巷の噂(2017年版)


海蝕洞:江の島岩屋、未だ復旧工事に着手できず(2017/12/30 All About NEWSより入手)
江の島台風被害「稚児ヶ淵」は公開再開、初詣への影響は?

 2017年10月に、日本列島を直撃した台風21号により、神奈川県藤沢市の観光名所「江の島」で、ヨットハーバーに被害が出たことは、大きく報じられた。
 一方で、島内の人気観光スポット「江の島岩屋(岩屋洞窟)」や、磯釣りの名所「稚児ヶ淵(ちごがふち)」も大きな被害を受け、現在も復旧の途上にあることは、あまり知られていないようだ。
 より深刻な被害が発生しているのが岩屋洞窟だ。台風の直撃が高潮の時間と重なったため、波が洞窟の最深部まで流れ込み、現在、洞窟内には波に運ばれたゴミや砕けた岩などが堆積しているという。
 また、落石防止の防護ネットがはがれたほか、洞窟内を歩く拝観者にロウソクを渡す「ロウソク小屋」も流されるなどし、岩屋洞窟の復旧にかかる費用は1億4160万円に上る。
 さらに、岩屋洞窟の入口から岩場に下りるために設置された、鉄筋コンクリート製の階段(第二階段)は、波の圧力により破壊され、折れ曲がった鉄筋がむき出しになる被害を受けた。
 この階段については、再設置に向け、「構造的に問題がないかという視点での検討も必要だが、壊れたときに復旧しやすい方法や、そもそも現状の位置に階段を設置すべきか含め、総合的に再設計することが必要」(藤沢市観光シティプロモーション課の木村課長補佐)であるとし、再設置する場合の工事費用は上記費用に含まれていないため、復旧費用は、さらに膨らむ可能性もある。
 なお、岩屋洞窟の復旧予算のうち、現計予算で対応しきれない部分に関しては、12月の市議会での補正予算審議後、入札対応等行うため、工事着手は早くても年明けとなる。藤沢市観光シティプロモーション課の齋藤課長は、岩屋洞窟の復旧工事の予定について、「年間で最も人が増えるゴールデンウィークまでの営業再開を目指し、補正予算が付いた後はスピード感を持って対応したい。再設計が必要な岩屋洞窟入口付近の第二階段等についても可能な限り早期の工事完了を目指す」とする。
 岩屋洞窟の入洞料は、藤沢市の観光収入の、いわば"稼ぎ頭"であり、2016年の収入は、およそ1億8000万円に上った。2016年は、「ポケモンGO」の流行による訪問者増があったことなどもあるものの、2016年の収入ベースで単純に計算すれば、半年間、営業を休止すれば9000万円の減収となり、打撃が大きい。

※一部抜粋
※関連記事
10/23 海蝕洞:江の島岩屋、台風21号被災で閉洞
公益社団法人藤沢市観光協会ウェブサイト(江の島岩屋)





八重瀬町具志頭の洞窟で人骨を発見(2017/12/28 琉球新報より入手)
前ヌ山洞窟に遺骨 八重瀬 戦没者、風葬可能性も

沖縄鍾乳洞協会の山内平三郎理事長(70)と理事の松永光雄さん(64)、仲里廣茂さん(72)らがこのほど、八重瀬町具志頭の具志頭体育館近くの前ヌ山で、大腿骨や頭蓋骨の一部を発見した。沖縄戦犠牲者の遺骨の可能性がある一方、戦前に風葬された古墓の可能性もあるとして、県平和祈念財団戦没者遺骨収集情報センターの中野修調査員(61)が18日、沖縄鍾乳洞協会のメンバーと一緒に前ヌ山に入り、遺骨の状況を確認した。
 遺骨の時代については来年以降、同センターが検体を調査し判断する。
 遺骨は今年9月、立命館大学の学生と沖縄鍾乳洞協会のメンバーが調査のために前ヌ山の洞窟に入った際に発見した。洞窟の中の斜面に大腿骨3本、頭蓋骨の一部、あばら骨などが並んでいるのが確認された。山内理事長は「斜面の下側には他の骨や歯などがまだある可能性が高い」と話す。遺留品などもないため、山内理事長らは骨の状態から年代を特定させる必要があると判断。中野調査員を招いた。
 山内理事長は「沖縄戦当時の住民なら何も持っていない。周囲に軍装備があればすぐに兵隊の遺骨だと分かるが、何もなければ判断が難しい」と語る。
 骨の状態を確認した中野調査員は「年代について詳細な検査をしなければ分からない。遺骨は、遺跡の可能性もあるのでうかつに収骨することはできない。もし古墓ならば(収骨自体が)失礼になる」と指摘した。
 2018年にボランティアによる遺骨収集を実施する際に、警察や町の文化財課の了解を得た上で検体を採取する予定だ。




秋芳洞、宇宙線で新空間を探査(2017/12/26 中日新聞より入手)
秋芳洞の深奥、宇宙線で迫る 名大チーム、ピラミッド内も透視

 名古屋大高等研究院の森島邦博特任助教らのグループが、地球に降り注ぐ宇宙線の一種「ミュー粒子」を使って国の特別天然記念物に指定されている鍾乳洞「秋芳洞」(山口県美祢市)の透視に、来年1月にも乗り出すことが分かった。未発見の部分が多いとされる全体像の解明を目指す。
 グループは今年、海外の専門家らと同様の手法で、エジプト・クフ王のピラミッドに未知の巨大空間が存在することを発見し、世界的な話題となった。今回は秋吉台科学博物館(美祢市)との共同プロジェクト。
 ミュー粒子は物を通り抜ける性質を持つ。壁や天井などを通って飛んできた粒子の方向や数の多さを、特殊なフィルム「原子核乾板」を使って測定することで、空間の存在が確認できる。
 グループは、今年7月から試験的に秋芳洞にフィルムを設置。早ければ来年1月、秋芳洞を熟知する秋吉台科学博物館の情報を基に、空間がある可能性の高い場所で研究を本格化する。
 秋芳洞は日本最大級のカルスト台地「秋吉台」の地下にある日本屈指の鍾乳洞。確認されているだけで総延長は10キロを超える。今年7月には、同博物館や山口大などの調査チームが、探索の結果、秋芳洞内に長さ300メートルの未知の空間を確認した、と発表している。
 森島特任助教らのグループは、東日本大震災に伴う東京電力福島第一原発事故でも、同じ手法で原子炉内部の状態を解析している。




「ジャングルのサバイバル 6」発売(2017/12/20 入手)
 子供向け科学漫画サバイバルシリーズ「ジャングルのサバイバル 6 洞窟に潜む危険」が発売された。
 このシリーズは韓国書籍の日本語版。大長編サバイバルシリーズの第6弾となる本書は、ボルネオ島のジャングルにやって来た主人公が危険な動物から逃げ延び、一夜を過ごすために入った洞窟で様々な生物と遭遇するというもの。コウモリ、カニ、ゴキブリ、ムカデ、突然変異?で巨大化したゲジ、ウデムシ、ケイブ・レーサースネークが登場する。
 コラム「サバイバル生態系の常識」として、「ディア・ケイブ」「クリアウォーター・ケイブ」「ウィンド・ケイブ」「ラガン・ケイブ」の写真、生物の説明があるが、本文共々、疑問が残る説明も多い。イラストも物足りなく、全てが中途半端で洞窟関係者が購入する必要はない。
 朝日新聞出版発行。洪在徹 著、李泰虎 イラスト。B5変判サイズ175ページ。オールカラー。定価1080円(税込)。12月20日発売。
 購入は書店、honto楽天ブックスAmazon.co.jp他にて。
 なお、洪在徹による姉妹本として「洞窟のサバイバル」があるが、こちらのほうが独立した一編ということもあって面白い。




越国、世界遺産緩衝地域で新洞58洞発見(2017/12/14 VIETJO ベトナムニュースより入手)
クアンビン省:58本の洞窟を新たに発見、フォンニャ・ケバン国立公園

【ベトナム社会主義共和国発】
 中部地方クアンビン省にある世界自然遺産フォンニャ・ケバン国立公園の職員らはこのほど、世界遺産の緩衝地域(バッファゾーン)にあたる同省ミンホア郡の各村で未発表の洞窟58本を新たに発見した。
 一部の洞窟は同国立公園の職員によって初期調査が行われたが、その他のほとんどは技術的条件により調査ができていない。
 同国立公園は今後、今回発見された洞窟58本の書類を英国洞窟協会の専門家団に引き渡し、調査を行った後に各洞窟の詳細を発表するという。




七ツ釜鍾乳洞、グラスで洞内イルミネーション(2017/12/13 長崎新聞より入手)
洞窟内に「新世界」 西海・七釜鍾乳洞 グラスの明かりともる

 長崎県西海市西海町にある国指定天然記念物の七釜鍾乳洞で、グラスを使った明かりがともされ、来場者が洞窟内の幻想的な空間を楽しんでいる。来年1月8日まで。
 夏は避暑地として多くの観光客でにぎわう同鍾乳洞。洞窟内の温度は年中約15度で、冬は屋外よりも温かく感じることから、冬季の鍾乳洞を盛り上げようと、管理する市観光協会七ツ釜鍾乳洞事務所が初めて企画した。
 洞窟内の「新世界」エリアに、複数のビー玉を入れたグラス10個を設置。グラスをそれぞれ専用の発光ダイオード(LED)ライトの上に載せることで、明かりの変化が楽しめる。同事務所の担当者は「冬だからこそゆっくり見てもらいたい。これからも心も体も温まる企画を展開していきたい」と話している。
 入場時間(10〜3月)は午前9時〜午後5時(受け付けは午後4時半まで)。入場料は高校生以上510円、中学生300円、小学生200円、幼児(4歳以上)100円。同事務所(電0959−33−2303)。

※観光洞名は七ツ釜鍾乳洞。天然記念物名は七釜鍾乳洞。
さいかいシティ.ねっと(七ツ釜鍾乳洞)





南ア、スタルクフォンテイン洞窟群の人骨は367万年前と判明(2017/12/7 CNN.co.jpより入手)
ヒトの骨格化石「リトルフット」、367万年前のものと判明 南ア

【南アフリカ共和国・ハウテン州ヨハネスブルク発】
 南アフリカで1990年代に発掘された「リトルフット」と呼ばれるヒト科の骨格化石について、地元の大学の研究者らは6日、同国で見つかったヒト科化石の最古のものであるとの見解を明らかにした。367万年前にさかのぼるというこの化石は同日、近く大学の施設内で初めて一般公開された。
 リトルフットの発見は1994年、科学者のロン・クラーク氏がヨハネスブルク近郊にあるスタルクフォンテイン洞窟群を探索中に小さな足の骨を見つけたのがきっかけだった。
 97年にはさらに多くの骨が発見された。暗い洞窟内で、コンクリートのような角礫岩から化石を破壊しないよう慎重に取り出す作業が行われた。その後も汚れの除去、復元、分析といった工程が続き、20年が過ぎた現在、ほぼ完全なその骨格の年代を割り出せるまでになった。
 南アではこれまで、人類の祖先の化石が多く出土してきた。スタルクフォンテイン洞窟群は1930年代に、猿人に属するアウストラロピテクス・アフリカヌスの成体とみられる化石が発見され、その名を広く知られるようになった。
 「リトルフット」の発掘と研究結果により、南アが「人類のゆりかご」の異名にふさわしい地であることが改めて示された形だ。
 ただ「リトルフット」の年代について300万年をゆうに超えるとした今回の発表は、専門家の間で長年続いている議論を再燃させそうだ。一部の科学者は、これを人類進化の系統樹に当てはめた場合、はるかに新しい年代に属すると主張している。

マロペン ウェブサイト(スタルクフォンテイン洞窟群)




あぶくま洞、イルミネーション「緋桜物語」開始(2017/12/3 福島民友新聞より入手)
淡い光が冬桜の『凛』表現 あぶくま洞にイルミネーション点灯

 田村市滝根町のあぶくま洞で2日、イルミネーション「緋桜(ひざくら)物語」が始まった。淡い光が冬桜の凛(りん)とした雰囲気を際立たせ、鍾乳洞を彩っている。来年2月28日まで。
 物語仕立てのイルミネーションは今回で4回目。FSGカレッジリーグ(郡山市)の学生がデザインや装飾を担当した。
 緋桜は緋紅色の花を咲かせる寒桜の一種。発光ダイオード(LED)約2万球を使い、鍾乳洞の入り口から冬桜のつぼみ、満開、散り際の様子を表現している。
 点灯時間は、午前8時30分〜午後4時30分。

あぶくま洞ウェブサイト




「ケイビングジャーナル第61号」発行(2017/12/1 入手)
ケイビングジャーナル61号 日本洞窟学会のケイビング情報誌「ケイビングジャーナル」の第61号が発行された。A4サイズ54ページ。600円(税込/日本洞窟学会々員には送付)。
 龍泉洞でケイブダイビングを行った越智研一郎氏の展示会レポート、秋芳洞の新空間報告、北海道での新洞発見報告、スロバキア巡検、国際洞窟学会大会報告、宇宙の溶岩洞などが掲載されている。内容は以下の通り。
 ・グラビア
 ・スペレオニュース
 ・イベントカレンダー
 ・龍泉洞探検に尽くした洞穴探検家 越智研一郎展
 ・秋芳洞調査事業および新空間の発見について
 ・安家洞における新コース「ミニ探検洞」のご紹介
 ・北海道中央部、夕張山地、礼振山南方における鍾乳洞の発見
 ・スロバキア訪問記
 ・国際洞窟学会 in オーストラリア参加レポート
 ・国際洞窟学会巡検報告
 ・国際洞窟写真家活動@ワイトモ
 ・木星の衛星イオの溶岩流における溶岩チューブ洞窟の存在可能性
 ・洞窟書籍新刊紹介
 ・プロジェクトボード
 ・編集部からのお知らせ
 日本洞窟学会会員以外の購読希望者は、ケイビングジャーナル編集部caving_journal@cj.dojin.comまで。定期購読年3冊分2700円も可能。カモシカスポーツ 山とスキーの店(高田馬場)、竜ヶ岩洞(浜松)、まえちゃんねっと〜よろず販売〜(オンラインショップ)でも購入可能。
 なお、前編集長が突然辞任したことにより、引き続き本号でも臨時編集長体制となっている。

ケイビングジャーナルウェブサイト




「向山満先生業績集」発行(2017/11/30 入手)
 コウモリ研究者の故向山満氏の著作物を集めた「向山満先生業績集 −コウモリ類−」が発行された。
 2012年に亡くなられた向山氏による、コウモリを中心とした著作物を集めたもので、1971年から20121年までの192本を掲載。ヒナコウモリに関するものが多いが、洞窟棲に関するものも以下のように多数ある。
・三戸地方の翼種目 1.洞穴での冬眠 (1982)
・三戸地方の翼種目 2.キクガシラコウモモリの冬眠に伴う体重と前腕長の変か及び移動について (1983)
・三戸町の生きもの 73.キクガシラコウモリ (1984)
・青森県のコウモリ類 その保護と生態研究 (1985)
・三戸町の生きもの 87.コキクガシラコウモリ (1985)
・三戸町の生きもの 89.テングコウモリ (1985)
・三戸町の生きもの 98.ウサギコウモリ (1986)
・三戸町の生きもの 100.モモジロコウモリ (1986)
・キクガシラコウモリの出洞と帰洞 (1986)
・青森産翼種目の分布 (1988)
・生きものたちの表情 8 ユビナガコウモリの生活を探る (1990)
・生きものたちの表情 10 コキクガシラコウモリの生態を探る (1990)
・私たちの地球 <2>洞窟に棲むコウモリたち 脅かされるその生息地 (1999)
・梵珠の動物たち (5)キクガシラコウモリ (2000)
・青森県岩崎村ガンガラ穴のコウモリ類 (2004)
・青森県東部におけるニホンユビナガコウモリの発見 (2004)
・青森県上北町におけるニホンウサギコウモリの民家利用 (2004)
・梵珠の動物たち (19)コキクガシラコウモリ (2004)
・青森七戸町立七戸中学校ニホンウサギコウモリ (2006)
・青森県東部におけるモモジロコウモリの飛翔行動 (2007)
・向山満さんの生き物「探検」 13 リュウキュウユビナガコウモリ (2007)
・向山満さんの生き物「探検」 14 ユビナガコウモリ (2007)
・向山満さんの生き物「探検」 20 モモジロコウモリ (2007)
・向山満さんの生き物「探検」 27 テングコウモリ その1 (2007) ※内間木洞事件
・向山満さんの生き物「探検」 28 テングコウモリ その2 (2007) ※内間木洞事件
・向山満さんの生き物「探検」 39 ウサギコウモリ (2007)
・カワセミ用人工巣穴をねぐらに利用しているモモジロコウモリ (2007)
・青森県のコウモリ類と私たちの課題 (2009)
 コウモリの会発行。B5サイズ528ページ。定価6500円(送料込)。11月30日発行。200部限定。
 なお、予約販売のみで一般販売はしないとのこと。

