巷の噂(2022年版)


滝観洞、洞内熟成日本酒をスタート(2022/12/29 東海新報より入手)
酒も美味「俺の米」 世田米の紺野さん 本格販売視野に試飲会

住田町世田米の農家・紺野敏郎さん(71)が生産した米を使った純米酒が、このほど完成した。26日夜には世田米の住民交流拠点施設「まち家世田米駅」内のレストラン・kerasseで仲間を集めての試飲会が開かれ、紺野さんが手塩にかけて育てた米から生まれた酒の味わいを楽しんだ。
紺野さんは、世田米地内の田んぼ約2ヘクタールで主にひとめぼれを生産している。「敏郎俺の米」の名で町のふるさと納税返礼品としても取り扱われており、毎年完売するほど人気が高く、全国にファンがいる。
大の酒好きだという紺野さん。これが高じて、自ら育てた米での酒造りも思いつき、一昨年には親交のある遠野市の上閉伊酒造に依頼して試験的に「敏郎俺の酒」と命名した特別純米酒を開発した。
今年は本格的な販売を見込み、紺野さんの米と上有住の水を使った特別純米酒と発泡性清酒の2種類を醸造。特別純米酒は720ミリリットル入りと300ミリリットル入りで、発泡性清酒は300ミリリットル入りで販売し、気仙川に架かる昭和橋や、上有住の観光地・滝観洞もラベルにしている。
試飲会には、紺野さんの知人、友人ら約20人が出席。テーブルを囲んで2種類を飲み比べながら完成を祝った。出席者からは「飲みやすい」「米の甘みが広がるし、適度なコクと苦みがあって、おつまみと一緒でもいいし、単体でもおいしい」などと好評を得た。
商品は町内店舗で販売するほか、同町のふるさと納税返礼品としての取り扱いを見据える。紺野さんは「こうやって和気あいあいと飲むための話題になってくれれば。それがまちのにぎわいにもつながっていけばうれしい」と話す。
町内では早速、この酒を活用した取り組みがスタート。上有住の滝観洞観光センター(住田観光開発渇^営)では28日から、720ミリリットル入りの純米酒12本を洞内で熟成させている。6ヵ月間と1年間でそれぞれ保管し、1年後に一般にも振る舞う予定。
洞内は年間を通して温度が10度前後と安定しており、日光も当たらないことから保存に適しているといい、滝観洞の利活用のきっかけにもなればと同センターが申し出た。
同センターでは2年前にも、紺野さんの酒を洞内熟成させており、その際は「6ヵ月でカドがとれてまろやかになり、1年経過するとキリっとした味わいになった」という。
2年前の熟成酒は関係者のみで試飲したが、今回は1年寝かせたものを広く振る舞うことを考えている。
滝観洞は、令和6年度に新たな受付棟が供用開始となる予定で、住田観光開発の千葉孝文常務取締役は「新しい施設ができたあとの目玉商品にもなれば」と期待を込める。

滝観洞・白蓮洞ウェブサイト




「世界の果てまでイッテQ!カレンダー」に珊瑚洞が掲載(2022/12/24 入手)
界の果てまでイッテQ!カレンダー2023 日本テレビのバラエティ番組「謎とき冒険バラエティー 世界の果てまでイッテQ!」の2023年版カレンダーに珊瑚洞が採用されることが分かった。
これはカレンダープロジェクトとして、イッテQ!メンバーが毎月現地へ出向き、そのときに起こる神秘の現象や絶景などを撮影したもの。
5月は「イモトアヤコ in 岐阜県 神秘の地底湖に突入」と題して、10月2日放送の吉田勝次氏が珊瑚洞を案内した写真が採用されている。
壁掛けタイプは見開きB3サイズで1,980円(税込)、卓上タイプはB6サイズで1,100円(税込)。
購入は日本テレビ通信販売サイト日テレポシュレにて。

世界の果てまでイッテQ!ウェブサイト




ロバート・ボブ・グルテン氏死去(2022/12/22 入手)
 全米洞窟学会(NSS)の地質地理部門であったロバート・ボブ・グルテン(Robert Bob Gulden)氏が11月30日、睡眠中に死去した。73歳。
 グルテン氏は洞窟リスト「LONG AND DEEP CAVES OF THE WORLD」の作成者として全世界に知られ、このリストはCave-Exploring.Comに引き継がれた模様。

LONG AND DEEP CAVES OF THE WORLD




ヨヲキ洞穴、小島暗川、下原洞穴で体験イベント(2022/12/11 奄美新聞より入手)
徳之島のいろは「鍾乳洞あるき」 大自然の造形美にうっとり 鹿児島県伊仙町

伊仙町歴史民俗資料館の今年度第5回「徳之島のいろは」体験シリーズ「鍾乳洞あるき」が10日午後、町内外の3つの鍾乳洞を対象にあった。親子連れなど約30人が参加。地表水や地下水が石灰岩層に織りなした大自然の悠久の芸術と、数千前以降の生活痕にもふれた。
地域の特色ある埋蔵文化財活用事業体験イベントシリーズ。2年目の今年度は5月の「勾玉(まがたま)づくり」に始まり、6月は「匠の意匠(土器や貝製品の模様を楽しむ)、7月は「人骨のはなし」、「鍾乳洞あるき」が最終回に。今回も参加定員20人(先着順)に対し今回も倍以上の約50人が希望する人気ぶり。
同日訪ねた鍾乳洞・洞穴は▽「ヨヲキ洞穴」(同町伊仙、義名山公園近く)▽「小島暗川(くらごう)」(同町小島)▽「下原洞穴」(天城町西阿木名)。
悠久の時の流れで大自然が育んだ地質標本的の価値に加え、「ヨヲキ洞穴」では約4500年前〜1000年前の人の生活跡が確認され、カムィヤキや土器、貝、骨製品など遺物を採取(同資料館展示中)。「下原洞穴」は奄美群島最古の「隆帯文(りゅうたいもん)土器」(1万3000〜1万4000年前)が出土するなど重要遺跡(調査中)にもなっているポイントだ。
現場解説には、同資料館学芸員らのほか元徳之島高校教諭・県立博物館学芸主事で理学博士の成尾英仁氏(71)=日置市在住、日本地質学会・日本地震学会会員=も飛び入りで協力。約1億年前〜100万年前から水が石灰岩(隆起サンゴ礁)を溶かして地下川(暗川)を形成するなど鍾乳洞や鍾乳石、石筍など成り立ちも分かりやすくミニ解説した。
母親と2人で参加した糸木名小2年生の岩本克己君は、目を輝かせながら「石(鍾乳石)とかがすごい形をしていて素晴らしいと思った。徳之島をこれからもっと探検してみたいです」と感動していた。




ベトナム、クロンノー火山洞窟網で複数の新洞部発見(2022/11/30 VIETJO ベトナムニュースより入手)
ダクノン省:東南アジア最長の火山洞窟で新たな分岐発見

【ベトナム社会主義共和国発】
南中部高原地方ダクノン省にあり、東南アジアで最長の火山洞窟とされるクロンノー(Krong No)火山洞窟網のC7洞窟で、合わせて175mに及ぶ複数の分岐が新たに見つかった。ダクノン省ユネスコ世界ジオパーク管理委員会が28日に明らかにした。
今回の発見により、C7洞窟の全長は1240m以上に伸びることとなる。分岐を発見した国際専門家グループは近く洞窟を再調査し、洞窟内の3Dマップを作成する予定。これは、同省の地質遺産に関する科学的データとして、貴重な資料になる。
クロンノー火山洞窟網は、全長約10qの玄武岩で作られた火山洞窟で、2014年に発見された。これまでのところ、50本の洞窟が発見され、このうち21本で詳細な測定を実施し、12本から約6000〜7000年前の先史時代部族の住居跡が見つかっている。




「ケイビングジャーナル第75号」発行(2022/11/28 入手)
ケイビングジャーナル75号 日本洞窟学会のケイビング情報誌「ケイビングジャーナル」の第75号が発行された。A4サイズ56ページ。650円(税込/日本洞窟学会々員には送付)。
内容は以下の通り。
・グラビア
・スペレオニュース
・イベントカレンダー
・九州山地における洞窟調査経過報告(2016−2021)
・富士山・青木ヶ原溶岩流の西湖風穴群の形状とその内部構造
・宮城県気仙沼市の海岸に面した石灰岩地帯とカルスト ※第2回
・ロープテック関のSRT知恵袋 チロリアンブリッジ載荷試験
・観光洞と楽しむハイキング 飛騨大鍾乳洞&乗鞍岳編
・洞窟書籍新刊紹介
・プロジェクトボード
・学会からのお知らせ
・編集部からのお知らせ
日本洞窟学会会員以外の購読希望者は、ケイビングジャーナル編集部caving_journal@cj.dojin.comまで。定期購読年3冊分2940円も可能。龍泉洞(岩手県岩泉町)、カモシカスポーツ 山とスキーの店(高田馬場)、竜ヶ岩洞(静岡県浜松市)、まえちゃんねっと〜よろず販売〜(オンラインショップ)でも購入可能。

ケイビングジャーナル ウェブサイト




市民向け講演会「日本の洞窟学と四国西予ジオパークの魅力」を開催(2022/11/3 愛媛新聞より入手)
西予ジオパーク石灰岩帯の重要性学ぶ 市民向け講演会

四国西予ジオパークを特徴づける石灰岩地帯を深く学んでもらおうと、市民向けの公開講演会「日本の洞窟学と四国西予ジオパークの魅力」が3日、西予市城川町下相の四国西予ジオミュージアムであった。専門家が洞窟学の概要や同市で調査成果などを紹介、市民ら約30人が聴講した。
日本洞窟学会が5日から同市で開く大会に合わせて実施し、地質学者ら4人が講演した。
同ミュージアムの榊山匠学芸員は、4億年以上前にできた日本最古級の黒瀬川構造帯、生物の大量絶滅があった2.5億年前の田穂の石灰岩、四国カルストなど西予市にある地質を挙げ「さまざまな時代に形成された石灰岩帯が分布し、新たな発見が期待される」と、その重要性を説明した。
山口県美祢市文化財保護課の村上崇史特別専門員は西予市での調査から発表した。 県指定天然記念物の羅漢穴(同市野村町小松)は、洞内の空気の流れから未知の上部洞口の存在を推定。
2021年から調査している蔵貫白石鍾乳洞(同市三瓶町蔵貫)は約15メートルと小規模だが、その先が水没していることや、付近の風穴の二酸化炭素濃度から、さらなる地下空間の広がりを示唆した。
5、6日に同ミュージアムである学術講演会は西予市民は無料で聴講できる。 5日午後4時からはNPO法人沖縄鍾乳洞協会の山内平三郎氏(松山市出身)が「愛媛の洞穴探検の夜明け」として特別講演する。




ようきた洞、恒例のLEDライトアップ(2022/11/3 静岡新聞より入手)
青い光、ツチボタル再現 鍾乳洞を幻想的に 浜松・引佐の竜ケ岩洞

浜松市北区引佐町の竜ヶ岩洞は1日、施設内の鍾乳洞「ようきた洞」内をライトアップするイルミネーション「電飾土蛍(つちぼたる)」を始めた。2023年2月末まで。
ニュージーランドのワイトモ鍾乳洞で見られ、ツチボタルと呼ばれるヒカリキノコバエの幼虫が無数の青白い光を発する光景を再現した。青や白の1万個のLED電球が長さ約20メートルの洞窟内を幻想的に照らし出す。 見学無料で写真撮影も可能。点灯時間は午前9時から午後5時。

