タイトル 地底旅団ROVER元老院第66回CAVING
サブタイトル 彼女がつなぎに着がえたら in 岡山県阿哲台&広島県帝釈台
分 類 合同・ファンケイビング
入洞洞穴 日メ坂鐘乳穴−星穴−大穴、宇山洞、ゴンボウゾネ−本小屋の穴
日 程 2001年12月31日(月)〜2002年1月3日(木)
参加者 千葉、大池、宮野原、松澤亮(東京スペレオクラブ)、甲斐洋介(岡山大学ケイビングクラブ)、野池耕平(JET) 以上7名
2001年は若き新人3名が地R元に入団した。そこで、岡山県「阿哲台」と広島県「帝釈台」という2つのカルスト地形を体験させるべく、ファンケイビングを企画した。


31日18:00、東京組(千葉・大池・宮野原・松澤)は大幅に遅れて府中を出発する。恒例となっている「中央自動車道初日の出暴走」の検問を横目にひたすら西走。

26:00(2:00)、阿哲台に到着。甲斐君&野池君と合流する。甲斐君とは2月内間木洞調査(第44回CAVING)から11ヶ月振り、野池君とは8月日本洞窟学会大会以来の再会である。
到着が予定よりも遅れため、「日メ坂鐘乳穴」へは夜が明けてからの入洞とする。そこで、まずは日メ坂鐘乳穴神社に初詣。昨年に引き続きお守りを入手、更に今年は交通安全ステッカーも手に入れることができた。新年早々縁起が良い。
日メ坂鐘乳穴・老人殺し 日メ坂鐘乳穴・最奥部プール
「老人殺し」を降りる 寒中水泳
宇山洞・第1洞口 宇山洞・第2水くぐり
「宇山洞」の巨大な洞口 水くぐりする野池君
元日9:00、「日メ坂鐘乳穴」に入洞開始する。初めて見る高さ20mの洞口には、大池・宮野原・野池君は感激したようである。流入型形態や洞内にいたテングコウモリの説明をしながら「聖池」「星穴連結部」を見学、そして「大穴」を見上げる。何とも幻想的な眺めである。若者たちも感激してくれたようで、連れて来たかいあったというものである。
引き続き洞奥へ向かい、「神の池」を通過。「滑り台」「老人殺し」はダイナミックロープを使って更に進む。途中、「大石柱」ではスレイブユニットを使って撮影を行う。
そして、最奥部に到達する。「地底湖」と呼ばれるプールの説明をしている矢先から、宮野原・松澤さんは寒中水泳を楽しみ、大池も入水させられる。
その後反転、甲斐君の水流操作にもて遊ばれながら洞口へ向かう。

13:00、出洞。外は氷雨、洞口岸壁には滝が現れていた。
日メ坂小屋を撤収後、千葉・宮野原・甲斐君・野池君は「星穴」見学後に「宇山洞」へ、大池・松澤さんは一足先に岩中作業所に向かう。

14:00、「宇山洞」に入洞を開始する。「第2洞口」への分岐にある方解石にきらめくフローストーンを見学し、洞奥へ向かう。綺麗なクリーム色のフローストーンをどんどん下る。こんなに深く降りる感はなかなか味わえないものである。
その後、水流部を進み「第1水くぐり」に到達する。時計を見ると30分しか経っていない。当初は引き返す予定であったが、時間も余っており、そして宮野原の要望で突破することにする。初体験の宮野原はかなり感動したようであったが、千葉にとっては2月内間木洞調査以来の水くぐり、嫌な思い出が脳裏を過ぎる。しかし、30pも空間が残されており、水温もさほど冷たくなかったのでホッとする。
しばらく進むと「第2水くぐり」が現れた。今度は10p未満の空間しか開いておらず、距離も数mある。ここまで来ては、もはや引き返すことも出来ない。勢いで突破、狭洞部の「知恵の輪」に進む。ここでは野池君が知恵の輪を解くことが出来なかったが、他3名は最奥部を見学してから反転した。