コウモリの会ウェブサイト




越国、ソンドン洞窟にロープウェイ建設せず(2017/11/28 HOTNAM!より入手)
世界最大のソンドン洞窟にロープウェーは建設せず、自然遺産保護

【ベトナム社会主義共和国発】
 Quang Binh省Nguyen Huu Hoai人民委員長は11月25日、省内にある世界最大の洞窟「Son Doong洞窟」にロープウェーを建設する方針は無いことを明らかにした。
 フォンニャ・ケバン(Phong Nha-Ke Bang)国立公園内にあるこの洞窟は、2014年に総額3兆ドン(約1億3,636万ドル)かけて、洞窟入口まで300m離れた地点までロープウェーを整備する計画が持ち上がったが、世界自然遺産に影響を与えるとして反対意見も多く上がっていた。




越国、フォンニャ・ケバンで新たなケイビングツアー(2017/11/24 VIETJO ベトナムニュースより入手)
世界遺産フォンニャ・ケバン、新たな洞窟3本の観光ツアーを催行

【ベトナム社会主義共和国発】
 北中部地方クアンビン省人民委員会は、世界自然遺産フォンニャ・ケバン国立公園でホームステイやアドベンチャーツアーなどの観光事業を手掛けるジャングルボス社(Jungle Boss)に対し、同国立公園にある洞窟3本の探検観光ツアーを試験的に催行することを許可した。
 対象となる洞窟は、◇ダイアー(Dai A)洞窟、◇オーバー(Over)洞窟、◇ピグミー(Pygmy)洞窟の3本で、試行期間は12月1日から2018年5月1日までとなる。試行期間後、同社はクアンビン省観光局およびフォンニャ・ケバン国立公園管理委員会に試行の結果を報告し、同省人民委員会がツアーの正式催行の可否を決定することになる。
 ホー(Ho)洞窟の別名を持つダイアー洞窟は全長1616m、深さ46mで、入り口の幅は約50m。オーバー洞窟はダイアー洞窟から約100m離れたところに位置しており、全長3244m、深さ104m、入り口の幅は約30m、高さ約25m。また、ピグミー洞窟は全長845m、深さ94mとなっている。

ジャングルボス社ウェブサイト




玉泉洞、ケイビングツアーがマイスター部門奨励賞受賞(2017/11/22 旬刊旅行新聞より入手)
スポーツ×文化×観光、世界に誇れる新たな日本を発掘

 観光庁、スポーツ庁、文化庁の3庁は2017年11月22日(水)、東京都内で「スポーツ文化ツーリズムシンポジウム2017」を開き、同シンポジウム内で「スポーツ文化ツーリズムアワード2017」の表彰を行った。
 同アワードは3庁が2016年3月にスポーツ×文化×観光による新たな地域振興と、インバウンド活性化施策を考えることを目的に包括的連携協定を締結したことから誕生したアワード。今年で2回目の開催となる。
 今年のアワードでは、スポーツ文化ツーリズムの優れた取り組みと、今後有望な取り組みの発掘のため、「マイスター部門」と「チャレンジ部門」の2部門での募集を行った。マイスター部門は、過去3回以上のイベントの開催実績、または3年以上継続的なもので、国内外の観光客の増加に寄与している取り組みを指す。一方、チャレンジ部門は、マイスター部門の応募条件を充足しないが、1回以上の実施があるもので、地域への国内外の観光客の増加の効果が期待できる取り組みを指している。
 今回マイスター部門奨励賞に選ばれたのは、びわ湖パノラマウォーク実行委員会の「おごと温泉を拠点とした世界文化遺産・日本遺産を繋ぐ『おごと温泉・びわ湖パノラマウォーク』」と、株式会社南都の「沖縄に残された最後のフロンティア 南の島の洞くつ探検」の2つ。
 「沖縄に残された最後のフロンティア 南の島の洞くつ探検」は、国内最大級の鍾乳洞「玉泉洞」の未公開エリアを探検する、ケイビングツアー。胸の近くまで地下水に浸かりながら、ガイドの案内のもと洞くつを進み、まだ知られていない魅力を発掘していく。2017年7月中旬〜9月末日までの参加者数は約3000人で、教育旅行やMICEのアクティビティとしても提供可能で、多様性に優れている点が評価対象となった。
 表彰式には、鈴木大地スポーツ庁長官、宮田亮平文化庁長官、田村明比古観光庁長官が登壇。2部門の受賞者らに、3庁の長官自ら表彰状を手渡した。表彰式終了後には、3庁長官によるトークセッションも行われた。トークセッションの内容については、後日記載する。

※一部抜粋
おきなわワールド ウェブサイト(南の島の洞くつ探検)





海蝕洞:伊尾木洞、観光客が急増(2017/11/18 朝日新聞より入手)
岩の壁、差し込む夕日「神秘的」 高知の洞窟に客殺到

 高知県安芸市の伊尾木洞(いおきどう)に全国から訪れる観光客が急増している。秋の行楽シーズンに入り、その勢いはやみそうにない。市観光協会が洞窟で実施している観光ガイドの利用客は10月末現在で、約6400人に達した。2015年の229人に比べて約28倍だ。
 地元では「あなごう」と親しまれてきた伊尾木洞だが、かつて訪れる人はほとんどなかった。2年前の観光博覧会「高知家・まるごと東部博」を機にPRを始めたが、秘境や非日常の空間の魅力が都会の人々の心をつかんだようだ。
 伊尾木洞は約300万年前に土佐湾の海底に堆積した地層が地震のたびに隆起し、波浪により削られて出来た海食洞。高さ約5メートル、幅約3メートル、長さが約40メートルとコンパクトな洞窟だ。国道55号から徒歩でわずか1分ほどのところにある。
 小川が流れる小さなトンネルを抜けると、木漏れ日が差し込み、切り立った岩の壁とうっそうとした森が広がる。樹木を揺らす風の音が聞こえる。
 国の天然記念物に指定されているシダの群落があり、コウモリも飛ぶ。洞窟の入り口から差し込む夕日も人気だそうだ。
 市観光協会によると、大手旅行会社のツアー客を乗せた東京や名古屋、福岡からの観光バスが多い。ヘルメットをかぶってガイドの説明を聞きながら、カメラやスマートフォンで撮影する人たちもいる。土日には、近くの駐車場が県外ナンバーの車でいっぱいになることもある。
 阪急交通社は昨年12月から、伊尾木洞を含む周遊ツアーをスタート。今年の夏はキャンセル待ちが出るほどの人気に。シニア層が大半で、東京や関西、中部地方の人が多い。同社の広報担当者は「神秘的で、写真映えのするこれまでにない、新しい絶景の魅力が人気のようです」と話す。
 伊尾木洞は、個人でも自由に入れるため、実際に訪れている客はさらに多いようだ。現在、ボランティアの観光ガイド15人が案内や説明をしているが、ガイドの人数も増やす方針だ。
 市観光協会の近藤奨悟さんは「伊尾木洞を訪れた観光客の流れが、モネの庭や室戸市のジオパークなど県東部にも向かうようになりました。今後、四季を通じて楽しんでもらえるような観光スポットにしたいです」と張り切っている。問い合わせは協会(0887−35−1122)へ。

一般社団法人安芸市観光協会ウェブサイト(伊尾木洞)




秋吉台、星空のイルミネーション開催(2017/11/17 山口経済新聞より入手)
美祢・秋吉台で「星空のイルミネーション」 広大な大地照らし幻想的な星空に

 美祢のカルスト台地・秋吉台で11月17日、イベント「秋吉台 星空のイルミネーション」が始まった。
 イルミネーションイベント「やまぐち光誕祭」の一環。県内の観光名所である角島・秋吉台・山口サビエル記念聖堂を舞台とし、10月27日〜30日は角島灯台公園にプロジェクションマッピングを投影した。今回は第2弾として秋吉台にレーザーやLEDを照射して「宇宙の鏡」に見立てる。
 カルスト展望台から続く散策道を通った先の小高い丘に鑑賞ポイントを設け、ストーリーを交えながら約20分間演出。LEDで大地に星空を映し出し、レーザーで12星座を描くほか、2つのスクリーンでの映像や音楽、ナレーションなども組み合わせる。
 光誕祭を企画・監修した、イルミネーションプロデューサーの丸々もとおさんは「秋吉台の地形や歴史を取り込みつつ、ストーリー仕立ての演出となった。秋吉台には大きな穴が多く作業は大変だったが、いい作品ができた」と話す。
 期間中、展望台近くの緑地公園では「星空マルシェ」を開催し、「美東ごぼう」を使ったうどんやビール、焼きそばなどの温かい軽食を提供する。
 美祢市観光商工部の廣中剛さんは「今の時期は最も空気が澄んでいて早い時間から星空を楽しめる。3日限りのイベントと満天の星空を楽しみに秋吉台を訪れてほしい」と話す。
 開催時間は18時〜21時。料金は、高校生以上=1,000円、小・中学生=500円。今月19日まで。

※「秋芳洞」でも同日17:00〜21:00、8年ぶりに「光響ファンタジー」が再演される。照明デザイナーは石井幹子氏。
一般社団法人美祢市観光協会ウェブサイト(11.17(金)〜19(日)秋吉台星空のイルミネーション 秋芳洞カラーLED 光響ファンタジー)





広谷湿原のラムサール条約登録実行委員会発足会開催(2017/11/7 西日本新聞より入手)
平尾台・広谷湿原のラムサール登録を 北九州で実行委発足会 東筑紫学園高の生徒呼び掛け [福岡県]

 北九州市や苅田町などに広がるカルスト台地、平尾台の「広谷湿原」のラムサール条約登録を目指す実行委員会が、小倉北区の山田緑地で発足会を開いた。実行委の中心は、湿原の調査と保全に取り組む東筑紫学園高(同区)の理科部で今後、活動の幅をさらに広げ、協力を呼び掛ける。
 理科部によると、カルスト台地では、降った雨はすり鉢状の地形「ドリーネ」から浸透し、地下の洞窟に流入。そのため地表面に水は存在しないのが通説で、湿原ができるのは珍しいという。2016年に国の重要湿地に登録されている。
 理科部は1994年から湿原の測量を開始。面積が年々縮小していることを発見し、食い止めるための保全活動にも着手した。湿原周辺の石積みに小石を詰めるなどの努力を重ねた結果、一時、約450平方メートルまで落ち込んだ面積は今年、約920平方メートルに回復した。2013年からは、国際的に貴重な湿原を保全するラムサール条約登録に向けた活動を始めた。
 環境省は登録条件に「関係自治体の賛意」を挙げているため、理科部は地域への情報発信にも取り組む。行政への働きかけとして8月に北九州市議会に陳情。その後、一部の市議が現地視察に訪れた。地元経済界に対しても働き掛け、実行委はスターフライヤーやシャボン玉石けん、北九州商工会議所などから協賛や後援も取り付けた。
 10月21日にあった発足会には、理科部のほか地元住民や卒業生など約100人が出席。会長の原口昭・北九州市立大国際環境工学部教授は「登録が実現するよう研究面で手伝っていきたい」とあいさつした。副会長は、カルスト地形に詳しい市立いのちのたび博物館の名誉学芸員、藤井厚志氏が務める。平尾台を撮影し続けるアマチュア写真家の本田茂さんによるスライドショーや、理科部員による研究成果の発表もあった。
 理科部は「条約の登録で湿原をより多くの人に知ってもらえ、保全活動をさらに進めることができる」と登録の意義を訴えている。

東筑紫学園理科部ウェブサイト
「平尾台・広谷湿原」ラムサール条約登録実行委員会ウェブサイト
苅田町ウェブサイト(広谷湿原)





鍾乳洞スタンプラリーを実施(2017/11/1 入手)
 日本観光鍾乳洞協会主催による鍾乳洞スタンプラリーが開始された。本年の期間は2017年11月1日から2018年2月28日まで。
 このスタンプラリーは協会会員となっている全国9洞のうち2洞のスタンプを集めるというもの。2洞目の窓口でそれぞれのプレゼントを受け取ることが出来る。台紙は各鍾乳洞に設置されているパンフレットの最終ページにある。
・龍泉洞 (岩手県下閉伊郡岩泉町) 龍泉洞珈琲
・あぶくま洞 (福島県田村市) あぶくまの天然水
・日原鍾乳洞 (東京都西多摩郡奥多摩町) わさび漬けセット
・飛騨大鍾乳洞 (岐阜県高山市) 洞窟低温貯蔵酒
・龍河洞 (高知県香美市) 香美市詰め合わせ
・秋芳洞 (山口県美祢市) 梨あん餅
・七ツ釜鍾乳洞 (長崎県西海市) 七ツ釜鍾乳洞名水らむね、オリジナルフェイスタオル、ハーブ&ソルト
・球泉洞 (熊本県球磨郡球磨村) 球磨焼酎「球泉洞」
・昇竜洞 (鹿児島県大島郡知名町) 仏手柑漬とさとうきび酢
 かつては同協会による「日本洞穴パスポート」にて6洞(龍泉洞、あぶくま洞、龍河洞、秋芳洞、球泉洞、玉泉洞)のスタンプを集めると粗品プレゼントというものもあったが、4ヶ月間という期限付きとはいえ、かなりハードルが低くなっている。

日本観光鍾乳洞協会ウェブサイト




チビチリガマ、少年全員が保護観察処分に(2017/11/1 朝日新聞より入手)
沖縄のガマ荒らし、さらに少年2人を保護観察処分に

 沖縄戦の際に住民83人が「集団自決」に追い込まれた沖縄県読谷村の洞窟「チビチリガマ」が荒らされた事件で、那覇家裁沖縄支部の二宮正一郎裁判官は10月27日に少年審判を開き、器物破損の非行内容で家裁送致された16歳と18歳の無職少年を保護観察処分にした。
 これで、事件で逮捕された少年4人全員が保護観察処分となった。
 決定によると、2少年は9月5〜12日の間に、仲間の少年2人とともにチビチリガマに入り、看板2枚や額2個、千羽鶴4束、瓶7本などを壊した。

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チビチリガマ、19歳少年を保護観察処分(2017/10/29 朝日新聞より入手)
沖縄のガマ荒らし、19歳少年を保護観察処分

 沖縄戦の際に住民83人が「集団自決」に追い込まれた沖縄県読谷村の洞窟「チビチリガマ」が荒らされた事件で、那覇家裁沖縄支部の工藤明日香裁判官は24日、少年審判を開き、器物破損の非行内容で家裁送致された高校生の少年(19)を保護観察処分にした。
 決定によると、少年は仲間の少年3人とともに、9月5〜12日の間にチビチリガマで、看板2枚や額2枚、千羽鶴4束、瓶7本などを壊した。決定は、少年が別の少年3人と共謀の上で「肝試しの目的でガマに入ったが、騒ぐうちに気分が高揚し、その歴史的な意義を知らずにガマ内の遺品を損壊した」と認定。「遺族の心情を深く傷つけ、社会に与えた影響も大きい」と指摘した。
 その上で、少年の審判での態度や非行歴に照らせば、健全な育成のためには保護観察が相当だとした。
 他の3人も家裁に送致されているが、処分はまだ決まっていない。