竜ヶ岩洞ウェブサイト




第34回日本鍾乳洞サミットが開催(2022/10/29 奄美新聞より入手)
鹿児島県・知名町「違い、特色をもっと強く」鍾乳洞サミットオンライン開催、情報発信方法で意見交換

第34回日本鍾乳洞サミットin美祢(日本観光鍾乳洞協会主催)が28日、オンラインで開催された。全国9市町村の首長ら27人が参加し、「入洞数増加に向けた情報発信」をテーマに意見交換した。
日本観光鍾乳洞協会には、秋芳洞(山口県美祢市)や龍泉洞(岩手県岩泉町)などの鍾乳洞を観光資源に持つ9自治体が加盟。鍾乳洞の保全や魅力発信を目的に毎年サミットを開催している。
全体討議では、各鍾乳洞の現状と情報発信の取り組みを報告。「あぶくま洞」がある福島県田村市は、昨年12月から始めた「鍾乳洞御朱印」が好評だとして、各鍾乳洞でも実施するよう提案。2020年7月の熊本豪雨で大きな被害を受けた「球泉洞」のある熊本県球磨村は、今年4月10日に約1年9ヵ月ぶりに営業を再開したと報告した。
知名町フローラルホテルからサミットに参加した赤地邦男副町長は、昨年7月から2ヵ月間実施した島民対象割引プラン「島民感謝プラン」を紹介し「昨年7、8月の入洞者数は1870人で前年より815人増えた」と述べた。また、鍾乳洞協会に対して「観光客は『鍾乳洞はどこも同じ』と思っている様子が見られるので、『違う鍾乳洞にも行ってみたい』と思えるよう協会のホームページやSNSで各鍾乳洞の違いや特色を強くPRしてほしい」と呼び掛けた。
「昇竜洞」の入洞者数は、2019年度が9090人(うち外国人21人)、20年度3007人(同0人)、21年度5027人(同10人)となっている。
最後に「コロナ禍における安全で安心な受け入れ態勢の徹底」などを推進していくとする共同宣言を採択した。




グランドキャニオン洞窟、エレベーター故障で観光客が幽閉(2022/10/26 CNNより入手)
地下60メートルの洞窟で観光客立ち往生、全員が無事地上に

【アメリカ合衆国発】
米アリゾナ州ピーチスプリングスの「グランドキャニオン洞窟」で、深さ約60メートルの地底に下りたまま立ち往生していたツアー客6人が、地元消防隊の助けで無事地上に戻った。
消防責任者によると、ツアーのグループは幼い子ども2人を含む4人家族と、夫婦1組。23日昼ごろ、エレベーターが止まって戻れなくなった。
4人家族は同日午後7時半から8時半の間に、消防隊員らの誘導で長い階段をたどり、地上に到達した。
夫婦連れは夫だけがいったん階段を上ったが、その後引き返した。洞窟にはホテルが併設され、地底にもスイートルームが一室あるため、夫婦はここでエレベーターの復旧を待ち、一夜明けた24日に地上へ戻った。
救出作業には近隣の消防隊も駆け付けた。
当局者らは当初、5人のグループが地下に取り残されたと発表していた。

※グランドキャニオン洞窟(Grand Canyon Caverns)は1927年に発見された石灰洞。旧名はヤンパイ洞窟(Yampai Caverns)、恐竜洞窟(Dinosaur Caverns)。1962年には−64mのエレベーターが設置され、洞内にはレストラン「Cavern Grotto」、ホテル「The Cavern Suite」がある。このスウィートルームの大きさは長さ120m×幅60m×高さ20m。




入水鍾乳洞 獨協大と連携して活性化を模索(2022/10/17 福島民報より入手)
国天然記念物の鍾乳洞で地域活性化 福島県田村市と獨協大

国天然記念物「入水鍾乳洞」を核にして、にぎわいを創出しようと、福島県田村市滝根町の入水行政区は、獨協大(本部・埼玉県草加市)と連携して地域活性化に取り組む。学生の発想を生かし、まずは空き店舗の活用策を探る。
入水鍾乳洞は、本格的なケービング(洞窟探検)が楽しめる洞窟として知られる。ただ、入り口にある民有の店舗は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて閉じてしまい、隣接する釣り堀なども遊休施設となっている。誘客に向け、近辺の再生が大きな課題となっていた。
獨協大は東日本大震災発生後、市の復興を支援しており、今回の連携事業につながった。持ち主や近隣住民の意向を踏まえて学生らが空き店舗解消の案を練る。県の「大学生の力を活用した集落復興支援事業」の採択を受けて進める。
近くには観光鍾乳洞「あぶくま洞」や、阿武隈の山並みを望む仙台平、文化財「入水三十三観音」などがあり、こうした観光資源の魅力向上策も合わせて検討する。
獨協大の鈴木涼太郎教授(外国語学部)と米山昌幸教授(経済学部)、学生4人は15、16の両日、滝根町を訪れ、最初の実態調査に当たった。12月にも調査を予定している。2023(令和5)年には具体的な事業を展開したい考えだ。
佐藤修区長は「学生の若い感性が新たな気付きを与えてくれると期待している」と話している。

あぶくま洞ウェブサイト(入水鍾乳洞)




玉泉洞、リムストーンプール「黄金の盃」がハロウィーン仕様に(2022/10/14 沖縄タイムスより入手)
ハロウィーン前に沖縄の洞窟に現れた"笑うカボチャ" 鍾乳石に出た

南城市のおきなわワールド文化王国・玉泉洞にある巨大な鍾乳石が、ハロウィーンでおなじみの「ジャック・オー・ランタン」に装飾された。外周31メートル、高さ2.5メートルの鍾乳石が巨大なカボチャのおばけに変身し、来場者を楽しませている。
鍾乳石は玉泉洞が1972年に開園する以前に水質調査で発見され、形や岩肌がカボチャに似ているため地元でナンクヮシー(かぼちゃ石)と呼ばれていた。
おきなわワールドは長引く新型コロナ禍の中で明るい話題を提供しようと今年初めてジャック・オー・ランタンの装飾を企画。鍾乳石を囲む湧き水のライトアップも普段の青から紫に変えてハロウィーンの雰囲気を引き立てている。

おきなわワールド ウェブサイト(自然の神秘・玉泉洞)




沖縄県糸満市、洞窟から集団自決の遺骨や遺留品を発見(2022/10/4 日高新報より入手)
県立医科大生が沖縄戦の遺骨収集に参加

今年8月、沖縄県で行われた昭和の戦争犠牲者の遺骨収集活動に、県立医科大学から医学部の学生2人が参加した。米軍との激戦地となった糸満市の海岸にある自然洞窟(ガマ)の中で、追い込まれて集団自決したとみられる人たちの遺骨や遺留品を発見。先月29日には大学で記者発表を行い、法医学を学ぶ立場から貴重な体験を振り返った。
戦争末期の沖縄戦では、民間人も含めて約20万人が亡くなった。終戦から77年が過ぎたいまも、まだ3000人以上の遺骨が見つかっていないといわれている。県立医科大学生の遺骨収集活動は地元のボランティア団体からの依頼で、5年前から自主カリキュラムとして、法医学講座に所属する学生が参加している。
今回参加したのは4年生の安田啓喜さん(23)と2年生の小鮒亜裕美さん(25)。遺骨収集は8月10日、沖縄県糸満市の南端にある荒崎海岸で行われた。同海岸は沖縄戦末期、米軍に追い詰められた多くの兵士や住民が最期を遂げ、沖縄師範学校女子部と沖縄県立第一高等女学校の教師・生徒で結成されたひめゆり学徒隊員が集団自決した場所としても知られている。沖縄弁で「ガマ」と呼ばれる自然洞窟がたくさんあり、そこにはまだ身元が分かっていない人たちの遺骨が多数残されているという。
安田さんは実際に14〜16歳と思われる人の上腕骨、成人の大腿骨、胎児の長管骨を発見した。遺骨の写真をプロジェクターで見せながら、DNA鑑定や司法解剖など犯罪捜査にも応用される法医学の観点から、骨の大きさや特徴で年齢層が分かることなどを説明。また、ガマに残された遺留品も見つかり、骨との関連性、遺族を特定する手がかりになる可能性があることを報告した。
安田さんは「骨も死者の一部として扱うことは、医者としての責務だと感じました。骨の情報から分かることもたくさんあり、法医学を学ぶ者としてこの経験を今後に生かしていきたい」、小鮒さんば「遺骨を調べることはその人への最後の医療行為になります。現地の状況をこの目で見ながら遺骨を調べられたのはとてもいい勉強になりました」と活動を振り返った。
法医学講座の近藤稔和教授(54)は「遺骨鑑定を通して、戦禍で亡くなった人の情報を生きている人に伝えていくことは個人の尊厳を守ることにもつながる。この経験で医者として、人として学ぶものを見つけてくれれば」と話していた。




「ナショナルジオグラフィック10月号」に洞窟記事が掲載(2022/9/30 入手)
ナショナルジオグラフィック 日本版 2022年10月号 地球の素顔を伝えるビジュアルマガジン「ナショナルジオグラフィック 日本版 2022年10月号」の一項目に、「消える氷の洞窟」が掲載された。
アルプス山脈の氷洞が地球温暖化によって脅かされている様子が紹介されている。筆者はデニース・ホルビー氏、写真はロビー・ショーン氏。82〜98ページ。
紹介されている氷洞は、オーストリア「アイスコーゲルヘーレ」「ホーホシュナイト」「アイスリーゼンヴェルト」「アイスグルーベン」「シュヴァルツモースコーゲル」「コロヴラッツヘーレ」、イタリア「エル・セノーテ」。オーストリアだけで約1200ヶ所、イタリア北東部では数100ヶ所が発見されているという。
日経ナショナルジオグラフィック社発行。A4サイズ128ページ。オールカラー。定価1,210円(税込)。9月30日発売。
購入は書店、楽天ブックスAmazon.co.jpほかでも可能。電子書籍版もある。

ナショナルジオグラフィック日本版ウェブサイト(消える氷の洞窟)





大正洞−犬ヶ森の穴、新支洞連結で総延長3363.6m+に(2022/9/15)
山口県美祢市の石灰洞縦横複合洞「大正洞−犬ヶ森の穴」が、陥没穴から延びる洞窟と連結したことにより、総延長3363.6m+となった。国内総延長ランキングは変わらずの第13位。
山口ケイビングクラブ会報 第57号によると、2018年6月8日に「犬ヶ森ポノール」(第5洞口)の上流約20m地点の川底に陥没を確認、2021年1月30日に東京スペレオクラブが狭窄部を突破したことにより、「大正洞−犬ヶ森の穴」と接続した。 会報には「犬ヶ森東の吸い込み穴(仮称)」として測量図が掲載されている。

山口ケイビングクラブ ウェブサイト




与那国島でケイビング事業(2022/9/14 沖縄タイムスより入手)
沖縄・与那国島で洞窟探検 「謎解き」ツアーも 離島が抱える3つの課題に挑む

コールセンター事業、企業のコスト削減のコンサルティングなどを手がけるアクトプロ(東京、新谷学社長)は11月から、沖縄県の与那国島で洞窟を探検する「ケイビング」や、島内の景勝地などを巡る「謎解きツアー」の観光事業を始める。人口減少率が高い離島の活性化を目指す「島プロジェクト」の第1弾。島内で働く場所や住居、遊びの場を提供する。担当者は「離島でも稼いで生活ができる循環を生み出したい」と期待を寄せた。

