疑義がある」として、ねつ造された可能性が大きいとの見解を発表した。
 中期旧石器時代の石器にねつ造の疑いが強まったことで、「瓢箪穴遺跡は国内最古の洞穴遺跡」とする従来の見解が否定されることが確実になった。
 記者会見した特別委第一作業部会長の小野昭東京都立大教授らによると、今回検証したのは、藤村氏を団長とする調査団が発掘した1995年から2000年までの調査で見つかった石器のうち、旧石器時代のものとみられている76点すべて。このうち、75点が表面に比較的新しい時代の欠損があったり、遺跡の土壌と同じアルカリ性の石灰分が付着していなかったりするなど不自然な点があった。
 旧石器時代の石器と認められたのは、96年の第2次発掘調査で見つかった後期旧石器時代(約1万数千年前)のものとみられる1点だけだった。
 小野部会長は「5項目にわたって石器を調べた結果、中期旧石器にさかのぼるとみられる証拠はなく、非常に残念だ」と語った。地層の理化学的な年代測定が行われていないほか、獣骨の調査が実施されていないため、遺跡全体でねつ造があったかどうかの結論は出せないとしている。
 瓢箪穴遺跡は、骨を分解しにくいアルカリ性の石灰岩質の土壌にあり、藤村氏らが95年から国内最古の化石人骨の発見を目指して実施した調査などで、中期旧石器時代の石器が見つかったとされていた。藤村氏は日本考古学協会に対し、98年に発掘したとしていた石器1点についてねつ造を認めている。


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