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海蝕洞:江の島岩屋、台風21号被災で閉洞(2017/10/23 朝日新聞より入手)
洞窟そばの欄干吹き飛びハーバー冠水 江の島も台風被害

 台風21号接近の影響で、神奈川県有数の観光地・江の島(藤沢市)は23日未明から早朝にかけて、激しい風雨と高潮にさらされた。けが人はいなかったが、島内の観光スポットの岩屋洞窟そばの欄干が吹き飛ばされたほか、道の冠水でセーリング用のコンテナが流されるなどした。
 同市によると、2ヵ所ある岩屋洞窟では、洞窟に向かう数ヵ所の道に設置したステンレス製の欄干が吹き飛ばされた。鈴木恒夫市長も被害状況の確認に訪れた。市は岩屋周辺への立ち入り禁止を決定。運営再開には少なくとも1ヵ月はかかる見込みという。

※一部抜粋
公益社団法人藤沢市観光協会ウェブサイト(江の島岩屋)





チビチリガマ、地元中学生が折り鶴を贈呈(2017/10/20 琉球新報より入手)
平和、みんなで守る 読谷中女子バスケ部、チビチリガマに千羽鶴

 少年たちによる器物損壊事件が起きた読谷村のチビチリガマに11日、読谷中学校女子バスケットボール部の1、2年生が自分たちで折った折り鶴を供えた。事件にショックを受けていたという部員ら24人は保護者の呼び掛けに応じ、わずか3〜4日で千羽を折り上げ、平和への思いを込めた。
 読谷中は、平和学習を1年生の総合学習の年間テーマとし、座学だけでなく村内の戦跡も訪ねて学びを深めている。チビチリガマも訪れたことがあるという山城桃花主将(13)=2年=は「戦争になれば日常生活ができなくなり、身近な人や自分も死ぬかもしれない。戦争を起こさないために、チビチリガマは大切な場所なのに」と話した。
 きっかけは部員の比嘉花さん(13)=2年=の父・徹さん(46)が呼び掛けたことだ。「逮捕された少年たちはチビチリガマがどんな場所か『知らなかった』と言っていた。今の若い人も同じではないか」と感じた徹さん。子どもたちに自ら手を動かして戦争の歴史を学んでほしいと家族で千羽鶴を折り始めた。花さんの部活の同級生に呼び掛けたところ、部の仲間が練習後や土日も自主的に集まり、「ものすごいスピード」(顧問の上門基史教諭)で千羽を完成させた。
 11日の放課後、「自分たちが直接持っていきたい」と、部員らはチビチリガマへの約4キロの道のりをランニングして向かった。山城主将が「みんなで平和を守っていきたい」とあいさつし、チビチリガマ遺族会の与那覇徳雄会長に見守られてガマの入り口に千羽鶴を結び付けた。与那覇会長は「遺族は事件に相当苦しんでいる。皆さんの思いに心が癒やされる」と語った。
 読谷中の伊波寿光教頭は「地域に戦争遺跡があり、学んできたこの地域の子ならではかもしれない。事件で関心が高まっている今こそ、他地区にも発信する方法を考えたい」と話した。

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月、JAXA探査機が洞窟発見(2017/10/18 産経新聞より入手)
月の地下に巨大な空洞 長さ50キロ、探査基地としての利用期待 かぐやの観測で判明

 月の地下に延びる巨大な洞窟を発見したと、宇宙航空研究開発機構(JAXA)などが18日発表した。探査機「かぐや」の観測で突き止めた。月で洞窟が見つかったのは初めてで、将来の有人基地の建設場所として有望という。
 かぐやがレーダーで地下を観測したデータを分析した結果、月の表側にある「マリウス丘の縦穴」付近から、長さ約50キロにわたって洞窟が延びていることが分かった。
 洞窟は縦穴につながっているとみられ、地表からの深さは最大で数百メートル。幅は100メートル前後で、断面は崩落しにくいかまぼこ形と考えられるという。
 ここは約35億年前に溶岩が流れた場所で、その表面だけが冷えて固まって残り、内部は流れ去って空洞が生じたとみられる。同じ仕組みでできる洞窟は富士山麓や米ハワイなどで多くみられ、月にも存在すると指摘されていた。
 月面は有害な放射線や隕石が降り注ぐ危険な環境だ。地下の洞窟はこうしたリスクがなく温度変化も緩やかなため、基地建設の有力な候補地として期待されている。
 マリウス丘の縦穴はかぐやが平成21年に発見。直径、深さはいずれも約50メートルに及ぶ。こうした大型の縦穴は、人類が地下に居住する上で欠かせない出入り口になるが、少数とみられ、JAXAは分析範囲を拡大してさらに調べる。

※竪穴は2009年より「マリウスヒルの縦孔(59×50m、深さ約50m)」「静の海の縦孔(98×89m、深さ107m)」「賢者の海の縦孔(118×68m、深さ48m)」を発見したと発表している。




「素晴らしき洞窟探検の世界」発売(2017/10/14 入手)
 ケイバーの吉田勝次氏によるノンフィクション・エッセイ「素晴らしき洞窟探検の世界」が発売された。
 前著「洞窟ばか」(2017)よりも具体的に洞窟や探検の魅力を紹介。写真やイラストも豊富で、ケイビング経験に関わらず楽しめる内容となっている。洞窟としては「霧穴」「銀水洞」「黒部峡谷の洞窟」に加え、「カズムラ洞窟(米)」「3N洞窟(イラン)」「アイスコーゲル洞窟(墺)」「ゴロンドリナス洞窟(墨)」「ソンドン洞窟(越)」「万丈坑(中)」を掲載、それぞれ特徴のある海外洞窟でのエピソードが非常に面白い。また、洞窟壁画の専門家:五十嵐ジャンヌ氏との特別対談も、ケイバー視点での発言が興味深い。
 カバー裏には最新版の「霧穴」の展開縦断面図付き。前著とは違った面白さがある1冊となっている。
 筑摩書房発行。新書サイズ253ページ。グラビアカラー。定価920円(税別)。10月14日発売。
 購入は書店、honto楽天ブックスAmazon.co.jp他にて。電子書籍版もある。

J.E.Tウェブサイト
社団法人日本ケイビング連盟ウェブサイト





熊本県五木村で出洞後に死亡事故(2017/10/7 RKK熊本放送より入手)
洞窟探検の男子大学生 川に流され死亡

 6日午後、球磨郡五木村で洞窟探検に来ていた福岡県の男子大学生が川に流され死亡しました。
 死亡したのは福岡県糸島市在住で九州大学に通う19歳の学生です。
 警察や消防によりますときのう午後4時ごろ、五木村九折瀬洞付近の川辺川で「グループの1人が川に流された」と119番通報があり、駆けつけた消防と警察が川の中から学生を発見しました。
 学生は意識不明の状態で病院に運ばれましたがその後、死亡しました。
 現場は五木村役場から3キロほど川辺川の上流にあたる場所で、学生は大学の探検部の仲間5人と洞窟探検に来ていたということです。
 警察は学生が誤って川に転落したとみて調べています。

※氏名は学生と差し替えて表記。一部のマスメディアでは洞内河川で流されたとも受け取れる表現があるが洞外事故である。




第30回日本鍾乳洞サミットが開催(2017/10/5 入手)
 日本観光鍾乳洞協会による第30回日本鍾乳洞サミットが5日、球泉洞がある熊本県球磨郡球磨村で開催かれた。
 球泉洞関係者を含め、日本観光鍾乳洞協会に加盟する全国9ヶ所の観光洞関係者が出席。「広域観光における観光鍾乳洞の役割と誘客対策」をテーマに鍾乳洞を活用した観光や鍾乳洞の保全などについて話し合った。

日本観光鍾乳洞協会ウェブサイト




チビチリガマ、米軍関係者が折り鶴を贈呈(2017/10/2 琉球新報より入手)
米軍関係者が折り鶴 チビチリガマに1万6千羽 SNS拡散、世界中から届く

 少年たちによる器物損壊事件が起きた読谷村のチビチリガマで9月30日、米軍関係者や基地内の小学生らが折り鶴1万6千羽をささげた。折り鶴は米軍人の夫がいる米軍嘉手納基地在住のヘザー・イェイツマンさん(42)がSNSなどで呼び掛けて集めた。イェイツマンさんは「(ガマを保存し)米国人にも歴史をつないでもらい感謝している。私たちも(遺族の)皆さんの心の痛みをなくす行動をしていきたい」と話した。
 イェイツマンさんは、ニュースで少年たちによってチビチリガマの折り鶴が破損したことを知り、9月13日にSNSで折り鶴の提供を呼び掛けた。千羽を目標にしていたが、SNSを見た米軍関係者など世界各地から折り鶴が届けられ、1万6千羽以上が集まった。
 イェイツマンさんは、たくさんの折り鶴が集まったことは「沖縄の人々の心の痛みに寄り添いたいという気持ちの表れだ」と話した。折り鶴は今も寄せられており、今後、県内の他の戦跡への寄贈を検討している。
 米軍牧港補給地区(キャンプ・キンザー)内にあるキンザー小4年のミナ・ハイアットさん(9)は「ニュースで事件を知り、自分たちでも鶴を折って贈りたいと思った」と語った。
 折り鶴と一緒に100を超える寄せ書きを集めた冊子がチビチリガマ遺族会の与那覇徳雄会長(63)に贈られた。与那覇会長は、チビチリガマで住民が「集団自決」(強制集団死)に追い込まれた歴史に触れて「平和を願う気持ちは世界共通だ。ありがとう」と感謝を述べた。

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米国、サリヴァン洞窟で大学生が60時間幽閉(2017/9/25 ロイター通信より入手)
米大学生が洞窟探検で遭難、60時間後に無事救出される

 米インディアナ大学の男子学生が、洞窟探検部の初心者向け旅行に参加中、仲間らとはぐれて洞窟内に閉じ込められる出来事があった。この学生は食料や飲み物を持っていなかったが、60時間後に無事救出された。
 19歳のルーカス・カバールさんは17日、大学キャンパス南方にある洞窟内で他の部員らとはぐれ、入り口に戻ったときにはゲートが施錠されていた。携帯電話は圏外で、近くの通行者に気付いてもらおうと数時間叫び続けたという。
 一方、車に同乗した部員らがカバールさんがいないことに気付いて捜索が開始され、保護者も19日までに大学に通報。カバールさんは洞窟入り口付近で体を丸めて眠っているところを発見され救出された。
 カバールさんは取材に対し、遭難中は水を探したり、独り言を言ったり、睡眠を取るなどしていたと話した。
 大学の新聞によると、部のリーダーらはカバールさんがはぐれた経緯についてコメントしなかったという。
 カバールさんは治療などは受けずに大学寮に帰宅。今後は洞窟探検をやめるつもりだと語った。

※サリヴァン洞窟(Sullivan Cave)の映像はこちら(YouTube)へ。




「あぶくまの化粧水」が発売(2017/9/24 入手)
 福島県田村市の観光洞「あぶくま洞」から、新商品「あぶくまの化粧水」が発売となった。150ミリリットル、税込1280円。
 原材料に「あぶくまの天然水」を50%使用し、トリプルヒアルロン酸、Wコラーゲン、6種類の植物エキスを配合しているとのこと。香料としては天然製油オレンジオイルとラベンダーオイルを配合している。
 洞窟の化粧水としては、2016年に発売となった「龍泉洞の化粧水」に続く2例目だが、価格は龍泉洞が5円/oに対して、あぶくま洞が7.9円/o。また、香料が入るあぶくま洞は、無添加をセールスポイントとしている龍泉洞とは方向性が違う商品となっている。
 購入はあぶくま洞売店にて。

あぶくま洞ウェブサイト




チビチリガマ、防犯カメラ設置へ(2017/9/20 沖縄タイムスより入手)
チビチリガマ語り継ぐ、平和行政の取り組み強化 読谷村が声明

 沖縄県読谷村波平のチビチリガマが少年らに荒らされた事件を受け、村は20日、歴史や戦跡を風化させないため、平和行政の取り組みを強化していくとする声明を出した。村はチビチリガマ周辺に防犯カメラを設置するほか、村主催の平和創造展の拡大などを検討していく。
 石嶺傳實読谷村長、松田平次村教育長と遺族会の與那覇徳雄会長が同日、村役場で会見を開き、声明を発表した。
 声明では事件について「戦争犠牲者を冒涜する非人道的行為は、平和を願う村民そして遺族の心を踏みにじるものである」と指摘。
 「少年たちの犯した行為は断固として許すことはできない」とした上で「同じ過ちを二度と繰り返さないよう、歴史の実相を後世へ、チビチリの惨劇を語り継ぎ、平和を強く希求していく」と誓っている。
 石嶺村長は「このような事件が起き、とても残念。子どもたちに平和教育が行き届かず、沖縄戦が風化しつつある」と懸念。平和行政をさらに強化していく考えを示した。
 同事件は16〜19歳の少年4人が、5日正午ごろから12日午前11時ごろまでの間にチビチリガマの看板2枚や額1枚、千羽鶴4束を損壊した疑いで15日に逮捕。少年らはガマへ入った理由を「肝試し」「心霊スポットに行こうと思った」と供述している。

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「CAVES」発売(2017/9/18 入手)
 ニュージーランドの代表的な洞窟を紹介した「CAVES EXPLORING NEW ZEALAND'S SUBTERRANEAN WILDERNESS」が発売された。
 地質学から始まり、豊富な写真と共に「Harwood Hole」「Mangawhitikau System」「Fox River Cave」「Armageddon Cave」「Greenlink System」「Nettlebed-Stormy Pot System」「Ellis Basin System」「Bulmer Cavern」「Megamania Cave」「Ironstone Cave」「Te Mana Nui Cave」を紹介。洞窟データやプロット図、測量図、探検史も掲載しているのが嬉しい。また、これからの展望、コラム的にレスキューや測量やグローワームなどの情報、用語集、参考文献も掲載されている。
 副題「ニュージーランドの地下秘境を探検する」のイメージ通り、写真は躍動的なケイビングシーンが多く、なかには歴史的なものもある。もちろん、二次生成物や洞内生物もあり、「Ellis Basin System」「Bulmer Cavern」の二次生成物には圧倒される。
 Whio Publishing発行。Marcus Thomas、Neil Silverwood著。B4変型サイズ312ページ。オールカラー。定価69.56ニュージーランド・ドル。7月17日発売。
 購入は英国オンラインストアBook Depository、出版社Potton & Burtonウェブサイトにて。後者では本体69.56NZD+送料84.82NZD−大型本値引き14.99NZD=139.39NZD(10月1日付為替レートで11,634円)で購入できる。




龍泉洞、洞内熟成日本酒を販売(2017/9/17 河北新報より入手)
<龍泉洞>地底湖の水を仕込んで熟成 純米吟醸酒を搬出

 岩手県岩泉町の鍾乳洞「龍泉洞」で12日、洞内の貯蔵庫で熟成させた日本酒の搬出作業があった。泉金酒造(岩泉町)の「龍泉八重桜」純米吟醸酒で、16日に発売する。
 県産の酒米を原料に龍泉洞の地底湖の水で昨年12月に仕込み、5月から貯蔵庫で熟成していた。洞内は気温が10度前後に保たれ、光が届かないため、日本酒の熟成に適しているという。
 八重樫義一郎社長は「町では昨年8月の台風被害から、ようやく復旧が本格化してきた。貯蔵酒が地域の皆さんを元気づける力水になってほしい」と話す。
 1.8リットル瓶700本と720ミリリットル瓶1500本を販売。価格はそれぞれ税抜き3000円と1500円。連絡先は泉金酒造0194−22−3211。