■コールセンター開設の理由
アクトプロは4月、与那国町内で休業中だったホテルにコールセンターを開設した。採用した約30人の従業員は地元のスポーツクラブに入ったり、沖釣りに出かけたりするなど島民と交流を深め、生き生きと暮らしているという。
同社は離島が抱える課題として(1)住む場所(2)働く場所(3)娯楽−が少ない点を挙げる。働く場所の不足で島民が島を離れ、住む場所の乏しさから移住者も増えない「負のスパイラル」に陥っていると考えている。
課題を解決するため、本業のノウハウを生かしてコールセンターを設置したほか、島内に空き家を見つけて移住者へ住居として提供する不動産業も手がけ、島に人を呼び込もうとしている。

■空港前に商業施設も予定
アフターコロナで旅行ニーズが高まる予測から、島の魅力を最大限に発信しようと観光にも力を入れ始めている。賃貸契約を結んだ与那国空港前の土地約2434平方メートルに11月、観光案内所を設置し、ケイビングや謎解きツアーの受け付けを始める。飲食店などのテナントも募集し、早ければ来年2月にも商業施設としてオープンする予定だ。
目玉のケイビングは、八重山ケイビングガイド協会やライセンスを持つ同社の社員がガイドを務めるなど安全性を重視する。島を舞台にした謎解きツアーと合わせ、観光地として交流人口や滞在期間の増加を目指す。
担当者は、地元商工会や観光協会と連携して島の発展に貢献したいとし「事業展開に合わせてあと数十人は採用したい。島内の人口を増やし、島の活性化に結び付けたい」と話した。

八重山ケイビングガイド協会ウェブサイト




龍泉洞、洞内熟成日本酒を搬出(2022/9/9 河北新報より入手)
鍾乳洞でじっくり熟成 「秋あがり」地酒を搬出 岩手・岩泉

岩手県岩泉町の泉金(せんきん)酒造は8日、町内にある国天然記念物の鍾乳洞「龍泉洞」で5月から貯蔵していた日本酒を運び出した。ひと夏寝かせてうま味を増した酒は「龍泉八重桜 秋あがり純米吟醸」の銘柄で12日に販売を始める。
洞内は気温が10度前後で安定し光も差さず、酒の熟成には最適な条件。同社は2015年から洞内貯蔵に取り組んでいる。
今年は一升瓶550本と四合瓶2200本を洞内のセラーに運び込んだ。原料米は県産の「吟ぎんが」で精米歩合は55%。火入れは1回で出荷前には行わず、フレッシュ感をとどめつつ、滑らかでなれた香りと味わいが楽しめるという。
八重樫義一郎社長は「秋の味覚と引き立て合う食中酒にぴったり。毎年11月中には売り切れるので早めに購入してほしい」とPR。課税申請前なので社長自身も試飲はまだだが、「蔵で貯蔵する同じ酒の出来もいい。絶対においしいはず」と太鼓判を押した。
価格は一升瓶3300円、四合瓶1650円。泉金酒造のホームページで購入できる。

泉金酒造ウェブサイト
龍泉洞ウェブサイト





沖縄県下地島の海底洞窟、新種「ガンズゥースベスベオトヒメエビ」発見(2022/9/2 琉球新報より入手)
下地島の海底洞窟で新種エビ発見  県立芸大・藤田教授ら はさみ「ガンズゥー」 

県立芸術大教授で海洋環境学が専門の藤田喜久(よしひさ)氏らは9月1日までに、宮古島市下地島の海底洞窟で見つかった小型エビ「スベスベオトヒメエビ類」の個体が新種と認められたことを発表した。論文が国際的な学術雑誌「ズータクサ」電子版の8月18日付に掲載された。新種の和名は形態的な特徴から、頑丈を意味する宮古島の言葉を冠し「ガンズゥースベスベオトヒメエビ」となった。
スベスベオトヒメエビ類は熱帯・亜熱帯海域のサンゴ礁、岩礁域で22種が確認されている。うちインド洋―西太平洋に10種が分布。日本では主に沖縄で6種が発見されている。
ガンズゥースベスベオトヒメエビは2017年8月、下地島の名勝「通り池」近くにある海底洞窟で採集された。個体は雄1匹で、甲長0.36センチ、体長約1センチ。腹部の形態がこれまで確認されている22種と異なっていたほか、はさみが他種は細長いのに対して、ガンズゥースベスベオトヒメエビは太く頑丈で、和名の由来となった。
海底洞窟の動物は暗い環境に適応して目を退化させた特殊な種や古い起源を有する種、深海にしか生息していない種が知られる。一方、狭く暗い中で行われる調査は危険で困難を伴う。高い潜水技術が求められるため、調査は進んでいない。
藤田教授は「海底洞窟での調査はカリブ海が有名だが、沖縄はカリブ海と同じ石灰岩の洞窟が多数ある」と指摘。カリブ海の洞窟が長さ数キロとなるのに対して「沖縄の洞窟は長さ数百メートルで、カリブ海と同じような多様な環境に多様な動物がコンパクトに生息している。進化や分布を調べる上で有望な海域だ」と沖縄での調査の意義を強調した。

ズータクサ(A new shrimp of the genus Odontozona Holthuis, 1946 (Decapoda: Stenopodidea: Stenopodidae) from a submarine cave of the Ryukyu Islands, Indo-West Pacific)




中国、コホラヒメグモの新種2種発見(2022/8/15 人民網より入手)
重慶市の国家級自然保護区でクモの新種2種見つかる−中国

【中華人民共和国発】
西南大学生命科学学院の張志昇教授率いる研究チームは14日、重慶陰条嶺国家級自然保護区で、洞窟を好むでの生活を好むホラヒメグモ科コホラヒメグモの新種2種を発見し、それぞれ巫渓コホラヒメグモと陰条嶺コホラヒメグモと命名された。
ホラヒメグモは、洞窟に生息するキノコバエなどの昆虫をエサとしている。




銀竜洞、自治会が自然観察会実施(2022/8/8 奄美新聞より入手)
鹿児島県・伊仙町検福 自治会が自然観察会 「銀竜洞」の煌めきに感動 "足元の価値"再認識

伊仙町上検福(琉清孝区長)と下検福(琉太三区長)の両集落主催の自然観察会が7日午前、同地内の鍾乳洞「銀竜洞(別名・検福穴八幡)」エリアであり、家族連れなど約50人が参加。認定エコツアーガイドの協力で、琉球石灰層の生物多様性や洞内見学で、世界自然遺産の島の足元の価値≠再認識しあった。
自治会主催の自然観察会は徳之島では異例。県民全体の生物多様性の保全再生に向けた機運の向上、自然と共生した地域づくりの推進―などを目的とした県の地域住民参加型「みんなの生物多様性サポーター支援事業」に応募活用した。
開会あいさつで琉区長らは「われわれ地元の60歳代でさえも在来種と外来種の違いが分かりにくい。家族で勉強をして、子どもたちは夏休みの自由研究などにも生かそう。この観察会を次への一歩にしたい」と住民ら参加者にアピールした。
案内は、地元の県希少動植物保護推進員で認定ガイドの徳崇光さん(68)=検福=ら徳之島虹の会会員の認定ガイドら4人が担当した。同鍾乳洞(町指定文化財)エリア内の@希少野生生物A課題となっている外来種B洞内見学の3班に分かれて巡回。1970年代前半の観光全盛期に脚光を浴びた観光資源の鍾乳洞内では、聖地(拝み所)の歴史解説も交え、煌(きら)めきが再生しつつある鍾乳石、大自然の芸術にも感嘆の声が響いた。
豪州に嫁ぎ伊仙町の実家に帰省中のウィリアムズ・恵利さん(43)=現在・香港在住、人材派遣コンサルティング業=はわが子2人(双子10)と参加していた。「銀竜洞は遠足で来たことがあるが、正直言って自然に対する関心は薄かった。それが世界自然遺産に登録され、海外で日本を見直すことに。こんなスペシャルな自然が身近にある徳之島で育ったのは誇りです」と話していた。




米国、ルアン洞窟幽閉事故映画「13人の命」の配信決定(2022/7/21 シネマトゥデイより入手)
洞窟遭難事故の実話を映画化!ロン・ハワード監督×ヴィゴ・モーテンセン『13人の命』配信決定

13人の命 2018年にタイで起きた遭難事故と奇跡の救出劇を描く『13人の命』の映画化が決定し、8月5日よりPrime Videoにて独占配信される。
サッカーチームの少年とコーチの13名が、タイ北部のタムルアン洞窟に閉じ込められた実話を映画化した本作は、ダイバーチームがタイ軍や1万人を超えるボランティアとともに、13名を救出するために奮闘する姿を描く。遭難者13人全員救出という奇跡のニュースに世界中が感動したが、その裏に隠された多くの人々の勇気と努力が明かされる。
ロン・ハワード監督がメガホンを取り、脚本をウィリアム・ニコルソンが手掛ける。プロデューサーには、同じ遭難事故を描いたドキュメンタリー映画『THE RESCUE 奇跡を起こした者たち』の製作を務めたP・J・ファン・サンドヴァイクのほか、ガブリエル・ターナ、カレン・ランダー、ウィリアム・М・コナー、ブライアン・グレイザーが担当。キャスト陣には、ヴィゴ・モーテンセン、コリン・ファレル、ジョエル・エドガートン、トム・ベイトマンらが名を連ねる。
『13人の命』は8月5日(金)Prime Videoにて独占配信開始。

amazon.co.jp prime video(13人の命)
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海食洞:鳥毛洞窟、案内板を設置(2022/7/21 紀伊民報より入手)
観光客増え案内板 白浜町志原海岸の「鳥毛洞窟」

南紀熊野ジオパークの見どころの一つ、志原海岸(和歌山県白浜町日置)にある「鳥毛洞窟(とりけどうくつ)」を訪れる人が増えている。洞窟へ向かう道で迷う人が目立ってきたことから、同町の日置川観光協会は、道沿いに案内板を5枚設置した。
波による浸食で岩壁に高さ約10メートル、奥行き約20メートルの二つの穴が開いている洞窟。交流サイト(SNS)やメディアで取り上げられ、人気の写真撮影スポットになっている。
案内板は縦30センチ、横90センチ。洞窟までの距離のほか、満潮時に水没する場所があることを注意している。
志原海岸近くで民宿ゆうき荘を営む日置川観光協会副会長の河野雄二さん(72)は「昨年ぐらいから洞窟へ来る人が増えた。特に土日が多い。ウエディングドレスを着て撮影しているカップルも月に数度見ている。子どもの頃に弁当を持って遊びに行っていたなじみの場所が、人が大勢来る場所になるとは思ってもいなかった」と驚いている。
洞窟へ観光客や修学旅行生を案内している南紀熊野ジオパークガイドの築山省仁さん(67)=白浜町=は「洞窟は崩落する可能性があるので、訪れる人は十分に注意してほしい」と呼びかけている。
洞窟の場所は、道の駅志原海岸(白浜町日置)から歩いて約20分。「リヴァージュ・スパひきがわ」裏の橋を渡って、青い線が入った自転車道を進む。グランピング施設「インジアウトドア白浜志原海岸」前の坂を下って、岩場を歩いた所にある。

ニッポン旅マガジン(鳥毛洞窟(志原海岸))