17:00、出洞。

「氷寒の竪穴」見学後、ほくぼう温泉「ふじや」で入泉する。

そして、岩中作業所へ到着すると、もう1パーティーがいるようである。装備などから推測すると関東ケイバー+平田さん@ウルトラCCらしい。合流してみると、案の定、平田さん・鈴木さん@愛媛大探検部OB・戸田さん@亀戸CC・小久保さん@東京農大探検部OG・金子君&松永さん@法政大探検部・藤沢さん@拓殖大探検部であった。お雑煮+お節+黒鯛刺身+チーズの生ハム巻の夕食後に消灯。
岩中集落
ゴンボウゾネの穴へ向かう
ゴンボウゾネの穴・リムプール
顕著なリムプール
ゴンボウゾネの穴・第2ピッチ
ディッセンダーで降下
2日10:00、「ゴンボウゾネー本小屋の穴」へ向かう。今回は「ゴンボウゾネの穴」側である。昨夜降った雪の中をアプローチ、ここでも甲斐君の罠により雪だらけとなる。

入洞後、すぐさま「第1ピッチ」にワイヤーラダーとスタティックロープを設置する。宮野原はラダー+ビレイで降下、残る6名はディッセンダーで降下する。
続いて「第2ピッチ」も同じ体制で降下する。そこでハーネスを脱ぎ、水流部を上流方向へ進む。

「裏切りの壁」で昼食後、再び洞奥へ進む。プール「水深計」では皆がクリアする中、松澤さんだけが見事に落ちた。さすが大人、期待に応えてくれる。

続いて「泥のホール」に到達する。ここは一歩間違えると竪穴に落ちてしまうところで、測図によると−10m。各自に注意を促しながら無事通過する。
すると、ここからは甲斐君の本性が現れる。まずは野池君が罠にはまり、泥地帯「おたうえ」では大池が罠にはまる。今後も皆さんに罠にはまって頂くためにここでは割愛するが、まぁいろいろと考えつくものである。

最奥部で反転、洞内でつなぎを洗い、野池君以外はラダーで2ピッチを登攀する。大池は壁付きラダーに、野池君はアッセンダーの扱いに苦労していた。

17:00、出洞。外は雪が降っており、凍り付くつなぎに震えながら岩中作業所に戻った。
その後、千葉・大池・松澤さんは作業所管理者・山口さんに挨拶、そして井倉温泉で入泉する。

親子丼+野菜煮の夕食後、明日の帝釈台「幻の鍾乳洞」について協議する。この雪だと甲斐車は脱出できなそうである。今回は見送ることにし、引き続き阿哲台で活動することにする。

その後、別パーティーと懇親を持ってから消灯。
アプローチ道
雪中アプローチ
本小屋の穴・洞口付近水流部
水流を進む
本小屋の穴・また裂き
甲斐君のお手本
3日10:00、「ゴンボウゾネー本小屋の穴」へ向かう。今度は「本小屋の穴」側である。銀世界の中をアプローチ、洞口に到着次第入洞する。

水流部を進み、「また裂き」に到着する。甲斐君のお手本の後に大池が続く。四苦八苦しながらも無事クリア、甲斐君曰く、もっと遅い娘もいるということである。

「三段フローストーン」を登り、グアノの無い「グアノホール」を通過、狭洞部「難産」から下層へ降りる。ここまで適度なアップダウンが続き、中級者ファンケイビングにはもってこいのルートである。下層ではストローが数多く見られ、この光景に大池は感激する。

フローストーン「だるま」では甲斐君の罠にまたまたはまり、その後反転、上層ルートでクラック「きれつ」を通って帰る。途中、「おばけフローストン」で最後の罠にかかった。

13:30、出洞。
岩中作業所を清掃後、一人残っていた平田さんに挨拶、15:00撤収となった。雪道で甲斐車を押しながら何とか岩中を脱出、「井倉上の穴」で戸田班に挨拶した後に阿哲台を後にした。


阿哲台を初めて訪れた大池・宮野原・野池君は存分に楽しんだようである。大池は食当として奮闘、美味しい食事を毎食提供してくれた。しかし、その若者たちの段取りの悪さも目立つ合宿でもあった。今後の課題である。
また、甲斐君の数々の罠は合宿を盛り上げてくれた。私個人としては、後輩でなくて良かったというのが率直な感想である(岡大一容赦ないらしい)。
2003年もまた合宿を開きたいものである。(文責 千葉伸幸)

「活動報告」に戻る
 次の「個別活動報告」へ進む TOPへ戻る

2002 Copyright(C) 地底旅団ROVER元老院
cavers_rover_in_tokyo@yahoo.co.jp