※「龍泉八重桜 龍泉洞貯蔵酒秋あがり純米吟醸」はネット販売終了。9/18現在、720ミリリットル瓶は岩泉町内の土産店やホテルで販売されている。なお、1.8リットル瓶の1本は9/16にケイバーによって消費された。
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泉金酒造株式会社ウェブサイト
龍泉洞ウェブサイト





チビチリガマ、器物損壊容疑で少年4人が逮捕(2017/9/16 沖縄タイムスより入手)
チビチリガマ損壊:「肝試し」と容疑少年ら 警察、政治的動機「全くない」

 72年前の沖縄戦で「集団自決(強制集団死)」が起き、85人が犠牲になった読谷村波平のチビチリガマが荒らされ、本島中部に住む少年4人が器物損壊容疑で逮捕された事件で、一部の少年がガマへ入った理由を「肝試し」とし、10日の夜明け後に現場を訪れたと供述していることが16日、分かった。政治的な動機の有無について嘉手納署は「現在のところ全くない」としている。「肝試し」が器物損壊の行為につながった経緯を慎重に調べている。
 同署によると、逮捕された4人はバイクで現場を訪れ、棒などを使って損壊行為に及んだと供述。4人以外に少年数人が現場に居合わせ、犯行を制止したとの供述もある。
 被害報道のあった13日以降に、「チビチリガマを荒らした少年がいる」との情報提供を端緒に少年を特定した。
 少年らがチビチリガマの歴史的背景について認識があったかどうかは分かっていない。
 同署によると、4人は友人関係で「やったことは間違いありません」と容疑を認めているという。
 逮捕容疑は5日正午ごろから12日午前11時ごろまでの間、チビチリガマの看板2枚や額1枚、千羽鶴4束を損壊した疑い。
 壕の中にある瓶や陶器などの損壊については遺族会が近く被害届を提出する予定。




チビチリガマ、被害届提出と立ち入り禁止看板を追加設置(2017/9/15 沖縄タイムスより入手)
チビチリガマ:遺族会が被害届提出 「立ち入り禁止」看板を追加

 沖縄戦で「集団自決(強制集団死)」が起きた沖縄県読谷村波平のチビチリガマが荒らされた問題で、遺族会は15日、平和学習で訪れた子どもたちの千羽鶴、花束、「平和」と書かれた額などが壊されたとして、器物損壊罪で嘉手納署に被害届を出した。
 遺族会によると、遺骨も残る壕内にあった瓶やつぼなどの遺品が割られたことに関しては、詳しい被害状況をまとめた上で近く追加で被害届を提出する。
 壕の入り口付近には立ち入りを禁止する説明板が建てられているが、遺族会は15日、これ以上荒らされる事態を防ぐため、新たに「立ち入り禁止」と書かれた看板を追加した。

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洞窟棲昆虫で日本人研究者がイグ・ノーベル賞受賞(2017/9/15 日本経済新聞より入手)
日本の研究者にイグ・ノーベル賞 「雌雄逆転」の虫発見

【アメリカ合衆国・マサチューセッツ州ケンブリッジ発】
 ユニークな科学研究などに贈られる「イグ・ノーベル賞」の授賞式が14日、米マサチューセッツ州ケンブリッジのハーバード大で開かれた。ブラジルの洞窟に生息する昆虫の雌に、雄のような形状の交尾器(性器)があることを発見した吉澤和徳・北海道大准教授(46)や上村佳孝・慶応大准教授(40)ら4人が生物学賞を共同受賞した。
 日本人のイグ・ノーベル賞受賞は11年連続。吉澤さんは共同通信に対し、受賞は光栄だとした上で「研究の視点にひねりがあるわけでなく、材料の面白さが評価されたと思う。めちゃくちゃうれしい」と喜びを語った。
 体長3ミリほどの昆虫「トリカヘチャタテ」の雌は細長い交尾器を持ち、交尾の際は雄の体内に入れて根元にあるとげで雄を拘束する。交尾時間は40〜70時間。雌は交尾器の中の管を通して雄から精子と栄養を受け取るという。受精後の卵は砂の中に産むとみられる。
 吉澤さんによると、食物が少ない洞窟に生息するため、雌は雄にもらう栄養に頼っている。そのため雌の方が交尾に積極的になり、交尾器の構造の逆転を促した可能性がある。
 このほか、英国の研究者は「老人男性の耳が大きい理由」を調べて解剖学賞を受賞。一卵性双生児に自分ときょうだいの写真を見せ「多くが外見ではお互いを見分けられない」と実証したイタリアなどの研究者は認識科学賞を受賞した。




チビチリガマ、洞内の遺品などが破壊される(2017/9/12 沖縄タイムスより入手)
チビチリガマ荒らされる 沖縄戦「集団自決」の壕 遺品など破壊

 72年前の沖縄戦で、「集団自決(強制集団死)」が起き、85人が犠牲になった読谷村波平のチビチリガマで、入り口や内部の遺品が壊されるなど何者かによって荒らされていることが12日、分かった。遺族からの証言聞き取りや平和学習などを続ける知花昌一さんが同日午前11時ごろ、荒らされているのを確認した。
 ガマの入り口の看板は近くのせせらぎを超えて十数メートル先に投げ捨てられ、平和学習で訪れた中高校生による千羽鶴は半分ほどが地面に放り出されていた。
 ガマの中には遺骨や石油、水を入れたビンなど遺品が残る。ビンの多くが割られ、入れ歯や小銭を載せていた陶器も割られ、周囲に飛び散っていた。また、惨劇を詠んだ彫刻家金城実さんの歌碑が書かれた看板も引き抜かれていた。
 遺族会によると、直近では5日に平和学習で訪問者がいた際は被害は確認できなかった。引き抜かれた看板にまだ青い葉がついていたことから、犯行から時間がかかっていないとみられる。嘉手納署が12日午後、現場を封鎖して調べている。
 母方の祖母ら5人を亡くした遺族会の與那覇徳雄会長(62)は「平和を願う遺族の気持ちに泥をかぶせられた。本当に残念だ。中には遺骨も残っており、その場所まで手をかけられている。なぜこんなことをしたのか、心境は分からないがひどすぎる」と嘆いた。




景清洞、視覚障害を疑似体験(2017/9/3 山口新聞より入手)
美祢・景清洞で視覚障害を疑似体験

 住民ふくし講座「五感で楽しむジオパーク」が2日、美祢市美東町赤の鍾乳洞、景清洞であった。3歳〜70代の約50人が、洞内の暗闇でレクリエーションをしながら視覚障害を疑似体験した。市社会福祉協議会主催、Mine秋吉台ジオパーク推進協議会共催。
 参加者たちはヘルメットをかぶって洞内へ。観光コース奥にある探検コースには照明が設置されておらず、ヘルメットに付けられたライトを頼りに進んだ。
 広い空間に到着すると、10人ほどが一組になってレクリエーション。ライトを消して真っ暗となった中で、円になってテニスボールを人から人へ回す課題などに取り組んだ。目の前が見えず、思わずライトを点灯させてしまう子どももいたが、協力してクリア。お互いに声を掛け合う重要性を学んだ。
 Mine秋吉台ジオパーク推進協議会による景清洞の解説もあり、参加者たちは「鍾乳洞は石灰岩が溶けてできた」などと説明を受けた。

美祢市観光協会ウェブサイト(天然記念物景清洞)
Mine秋芳ジオパーク ウェブサイト





伊国、石灰洞で世界最古のワインの痕跡発見(2017/8/31 AFP通信より入手)
世界最古のワインはイタリア産? シチリアで紀元前4000年の痕跡発見

 イタリアのシチリア(Sicily)島西部の洞窟で見つかった素焼きの陶器に、6000年前にさかのぼる発酵ぶどうの痕跡が確認された。調査した国際研究チームは、世界最古のワインはイタリア産だった可能性があるとしている。このほど国際化学誌「微量化学ジャーナル(Microchemical Journal)」に論文が掲載された。
 米サウスフロリダ大学(University of South Florida)の考古学者、ダビデ・タナシ(David Tanasi)氏が率いる国際研究チームは、シチリア島アグリジェント(Agrigento)近郊クロニオ山(Mount Kronio)の洞窟で発見されたテラコッタの複数のつぼの残留物を調べた。
 研究に参加したイタリアのカターニア大学(University of Catania)の化学者、エンリコ・グレコ(Enrico Greco)氏はAFPの取材に、この洞窟は「おそらく神々への供え物がされた神聖な場所だったのだろう」との見方を示している。
 同氏はこれらのつぼについて「洞窟の中で発見されたため、埋もれず、中身も、長年の間に凝固してはいたものの保存されていた」と説明した。
 調査により、この発酵ぶどうは紀元前4000年のものであることが判明。これまでイタリア最古とされてきたブドウ栽培の痕跡から、さらに約3000年さかのぼる重要な発見となった。




ラスコー展、九博入場者数が10万人突破(2017/8/29 毎日新聞より入手)
ラスコー展 10万人突破 太宰府の九州国立博物館

 福岡県太宰府市の九州国立博物館で開催中の特別展「世界遺産 ラスコー展 クロマニョン人が見た世界」(毎日新聞社など主催)の入場者が29日、10万人を突破した。島谷弘幸館長が10万人目となった福岡市東区千早の主婦、峰有紀さん(30)に図録や関連グッズを手渡した。
 特別展は、フランス南西部のラスコー洞窟にある約2万年前の動物などの壁画を精巧に復元して展示している。峰さんは友人に誘われ初めて九博を訪れたといい、「ラッキー、びっくり。楽しんで帰ります」と喜んでいた。
 島谷館長は「一人でも多くの方に見てほしい」と話している。開催期間は9月3日までで、同1、2日の夜間開館(午後5〜8時)では総合案内所で太宰府名物・梅ヶ枝餅の引換券をプレゼントする。

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九州国立博物館ウェブサイト(世界遺産ラスコー展)





夏季企画展「愛媛の探検家 冒険家たち」が開催中(2017/8/13 産経新聞より入手)
和田重次郎、河野兵市、山内浩…郷土の冒険家らの特別展 愛媛人物博物館

 愛媛県出身で世界的に偉業を遂げた探検家、冒険家の和田重次郎、河野兵市、山内浩にスポットを当てた夏季特別展「愛媛の探検家 冒険家たち 〜未知への挑戦と開拓〜」が松山市の愛媛人物博物館(県生涯学習センター内)で開かれている。31日まで。
 和田重次郎(1875〜1937年)は現西条市出身。松山市育ちで、アラスカの金鉱、油田の調査開発に多くの足跡を残した。河野兵市(1958〜2001年)は現伊方町出身。日本人で初めて単独徒歩で北極点到達を達成した。平成13年、北極点から徒歩で故郷を目指す旅の途中、北極海で氷の亀裂に転落し他界した。山内浩(1903〜82年)は現久万高原町出身で、高知県の「龍河洞」をはじめ国内外で800ヵ所以上の洞窟調査に携わり、洞窟探検のパイオニアとされる。
 特別展では、3人の写真や手紙、探検や冒険に使った道具など約400点を展示している。見学していた松山市の60代の男性は「お盆を前に、亡き河野さんを懐かしく思い出しました」と話した。

愛媛県生涯学習センター ウェブサイト(愛媛人物博物館夏季企画展「愛媛の探検家 冒険家たち」)



秋芳洞、小中学生が探検ジオツアー(2017/8/12 山口新聞より入手)
秋芳洞、未公開空間歩く 小中学生が探検ジオツアー

 美祢市の国内最大級の鍾乳洞、秋芳洞で11日、小中学生を対象にした探検ジオツアーがあった。午前と午後の2回に計24人が普段は入ることができない未公開の空間を歩いた。Mine秋吉台ジオパーク推進協議会と山口ケイビングクラブの主催。
 同クラブ会員で秋吉台科学博物館の村上崇史特別専門員らの案内で、観光コースを外れて未公開のコースへ。観光コースとは違って舗装されておらず岩がむき出しで、子どもたちは滑らないように足元に気を付けながらゆっくりと進んだ。
 自然の神秘を感じながら探検を楽しんでもらおうと、夏休みに合わせて開催。再測量などの結果、秋芳洞の総延長が1万300メートルに伸び、国内の鍾乳洞で3番目の規模になったことも記念して開かれた。

美祢市観光協会ウェブサイト(秋芳洞スペシャルサイト)
Mine秋芳ジオパーク ウェブサイト
山口ケイビングクラブ ウェブサイト





ラスコー展、九博入場者数が5万人突破(2017/8/11 毎日新聞より入手)
九州国立博物館 ラスコー展、入場者が5万人を突破

 福岡県太宰府市の九州国立博物館で開催中の特別展「世界遺産ラスコー展 クロマニョン人が見た世界」(毎日新聞社など主催)の入場者が11日、5万人を突破した。5万人目となった熊本県玉名市の小学5年、坂本佑希さん(11)に島谷弘幸館長から図録や展覧会関連グッズの記念品が贈られた。
 特別展はフランス南西部のラスコー洞窟の約2万年前の実物さながらの多彩な復元壁画などを展示し、7月11日に開幕。母信子さん(42)ら家族4人で訪れた佑希さんは「ラスコー洞窟を紹介するテレビ番組で興味を持って来た」と話した。島谷館長は「18日と9月1日のナイトミュージアムには『クロマニョン人』も登場するので楽しんで」とアピールした。9月3日まで。

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特別展「世界遺産 ラスコー展 クロマニョン人が残した洞窟壁画」ウェブサイト
九州国立博物館ウェブサイト(世界遺産ラスコー展)





「マ・シェリプラス Vol.8」に洞窟記事が掲載(2017/8/11 入手)
 岩手県盛岡市周辺地域で発行している生活情報紙「マ・シェリ」の全県版「マ・シェリプラス Vol.8」にて洞窟記事が掲載された。
 巻頭特集「いわてを元気にするあの人・このまち」にて、龍泉洞の魅力を発信する洞窟女子として杉山晶氏を紹介。ケイビングを始めた経緯や岩泉町への移住、龍泉洞愛を語り、結婚して定住への道を選択したと締めくくっている。元気の源は龍泉洞と宇霊羅山。
 表紙も飾った杉山氏は実物よりも良く写っているが、本人曰く、カメラマンの腕が良かったとのこと。
 株式会社マ・シェリ発行。B4サイズ12ページ。オールカラー。無料配布。8月11日発行。
 配布場所は岩手県内のJR主要駅、ローソン、北日本銀行、スーパー、ホテル、図書館、道の駅などにて。電子版もある。

マ・シェリ ウェブサイト(マ・シェリプラス Vol.8)




中国、カルスト地形「九寨溝」が地震で決壊(2017/8/9 毎日新聞より入手)
<中国地震>九寨溝の池「火花海」で決壊確認

【中華人民共和国・上海市発】
 中国四川省アバ・チベット族チャン族自治州九寨溝(きゅうさいこう)県で8日夜に起きた地震で、地元政府によると死者は19人に増え、263人がけがをした。付近では余震が続き、落石も相次ぐなど、被害の全容は見通せていない。地震の影響で中国屈指の人気を誇る世界遺産・九寨溝内の池が決壊して大きな穴ができるなど地形にも影響が出ている。
 中国メディアによると、地震でホテルの一部が倒壊するなどし、旅行客らが下敷きになった。付近は標高2000メートルを超える山岳地帯で、落石による被害も大きい。中国メディアによると観光客ら13人が乗ったバスを落石が直撃。バスは川に転落し、一部の乗客が行方不明になっている。観光エリアの劇場ではがれきの下敷きになった実習生の女性が死亡した。当時は、9万人近くが死亡・行方不明になった2008年の四川大地震をテーマにした舞台が演じられていた。
 人気の景勝地、九寨溝にも地震の影響が出ている。九寨溝管理局は9日、池の一つ「火花海」で長さ50メートル、深さ12メートル、幅20メートルにわたる決壊が確認されたとウェブサイトで発表した。エメラルドグリーンの水をたたえ、日光が当たると火花が散るように美しいことから人気を集める名所。中国紙「中国経営報」が掲載した、地震後に住民が撮影したとされる画像には、水がなくなり底が露出した池の様子が映っている。決壊で水が流出したためとみられる。九寨溝内の遊歩道にも土砂崩れや落石、倒木などがあり通行できなくなっており、同管理局は観光客の受け入れを中止すると発表した。