あぶくま洞、体験型観光ルートの準備進む(2022/7/19 福島民報より入手)
あぶくま洞 ドキドキ探検 ルート発掘≠ヨ 滝根 「大地の神秘」感じて

田村市滝根観光振興公社職員らでつくる「あぶくま洞調査研究会」は、あぶくま洞の未公開部分や周辺の洞穴に注目し、探検をテーマにした観光商品づくりを進めている。ルートの設定や案内役の育成に着手し、初のモニターツアーを実施した。観光需要が「見る」から「体験型」に移行する中、洞窟探検を田村市の雄大な自然を体感できる誘客の目玉にしたい考えだ。
観光鍾乳洞のあぶくま洞は、照明や通路のある約650メートルの公開部分の他に、未公開部分が約2400メートルある。近くの入水鍾乳洞にも一般には公開していない場所があり、あぶくま洞周辺には鬼穴やA〜F洞などの洞穴も点在する。調査されているものの手付かずのため、中は真っ暗で大人一人がやっと通れる狭い場所もある。
研究会や日本洞穴探検協会によると、あぶくま洞は国内屈指の長さがあり、いずれの洞穴も大地の神秘を感じることができて魅力的だという。あぶくま洞の未公開部分には高さ60メートル以上の空間がある「東本洞」など多様な鍾乳石を楽しめる場所が数多くある。研究会は東日本大震災やコロナ禍で入洞者数が伸び悩む中、「探検気分」を味わえる旅行商品づくりを思い立った。
探検を旅行商品にするには、安全確保が最大の課題になる。暗く窮屈な場所では不安感が高まり、利用者がパニックになる心配もある。適切なルート設定や案内、緊急事態への備えが肝心なため、研究会の会員は自ら案内役になれるよう、探検協会の助言を受けながら研修を重ねている。
今月実施したモニターツアー「あぶくま洞を歩く会」には、新潟大探検部の学生らが参加した。鬼穴を見学した後、初心者でも比較的入りやすい「F洞」に入った。参加した新潟大探検部の金杉優作さん(19)=医学部2年=は「本格的な穴に入るのは今回が初めて。新鮮な気分」と非日常の体験を満喫した。
研究会は安全なルートを確立し案内の体制が整い次第、あぶくま洞などを管理、運営する滝根観光振興公社と連携して募集を始める予定。探検協会の菊池正志さん(73)は「真っ暗な穴から外に出ると達成感を味わえる。ハラハラドキドキの体験は面白いと思う」と観光商品の実現に期待した。

あぶくま洞ウェブサイト




中国、犀牛岩洞窟でケイブクラウド発見(2022/7/14 AFP通信より入手)
中国2ヵ所目の雲朶石洞窟を発見 広西チワン族自治区

【中華人民共和国発】
中国自然資源部地質調査局岩溶地質研究所は5日、中国とフランスの合同洞窟科学探査チームが広西チワン族自治区(Guangxi Zhuang Autonomous Region)来賓市(Laibin)武宣県(Wuxuan)の犀牛岩洞窟を探査中、総面積300平方メートルにわたって広がる雲朶石(cave cloud)を発見したと明らかにした。中国で2ヵ所目、同自治区で初めて発見された雲朶石洞窟の奇観となる。
探査チームの初期調査の結果、犀牛岩洞窟の雲朶石は7ヵ所の池の中に分布し、パンやカボチャの形状をしていることが分かった。犀牛岩洞窟は全長2754メートルで、内部は緩やかな地形になっており、洞窟のホールの一つの面積は1万2600平方メートルに上る。
同研究所のシニアエンジニアで中国地質学会洞窟専門委員会の秘書長を務める張遠海(Zhang Yuanhai)氏は苦灰岩がどのようにして雲朶石を作るのかは現代における科学の謎の一つだと説明し、「貴州省(Guizhou)黔東南(Qiandongnan)ミャオ族トン族自治州丹寨県(Danzhai)の金瓜洞に続き、中国で2番目に発見された雲朶石洞窟の奇観となる。雲朶石の形成条件は非常に厳しく、苦灰岩によって形成された鍾乳洞は珍しい」と指摘した。
武宣県の梁王路(Liang Lu)副県長は、今回の合同探査で犀牛岩洞窟内の地形や鍾乳洞内部の安全状況などを詳しく調査したと説明。特に洞窟の実地調査に基づく提言は、鍾乳洞の今後の開発や利用、修復などを行う上で力強い科学的根拠になると語った。

※王路は、正しくは王偏+路。




内間木洞まつりが開催(2022/7/12 岩手日報より入手)
神秘の鍾乳洞涼し 久慈・内間木洞まつり

内間木洞まつり(小国自治会主催)は10日、久慈市山形町の現地で開かれた。神秘的な鍾乳洞や地域色豊かな催しを楽しもうと、市内外から約千人が訪れた。
内間木洞(総延長6350メートル)は県指定の天然記念物で、同日は特別に一般開放した。洞内は7〜9度とひんやりとした空間が広がり、見学者は身をかがめながら通路を進み、ライトアップされた鍾乳石の造形を堪能した。
洞窟の外には特設ステージが設けられ、もち田楽や川魚の塩焼きを求める家族連れが列をつくったほか、地元の山形太鼓同好会や戸呂町神楽保存会などによる演舞が会場を盛り上げた。

久慈市ウェブサイト(内間木洞)




安森洞、恒例のそうめん流し開催(2022/7/9 愛媛新聞より入手)
洞窟の冷水で涼味つるり 鬼北で安森洞そうめん流し始まる(愛媛)

洞窟から湧き出る冷水を使った「安森洞そうめん流し」が9日、愛媛県鬼北町小松のあずまや「ロマン亭」で始まった。豊かな緑と水に囲まれた環境で、訪れた人は、つるりとしたそうめんを次々にすくい涼を楽しんでいる。8月31日まで。
地元住民でつくる安森鍾乳洞保存会が40年以上続ける夏の風物詩。昨年からは、新型コロナウイルス対策で、券売機を設置したり茶こしでそうめんをすくったりする工夫を施した。
初日は、オープンから家族連れらがU字形のレーンを囲んだ。清らかな水を流れるそうめんをすくっては、保存会の女性特製のめんつゆにつけ、タマネギやショウガなどの薬味とともに味わっていた。

※2021年は2年ぶりに再開したが、新型コロナウイルス感染拡大に伴い8月12日で中止となった。
鬼北町ウェブサイト(安森洞そうめん流し)





「山口ケイビングクラブ会報 第57号」発行(2022/6/30 入手)
山口ケイビングクラブ会報 第57号 山口県秋吉台を拠点とする「山口ケイビングクラブ」の年次研究報告が発行された。B5サイズ44ページ。内容は以下の通り。
・ケイビング情報
・美祢市秋芳町岩永黄番湧水について
・日本のカルスト用語の見直し
・犬ヶ森ポノール上流の陥没穴に開口した大正洞新支洞の洞窟形態
・米国カリフォルニア州Lilburn Cave-Big Springの間欠湧出メカニズムについて(一つの仮説)
・洞窟形成学用語集
購入・問い合わせは山口ケイビングクラブ事務局(秋吉台科学博物館内/TEL0837−62−0640 Fax0837−62−0324)まで。一部のバックナンバーも取り揃えている。

山口ケイビングクラブ ウェブサイト




井倉洞、インスタグラム活用で集客へ(2022/6/20 山陽新聞より入手)
井倉洞集客 インスタグラム活用を 学生視点で多様な観光コース提案

「旅行先も飲食店も、若者はインスタを見て行き先を決める」
新見市を代表する観光名所の一つ「井倉洞」の運営会社は今月、まちづくりに関心がある新見公立大(同市)と岡山大(岡山市)の学生を相次いで招き、集客に向けたアイデアを求めた。
周辺にある夕日や雲海のスポットと組み合わせた観光コースの設定、近場の飲食店を記した散策マップの作成など、思い思いの考えを披露した学生たち。共通して指摘したのは、現代版の"口コミ"ともいえるインスタグラム(写真共有アプリ)の活用だった。
今月19日、新見市の観光名所「井倉洞」や周辺の土産物店などを巡った新見公立大の学生3人が、井倉洞運営会社の杉一夫社長(67)と机を囲み、誘客に向けた意見を交わした。
「鍾乳洞はもっとライトアップできないか」「記念撮影用にスマホスタンドを設置しては」…次々と提案されるアイデアの中で印象に残ったのが、周辺の立ち寄り先も盛り込んだ「カップル」「家族連れ」「若い女性グループ」ら来場者の属性に応じた観光コースの設定だ。
その理由を問われた学生の説明では、若者はコース上の見どころを写してインスタグラム(写真共有アプリ)へ大量に投稿するケースが多い。それらの写真に付けられた「#デート」「#子ども向け」「#女子旅」といったハッシュタグ(#)を目印に検索した人たちが井倉洞を知り、足を向けるきっかけになるからだという。
新たな誘客策を模索する運営会社。1970年代後半に年間20万人を超えた観光客は、社員旅行の減少やレジャーの多様化などで減少し、近年では西日本豪雨(2018年)と新型コロナウイルス禍が追い打ちをかける。昨年度の来場者は3万5000人台にまで落ち込んでいる。
再興を目指す中で企画したのが、意見交換会。新見公立大と岡山大の学生をそれぞれ招き、若者の視点を借りて魅力アップと効果的な情報発信のヒントを探るのが狙いだ。
今月9日に訪れた岡山大の学生4人は、井倉洞がある草間台地にも出向いた。高さ約40メートルの石灰岩アーチが有名な羅生門(国天然記念物)、今秋にリニューアルオープンされるコテージの宿泊施設、夕焼けや雲海などが一望できる展望台などを見学。地元特産のソバやピオーネの収穫時期に合わせ、イベントも盛んに開かれていることを知った。
意見交換では「草間台地には鍾乳洞だけではなく、知らなくて損したと思うぐらい見どころがたくさんあった」「スタンプラリー形式で各所を回ると、割引を受けられる仕組みは」などと発言。さらに、ここでも「周りの友人は皆、インスタをしている。井倉洞と周辺で楽しめることを初心者、リピーター向けのコースとして紹介しては」と伝えた。
両大の学生との意見交換を終え、杉社長は「SNS(交流サイト)を活用したPRは欠かせないと思っていたが、インスタがここまで浸透しているとは。情報発信の仕方を変えていきたい」と話していた。今後、大学生のアイデアを踏まえた上で新たな集客策などを検討するという。
学生の井倉洞訪問は、山陽新聞社が地域の方々と連携して課題解決や魅力の創出を図る「吉備の環(わ)アクション」の一環で企画した。

井倉洞ウェブサイト




「のぞく図鑑 穴」発売(2022/6/20 入手)
のぞく図鑑 穴  子供向け「気になるコレクション」シリーズ「のぞく図鑑 穴」が発売された。
洞窟などの自然の穴からトンネルなどの人工物、巣穴、ブラックホールまで、大小様々の200以上の穴をさらっと紹介。写真集としても楽しめる。
洞窟学的にはサリサリニャーマ(ベネズエラ)、グッド・ラック・ケイブ(マレーシア)、マンモス・ケイブ(米)、クルーベラ洞窟(ジョージア)、ベロブキナ洞窟(ジョージア)、プレド洞窟(スロベニア)、ポストイナ洞窟(スロベニア)、シュコツィアン洞窟(スロベニア)、ゴロンドリナス洞窟(メキシコ)、セノーテ(メキシコ)、安家洞、龍泉洞、あぶくま洞、入水鍾乳洞、日原鍾乳洞、鳴沢氷穴、駒門風穴、天窓洞、龍河洞、穴禅定、竜渓洞、秋芳洞、千仏鍾乳洞、稲積水中鍾乳洞、星野洞、ラスコー洞窟(仏)、バトゥ洞窟(マレーシア)などが紹介されている。「洞窟探検のハマリかた」はパイオニアケイビングクラブが協力。
小学館発行。宮田珠己著。B6サイズ128ページ。オールカラー。定価1,150円(税別)。6月20日発売。
購入は書店、honto楽天ブックスAmazon.co.jpほかにて。 電子書籍版もある。

