タイトル 地底旅団ROVER元老院第247回CAVING
サブタイトル 第2次檜原村惣角沢の穴第2洞調査
分 類 調査ケイビング
入洞洞穴 惣角沢の穴第2洞
日 程 2010年8月14日(土)
参加者 千葉の、村野て、木嵜 以上3名
惣角沢の穴第2洞付近「1990〜97年にかけて、都立福生高等学校自然科学研究部が檜原村の洞穴を調査を行った。そのうちのひとつが竪穴「惣角沢の穴第2洞」で、未測量、部分的に未探検となっている。」という情報を入手した。そこで当時の自然科学研究部引率者に連絡、現地追加情報を頂くことができたため、第189回CAVINGとして探検と簡易測量を行なった結果、総延長72.3m・高低差32.4mの割れ目状竪穴であることがわかった。
今回は完全測量を行い、正式記録を残すことを目的として計画された。


7:30、福生市内の木嵜家に全員集合。近距離なので、今回は泡沫的な千葉車で現地へ向かう。途中、コンビニで朝食や昼食、万が一閉じ込められた場合(現地の奥多摩周遊道路は19〜8時夜間閉鎖)の非常食を購入する。

8:50、計画より20分遅れで奥多摩周遊道路の月夜見第2駐車場に到着。久々の測量ということで、3人とも準備に手間取ってしまう。以前駐車場に設置されていた簡易トイレは撤収されていた。
我々以外で唯一駐車していたおじさんが、登山者ではない赤い集団を不思議に思ったらしく話かけてきた。惣岳山付近に洞穴があると説明したら、何回も来ているが洞窟があるとは知らなかったと興味を示してくれた。出発時には記念にと写真を撮っていただく。どうやら大学教授のようである。

9:50、活動開始。洞穴まではアプローチが長く、3人とも憂鬱気味。途中3ヶ所、三又に分岐しているルートはジャンケンして3人別ルートを進み合流するなど、楽しみながら洞穴へ向かう。

10:30、御前山峠で休憩。天気が良く、とにかく暑い。まだ目的地まで半分手前。もう既に木嵜バテる。

11:20、惣岳山頂手前の目印である石灰岩転石からトラバースし、目印である祠を発見、記録撮影する。その後、「惣角沢の穴第2洞」洞口到着。洞口付近はコバエが多すぎたため、「惣角沢の穴第1洞」洞口付近に移動して昼食。

11:50、リギング村野・スケッチ千葉・メジャー&コンパス木嵜の体制で調査開始。すると、マーカーを車内に残置してきたことに気づき、仕方がないので小石や突起を利用して行うことにする。
村野がリギングをしている間、千葉・木嵜は洞口の写真撮影などを行った。早速、コンパスを正しく読めない木嵜は千葉に怒られる。測量が遅く、先に降りた村野はやることがない。また、村野がいる下層部は、冷気がたまっており寒い。一人動き回って寒さを凌ぎつつ時間を潰していた。村野を待たせている間も木嵜は千葉に怒られながら必死にやるが、2人測量でしかも竪穴測量はこんなにも大変なのかと痛感しながら、−15m付近のチョックストーンに到着。最深部へは千葉・村野のみ降り、高速で測量した。さすがである。

16:00、木嵜・千葉・村野の順で出洞開始。途中までは順調に上昇したが難所が待ち構えていた。0.3×0.5mの狭洞部で、約2mの段差である。降りるのは重力に従って簡単なのだが、足元は泥床で斜めに落ちこんでいるため登り返しは満足に踏ん張れず、腕力を利用して登るしかない。狭くてSRTが利用できないのである。ここを通過するのに木嵜は30分以上悪戦苦闘。千葉を台にしてなんとか通過したが、荷物を受け取る際にアクシデント発生。スケッチ板に挟んであった測量データの一部が落下、一同唖然・・・・。村野は不機嫌になりながら再リギング、チョックストーンに引っかかっていたデータを回収へ向かう。
その間に出洞した千葉・木嵜は地上測量を開始。位置関係を明確にするため、第2洞と第1洞の洞口の基線で繋ぎ、急いで片付け開始。

17:30、村野も出洞。

17:40、奥多摩周遊道路が夜間施錠されてしまうため、足早に下山を開始する。デリギングを無駄に往復させるなど迷惑をかけてしまったためか、途中、珍しく村野がバテる。

18:45、月夜見峠第二駐車場に到着。意外にも早く駐車場へ到着したが、3人とも倒れしばらく動けなかった。 朝会ったおじさんは、「気をつけて活動してください」と車にメモを残してくれた。もしかしたら、帰りを待っていてくれたのかも知れない。

18:50、周遊道路のゲート通過。直後、1台の車とすれ違ったが、恐らく施錠しに行くのだろう。

19:10、「数馬の湯」にて千葉・木嵜のみ入泉。村野は車内で休憩。よほど疲れた模様である。

20:30、木嵜家到着。解散。


今回の測量の結果、「惣角沢の穴第2洞」は、総延長81.3m+・高低差32.6mとなり、檜原村で最大の竪穴であることが明らかとなった。第1次調査で、第2洞において第1洞との音声確認が取れたと思っていた箇所は、測量の結果、第1洞洞口前に近いことが明らかとなり、地上にいた人の声が聞こえたものと考えられる。
今回の測量報告は、日本洞窟学会大会で発表するとともに、ケイビングジャーナルへ投稿予定である。 (文責 木嵜ちひろ)
惣角沢の穴第2洞・洞口 惣角沢の穴第2洞 惣角沢の穴第2洞 惣角沢の穴第2洞
洞口付近のスケッチ 帰りの難所となった狭洞部 ぶら下がりながらの測量 何をやるにしても狭い空間

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