ふれあい中国ウェブサイト(九寨溝観光)




「目でみる地下の図鑑」に洞窟記事が掲載(2017/8/4 入手)
 東京書籍の児童書シリーズ「目でみる地下の図鑑」に洞窟記事が掲載された。
 一項目「PART4 地球規模の地下」のうち、4つのパートには簡単にだが美しい写真と共に以下の洞窟が紹介されている。74〜81ページ。
@地下洞窟を探検する ソンドン洞窟、ワイトモ洞窟、秋芳洞
A水が流れる地下 クリアウォーター川、オガララ帯水層、千仏鍾乳洞
B地底湖 盧笛岩(リード・フルート洞窟)、オックス・ベル・ハ洞窟、龍泉洞
C世界遺産になった洞窟 拒文岳溶岩洞窟群、シュコツィアン洞窟群、カールズバッド洞窟群、プエルト・プリンセサ地下河川国立公園
 東京書籍発行。こどもくらぶ編。A4サイズ95ページ。オールカラー。定価3024円(税込)。8月4日発売。
 購入は書店、honto楽天ブックスAmazon.co.jp他にて。




「ケイビングジャーナル第60号」発行(2017/8/1 入手)
ケイビングジャーナル60号 日本洞窟学会のケイビング情報誌「ケイビングジャーナル」の第60号が発行された。A4サイズ54ページ。600円(税込/日本洞窟学会々員には送付)。
 台風被害を受けた龍泉洞、沖永良部島で開催された第8回九州洞窟談話会の報告、ユーロスペレオ2016への参加報告、絵画による洞窟表現などが掲載されている。
 なお、1994年の発行以来、初めてタイトルロゴマークが変更された。これは公募により東京スペレオクラブ所属の山口修次郎氏の図案が採用されたもの。配色に関しては随時変更予定とのこと。内容は以下の通り。
 ・グラビア
 ・スペレオニュース
 ・イベントカレンダー
 ・台風被害を乗り越えて「龍泉洞」再開
 ・沖永良部洞窟談話会報告
 ・ユーロスペレオ2016/第5回ヨーロッパ洞窟会議への参加報告
 ・金星と水星の溶岩流地帯における溶岩チューブ洞窟存在の可能性
 ・洞窟屋蟻墨、南西諸島をゆく1
 ・絵画による洞窟の表現
 ・洞窟書籍新刊紹介
 ・プロジェクトボード
 ・新ロゴ発表
 ・編集部からのお知らせ
 日本洞窟学会会員以外の購読希望者は、ケイビングジャーナル編集部caving_journal@cj.dojin.comまで。定期購読年3冊分2700円も可能。カモシカスポーツ 山とスキーの店(高田馬場)、竜ヶ岩洞(浜松)、まえちゃんねっと〜よろず販売〜(オンラインショップ)でも購入可能。
 なお、前編集長が突然辞任したことにより、引き続き本号でも臨時編集長体制となっている。

ケイビングジャーナルウェブサイト




ラスコー展、九博入場者数が2万人突破(2017/7/28 毎日新聞より入手)
九州国立博物館 ラスコー展2万人

 福岡県太宰府市の九州国立博物館で開催中の特別展「世界遺産 ラスコー展 クロマニョン人が見た世界」(毎日新聞社など主催)の入場者が28日、2万人を突破した。2万人目となった福岡市博多区の丹藤(たんとう)理恵さん(36)に島谷弘幸館長から図録などの記念品が贈られた。
 特別展はフランス南西部のラスコー洞窟の約2万年前の壁画を紹介している。次男の恵祐さん(8)と訪れた丹藤さんは「洞窟にどんな絵が描かれたのか楽しみです」。島谷館長は「2万年前というと原始人のようなイメージだが、現代に通じる美意識の高さがある。教科書にも載っている壁画もあるので夏休みに親子でどうぞ」と話した。
 9月3日まで。NTTハローダイヤル050−5542−8600。

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特別展「世界遺産 ラスコー展 クロマニョン人が残した洞窟壁画」ウェブサイト
九州国立博物館ウェブサイト(世界遺産ラスコー展)





長島の鍾乳洞、名護市指定天然記念物へ要請(2017/7/21 琉球新報より入手)
サンゴと鍾乳洞の保護を 自然保護協会が名護市に要請

 名護市東海岸に広がる海洋自然の保全活動に取り組む日本自然保護協会は21日、名護市役所に稲嶺進名護市長を訪ね、名護市辺野古の大浦湾の長島にある鍾乳洞と、同湾チリビシのアオサンゴ群集を市指定天然記念物に指定するよう求める要望書を提出した。長島の鍾乳洞の指定を求めるのは初めて。アオサンゴは2度目。市の担当者は文化財保存調査委員会で検討する考えを伝えた。
 日本自然保護協会によると、2014年7月、長島の洞窟が鍾乳洞であることが確認され、サンゴが付着して成長している石筍を発見した。国内の報告例は少なく希少な現象という。また洞窟という特殊な環境に適応し、固有種化した生物が生息している可能性もある。
 チリビシのアオサンゴ群集は長さ50メートル、幅30メートル、高さ14メートル。世界的にも報告例のない大きさを誇る。
 自然保護協会の亀山章理事長は「大浦湾保護の一助にもなる。ぜひ指定していただきたい」と話した。




石灰山写真集「武甲山 未来の子供たちへ」発行(2017/7/20 東京新聞より入手)
写真集「武甲山 未来の子供たちへ」 秩父拠点の音楽家・笹久保さん発行

 秩父を拠点に活動する世界的な音楽家笹久保伸さん(33)=秩父市日野田町=が、武甲山を写した写真集「武甲山 未来の子供たちへ」(キラジェンヌ刊)を発行した。祭礼のシンボルでもあり、石灰岩の採掘現場でもある武甲山。秩父を語るに欠かせない霊峰の姿をさまざまな角度からとらえている。
 掲載写真は68枚。手前に住宅を絡めて写した1枚は、手振れをいかしながらシルエットで全景を浮き上がらせている。初冬の山腹を写した別の1枚は、湾曲しながら生える樹木と枯れススキ、大小の岩石が印象的だ。
 使用したカメラは、ニコンのほかゼンザブロニカやハッセルブラッドといった往年のフィルムカメラ。1200ミリの超望遠レンズで狙った作品や、カメラに光が入り込み写真の一部が感光した作品など、さまざまな技が駆使されている。
 笹久保さんが武甲山に関心を持ったのは2007年ごろ。南米ペルーからほぼ3年ぶりに里帰りし、その山容に地元意識を呼び起こされた。
 ギタリストとして音楽活動を続けてきたが、次第に武甲山を自身のよりどころとして意識するように。武甲山を写した秩父出身の写真家、故・清水武甲さんの写真集など、図書館や郷土資料室の関連する図書を読みあさった。
 09年から週に1、2回程度、山に登った。「台風の日も大雪の日もクリスマスも正月も山を訪ねた」と振り返る。武甲山には良質な石灰岩があり、今なお採掘が続けられている。
 笹久保さんは岩肌をさまようニホンカモシカや、直径2メートルものタイヤがある鉱山用のトラックなどもとらえた。
 清水さんの写真集が出版されて41年。武甲山は採掘が進み、当時とは大きく変貌した。笹久保さんは「武甲山はこれからも形を変えていく。『未来の子供たちへ』と題したのは、今の武甲山を記録としてとどめることが重要だと思ったから」と話す。
 A3判変型、96ページ。税込み5400円。全国の書店やインターネットで購入できる。問い合わせは出版社のキラジェンヌ=電03(5371)0041=へ。




富岳風穴、外国人観光客でにぎわう(2017/7/14 毎日新聞−地方版より入手)
「富岳風穴」人気 天然の冷蔵庫/山梨

 猛暑日や真夏日が続いている県内で、富士北麓地方の青木ヶ原樹海の中にある溶岩洞窟「富岳風穴」(富士河口湖町西湖青木ヶ原)が外国人観光客を中心に人気を集めている。
 864(貞観6)年の富士山の側火山「長尾山」の爆発によってできた横穴の空洞で、総延長201メートル、最高部の高さは8.7メートルある。洞窟内は1年を通して0〜3度に保たれており、樹海の中にぽっかり開いた口から階段を下ると次第に冷気が身を包む。1955年ごろまでは蚕の繭や種子の貯蔵に使われていたという「天然の冷蔵庫」だ。
 氷柱や溶岩棚、ヒカリゴケといった富士山が与えてくれた自然の恵みを国内外の観光客が味わっている。大人350円。小人200円。富岳風穴(0555−85−2300)

ICE CAVE 864ウェブサイト(富岳風穴)




内間木洞まつり開催(2017/7/11 岩手日報より入手)
神秘広がる鍾乳石 久慈・内間木洞まつり

 久慈市山形町の内間木洞周辺で9日、内間木洞まつりが開かれ、家族連れらが神秘的な鍾乳石が広がる洞窟内の「冒険」を満喫した。
 同町の小国自治会(二橋修会長)主催。参加者は気温8度前後の洞窟内の涼しさに驚きながら、ライトアップされたつららのような石の造形美に目を凝らした。
 洞窟の外では出店や特設ステージが設けられ、郷土料理の販売や神楽などが会場を盛り上げた。洞窟は年2回開放し、次回は氷の柱「氷筍」を観察できる2月に予定している。

久慈市ウェブサイト(内間木洞まつり)




秋芳洞、総延長10300メートルで国内第3位へ(2017/7/10 山口新聞より入手)
秋芳洞もっと長かった! 再測量、新空間発見で

 美祢市の国内最大級の鍾乳洞「秋芳洞」の総延長距離が再測量と新しい空間の発見により、これまでの8850メートルから1万300メートルに伸長した。秋芳洞の総延長は国内の洞窟では4位とされていたが、滋賀県多賀町の河内風穴を抜いて3位となる。山口大洞穴研究会と美祢市立秋吉台科学博物館、日本洞窟学会企画運営委員会の合同調査で分かった。
 同博物館の村上崇史特別専門員らが9日、会見して明らかにした。昨年度から観光コース近くを約50年ぶりに再測量した。測量技術の進歩による正確な距離の算出や新空間の発見、未調査だった場所の測量などにより、従来思われていたよりも1450メートル以上長いことが判明した。まだ調査していない場所もあり、総延長は今後の調査でさらに伸びる見込みという。
 新たに見つかった空間は直径10メートルほどのチューブ状。周辺にある同様の形をした支洞を合わせると高低差100メートル以上の空間になり、かつて水面下100メートル以上の水中洞窟として存在していたことを示しているという。新空間に残された堆積物の研究により、過去の環境情報を抽出できる可能性があり、調査隊は「秋吉台の学術における科学的発展の観点からも重要な発見と言える」としている。
 同研究会の村瀬健志会長(21)=地球圏システム科学科3年=は「想像以上に大きな空間が見つかってすごいとしか言いようがない。今後も未探検の部分の調査を続けたい」と話した。
 総延長の伸長は沖縄県で11月に開かれる日本洞窟学会の大会で発表する予定。2016年3月末現在、洞窟の総延長国内1位は岩手県岩泉町の安家洞の2万3702メートル、2位は鹿児島県知名町の1万483メートル。

美祢市観光協会ウェブサイト(秋芳洞スペシャルサイト)




ラスコー展、九州国立博物館で開幕(2017/7/10 毎日新聞より入手)
ラスコー展 洞窟を疑似体験 九州国立博物館で11日から

 フランス南西部の世界遺産、ラスコー洞窟の約2万年前の壁画を紹介する特別展「世界遺産 ラスコー展 クロマニョン人が見た世界」(毎日新聞社など主催)の開会式と内覧会が10日、九州国立博物館(福岡県太宰府市)であった。非公開の壁画を精密に再現した実物大の複製や、クロマニョン人が吹いた笛の実物など185件が11日から一般公開される。9月3日まで。
 開会式では同館の島谷弘幸館長が「教科書に載っているラスコー洞窟を疑似体験できる。夏休みに、子供たちが家族と一緒に見てほしい」と述べた。式後の内覧会には約600人が参加した。問い合わせはNTTハローダイヤル(050−5542−8600)。

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特別展「世界遺産 ラスコー展 クロマニョン人が残した洞窟壁画」ウェブサイト
九州国立博物館ウェブサイト(世界遺産ラスコー展)





戸津井鍾乳洞、周辺道路を整備(2017/7/2 日高新報より入手)
由良町が戸津井鍾乳洞進入路に待避所整備

 由良町は、戸津井鍾乳洞進入路の改良事業で、乗用車同士の対向も難しかった箇所に待避所を整備した。鍾乳洞は一昨年、インターネットでの全国発信などで18年ぶりに来場者数が1万人を突破したが、狭い進入路の問題があらためて浮き彫りとなっていた。ことしも夏場は今月22日から8月31日まで連日オープンする予定で、多くの人でにぎわいそうだ。
 鍾乳洞の進入路は町道で、延長約600メートル。幅員は3、4メートルで乗用車同士の対向が困難となっている。道に慣れた地元住民なら舗装されていない路肩に車を寄せて対向できる場合もあるが、京阪神方面からマイカーで来る不慣れな観光客にとっては交通の難所。夏場は多い日で一日当たり500人の利用があり、大混雑となったこともあった。
 今回、待避所が整備されたのは、進入路に入って100メートルほど進み、急カーブを過ぎた場所。見通しも悪く、対向車が来た場合は立ち往生することもある。改良工事では、延長31メートルにわたりコンクリートの擁壁を設けて待避所にしており、既設ルートを含め幅員は6メートルで、乗用車同士の対向もラクラクとなっている。事業費は602万4240円。施工は江ノ駒の潟Cワキ建設(河本秀明代表)。進入路の改良事業は、今回の待避所のほかあと2ヵ所で予定しているが、実施時期はいまのところ未定。
 戸津井鍾乳洞は、平成元年にオープン。2億5000万年前の神秘的な鍾乳石が間近で見物できることや大人200円、子ども100円という格安の入場料で人気が再燃している。開園日は土・日曜日、祝日だが、子どもたちの春、夏、冬休みは連日オープンする。洞内の気温は年間を通じて約15度で、「夏は涼しく、冬は暖かい」のが特徴となっている。

由良町観光協会ウェブサイト(戸津井鍾乳洞)




「インドネシア共和国洞穴探検成果報告書」発行(2017/6/20 入手)
 立命館大学学術部公認探検部によるインドネシア遠征報告書が発行された。A4サイズ120ページ。オールカラー。
 この報告書は立命館大学探検部が2015年の夏、インドネシア共和国・スンバ島で行った洞窟調査を記録したもの。ライワンギ・ワンガメッティ国立公園内では初の洞窟調査とのことで、75洞もの新洞を発見、そのうち21洞を測量している。位置、標高、洞内記載など詳細なデータも付いており、今後のこのエリアでの調査のベース資料となりえる。
 活動報告、洞窟報告に加えて、現地での生活、隊員の取り組みを記したミニ・ルポ、数百点の写真が収録された力作。全てが英文付き。海外遠征を行いたい方、探検・洞窟探検を志向する方には必読とのこと。
 頒価2000円。6月20日発行。問い合わせは黒木遠征隊隊長、遠征隊、もしくは立命館大学探検部まで。