パイオニアケイビングクラブ ウェブサイト





仏国、コスケール洞窟のレプリカ公開(2022/6/11 AFP通信より入手)
先史時代の海底洞窟壁画、消滅の危機に 実物大レプリカ公開 仏

【フランス共和国・ブーシュ=デュ=ローヌ県マルセイユ発】
フランス南部マルセイユ(Marseille)にある博物館、コスケール・メディテラネ(Cosquer Mediterranee)で、海底の洞窟壁画が残るコスケール洞窟(Cosquer Cave)のほぼ実物大のレプリカが公開されている。先史時代の海洋生物を描いた洞窟壁画があるのは、世界中でコスケール洞窟だけだ。
マルセイユ東部にはカランク(Calanque)と呼ばれる入り江を囲む石灰岩の絶壁があり、コスケール洞窟はその海面下37メートルに広がっている。壁に約600点の絵や記号などが残されていることから、「海底のラスコー洞窟(Lascaux Cave)」とも呼ばれている。
全長130メートル以上の天然の岩の海中トンネルを進んでいくと、洞窟の入り口にたどり着く。
1985年にプロのダイバー、アンリ・コスケール(Henri Cosquer)氏が岩壁から15メートル離れた海底で偶然に発見した。
3万年以上前にさかのぼる洞窟および貴重な遺跡は今、深刻な危機にさらされている。気候変動と海面上昇、マイクロプラスチック汚染により、1万5000年にわたって先史時代の人々が創作した芸術が洗い流されてしまう恐れがあるのだ。
考古学者のリュック・バンレル(Luc Vanrell)氏によると、2011年には洞窟周辺の海面が12センチ上昇。以降、広さ2500平方メートルの洞窟の遺跡全体の記録作業は時間との闘いになり、3Dで洞窟を再現するためデジタルマッピングを行う作業が急ピッチで進められたという。
地質学者で先史時代の洞窟壁画の専門家、ステファニー・トゥロン(Stephanie Touron)氏は、「すべてのデータから言えるのは、海面上昇が急激に進んでいることです」と語る。「洞窟内の海面は気候変動に伴って上下しています。壁を洗い流し、たくさんの情報が含まれている土壌やその他の物質を浸食しつつあります」
考古学者のミシェル・オリーブ(Michel Olive)氏は、洞窟が使用されていた当時は「氷河期で、海面も(今より)135メートルも低かった」とし、また「海岸から10キロ以上離れていた」と説明した。

■「世界の四大洞窟壁画の一つ」との指摘
壁画の数は229点で、描かれている生物は13種。馬、シカ、野牛、アイベックス(野生のヤギ)、絶滅したウシ属のオーロックス、サイガ(レイヨウの一種)の他、アシカ、ペンギン、魚、猫、熊などの絵が残されている。
バンレル氏は、壁画の多さだけでも「コスケール洞窟はラスコー洞窟やスペインのアルタミラ洞窟(Altamira Cave)、(仏南部の)ショーベ洞窟(Chauvet Cave)に並ぶ世界の四大洞窟壁画の一つ」だと指摘する。
考古学者の間では、コスケール洞窟は居住用には使われていなかったという見方で一致している。
オリーブ氏によると、先史時代の人々は神聖な空間や集会所として使用していたとの説もある。また、ボディーペインティングや絵の材料にするために、石灰岩の壁にできるムーンミルクと呼ばれる白い物質を採取していたとの見方もある。

コスケール・メディテラネ ウェブサイト




球泉洞、工事業者が熊本市教委に入場券贈呈(2022/6/6 朝日新聞より入手)
豪雨から復活の鍾乳洞「球泉洞」 工事業者が熊本市教委に入場券贈呈

2022年7月の豪雨で被災し、4月から見学が再開された鍾乳洞「球泉洞」の復興工事を担った建設会社が2日、熊本市教育委員会に1100人分の入場券を贈った。
寄贈したのは建設会社「山王」(熊本市東区)。同社は20年7月の災害直後から、球泉洞をはじめ人吉・球磨地域の復興工事に当たってきた。
熊本市の遠藤洋路教育長に目録を手渡した山王副社長の深水啓太さんは「市内から観光に行くことがさらなる復興の手助けになると思う。ぜひ遊びに行ってほしい」と話した。
市教委によると贈られた入場券は市内の小中高校や博物館などに配布するという。

球泉洞ウェブサイト




「ケイビングジャーナル第74号」発行(2022/6/1 入手)
ケイビングジャーナル74号 日本洞窟学会のケイビング情報誌「ケイビングジャーナル」の第74号が発行された。A4サイズ56ページ。650円(税込/日本洞窟学会々員には送付)。
内容は以下の通り。
・グラビア
・スペレオニュース
・イベントカレンダー
・日本洞窟学会第47回大会(沖縄大会)講演要旨
・日本洞窟学会第47回大会(沖縄大会)大会記録
・沖縄洞窟ウィーク2021 ケイブカフェにおける公開講演会(報告)
・ちょっと待て!そのアンカーは本当に必要か?!
・スマートフォンを使った溶岩樹形型の3Dレーザースキャナ計測
・宮城県気仙沼市の海岸に面した石灰岩地帯とカルスト
・プロジェクトボード
・洞窟書籍新刊紹介
・編集部からのお知らせ
日本洞窟学会会員以外の購読希望者は、ケイビングジャーナル編集部caving_journal@cj.dojin.comまで。定期購読年3冊分2940円も可能。龍泉洞(岩手県岩泉町)、カモシカスポーツ 山とスキーの店(高田馬場)、竜ヶ岩洞(静岡県浜松市)、まえちゃんねっと〜よろず販売〜(オンラインショップ)でも購入可能。

ケイビングジャーナル ウェブサイト




米国、ルアン洞窟幽閉事故映画「Thirteen Lives」が完成(2022/5/21 THE RIVERより入手)
コリン・ファレルとヴィゴ・モーテンセンが全シーン潜水 タイ洞窟救出劇の映画化、撮影は「離れ業だった」

2018年にタイ北部で発生した洞窟遭難事故を題材にした映画『Thirteen Lives(原題)』では、ボランティアで駆けつけた洞窟ドライバーによる救出劇が描かれる。困難を極めた救出を主導したダイバー2人を演じるのはコリン・ファレルとヴィゴ・モーテンセン。監督のロン・ハワードによれば、2人は全潜水シーンをスタントマンによる助けを借りずに行ったという。
『Thirteen Lives』は、2018年6月23日の豪雨により継続的な浸水が続く洞窟に2週間以上閉じ込められていた、12名の地元サッカーチームの少年たちとコーチ1名が助け出されるまでの様子を描く1作。遭難報道がなされるや、イギリスから元消防士のリチャード・スタントンとITコンサルタントのジョン・ボランセン、2人の洞窟ダイバーが救出ボランティアとして現地入り。タイ王国海軍主導の下、世界各国から救助隊が派遣される中、13人の遭難者を発見したのは洞窟の水の世界を知るスタントンとボランセンだった。
映画ではヴィゴ・モーテンセンはスタントンを、コリン・ファレルはボランセンを演じることになるが、米The Hollywood Reporterでは、ハワード監督が2人の身体を張った真剣な取り組みを説明している。同事故を詳細に綴ったドキュメンタリー『THE RESCUE 奇跡を起こした者たち』(2022)では実際に救出に携わったダイバーたちの活躍や一人ひとりの性格などが紹介されていたが、モーテンセンとファレルは救出の真実を知る彼らとのマンツーマンレッスンに挑んでいたという。
「準備中は、(救出に携わった)実際のダイバーがいてくださり、撮影中は、特にヴィゴ・モーテンセンとコリン・ファレルが ── 他の方々もですが ── 彼らと一緒に訓練に励み、スタイルを真似ていました。毎日水中で、というのが数週間続きましたね。実際に実演したのは彼らなので、必要とされることは週末にも自主的に訓練されていましたよ。全ショットが彼らによるものです。洞窟ダイビングのテクニックとか、潜っている時の性格的なところも学んでいました。」
ハワード監督によれば、撮影は「実際の洞窟では出来なかった」という。事故が発生したタムルアン洞窟内部の構造は非常に複雑で、少年たちは入り口からおよそ5キロメートル地点の避難エリアで発見された。撮影では5つのタンクを建造することで救出劇の行われた洞窟が再現されたというが、こうした環境での撮影はハワード監督に自身の過去作の製作時を思い出させたようだ。
「それでも離れ業であったことは間違いありません。『バックドラフト』での本物の炎ほど危険では無かったですけど、求めていた細かさや複雑さという点ではあの作品を思い出しました。あとは『アポロ13』で実際にやった無重力撮影のことも。宇宙飛行士の訓練用や科学者の実験用で使われる嘔吐彗星とも呼ばれているKC−135(航空機)で上空まで飛んだことがあるのですが、その時の影響みたいなところが似ていて。[中略]こうした物理的な映画作りの大変さは本作でもありました。」
本作には、モーテンセンとファレルのほかにダイバー役として、ジョエル・エドガートンやトム・ベイトマン、ポール・グリーソンらが出演。2022年8月に米劇場で期間限定公開された後、Amazon Prime Videoで世界配信開始となる。

※ルアン洞窟幽閉事故に関する映像作品は、これまでタイ・アメリカ合作映画「THE CAVE(ザ・ケイブ) サッカー少年救出までの18日間」、アメリカのドキュメンタリー映画「THE RESCUE 奇跡を起こした者たち」がある。現在はNetflixによる作品が製作中。




滝観洞、滝流しそばが長期休業へ(2022/5/18 河北新報より入手)
名物「滝流しそば」長期休業へ 新施設で24年度再開 岩手・住田

岩手県住田町の鍾乳洞「滝観洞」の名物で、滝を流れるようにそばが届く「滝流しそば」の営業が22日を最後にしばらく休みとなる。半世紀にわたって家族連れなどに親しまれてきたが、施設が老朽化したことから建て替える。再開は工事が終わる2024年度になる見込みだ。
滝観洞の見どころ「天の岩戸の滝」は落差29メートルあり、洞窟内の滝としては国内屈指の規模。この滝をヒントに1968年に始めたのが滝流しそばで、数メートルの長さの竹筒にそばを流し、客の前に置いたざるにのるようにした。
81年の台風15号による大水で全壊したが、翌82年に現在の鉄骨造2階の施設を再建。池を挟んだ向かいの小屋からそばを流すようにした。大型連休や夏休みを中心に県内外から観光客が訪れ、流れ落ちる冷たいそばを楽しんだ。
滝観洞の管理運営を担う住田観光開発(住田町)のパート職員で、長年受け付け業務を担当する高橋サチ子さん(68)は「この大型連休は休業を知って足を運ぶ人が多かった。小さいころに訪れて、今度は子どもや孫と一緒にそばを食べる人が目立った」と話す。
施設の建て替え工事は6月に始まり、滝観洞の受付と一体的に整備する。高橋さんは「新しくなった後も滝流しそばと滝観洞を引き続き応援してほしい」と願っている。
滝流しそばの提供は午前10時半〜午後3時。連絡先は滝観洞観光センター0192−48−2756。

住田町ウェブサイト(滝観洞)




神泉洞、丹生川上神社下社が名水利用権を取得(2022/5/16 奈良新聞より入手)
下市の丹生川上神社下社が名水利用権を取得、天川の湧水「神泉洞」

水の神を祭る下市町長谷の丹生川上神社下社(皆見元久宮司)が今月、天川村洞川地区の湧水「神泉洞」の名水利用権を取得した。全国名水百選にも選ばれた名水で、同神社は「水源を大切に守りたい」としている。
神泉洞は約70年前に地域住民が鍾乳洞観光の資源開発を目的に掘った洞窟に湧く水。1985(昭和60)年に環境省が選定した全国名水百選の洞川湧水群に含まれる。鍾乳洞観光は実現しなかったが、93年に民間事業者が湧水地近くに充填工場を建設し、取水販売を始めた。