立命館大学探検部ツイッター




「FLASH 2017年7月4日号」に洞窟写真が掲載(2017/6/9 入手)
 写真週刊誌「FLASH(フラッシュ) 2017年7月4日号」に洞窟写真が掲載された。
 「世界一の「洞窟ばか」が見たもっとも○○な洞窟10」と題して、国内外10洞の写真を紹介。もっとも「深かった」「暑い」「死ぬかと思った」「日本で好き」「美しい」「しょっぱい」「寒い」「広い」「写真映えする」「馴染み深い」として、ゴロンドリナス洞窟(墨)や霧穴(日)が掲載されている。
 なお、10点中5点は吉田勝次氏によるノンフィクション・エッセイ「すきあらば、前人未踏の洞窟探検 洞窟ばか」に掲載されいる写真なので要注意。ケイビングクラブ「J.E.T」の吉田勝次氏が協力。
 光文社発行。B5サイズ。定価430円(税込)。6月20日発売。
 購入は書店やコンビニエンスストア、オンラインストアFujisan.co.jpAmazon.co.jpほかにて。電子書籍版もある。

光文社ウェブサイト(FLASH2017年7月4日号)




飛騨大鍾乳洞、恋人の聖地に認定(2017/6/17 中日新聞より入手)
「恋人の聖地」に認定 丹生川の飛騨大鍾乳洞

 高山市丹生川町日面の観光施設「飛騨大鍾乳洞」が、NPO法人「地域活性化支援センター」(静岡市)の認定する「恋人の聖地サテライト」に選ばれた。関係者は「鍾乳洞の良さに加え、若いカップルにも魅力を発信するきっかけとしたい」と期待している。
 同法人は2006年から、プロポーズするスポットにふさわしい観光地を「恋人の聖地」に、単独の施設を「サテライト」に認定。"ロマンチック"な場所としてPRし、若者を中心とした観光客の増加を促すことで、地域活性化を目指している。現在は全国で聖地に139ヵ所、サテライトに87ヵ所が認定されている。
 鍾乳洞では、白くて細い「ストロー」や、ねじ曲がった「ヘリクタイト」など美しい鍾乳石が見られる。2年前に完成した「愛深(あいしん)スポット」も、地下道を発光ダイオード(LED)ライトで7色に照らし、カップルに人気があるという。
 認定式は5月31日、東京都内であり、飛騨大鍾乳洞観光の中萩久夫社長(69)が、選定委員でファッションデザイナーの桂由美さん、華道家の假屋崎省吾さん、タレントのIMALUさんらから銘板を受け取った。
 鍾乳洞は認定を受け、記念の石碑と鐘を合わせたモニュメントを設置するほか、ハート形の錠などのグッズを販売する。7月16日にはモニュメントの除幕などのイベントも企画。中萩社長は「他の聖地と交流し、全国から若いカップルが訪れることで地域貢献につなげたい」と話した。

※「恋人の聖地」として洞窟は「龍泉洞」「美山鍾乳洞」「あぶくま洞」に続いて4例目。但し、美山鍾乳洞は「恋人の聖地サテライト」としての認定。恋人の聖地ウェブサイト
飛騨大鍾乳洞ウェブサイト





クアンビン洞窟フェスティバル2017開催へ(2017/6/10 VIETJO ベトナムニュースより入手)
クアンビン省:洞窟フェスティバル、6月16日から開催

【ベトナム社会主義共和国発】
 北中部地方クアンビン省ドンホイ市で6月16日(金)から25日(日)まで、「クアンビン洞窟フェスティバル2017」が開催される。開幕式は、17日にベトナム国営テレビ(VTV)のVTV1チャンネルで生中継される。
 今回のフェスティバルは、「洞窟の王国」をテーマとし、クアンビン省の観光の魅力や世界自然遺産フォンニャ・ケバン国立公園にある300以上の洞窟の美しさなどを広く紹介することを目的としている。
 同省はフェスティバルの開催期間中、各洞窟を見学する多くの新たなツアーを展開するほか、同省のニャットレビーチでボートレースやマリンスポーツなども行う予定だ。

ベトナム・テレビジョン ウェブサイト




「子供の科学 2017年7月号」に洞窟記事が掲載(2017/6/9 入手)
 1924(大正13)年から続く小中学生を対象にしたやさしい科学情報誌「子供の科学 2017年7月号」にて洞窟探検が特集された。
 特集「洞窟探検 暗闇に眠る新発見を掘り起こせ!」と題して、石灰洞の紹介、測量、鍾乳石を用いた古気候変動研究、溶食形態や微化石からの過去地形の読み解き方、化石、洞窟棲生物、ニホンザルの洞窟利用例など、本格的な洞窟学を次々と紹介。国内外の美しい洞窟写真、新洞探査方法やケイビング、三重県「珊瑚洞」での体験レポートも掲載されている。ケイビングクラブ「J.E.T」の柏木健司氏、吉田勝次氏が協力。12〜31ページ。
 誠文堂新光社発行。B5サイズ239ページ。オールカラー。定価700円(税込)。6月9日発売。
 購入は書店、オンラインストア楽天ブックスAmazon.co.jpほかにて。電子書籍版もある。

誠文堂新光社ウェブサイト(子供の科学2017年7月号)




金武鍾乳洞、小学生が戦跡めぐり(2017/6/4 琉球新報より入手)
暗闇の中、72年前に思い巡らす 金武町児童が戦跡めぐり

 平和学習「金武・やんばるの戦跡めぐり」(主催・金武町公民館連絡協議会)が4日、実施され、金武町や北部地域の戦跡を訪ねた。参加したのは町内の小学4、5、6年生の25人で、協議会や町教育委員会の職員が案内した。児童らは戦跡や関係する資料館の計11ヵ所を回り、戦時中や戦後に北部地域で起きた出来事を学んだ。
 連絡協議会は毎年、慰霊の日の前に戦跡巡りを開催してきた。これまでは沖縄戦の激戦地である本島中南部の戦跡を案内していた。しかし地元の北部地域の戦争を学ぶ必要があるとして、今回は北部地域の戦跡を巡ることになった。
 町教育委員会の玉元孝治さん(32)は「沖縄戦は中南部の話はよく聞くが、北部にも戦禍が及んだことはあまり知られていない。今回の学習をきっかけに地元で何が起きたのかを知ってほしい」と地元を巡る意義を語った。
 金武観音寺の敷地内にある金武鍾乳洞は戦時中、中南部から避難してきた約千人の住民が身を隠していた。児童らは懐中電灯を持って入り口から階段で奥へと下り、水たまりが点在する広い空間にたどり着いた。
 「明かりを消してください」
 案内人が呼び掛けると、児童は懐中電灯の明かりを消した。すると何も見えない深い暗闇に包まれ、天井からしたたり落ちる水滴の音だけが周囲に響き渡った。
 真っ暗な空間に耐えられなくなった児童らが「怖い」「はやく電気付けて」と声を上げ始めたころ、再び明かりがともされた。
 嘉芸小5年の伊芸煌さん(10)は「戦時中に真っ暗な鍾乳洞の中で多くの人が生活していたことに驚いた。苦しみながら生き抜いた昔の人はすごいと思った」と話した。
 吉山怜良さん(10)=嘉芸小5年=は「大変な状況の中で生き抜いた人たちに感謝している。今後は戦争で亡くなった人たちのことも思いながら生活していきたい」と感想を述べていた。

金武鍾乳洞ウェブサイト(有限会社インターリンク沖縄)




あぶくま洞、第3回恋人の聖地のJTB賞受賞(2017/6/1 福島民報より入手)
あぶくま洞(田村)JTB賞 「恋人の聖地・サテライト」大賞

 全国47都道府県225ヵ所が認定されている「恋人の聖地」と「恋人の聖地サテライト」の観光交流大賞授賞式は31日、東京・北青山の青山セントグレース大聖堂で行われ、田村市のあぶくま洞が大賞に次ぐJTB賞に輝いた。
 NPO法人地域活性化支援センター(本部・静岡市)の主催。68ヵ所が施設の魅力や誘客に向けた取り組み状況などの書類を提出。親善大使・婚活大使を務めるタレントのIMALUさんやファッションデザイナーの桂由美さん、華道家の假屋崎省吾さんらが厳正に審査した。
 あぶくま洞は県内唯一の恋人の聖地として昨年4月に認定を受けた。鍾乳洞を生かしたイルミネーションや婚活事業など新たな誘客に取り組み、福島県の観光復興に寄与している点が評価された。
 授賞式には皮籠石直征副市長が出席し、IMALUさんから賞状を受け取った。大賞は和歌山県白浜町の「南紀白浜/三段壁」が選ばれた。

あぶくま洞ウェブサイト
恋人の聖地ウェブサイト





「ナショナルジオグラフィック6月号」に洞窟記事が掲載(2017/5/30 入手)
 地球の素顔を伝えるビジュアルマガジン「ナショナルジオグラフィック 日本版 2017年6月号」の一項目に、溶岩洞を特集した「ハワイ 知られざる溶岩の迷宮」が掲載された。
 アメリカのハワイ島にある世界総延長第1位の溶岩洞「カズムラ洞窟」、調査中の「キプカ・カノイーナ洞窟」「マヌヌイ洞」が美しい写真と共に紹介されている。「カズムラ洞窟」はガイドツアーも行っているとのこと。筆者はジョシュア・フォア氏、写真はカーステン・ペーター氏。108〜121ページ。
 なお、取材協力者のアン&ピーター・ボステッド夫妻は2000年に来日、「日本洞窟学会第26回大会・カルストフェスティバル2000苅田」への参加やケイバーと交流を行っている。
 日経ナショナルジオグラフィック社発行。A4サイズ142ページ。オールカラー。定価1,010円(税込)。5月30日発売。
 購入は書店ほか、オンラインストア日経BPストアAmazon.co.jpほかでも可能。電子書籍版もある。

ナショナルジオグラフィック日本版ウェブサイト(ハワイ 知られざる溶岩の迷宮)




平尾台、洞内熟成焼酎を蔵入れ(2017/5/30 読売新聞より入手)
平尾台の坑道跡で焼酎熟成 10年ぶりに仕込み再開

 北九州市小倉南区のカルスト台地・平尾台の坑道跡で3年以上熟成させる焼酎「青龍王」の仕込みが、10年ぶりに再開された。東京五輪が開幕する2020年7月に売り出す計画だ。
 青龍王は、観光施設「平尾台自然の郷」を運営する第3セクター・ハートランド平尾台が、同区の酒造会社「無法松酒造」に製造を委託。「平尾台の洞窟には巨大な龍がいる」との伝説にちなんで名付けられた。前回2005年は3年間に限り麦焼酎を製造した。
 最後の仕込みから10年が経過し、青龍王の新たなブランドを生み出そうと再開を決めた。これまでは麦焼酎のみだったが、同市八幡東区産のサツマイモを原料に用いた芋焼酎を加える。
 貯蔵庫は、2000年頃まで石灰石の採石場として使われていた坑道。年間を通じて気温が15度前後に保たれ、焼酎を熟成させるのに適した環境だという。
 17日には芋焼酎約380本(1本720ミリ・リットル)が坑道に運び込まれ、関係者が焼酎瓶が入った箱を坑内の貯蔵棚に置いていった。麦焼酎は仕込み作業の真っ最中で、6月に同じ量を運び込むことにしている。
 無法松酒造の山家勉社長(39)は「熟成させるほどに味が濃厚になっていく。新しい青龍王を楽しんでもらえるはず」と期待。ハートランド平尾台の石橋宏明さん(57)は「焼酎を手にオリンピックを楽しむお客さんの姿を夢見ながら3年間を待ちたい」と話している。
 価格は税込みで、芋が2500円、麦は3000円の予定。問い合わせはハートランド平尾台(093−452−2781)へ。

無法松酒造有限会社ウェブサイト
平尾台自然の郷ウェブサイト





龍泉洞、洞内熟成日本酒を蔵入れ(2017/5/27 読売新聞より入手)
龍泉洞、復興の願い込め日本酒の熟成作業

 昨年8月の台風10号で被災し、今年3月に営業を再開した岩手県岩泉町の鍾乳洞「龍泉洞」で、地元の酒造会社「泉金酒造」が今年も日本酒を熟成させる作業を始めた。
 洞内は真夏も気温が10度前後に保たれ、日光も入らないことから、日本酒の熟成に適しているとして同社が2年前から行っている。
 台風10号の豪雨では、地底湖の水位が6メートルほど上昇したが、日本酒を貯蔵する保管庫は地底湖より12〜13メートル高い位置にあるため、難を逃れた。同社の酒蔵も壁がはがれ落ちるなどの被害があったが、浸水は免れて酒造りに影響はなかった。
 24日に保管庫に運び込まれたのは、県オリジナル酒米「吟ぎんが」を使った純米吟醸酒「龍泉八重桜」で、1.8リットル瓶700本と720ミリリットル瓶1550本。消費者に好評のため、今年は昨年より320本多い計2250本に増やした。
 同社の八重樫義一郎社長(61)は「食事をしながら飲む酒として好評。町の復興のためにも、町で取れた山や海の幸に合う酒に仕上がってほしい」と願いを込めていた。9月中に洞内から運び出され、「秋あがり」として同町や盛岡市で販売される予定。

泉金酒造株式会社ウェブサイト
龍泉洞ウェブサイト





ノレンコウモリが新見市内洞窟で捕獲(2017/5/25 山陽新聞より入手)
ホンドノレンコウモリ 新見で捕獲 絶滅危惧種、県内初の標本に

 絶滅の危機が増大しているとして、環境省レッドリストで絶滅危惧II類に指定されている「ホンドノレンコウモリ」を、岡山県自然保護推進員の山田勝さん(67)=岡山市東区=が新見市で見つけて捕獲、標本にして倉敷市立自然史博物館(同市中央)に寄贈した。
 15年ほど前から県内のコウモリの分布調査を行っており、鳥獣保護法に基づく学術研究目的で捕獲した。コウモリに詳しい岡山理科大動物学科の小林秀司准教授(動物系統分類学)によると、県内では過去に数匹の捕獲記録があるが、標本や詳細なデータは残っていないといい「県内で標本が得られるのは初めてで『初確認』に等しい価値。生態や生息状況を知る手掛かりとなる」としている。
 ホンドノレンコウモリは、尻尾の膜部分に縄のれんのような毛が生え、耳付近にある突起(耳珠)が長いのが特徴。山田さんは5日午前10時半ごろ、新見市の洞窟で他のコウモリの群れから離れ、岩のくぼみで眠る1匹にホンドノレンコウモリの特徴を確認した。
 捕獲した個体は尻尾を除く全長5.3センチ、翼を広げた状態の開翼長24センチ、体重7.5グラムの雄。間もなく死んだため、標本にした上で24日、同博物館に贈った。
 ホンドノレンコウモリは北海道から九州まで各地に生息しているが、個体数は非常に少ないとされる。山田さんは「洞窟や廃坑を長年調査してきたが、思わぬ発見となった。まだ謎が多い県内のコウモリ分布を解明する一助になれば」と話している。

※ノレンコウモリは洞窟棲で、まれに家屋内でも確認されている。九州南部の凝灰岩洞では100頭を超えるコロニーが確認されている。




白保竿根田原洞穴、国内最古の人骨は風葬(2017/5/20 琉球新報より入手)
港川人より大柄、165センチも 沖縄・石垣の白保遺跡人骨 研究者も興奮、旧石器の「風葬」明らかに