※一部抜粋




井倉洞、洞窟以外の体験型観光を模索(2022/5/13 山陽新聞より入手)
井倉洞、集客へ体験型観光に活路 デイキャンプ場設置、若者視点も

新見市を代表する観光名所の一つで、岡山県天然記念物に指定されている鍾乳洞「井倉洞」。悠久の自然が生み出した神秘的な造形美を見ようと、1970年代後半には年間20万人を超える人が訪れたが、岡山自動車道開通(97年)による観光客の流れの変化やレジャーの多様化などで客足は長年低迷している。近年は西日本豪雨、新型コロナウイルス禍が追い打ちをかけ、苦戦は続くが、創意工夫と市民らの力で新たなニーズに呼応した観光地への脱皮を目指す動きが出始めている。
新見市の南部を流れる高梁川の東岸に、石灰岩の絶壁(高さ約240メートル)がそそり立つ。下方部分にある穴が井倉洞(同市草間)への入り口だ。
住民によって発見されたのは1957年。市と地元有志が調査に乗り出し、59年に全長1200メートルの見学路を有する鍾乳洞としてオープンした。JR井倉駅に近い交通の利便性に加え、マイカーの普及を追い風に来場者は増えてゆき、79年度には24万人を超えた。
しかし、レジャーの多様化や社員旅行の減少などで客足は次第に鈍化。さらに岡山自動車道が開通すると、県南からの観光バスが真庭市蒜山地区や山陰へ直行し、素通りするケースが多くなった。
また2018年の西日本豪雨と台風24号で、5軒あった飲食店や土産物店が浸水し、うち2軒が営業再開を断念した。新型コロナウイルス禍では再三、営業を自粛した。外出控えもあり、来場者は21年度に3万5000人台にまで落ち込んだ。
こうした中で、井倉洞を管理運営する第三セクターは今年4月下旬、駐車場脇の芝生広場(約250平方メートル)にデイキャンプ場を設けた。家族連れらに鍾乳洞の見学と併せて、川遊びやバーベキューを楽しんでもらうのが狙いだ。杉一夫社長(66)は「コロナ後は『屋外での体験型』の観光が求められるはず」と話す。
さらには、まちづくりに詳しい岡山大地域総合研究センターの岩淵泰准教授の協力を得て、大学生との意見交換会も計画。若者の視点を借りて、集客につながる魅力向上や情報発信のヒントを得ようとしている。
「井倉洞の現状は人口減少が止まらない新見市の姿とダブって見える」。市まちづくり審議会の会長だった岡崎允さん(82)=自動車販売業=は危機感を募らせる。
今月15日、クラシックカーなどの愛好者でつくるグループで、岡崎さんが相談役を務める「倉敷旧車倶楽部」は井倉洞の駐車場に70台を展示して交流イベントを開く。約10年前に始まった催しで「参加者が家族を連れて再訪したり、口コミで広めたりしてくれれば」と願う。
山陽新聞社は、地域の方々と連携して課題解決や魅力の創出を図る「吉備の環(わ)アクション」を展開中。井倉洞の観光客誘致の取り組みを追い、紙面などで報道。共に新たな時代に即した観光地の在り方を探っていく。

井倉洞ウェブサイト




中国、30ヵ所目の天坑を発見(2022/5/9 AFP通信より入手)
中国広西チワン族自治区楽業県で新たな巨大穴「天坑」を発見

【中華人民共和国発】
中国自然資源部中国地質調査局岩溶地質研究所の調査チームは7日、広西チワン族自治区(Guangxi Zhuang Autonomous region)楽業県(Leye)で「天坑」と呼ばれる陥没穴1ヵ所を発見したと明らかにした。
同県は中国南部のカルスト地形と世界最大の天坑群「大石囲天坑群」があることで知られる。「天坑の都」「世界の天坑博物館」とも呼ばれており、今回の発見で県内の天坑は30ヵ所となった。
同研究所の張遠海(Zhang Yuanhai)シニアエンジニアによると、今回見つかった天坑は同県邏西(らせい)郷平峨村隴土幼(ろうおう)屯付近に位置する。坑口の直径は東西306メートル、南北150メートル、最大深度192メートル、平均深度約139メートル、容積は500万立方メートル以上で、天坑の標準的な大きさという。
張氏は、天坑内部にある3ヵ所の大型開口部について洞窟が天坑へと変化する初期の穴跡だと説明、天坑の底部には保存状態の良い原始林が残り、中には崩落した大量の岩石が隠れていると述べた。また、今回発見された天坑は大石囲天坑群に属するものではなく、別の地下河川系統から発達したという。

※土幼は土偏+幼の一字。





龍泉洞、前年同日の約2倍入洞(2022/5/2 岩手日報より入手)
「ドラゴンブルー」輝き神秘的 岩泉の龍泉洞にぎわう

日本三大鍾乳洞の一つ岩泉町の龍泉洞(総延長4088メートル)では1日、観光客が幻想的に輝く鍾乳石や地底湖を満喫した。
薄暗い洞内は青や紫色の照明が神秘的な空間を演出し、「ドラゴンブルー」に輝く地底湖を見た来場者は「きれい」と歓声を上げた。
龍泉洞事務所によると、同日は前年同期の約2倍となる1595人が訪れた。

龍泉洞ウェブサイト




「洞窟学雑誌 第46巻」発行(2022/4/15 入手)
洞窟学雑誌 第46巻 日本洞窟学会の機関誌「洞窟学雑誌」の第46巻が日本洞窟学会会員に配布された。発行日は2021年12月31日。B5サイズ50ページ。3000円(税込/日本洞窟学会々員には送付)。掲載論文は以下の通り。
・中国南部の哺乳類化石を含む洞窟・裂罅堆積物 −その分析や特徴,含まれる動物群と時代および日本のものとの比較−
・広島県神石高原町幻の鍾乳洞で初めてみいだされたハイドロマグネサイトの鉱物学的重要性
・2020年9月末の増水による龍泉洞内堆積物の性状・起源 −龍泉洞地下水系の解明に向けて−
・A Collecting Record of Ischnura asiatica (Brauer, 1865) (Odonata: Coenagrionidae) from Shiroiwa-do Cave in Kochi Prefecture
購入・問い合わせは日本洞窟学会事務局(福岡大学理学部地球圏科学科地球科学分野内)まで。一部のバックナンバーも取り揃えている。




球泉洞、熊本豪雨から1年9ヵ月振りに営業再開(2022/4/11 熊本日日新聞より入手)
「球泉洞」リニューアルオープン 熊本豪雨で被災 1年9ヵ月ぶりの再開

2020年7月の熊本豪雨で被災した球磨村大瀬の観光鍾乳洞「球泉洞」が10日、リニューアルオープンした。1年9ヵ月ぶりの再開となった初日は鍾乳洞を無料開放し、多くの来場者でにぎわった。
球泉洞は豪雨で裏山2ヵ所で土石流が発生。鍾乳洞に続くトンネルに土砂が流入するなどして被災した。運営する村森林組合の谷口幸敏組合長は式典で「災害の影響で大打撃を受けたが、再び多くの観光客に来てもらえるよう全力で取り組んでいく」とあいさつした。
家族4人で初めて訪れた八代市の会社員の男性(33)は「鍾乳洞の中は広くて神秘的だった。鍾乳石など全て自然でできたと思うとすごい」と話した。同日は、併設施設「森の香房」と「センター森林」も再開した。
球泉洞の営業時間は午前9時〜午後5時。水曜定休。

球泉洞ウェブサイト




四国カルスト、5ヵ国語対応の観光マップ作製(2022/4/6 愛媛新聞より入手)
コロナ後のインバウンド見据え 5ヵ国語対応の四国カルスト観光マップ 久万高原町が作製

外国人観光客に四国カルストを楽しんでもらおうと、久万高原町は5ヵ国語に対応したA3サイズの観光マップ「SHIKOKUKARST」を作製した。四国カルストがある愛媛と高知両県の1市4町の主要観光施設に設置する。
対応言語は英語、台湾語、中国語、韓国語、日本語の5種類。県えひめの未来チャレンジ支援事業の一環で、英語と日本語を5000部ずつ、台湾語3000部、中国語と韓国語を1000部ずつ作製した。
アフターコロナのインバウンドを見据えて作製しており、絶景スポットや観光・宿泊施設などを写真で紹介。各写真横のQRコードにアクセスすれば詳しい場所が表示される。
問い合わせは町ふるさと創生課=電話0892−21−1111。

久万高原町観光協会ウェブサイト(四国カルスト)




チビチリガマ、77年目の慰霊祭(2022/4/2 琉球新報より入手)
平和の祈り、世界へ発信誓う チビチリガマ集団自決から77年 遺族会が慰霊祭

沖縄戦で米軍が沖縄本島に上陸した直後の1945年4月2日に読谷村波平の自然洞窟チビチリガマで、避難した住民83人が犠牲になった「集団自決」(強制集団死)が起きてから2日で77年となった。同日、遺族会による慰霊祭が開かれた。遺族や関係者17人が参加し、肉親の冥福を祈り、後世に平和の尊さを発信しようと誓い合った。
新型コロナウイルスの影響で、昨年に続き遺族を中心に小規模で実施した。チビチリガマの生存者2人も参列した。
遺族らは午後1時過ぎに集まり、線香や果物などを手向けた。家族6人で避難し、祖父を亡くした生存者の上原豊子さん(85)=村波平=は時折、声を詰まらせながら「注射を打つために並ぶ人や背中を刺された子どもを見た。私は母の着物を引いて壕を出たが、外には緑が広がり、光が差していて、素晴らしい光景が広がっていた」と振り返った。「生きていることに感謝している。世界が平和になること、それだけを祈っている」と締めくくった。
母方の祖父母らを亡くした與那覇徳市さん(79)=村渡慶次=は、祭壇に向かって手を合わせ、うちなーぐちで語り掛けた。ウクライナに侵攻したロシアについて触れ「力任せにロシアが侵攻した。平和な世の中を実現したいが私1人では力及ばない。遺族会、祖先の皆さんの力を貸してほしい」と強く祈った。
遺族会の與那覇徳雄会長(67)=村渡慶次=は、コロナ禍の慰霊祭開催について「不安はあったが、77年を迎え生存者が参加できる機会は少なくなってきた。平和を継承するためにも実際に経験された方の思いを大事にしたい」と話した。

読谷村観光協会ウェブサイト(チビチリガマ・シムクガマ)




洞窟切手「帝釈峡遺跡群発見60周年記念」発行(2022/3/25 入手)
帝釈峡遺跡群発見60周年記念 日本郵便株式会社中国支社より3月25日、オリジナルフレーム切手「帝釈峡遺跡群発見60周年記念」が発行された。1シート5枚のうち、1枚が「緑帯文土器(帝釈白雲洞洞窟遺跡)」。
広島県東北部にある先史時代の遺跡群「帝釈峡遺跡群」発見から60年を迎えたことを記念して発行されたもの。帝釈峡馬渡遺跡、寄倉岩陰遺跡、帝釈名越岩陰遺跡と共に、観光洞でもある「白雲洞」から出土した土器がデザインされている。
「白雲洞」は1929年に観光化。見学距離は約200m。史跡には指定されていない。
額面は84円。1シート5枚。シール式。販売価格は920円。500シート限定。広島県三次市・庄原市・世羅町・神石高原町の全郵便局、上下郵便局・吉野郵便局・諸田郵便局、「郵便局のネットショップ」にて発売。