 「あおむけて膝を胸の方に折り曲げた姿勢(屈葬)で葬られた」。19日に沖縄県西原町の県立埋蔵文化財センターで開かれた同県石垣市の白保竿根田原(さおねたばる)洞穴遺跡に関する記者会見。日本で初めて旧石器時代の墓地と確認された同遺跡で見つかった「4号人骨」の葬られた際の姿勢について、土肥直美元琉球大准教授はこう説明した。琉球弧に広く分布する風葬は、2万7000年前には始まっていたことになる。研究者らは「旧石器時代の葬法の状況が分かるのは国内で初めて」と興奮気味に語った。
 遺跡からは1000を超える人骨片が出土し、それらを分析した結果、少なくとも19人がそこに葬られていることが分かった。5ヵ所にまとまって人骨が集中しており、墓地である可能性は早くから指摘されていた。しかし、人工物が全く見つからず文化的活動の証拠を見いだせず、墓地と打ち出せるかどうか慎重に検討されてきた。
 決め手になったのが「4号人骨」で葬られた姿勢が明確になったことだ。屈葬と呼ばれるその姿勢こそ文化活動の証拠だった。他のバラバラで見つかった人骨も、発掘を進めながらその位置関係を3次元で精密に記録してきた。それらを分析すると「古い人骨を押しのけて新しい遺体を置いたことが推測できる」と土肥さんは語る。
 県立埋蔵文化財センターで20日から一般公開される1号から4号までの人骨。1、3号は頭骨だけで、2、4号は全身の骨格がほぼ残る。これらの骨の形や状態からは、当時の暮らしも垣間見えた。4体はいずれも成人男性で、20代半ばの2体と高齢とみられる2体。推定身長が165センチの人骨もあり、港川人など他の旧石器人骨より大柄だ。
 高齢とされる2号、4号では、下顎より上顎の歯のすり減り方が著しい。河野礼子慶応大准教授は「食生活からは考えにくい。特殊な歯の使い方をしていた可能性がある」と指摘した。この男性の頭骨からは日常的な冷水刺激によるとされる外耳道骨腫が確認できた。長年、潜り漁をしていたのではないかと想像が広がる。
 形質人類学が専門の土肥さんは10年以上、八重山で旧石器人骨を探し続けたが手掛かりがなかった。そこに現れたのが竿根田原遺跡だった。人骨を「この人は…」と説明する土肥さんの言葉には、はるかな昔を今に伝えてくれる人骨への敬意が込められていた。

沖縄県教育委員会ウェブサイト(沖縄県立埋蔵文化財センター)




海蝕洞:江の島岩屋、再オープンから入洞者が600万人に(2017/5/19 タウンニュースより入手)
岩屋入洞者が600万人

 観光施設「江の島岩屋」は5月10日、1993年の再オープンから600万人目の入洞者を迎えた。当日は記念セレモニーが行われ、600万人目となった松浦友梨さんに記念品が贈られた。大阪府から来場した松浦さんは「びっくりの一言。5年くらい前から来たいと思っていた」と話した。
 島内南西部にある天然洞窟の岩屋は71年の落石後から閉鎖されていたが藤沢市観光協会が再整備を行い、93年に営業再開。人気の観光スポットになっている。入洞者は増加傾向にあり、500万人から600万人までにかかった日数は953日で、400万人から500万人達成に要した1456日よりも503日早い達成となった。

公益社団法人藤沢市観光協会ウェブサイト(江の島岩屋)




「龍泉洞の潤いジェル」が発売(2017/5/14 読売新聞より入手)
龍泉洞のスキンケア、第2弾は「潤いジェル」

 昨年の台風10号の豪雨により、主力の「岩泉ヨーグルト」の製造工場などが被災した岩手県岩泉町の岩泉乳業は、15日に新商品「龍泉洞の潤いジェル」(税別2000円)を発売すると発表した。
 昨年6月に販売開始した「龍泉洞の化粧水」に続く「龍泉洞のスキンケアシリーズ」の第2弾となる。ミネラルが豊富な龍泉洞の湧き水にコラーゲンなどを配合し、保湿力を高めているという。アルコールや鉱物油などは使っておらず、肌に優しくなじみやすい。
 同シリーズは、開発段階から関わっている化粧品会社「日本ゼトック」(東京)に生産を委託。そのため化粧水は台風の被災後も販売を続けることができた。岩泉乳業では社員50人の半数以上がヨーグルト生産に携わっていたが、生産停止後は約6万本の化粧水の売り上げが雇用を支えたという。
 11日に盛岡市で発表会を開いた山下欽也社長は「化粧水の後にたっぷり使えばもちもちとした肌になる。龍泉洞の水を知ってもらうきっかけになれば」と話していた。
 盛岡市内の県産品ショップ「らら・いわて」で販売するほか、岩泉乳業のホームページと電話(0120−3800−81)でも注文を受ける。

岩泉乳業株式会社ウェブサイト
日本ゼトック株式会社ウェブサイト





井倉洞と満奇洞、5/5は子供無料に(2017/5/3 山陽新聞より入手)
新見の2鍾乳洞 5日は子ども無料 井倉洞と満奇洞、小学生以下対象

 新見市などはこどもの日の5日、岡山県天然記念物の鍾乳洞・井倉洞(同市井倉)と満奇洞(同市豊永赤馬)で、小学生以下の入場者を無料にする。
 高梁川沿いの井倉洞(全長1200メートル)は、市出資の第三セクターが管理。天井からぶら下がる「つらら石」、下から伸び出た「石筍」などが照らし出され、幻想的な空間を演出している。4、5日は洞外でミニSLの乗車会(無料)もある。
 市運営の満奇洞(同450メートル)は、歌人与謝野晶子が「奇に満ちた洞」と詠んだことで知られる。洞内では神秘的な造形や地底湖などが堪能できるほか、イタリアの「トレビの泉」にならってコインを投げ入れ、願い事をする名所もある。
 営業は両鍾乳洞ともに午前8時半〜午後5時(受け付けは同4時半まで)。問い合わせは市商工観光課(0867−72−6136)。

井倉洞ウェブサイト
新見市ウェブサイト(満奇洞)





ラスコー展、九州国立博物館が概要を発表(2017/4/26 毎日新聞−地方版より入手)
ラスコー展 非公開壁画、精密に複製 九国博で7月開幕町

 九州国立博物館は25日、フランス南西部の世界遺産、ラスコー洞窟の壁画を紹介する特別展「世界遺産ラスコー展 クロマニョン人が見た世界」(7月11日開幕、毎日新聞社など主催)の概要を発表した。保全のため現在は非公開の壁画について、精密に再現した実物大の複製を展示する。約2万年前に描かれた色彩豊かな洞窟壁画の空間を間近で体感できるのが特徴だ。
 ラスコー洞窟壁画はクロマニョン人が描いたとされ、躍動感あふれる動物の姿で知られる。展示されるのは、シカやバイソン(牛の一種)などを描いた壁画5件の複製。洞窟で出土した当時の顔料や石器、クロマニョン人が用いたとみられる笛などの遺物もあり、総件数は185に上る。
 9月3日まで。前売り一般1400円、大学・高校生800円。当日200円増。NTTハローダイヤル050−5542−8600。

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特別展「世界遺産 ラスコー展 クロマニョン人が残した洞窟壁画」ウェブサイト
九州国立博物館ウェブサイト(世界遺産ラスコー展)





海蝕洞:御厨人窟、入洞再開を検討(2017/4/24 読売新聞より入手)
空海の名の由来?修行積んだ洞窟、入場禁止続く

 若き日の弘法大師・空海が修行を積んだ高知県室戸市の御厨人窟は、2015年11月の落石事故以降、立ち入り禁止の状態が続いている。
 観光客らの安全確保のためだが、入場再開を願う声も根強く、市は対応策の検討を始めた。

◆訪れる人続々
 市などによると、落石事故では、入り口上方から全長2メートル以上もある石が落下。入り口付近には男性の観光客2人がいたが、幸い無事だった。納経所に詰めていて一報を受けた女性(79)は「大きな石が落ちており、男性は『危機一髪だった』と話していました」と振り返る。
 以前は、「(空海と)同じ風景を見てみたい」と、洞窟内に入る観光客も大勢いたが、落石事故後は、御厨人窟の入り口前に立ち入り禁止の柵が設置された。隣接する空海の修行の場とされる神明窟も12年10月の落石事故でけが人が出て以来、閉鎖されている。
 女性によると、立ち入り禁止以後も大勢の人が訪れているといい、「『何時に開くんですか』などと尋ねられることもあり、説明すると、やはりがっかりされますね」。市にも「再開はいつなのか」「何とか入れないのか」などの問い合わせが相次いでいるという。今月中旬、雨の中を山口県長門市から来た会社員男性も「安全を考えると仕方ないが、やっぱり洞窟の中から景色を見たかったですね」と残念がっていた。
 室戸市全域は世界ジオパークに認定されており、室戸ジオパーク推進協議会の中村有吾・地理専門員によると、御厨人窟周辺は約1600万年前に太平洋の深海に堆積した砂や泥でできた隆起地形という。砂岩や泥岩の薄い地層が何枚も重なっているため、年月の経過で、岩が落ちてくる可能性はあるという。

◆仮設屋根を検討
 市は人気観光スポットの復活に向け、高所作業車などを使い、目視やハンマーなどによる打診調査を実施。約20個の大きな浮石を撤去したほか、入り口前に白い布を敷き、小石の落下範囲を確認している。
 しかし、現地が民有地であるうえ、室戸岬一帯が国の名勝に指定されているため、落石防止工事には国の許可が必要。国は「自然の状態をなるべく維持することが望ましい」などとしており、大規模な工事は困難だ。市教委生涯学習課の和田庫治課長も「のり面をコンクリートで固めた空海ゆかりの地、というのもいかがなものか。できるだけ自然にダメージを与えない方法をとりたい」と景観へ配慮する必要性を強調する。
 そんな中、市は「少しでも観光客の期待に応えたい」と、工事に頼らない対応策を模索している。その一つが仮設屋根の設置だ。落石の範囲外から洞窟の入り口まで期間限定で屋根を取り付け、希望者に入ってもらう。小さな落石を防ぐにはテント地の屋根で十分なため、「時期を見定めれば可能ではないか」と和田課長は話す。
 また、これまで落石が起きていない場所に沿って通路を設けることも検討。いずれもヘルメット着用が前提だ。和田課長は「洞窟内に入ってもらってこそ、より魅力が増す。室戸を訪れた方に、少しでも『来て良かった』と思ってもらえれば」と話す。

◆他県では
 同様に世界ジオパークに認定され、溶岩が冷える際にできた割れ目「柱状節理」で知られる山陰海岸の玄武洞(兵庫県豊岡市)でも、落石のために入り口から5、6メートルの場所に柵を設置し、立ち入りを制限している。豊岡観光協会の担当者は「間近で見たいという声は数多く寄せられているが、安全を最優先している」と説明する。
 宗教学と観光学が専門の岡本亮輔・北海道大学准教授は、「宗教的意味を持つ御厨人窟に、観光的意味を持たせる以上、安全性を重視するのはやむを得ないこと。場所にもよるが、別の場所に模型を整備したり、仮想現実体験ができる場をつくったりするなどの工夫を考えても良いのではないか」と指摘する。

◆御厨人窟=空海が室戸で修行した際の「住居」として使用され、この場所で悟りを開いたと伝わる。「空海」の名も洞窟内から見た空と海の風景に感動したことから付けたとされる。中に五所神社と呼ばれる社がある。海岸から、打ち寄せる波の音が美しく響くことから、環境省の「残したい日本の音風景100選」にも選ばれている。

一般社団法人室戸市観光協会ウェブサイト(御厨人窟)




「洞窟学雑誌 第41巻」発行(2017/4/15 入手)
 日本洞窟学会の機関誌「洞窟学雑誌」の第41巻が日本洞窟学会会員に配布された。発行日は2016年12月31日。
 B5サイズ29ページ。3000円(税込/日本洞窟学会々員には送付)。掲載論文は以下の通り。
 ・河野通弘先生追悼 
 ・洞窟内の黒色堆積物
 ・岩手県岩泉町ひょうたん穴遺跡下部層出土の骨資料による新たな放射性炭素年代とその層準の哺乳類遺体群集
 ・船久保洞窟(岩手県紫波郡紫波町)で発見された多数の黒色ラミナを含む鍾乳石
 購入・問い合わせは日本洞窟学会事務局(北九州市立自然史・歴史博物館 いのちのたび博物館内/TEL093−681−1011 Fax093−661−75038)まで。一部のバックナンバーも取り揃えている。




滝観洞、洞くつカレーが登場(2017/4/14 東海新報より入手)
魅力ぎっしり洞くつカレー、滝観洞観光セで29日から提供/住田町

 住田町上有住の滝観洞観光センター食堂は、大型連休に入る29日(土)から新メニュー「洞くつカレー」の提供を始める。半球状に盛られた雑穀米の中には住田特産・ありすポークのブロック煮が潜み、食べ進める楽しさと地元産のおいしさを詰め込んだ。同センターでは名物「滝流しそば」に並ぶ定番メニューとしての成長や、三陸ジオパークにちなんだPR充実などに期待を込める。

奥に潜んでいるのは…
 全長3635メートル、高低差115メートルにも及び、古生代石炭紀の石灰岩の中にできた国内屈指の鍾乳洞を誇る滝観洞。観光洞部にはライトアップされた鍾乳石が輝き、ダイナミックな造形の岩肌や地下水などによる神秘的な光景が続く。
 滝観洞の食にちなんだメニューといえば、竹筒から流れ落ちる「滝流しそば」が有名。しかし、例年11〜4月ごろまでは対応しておらず、通年で提供できる名物メニューの開発が求められていた。
 また、平成25年9月に日本ジオパークに認定された三陸ジオパークのジオサイトの一つには、滝観洞も含まれている。ジオパークを生かした観光充実につながる取り組みも模索していた。
 町観光協会が28年度に開催した「住田町観光プラットフォーム」で行われた議論の中で、洞くつカレー開発のアイデアが浮上。今年に入り、プラットフォーム事業に参加していた同センター職員の高橋サチ子さん(63)と堀内忠洋さん(28)らが、同協会と連携しながら開発を進めてきた。
 調理では数時間煮込み、型崩れしないギリギリの柔らかさに仕上げたありすポークのブロック煮を、半球状の雑穀米で包み込む。食べ進めるとゴロリとした肉に出合える一皿で、洞部を巡り「天の岩戸の滝」にたどり着くワクワク感などを表現した。
 具材のニンジンやジャガイモは、洞内に実際に潜むコウモリをかたどる。アイデア勝負だけでなく、カレールーは地元産の野菜などとともに長時間煮込むなど、こだわりが光る。
 堀内さんらは「パッとみたらシンプルだが、雑穀米の中には期待以上の大きさのブロック肉がある。子どもから高齢者まで、幅広い世代に楽しみながら味わってもらいたい」と話す。
 提供は29日から開始。一皿800円で、1日20食分程度を用意する。営業は午前11時〜午後4時。問い合わせは同センター(TEL48−2756)へ。

滝観洞・白蓮洞ウェブサイト(滝観洞観光センター)




動画コンテンツ「龍泉洞VR」が公開(2017/4/12 入手)
 岩手めんこいテレビはアクセリアと共同で動画コンテンツ「龍泉洞VR(バーチャルリアリティ)」を制作したことが分かった。
 このコンテンツは、2016年8月に発生した台風10号による豪雨被害を受けた「龍泉洞」が、2017年3月19日から営業再開したことを記念して制作されたもの。洞口から第3地底湖まで、龍泉洞の洞内をガイド音声と共に360度見渡すことが出来る。

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株式会社岩手めんこいテレビ ウェブサイト(めんこいテレビ×龍泉洞)
アクセリア株式会社ウェブサイト(ニュース)