郵便局のネットショップ
帝釈峡観光協会ウェブサイト(白雲洞)





「日本洞穴学研究所報告 第39号」発行(2022/3/31 入手)
日本洞穴学研究所報告第39号 岩手県下閉伊郡岩泉町にある「日本洞穴学研究所」の年次研究報告が発行された。内容は以下の通り。
・2020年9月末の増水による洞内堆積物
・龍泉洞内の地下水位変動(2020年5月から2021年10月までの記録)
・龍泉洞観光客の観光中の行動と環境意識および観光ロイヤリティーとの関係
・岩手の洞穴に纏わる伝説・言い伝え等 bQ
日本洞穴学研究所発行。A4サイズ73ページ。カラー。頒価500円(税込)。3月31日発行。
購入・問い合わせは日本洞穴学研究所事務局(龍泉洞事務所内/рO194−22−2566)、または地R元事務局まで。なお、日本洞穴学研究所報告第2〜38号までのバックナンバー(各500円/35号36号は2,000円)も取り扱っている。





秋芳洞、第七新洞の調査実施(2022/3/25 NHK NEWS WEBより入手)
秋芳洞の「第七新洞」で23年ぶりの調査

美祢市にある国内最大級の鍾乳洞、「秋芳洞」では雨が少なかった影響で最も奥の「第七新洞」へ向かう通路の水位が下がり、調査チームが23年ぶりに内部の調査を行いました。
国の特別天然記念物の「秋芳洞」は国内最大級の鍾乳洞で、最も奥にある「第七新洞」は、洞窟へ向かう通路が水没しているため、1999年3月以来、調査ができていませんでした。
しかし、去年12月から今年2月までのこの地域の降水量が平年の4割ほどと少なかったため、「第七新洞」と行き来できるようになり、専門家や山口大学の洞穴研究会の学生による調査チームが、先月から今月にかけて23年ぶりに調査を行ったということです。
調査では、内部に新たな空間が見つかり、総延長が140メートルほど伸びたほか、数羽のコウモリやシカの骨などが確認され、「第七新洞」が地上とつながっている可能性が高いことがわかったということです。
調査チームではことし秋に開かれる学会で今回の調査結果を報告することにしています。
調査チームのメンバーで日本洞窟学会の村上崇史さんは、「第七新洞の正確な位置が計測できたことで、周辺の鍾乳洞との関係を明らかにすることも期待できる」と話していました。

※第七新洞へは「葛ヶ穴」から到達。この接続部分までは2004年に山口大学洞穴研究会によって測量調査が行われている。
一般社団法人美祢市観光協会ウェブサイト(特別天然記念物 秋芳洞)





球泉洞、営業再開日決定(2022/3/18 熊本日日新聞より入手)
球泉洞、4月10日再開 1年9ヵ月ぶり 球磨村の復興に弾み

2020年7月の熊本豪雨で被災し、復旧を進めていた熊本県球磨村大瀬の観光鍾乳洞「球泉洞」が4月10日に営業を全面的に再開する。豪雨から約1年9ヵ月ぶり。県内外から多くの客を集め、人吉球磨を代表する観光スポットの再開で、地域の復興に弾みがつくと期待される。
運営する村森林組合によると、豪雨で裏山の土砂崩れが発生。鍾乳洞に被害はなかったが、洞内への入り口、売店などが入る三つの建物の1階が被災した。復旧工事を機に営業内容を見直し、食パンとはちみつ、アウトドア用品などの販売コーナーを新たに設けた。
昨秋の再開を想定していたが、新型コロナウイルス感染拡大などで延期。県のまん延防止等重点措置が今月21日に解除されることを受け、4月10日の再開を決めた。当日は式典を開き、鍾乳洞は入場無料とする。
同組合は「多くの人たちの支援で再開できる。人吉球磨の観光を牽引するつもりで頑張りたい」と話している。

球泉洞ウェブサイト




景清洞と洞口の穴が連結(2022/3/2 NHK NEWS WEBより入手)
天然記念物「景清洞」に新たな空間 総延長は4キロに

美祢市にある国の天然記念物の鍾乳洞、「景清洞」に新たな空間があることが最新の調査で分かりました。 この空間はほかの鍾乳洞につながっていて、景清洞の総延長は少なくとも、これまでのおよそ1.6倍の4キロに延びるということです。
国の天然記念物の景清洞は秋吉台を代表する鍾乳洞の1つで、7年前から日本洞窟学会などの専門家チームによる調査が行われています。
そして一昨日行われた最新の調査で、100メートル以上ある新たな空間が見つかったということです。
専門家チームによりますと、この空間は近くの鍾乳洞につながっていて、これまで2.5キロと考えられていた景清洞の総延長が、少なくともおよそ1.6倍の4キロに延びたということです。
専門家チームは今後の調査によって、総延長がさらに延びる可能性があるとみていて、調査を続けるとともに、今回の結果をことし秋に開かれる学会で報告することにしています。
専門家チームのメンバーで日本洞窟学会員の村瀬健志さんは、「景清洞がどのように変化してきたのかを解き明かす発見だ。秋吉台の成り立ちの解明にもつながると思う」と話しています。

※これまで「景清洞(景清洞−三角田洞−獅子の抜け穴)」は総延長1745m+、接続した「洞口の穴」は総延長1500mと報告されていた。
一般社団法人美祢市観光協会ウェブサイト(天然記念物 景清洞)





秋吉台山焼きが実施(2022/2/27 山口新聞より入手)
秋吉台に春 「山焼き」動画も配信

美祢市に広がる国内最大級のカルスト台地、秋吉台で26日、春の訪れを告げる山焼きがあった。同市秋芳町秋吉の秋吉台カルスト展望台周辺には観光客ら約1500人(市秋吉台山焼き対策協議会発表)が集まり、草原が燃え広がる様子を見守った。
午前9時半、のろしとともに地域住民や市職員らがバーナーで点火すると、枯れ草がパチパチと音を立てながら燃え始めた。燃え終わった草原は徐々に黒くなり、背丈の高い枯れ草で隠れていた石灰岩が姿を見せた。展望台周辺には多くのアマチュアカメラマンも訪れ、白と黒の美しいコントラストを写真に収めていた。
両親と訪れた下関市の清末小学校1年、山根健瑠君(7)は「近くで見ると音が大きく、熱も感じて迫力があった」と話した。
山焼きは約1138ヘクタールの草原を焼いて新芽の生育を促す。景観維持のために欠かせない作業で、住民や市職員、消防職員、消防団員、ボランティアら約1000人が携わった。当初20日に実施の予定だったが、まん延防止等重点措置の期間と重なっていたため、23日に延期。23日も積雪のため実施できず、2度の延期を経ての開催となった。
美祢市観光協会は自宅などで山焼きを楽しんでもらおうと、昨年に続いて動画投稿サイト、ユーチューブで生配信した。

一般社団法人美祢市観光協会ウェブサイト(特別天然記念物 秋吉台)




平尾台野焼きが実施(2022/2/27 NHK NEWS WEBより入手)
平尾台 野焼きで山火事か きょう夕方消し止められる

北九州市などに広がる「平尾台」で野焼きが原因と見られる山火事が起き、28時間余り燃え続けて今日夕方消し止められました。
北九州市や苅田町などに広がるカルスト台地「平尾台」では毎年この時期に野焼きを行っていて、昨日も午前10時半に火入れしましたがその後予定した範囲の外に燃え広がりました。
消防のヘリコプターなどが出て、消火活動にあたりましたが28時間余り燃え続けきょう午後4時半頃に消し止められました。
この火事で隣接する苅田町の8世帯11人が昨夜から一時公民館に避難しました。
消防によりますと、これまでのところけが人や住宅への被害は確認されていないということですが今日正午までに125ヘクタールが焼けました。
平尾台の野焼きをめぐっては一昨年2月と10月にも野焼きに向けた作業の際に山火事が起き、市が作業員を対象に再発防止のための安全講習を開くなどしていました。
消防は野焼きの作業員などに当時の状況を聞くなどして火事の原因を調べています。

平尾台自然の郷ウェブサイト




岡山県新見市で新洞発見(2022/2/26 山陽新聞より入手)
満奇洞に匹敵する規模の新鍾乳洞 新見の親子発見「後世残したい」

全国有数の洞窟の宝庫・新見市の草間地区で、市内の男性が新たな鍾乳洞を発見した。正確な調査は行われていないが、男性によると全長は400メートルほどあるといい、長さは岡山県天然記念物の満奇洞(新見市豊永赤馬)の約450メートルに匹敵する規模。天井から垂れ下がるつらら石や、タケノコのように立つ石筍なども確認できたという。
市内には南部の草間台などカルスト台地が広がり、鍾乳洞が点在している。市教委が1972年に公表した調査によると、市内では鍾乳洞が約80ヵ所報告されているが、今回見つかった場所は知られていなかった。
新たに発見された鍾乳洞があるのは、市の名勝「絹掛の滝」の近く。2018年の西日本豪雨の際に地面から水が噴き出ていたことから、原因を調べようと土地を所有する自営業秋山隆さん(52)=同市=と、長男で会社員の築(きずく)さん(22)親子が、同年秋に穴を掘削。内部に大量の水がたまっていたため潜ってみると、奥に洞窟が広がっていたという。
2人はその際に内部を撮影。無数のつらら石や、滴り落ちた水がつくり出した巨大な石筍、鍾乳石が棚田のあぜのように固まっている様子などを捉えた。
私有地であることや事故防止のため、秋山さんは入り口を閉鎖するなどして立ち入り禁止にしている。2人は「洞内は観光名所の井倉洞(同市井倉)や満奇洞にも負けない雄大さ。すぐに調査はできないが、きちんと管理し、後世に残したい」と話している。




秋芳洞・大正洞・景清洞、100年前の古地図レプリカを作製(2022/2/25 山口新聞より入手)
美祢の3洞 古地図で"探検" 観光協会レプリカ作製

美祢市観光協会は、秋芳洞、大正洞、景清洞の観光3洞の内部を記した古地図のレプリカを作った。大正洞の探検、調査開始から100年が経過したことを記念した企画で、ノベルティーグッズとしてイベントで配布するほか、洞窟周遊チケットの購入者にプレゼントする。
大正洞は1921年に地元の親子が奥部を初めて探検し、秋吉台科学博物館初代館長の恵藤一郎が調査。恵藤は20年に秋芳洞(当時瀧穴)と景清洞、21年に大正洞の内部の地図を制作した。古地図とはいえ、正確な測量に裏付けされた地図になっているという。レプリカは、恵藤が当時作った地図(いずれも同博物館蔵)を基にしており、水が流れている場所や地形を詳しく知ることができる。
A4判3枚1セット。当時の地図を再現できるよう紙質にもこだわった。レプリカを入れる筒も同時に配布する。協会は「レプリカを持って当時の洞内に思いをはせながら、洞内を歩いていただければ」としている。問い合わせは協会(電話0837−62−0115)へ。

一般社団法人美祢市観光協会ウェブサイト(【大好評販売中!】洞窟周遊チケット「秋吉台三洞物語」について)




龍泉洞、オリジナル商品が発売(2022/2/24 入手)

龍洞いずみちゃんシリーズ
方言缶バッチ 方言ステッカ―
 岩手県下閉伊郡岩泉町の観光洞「龍泉洞」の関連商品「龍洞いずみちゃん」シリーズと「山と共に暮らす岩泉」シリーズが新発売となっていることがわかった。
 「龍洞(たつほら)いずみちゃん」は岩泉ヨーグルトのキャラクター。龍泉洞に住んでいる龍神の子という設定で、洞外で初めて食べたのが岩泉ヨーグルト。風呂敷は70cm×70cmのポリエステル製で1500円(税込)。コースターは2ヶセットで250円(税込)。アクリルキーホルダーは7.5cm×6.7cmで750円(税込)。
 「山と共に暮らす岩泉」シリーズは、岩泉弁と動物やご当地グルメ等をデザインしたもの。30種以上あるデザインのうち、1種に龍泉洞の第2地底湖とコウモリに「わっくず」(=湧窟 龍泉洞の旧称)の文字がデザインされている。マグネットは大が880円(税込)、小3.2cm×3.2cmが330円(税込)。缶バッチは220円(税込)。ステッカーは5.5cm×4.3cmで220円(税込)。
 購入は「道の駅いわいずみ」「道の駅三田貝分校」ほか。「龍洞いずみちゃん」シリーズは通信販売も行っており、いわてマガジンオンラインショップではポストカードが付いてくる。

いわてマガジン




あぶくま洞、洞内で假屋崎省吾の世界展(2022/2/24 福島民友新聞より入手)
あぶくま洞に「假屋崎省吾さんの世界」 3月21日まで生け花展示

 田村市のあぶくま洞で23日、「華道家・假屋崎省吾の世界展−燭光絢爛(しょっこうけんらん)」が始まった。假屋崎さんの世界観を表現した芸術品が鍾乳洞を彩っている。3月21日まで。
 華道歴40年の假屋崎さんが制作した作品を洞内5ヵ所に展示している。アートフラワーやフジの花などを使った作品に加え、立体芸術を並べているのが特徴だ。
 このうち、滝根御殿には、赤角材を使い地面から天井まで突き抜けるような力強さあふれる作品を飾っている。時間は午前8時30分〜午後4時30分。入洞料は一般1200円、中学生800円、小学生600円。問い合わせは市観光交流課(電話0247−81−2136)へ。

あぶくま洞ウェブサイト




秋吉台山焼き、積雪により延期(2022/2/23 共同通信より入手)
秋吉台の山焼き、26日に延期 積雪の影響で、山口・美祢

 日本を代表するカルスト台地がある山口県美祢市の秋吉台国定公園で23日、春の訪れを告げる風物詩の山焼きが行われる予定だったが、市は26日に延期すると発表した。積雪で草に火が付きにくいと判断したため。雪は23日の明け方から降り始め、公園には一時約1センチ積もった。
 市によると、白い石灰岩が点在する景観を維持し、生態系を保護するため、地元住民らが例年2月に山焼きをしている。燃やす面積は、国内最大級の約1138ヘクタール。火が消えて黒くなった台地は5月ごろ、新緑に覆われる。

一般社団法人美祢市観光協会ウェブサイト(特別天然記念物 秋吉台)




秋吉台山焼き、今年もYouTube配信(2022/2/22 山口新聞より入手)
山焼き今年も生配信 秋吉台あす 上空からの映像も

 美祢市に広がる国内最大級のカルスト台地、秋吉台で23日に開催される山焼きで、美祢市観光協会は動画投稿サイトで当日の様子を生配信する。不要不急の外出がためらわれるコロナ禍の中、多くの人に風物詩を見てもらおうと昨年に続いて実施。今年はドローンを使用した映像も配信することにしており、協会は視聴を呼び掛けている。
 火入れ30分前の午前9時から正午まで、協会のユーチューブ公式チャンネルを活用して配信。同市秋芳町秋吉のMine秋吉台ジオパークセンター、カルスターそばにカメラ2台を設置し、徐々に燃え広がる草原の様子を楽しんでもらう。
 ドローンはカルスター周辺を飛行。枯れ草が燃えて隠れていた石灰岩が姿を見せ、白と黒のコントラストが広がる様子を上空からの映像で楽しむことができる。画面は地上からと上空からを切り替えながら配信する。
 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で密を避けるため現地に行けない人や遠方にいて帰郷できない人に、自宅などから安心して山焼きの臨場感を味わってもらおうと、協会は昨年から生配信を始めた。昨年はアーカイブも含めて約8300回の視聴があったという。協会は「空、地上といういろいろな角度から山焼きの様子を楽しんでいただければ」としている。問い合わせは協会(電話0837−62−0115)へ。
 秋吉台の山焼きは春の訪れを告げる風物詩。景観維持のため、約1138ヘクタールの草原を焼き、新芽の生育を促す。今年は当初20日に開催の予定だったが、まん延防止等重点措置の期間と重なったため23日に延期となった。

2022年秋吉台山焼きライブ配信
一般社団法人美祢市観光協会ウェブサイト(特別天然記念物 秋吉台)





内間木洞、コロナ禍で氷筍祭りは2年連続中止(2022/2/3 河北新報より入手)
氷のタケノコにょきにょき成長 岩手・久慈の内間木洞

洞窟の天井から水滴が落ちて凍り、地表から伸びる氷筍が岩手県久慈市山形町の内間木洞で成長している。暗闇に光を当てると、透き通った「氷のタケノコ」が輝き、浮かび上がった。
 総延長6350メートル超の鍾乳洞の入り口から20メートル付近で、厳冬期に大小さまざまな氷柱が連なる。
 鍾乳洞を管理する市教委文化課の中野敦夫さん(48)は「暖かければ凍らず、寒すぎると水滴が落ちない。今年は条件に恵まれ、暖冬だった昨冬より40〜50センチ大きい」と話す。2.2メートルほどの氷筍があり、ゆっくりと成長したため透明度が高いという。
 普段入れない洞窟の内部は、例年2月に開催の観察会で一般公開されるが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、今年も昨年に続いて中止となった。




秋吉台科学博物館でパネル展開催(2022/1/26 山口新聞より入手)
世界の洞窟、カルスト知って 秋吉台科学博物館でパネル展

 美祢市秋芳町秋吉の秋吉台科学博物館で、世界中の洞窟とカルストの成り立ちや人との関わりを説明するパネル展が開かれている。2月27日まで。
 同市が誇るカルスト台地、秋吉台や鍾乳洞、秋芳洞のほか、青の泉が有名な沖縄県の玉泉洞、ブラジル、チェコの洞窟などを写真や文章で紹介。古くは洞窟が生活の場として使われていたことや信仰、伝説の場として人と関わりがあったことなどを知ることができる。国内には1000メートル以上の自然洞窟が約90ヵ所あることも説明している。
 国際洞窟学連合が進めるプロジェクト「国際洞窟・カルスト年2021」の一つとして日本洞窟学会が開催。洞窟と石灰岩など溶けやすい岩石でできた地域、カルストを身近に感じてもらうことを目的としたプロジェクトで、パネル展は博物館が共催している。
 博物館は「パネルを見ることで改めて洞窟やカルストの魅力を知っていただければ」としている。入館無料。月曜は休館。問い合わせは博物館(電話0837−62−0640)へ。

美祢市立秋吉台科学博物館ウェブサイト




松田鍾乳洞、メーガー洞を期間限定ライトアップル(2022/1/25 琉球新報より入手)
昼間でもイルミネーション♪ 「メーガー洞」幻想的に美しく 期間限定ライトアップ 宜野座

 沖縄県宜野座村松田区でこのほど、松田地区体験交流センター主催による、鍾乳洞「メーガー洞」を電飾で照らす「昼間のイルミネーション」が期間限定で行われた。メーガー洞は松田区の観光名所としても知られる鍾乳洞。
 漆黒の鍾乳洞を、ボードウォーク(遊歩道)に沿って30メートルの距離にわたり取り付けられたLEDの電球が周囲を照らし出し、非日常の異空間を演出、天然記念物級の鍾乳石が幻想的な美しさで浮かび上がった。
 電球は、以前に松田区が国道沿いの点灯で使用した物や、子ども会や区民から寄贈を受けた物を使用し、電気代は交流センターの売り上げなどから賄われている。
 同センターの森田智代さんは「鍾乳洞はくぼ地となっており、夜空との相乗効果も期待できる。次回(年末の予定)は夜間の点灯時間の延長も実施したい。もっと、たくさんの人が訪れるよう、宣伝していきたい」と語った。

※一部抜粋。
松田鍾乳洞ウェブサイト





あぶくま洞、3Dファンタジー始まる(2022/1/16 福島民友新聞より入手)
立体映像、鍾乳洞彩る 田村・あぶくま洞で3Dファンタジー始まる

 福島県田村市滝根町のあぶくま洞で15日、3Dファンタジー「未来の四季」が始まった。訪れた人たちが、鍾乳洞を彩る「光の物語」を楽しんでいる。
 ライト付きの機器をプロペラ状に回転させることで、映像を浮かび上がらせている。上映時間は約15分。ヒマワリやバラ、花火、紅葉、氷の結晶などの映像で四季を表現し「美しい自然を次代につなげたい」とのメッセージを伝えている。
 2月6日までの毎週土、日曜日に各日3回上映する。入洞券(大人1200円、中学生800円、小学生600円)を購入すると視聴できる。問い合わせは滝根町観光協会(電話0247−78−1204)へ。

※福島県まん延防止等重点措置法の適用により、2月5日、6日の開催は中止となった。
あぶくま洞ウェブサイト





飛騨大鍾乳洞、20歳に洞窟貯蔵酒プレゼント(2022/1/7 岐阜新聞より入手)
修学旅行で訪問→20歳で再訪相次ぐ 飛騨大鍾乳洞、洞窟貯蔵酒プレゼント

「二十歳になったらまたおいで」の証 岐阜県高山市丹生川町日面の飛騨大鍾乳洞が、修学旅行生に配布してきた「二十歳になったらまたおいで」の証(しょう)を受け取った生徒らが20歳になり、相次いで鍾乳洞を再訪している。同証は入館が無料になり、「洞窟低温貯蔵酒」がプレゼントされる催し。考案した中萩久夫社長は「大切に証を保管してくれて、本当に来てくれたことに感激している」と話し、記念の貯蔵酒を手渡している。
 中萩社長は一定の温度、湿度が保たれる鍾乳洞内で貯蔵することで味がまろやかになる「洞窟低温貯蔵酒」を考案し、2013年12月に鍾乳洞内に低温貯蔵庫を設置。日本酒、麦焼酎、赤ワインの3種で、これまでに1万6612本を貯蔵し、1万850本を販売。観光客らから好評を博している。
 同証は同時に開始したが、昨年から、証を受け取った中学生が成人して、友人や恋人と次々に訪れている。再訪者は西可児中学校(可児市)と真正中学校(本巣市)の卒業生で、27人を数える。
 再訪者が増えている背景には若者向け施設整備の奏功もある。同鍾乳洞は「愛深(あいしん)スポット」として、鍾乳洞トンネルを幻想的な7色の発光ダイオード(LED)ライトで演出、ハート形にくりぬいたモニュメントや誓いの鐘の設置など、ロマンチックな環境づくりに力を入れており、昨年はNPO法人地域活性化支援センターの「第2回恋人の聖地 地域活性化大賞」の審査員賞も受賞した。
 中萩社長は「証の再訪者が鍾乳洞の魅力を友人に伝え、一緒に訪れた恋人と家族になって、子どもとまた訪れるなど、どんどん輪が広がってくれればうれしい」と語る。
 貯蔵酒は指定した年の結婚記念日や子どもが20歳になる誕生日などに届く記念日配送も行っており、現在60人分の74本を貯蔵している。中萩社長は長いスパンを見据えたさまざまな誘客、経営戦略に手応えを実感している。

飛騨大鍾乳洞ウェブサイト



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