韓国、万丈窟が損傷の危機に(2017/4/7 レコード・チャイナより入手)
韓国・済州島の世界自然遺産がピンチ、付近が手当たり次第に開発される

 2017年4月5日、韓国・ノーカットニュースなどによると、韓国南部、済州島(チェジュド)の有名観光地で国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界自然遺産にも登録されている洞窟・万丈窟(マンジャングル)が、損傷の危機にさらされている。
 済州特別自治道自治警察団は5日、文化財保護法および山地管理法違反の容疑で不動産開発業者イ(57)に対し逮捕状の発付を申請したことを明らかにした。イは昨年夏、万丈窟から直線距離で280メートルほどの敷地4939平方メートルを、文化財庁や行政の許可なく開発、山林を傷つけ更地にするなどした疑いが持たれている。 警察関係者によると、イが重機で引き抜いた樹木は松など85株余り、このほか1〜2.4メートルの高さの岩が削り取られ、そこにダンプトラック50〜75台分の土や石が持ち込まれた。イは同地に戸建て住宅12戸を建設、分譲する目的だったという。
 万丈窟は韓国の天然記念物98号に指定された国の文化財であり、世界自然遺産にも指定され周辺一帯は歴史文化環境保存地域となっている。今回、イが文化財庁に出した現状変更許可申請では、万丈窟でも落石の危険性が高い区間の近くを開発するとしており、「万丈窟の保存・管理に影響を及ぼす懸念がある」との理由で開発は許可されなかった。
 この報道に、韓国のネットユーザーからは「万丈窟はまさに神秘。きちんと保存すべきなのに」「済州はもう清らかな場所じゃなくなった」「近いうちに済州島は観光資源ではなくただの島になるね。掘り返されていない場所がないくらいだから」「済州島を国有化して開発できないようにしよう」など、島の開発に懸念を示す声が多く寄せられている。
 また「自分だけいい思いをするつもりだな」「まったく常識のないやつだ」「金にしか興味がないのか」とイを批判するコメントや、「罰金を払ったらどうせまた開発するはず」「韓国の法律が甘いからこういうことになる」など諦めたような声もあった。




越国、ティエンクン鍾乳洞とダウゴー洞窟でWi−Fiスポット設置(2017/4/7 VIETJO ベトナムニュースより入手)
ハロン湾に無料Wi−Fiスポットと監視カメラを設置

【ベトナム社会主義共和国発】
 東北部地方クアンニン省ハロン市は、観光客の利便性向上と安全確保を目的として、世界自然遺産のハロン湾で無料Wi−Fiスポットと監視カメラの設置を進めている。
 ハロン市人民委員会によると、無料Wi−Fiスポットの設置により、観光客はハロン湾の遊覧中にもインターネットにアクセスすることができるようになる。
 現在までに無料Wi−Fiスポットが設置されているのは、ティエンクン(Thien Cung)鍾乳洞、ダウゴー(Dau Go)洞窟、ティトップ(Titop)島の3か所。ただし、現時点では通信が安定していないという。同市は年内にもハロン湾の各観光地で無料Wi−Fiスポットを増設する予定だ。
 また、監視カメラは湾上の17か所に設置し、観光客の安全を守るべく24時間体制で本土へ映像を転送する。




米国、ペイズリー・ファイブ・マイル・ポイント洞窟で最古のトコジラミ化石を発見(2017/4/5 AFP通信より入手)
世界最古のトコジラミ、米オレゴンの洞窟で半化石発見

【アメリカ合衆国・フロリダ州マイアミ発】
 米国の洞穴で最古のトコジラミの半化石が発見された。この大昔の生物は現代のトコジラミとは異なり、人の血液を餌にはしていなかった。研究者らが4日、明らかにした。
 米国昆虫学会(Entomological Society of America)の衛生昆虫学誌「Journal of Medical Entomology」に掲載の研究論文によると、オレゴン(Oregon)州南部のペイズリー洞窟(Paisley Five Mile Point Caves)で見つかったトコジラミ3種(学名:Cimex pilosellus、Cimex latipennis、Cimex antennatus」はすべてコウモリに寄生するもので、半化石となっていた。5100年から1万1000年前のものだという。
 これまでに知られている最古のトコジラミは3500年前のもので、1999年にエジプトで発見された。
 研究論文の共同執筆者で、古代昆虫の特定を専門に行う「Paleoinsect Research」を率いるマーティン・アダムス(Martin Adams)氏は、今回発見された種について、現代のトコジラミ(学名:Cimex lectularius)の近縁種と特定。ただ、「私たちがよく知っている、ホテルの客室にいるトコジラミとは違う」語った。
 人に寄生するトコジラミとネッタイトコジラミ(学名:Cimex hemipterus)の2種は、数千年前の欧州およびアジア、アフリカで人がコウモリと洞穴を共有した時期に人を宿主とすることに順応したと考えられている。
 オレゴンで見つかったトコジラミに同様の変化が見られない理由については不明という。

※ペイズリー・ファイブ・マイル・ポイント洞窟(Paisley Five Mile Point Caves)はペイズリー洞窟群(Paisley Caves)のひとつ。2014年にアメリカ国立史跡に登録されている。




平尾台、千仏鍾乳洞付近で火災発生(2017/4/5 産経新聞より入手)
北九州「千仏鍾乳洞」付近で山火事 甲子園8個分30ヘクタール以上焼失

 4日午後2時ごろ、北九州市小倉南区の平尾台にある観光地「千仏鍾乳洞」付近で煙が出ているのを通行人が見つけ、119番した。市消防局によると、この山火事で、甲子園球場約8個分の30ヘクタールを超える広さの原野が焼失。約20時間後に鎮火した。けが人はいないという。
 夜間は消火活動を中止していたが、市消防局のヘリコプター1機と消防車3台が5日朝から活動を再開した。
 現場はJR日田彦山線石原町駅の南東約5キロ。付近に住宅はない。




独国、ドナウ−アッハ・システムで欧州初の洞窟魚を発見(2017/4/4 AFP通信より入手)
ドイツでダイバーが見つけた珍魚、欧州初の「洞窟魚」と確認

【アメリカ合衆国・フロリダ州マイアミ発】
 ドイツ南部の鍾乳洞でダイバーが発見したピンク色の珍しい魚が、欧州で初めて見つかった「洞窟魚」だと確認された。光の届かない洞窟や地下水脈に生息する洞窟魚はこれまでに世界で150種以上発見されているが、欧州と南極大陸では確認されていなかった。研究者らが米科学誌カレント・バイオロジー(Current Biology)に発表した。
 この魚はバルバトゥラ属のドジョウの一種。ダイバーのヨアヒム・クライゼルマイヤー(Joachim Kreiselmaier)さんが2015年8月、ドイツ南部にあるドナウ(Danube)川とアーハの泉(Aachtopf)の水系が合流する辺りにある鍾乳洞内で発見。写真を撮って専門家らに見せた後、現場に戻って捕獲し、調査を依頼した。
 研究者らは、このドジョウの形態的・遺伝的特徴を同じ鍾乳洞内の水面近くを泳ぐ魚と比較した上で、このドジョウが「隔離された個体群であり、欧州初めて見つかった洞窟魚」と確認した。
 発見されたドジョウは暗闇に生息しているため、目は小さく退化し、他の魚と比べて体の色素も極端に薄い。専門家らによると、過去2万年の間に出現したとみられるという。

カレント・バイオロジー ウェブサイト(The first European cave fish)




チェコ、世界最深水中洞窟ハラニカ深淵で記録更新への動き(2017/4/4 ロイター通信より入手)
チェコの世界最深の洞窟、再調査でさらに深い地点到達へ

【チェコ共和国・プラハ発】
 昨年9月にチェコで発見された世界一深い水中洞窟について、ダイバーチームが再調査を準備している。前回確認されたよりも深い地点まで到達できると見込まれるためという。
 この洞窟は、ハラニカ深淵と呼ばれる石灰岩の水中洞窟で、プラハから300キロ東方に位置する。昨年9月の調査では、地下404メートルに潜水ロボットが到達している。
 チェコ洞窟学会のMichal Guba氏は、ロボットのコードの長さが足りず、底まで到達しないまま調査が終了したと説明。またダイバーの1人によると、ロボットは浮上中にコードが絡まってまだ水中にとどまっていて、4月の再調査で回収できる可能性に期待していると述べた。
 ダイバーは「岩盤は深さ1.2キロあるが、500メートルまで到達できれば満足だろう」と述べた。
 これ以前に世界最深とされたのは、イタリアのポッツォ・デル・メッロ洞窟で、深さは392メートル。

※ハラニカ深淵(Hranicka Propast)はオロモウツ州プルジェロフ郡ハラニツェのHurka U Hranic国立自然保護区内にある。この調査プロジェクトにはナショナルジオグラフィック協会より資金提供がされている。
ナショナルジオグラフィック・日本版公式ウェブサイト(2015年9月9日付記事 チェコの水中洞窟、深さ世界一の可能性)
チェコ洞窟学会公式ウェブサイト





「ケイビングジャーナル第59号」発行(2017/4/1 入手)
ケイビングジャーナル59号 日本洞窟学会のケイビング情報誌「ケイビングジャーナル」の第59号が発行された。A4サイズ54ページ。600円(税込/日本洞窟学会々員には送付)。
 国立科学博物館で開催された特別展「世界遺産ラスコー展」、台風被害を受けた龍泉洞、日本洞窟学会企画運営員会主催の東日本洞窟談話会とSRT講習会、暗闇撮影に特化したデジタルカメラ、ハワイで開かれた国際火山洞窟学シンポジウム、学術講演会要旨集などが掲載されている。内容は以下の通り。
 ・グラビア
 ・スペレオニュース
 ・イベントカレンダー
 ・世界遺産ラスコー洞窟壁画展レポート
 ・平成28年台風10号による龍泉洞被害状況と今後の予定
 ・遂に開催、東日本洞窟談話会!
 ・第1回秋吉台SRT講習会参加記録
 ・Dynamic Caving!カシオ新型カメラ「EXILIM FR110H」試用レポート
 ・第17回国際火山洞窟学シンポジウム参加報告
 ・苅田町平尾台大会学術講演会要旨集
 ・洞窟書籍新刊紹介
 ・プロジェクトボード
 ・編集部からのお知らせ
 日本洞窟学会会員以外の購読希望者は、ケイビングジャーナル編集部caving_journal@cj.dojin.comまで。定期購読年3冊分2700円も可能。ODBOX 本店(上野)、カモシカスポーツ 山とスキーの店(高田馬場)、竜ヶ岩洞(浜松)、まえちゃんねっと〜よろず販売〜(オンラインショップ)でも購入可能。
 なお、前編集長が突然辞任したことにより、本号は臨時編集長となっている。

ケイビングジャーナルウェブサイト




「山口ケイビングクラブ会報 第52号」発行(2017/3/31 入手)
 山口県秋吉台を拠点とする「山口ケイビングクラブ」の年次研究報告が発行された。B5サイズ64ページ。内容は以下の通り。
 ・ケイビング情報
 ・山ケイ洞窟救助訓練会24に参加して
 ・北九州市満干谷間欠冷泉の水温と流量からみたカルストの水理構造
 ・大正洞−犬ヶ森の穴の三次元構造とその成因について
 ・新しい解釈からの北部秋吉台の洞窟発達史
 ・秋吉台の洞窟形成研究における最近の発展
 ・大正洞洞窟群の地形と形成過程巡検報告
 ・フレアチックループとエピフレアチックでの洞窟発達
 ・北部秋吉台の洞窟発達史
 ・パラジェネシス論議2
 ・山口大学洞穴研究会一回生雑感
 ・国際洞窟写真家会合について
 購入・問い合わせは山口ケイビングクラブ事務局(秋吉台科学博物館内/TEL0837−62−0640 Fax0837−62−0324)まで。一部のバックナンバーも取り揃えている。

山口ケイビングクラブ ウェブサイト




カルスト切手「Mine秋吉台ジオパーク」発行(2017/3/31 入手)
 日本郵便株式会社中国支社より3月31日、オリジナルフレーム切手「Mine秋吉台ジオパーク」が発行された。そのうちの1枚が観光洞「秋芳洞」、2枚が「秋吉台」。
 2015年9月に日本ジオパーク認定された美祢市内に2016年12月3日、Mine秋吉台ジオパークセンター「カルスター(Karstar)」がオープンしたことを記念して製作されたもの。この施設は「秋吉台カルスト展望台」に隣接して建てられたもので、観光案内、休憩スペース(約50席)、カフェを併設し、ジオパークに関する様々な情報を発信している。
 切手デザインは「秋芳洞」がリムストーン「百枚皿」、「秋吉台」がカレンフェルトと山焼き風景。他のものとしては、カルスター、大嶺炭田、別府弁天池、ヤベオオツノジカ骨格など。
 額面は82円。1シート10枚。販売価格は1300円。1000枚限定。山口県内の美祢市、萩市、長門市、阿武町の全郵便局、山口市内の地福局、生雲局、徳佐局、篠生局、嘉年局(計64局)及び「郵便局のネットショップ」にて発売。

郵便局のネットショップ
Mine秋吉台ジオパーク





「龍泉洞のあゆみ」発行(2017/3/31 入手)
 岩手県下閉伊郡岩泉町にある観光洞「龍泉洞」の歴史を記録した「龍泉洞のあゆみ」の第8版が発行された。
 1983(昭和58)年に初版発行された報告書の改訂版で、岩泉町経営となった1961(昭和36)年から55年間を掲載。
 近年は5年毎に発行され、今回は2012(平成22)年から2016(平成28)年までの5年分が追加掲載。東日本大震災対策としてのイベント増強(龍泉洞まつりを年3回へ)、龍泉洞キャラクター「龍ちゃん」「泉ちゃん」着ぐるみの作成、恋人の聖地認定、冬の集客増強への情報発信、龍泉洞園地の改修、恋人の聖地モニュメントの作成、地底湖LED照明の改修、台風第10号による被害と復旧修繕工事などが記されている。
 岩泉町発行。A4サイズ89ページ。関係者のみに配布。

龍泉洞ウェブサイト




ラスコー展、東北歴史博物館で開幕(2017/3/26 毎日新聞−地方版より入手)
ラスコー展 太古美術遺産に感嘆 多賀城で開幕/宮城

 フランスのラスコー洞窟の世界を再現した特別展「世界遺産ラスコー展 クロマニョン人が残した洞窟壁画」(毎日新聞社など主催)が25日、多賀城市高崎1の東北歴史博物館で開幕した。2万年の時を越え最新技術でよみがえった美術遺産に、初日から多くの人でにぎわった。
 約100人が出席した開会式では、同館の鷹野光行館長が「クロマニョン人がどんな環境で生活し、なぜ洞窟に高度な壁画を描いたかの謎に迫る展覧会。壁画発見の驚きと興奮を体感してほしい」とあいさつし、関係者がテープカットした。
 開幕と同時に観覧者が詰めかけた。夫婦で一番乗りした仙台市青葉区の医師、吉田洋一さん(64)は「壁画はすばらしいのひと言。現代に通用する芸術で、なぜ描いたか、宗教的なものを感じる」と驚き、京子さん(58)は「昔、教科書で見た壁画に出合え、生きていて良かった、の思い」と喜んだ。
 館内のホールには、地元の小学生らが昔の画材を使って描いた「現代版」の洞窟壁画もお目見えした。同展開催にちなみ同館と塩釜市の杉村惇美術館が、県内の若手画家らを講師に共同で開いた「体験教室」の作品で、全約600点を同展期間中に交代で展示する。
特別展は5月28日まで。観覧料は一般1500円、65歳以上・学生1400円、小中高生600円。問い合わせは東北歴博(022−368−0106)。

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東北歴史博物館ウェブサイト(世界遺産ラスコー展)





インドネシア、新たな洞窟壁画を発見(2017/3/22 じゃかるた新聞より入手)
古代壁画 再発見 人や動物描いた29点 壁画文化の存在裏付け スマトラ島ジャンビ州

【インドネシア共和国発】
 スマトラ島ジャンビ州サロラングン県ブキット・ブラン地区の洞窟2ヵ所でこのほど、人や動物を描いた計29点の古代壁画が新たに見つかった。調査を実施した国立南スマトラ考古学センター(南スマトラ州パレンバン市)が20日、発表した。
 スマトラ島では2009年、インドネシア国立考古学研究センターによる調査で、南スマトラ州オガン・コムリン・ウル県のハリマウ洞窟から古代壁画が初めて見つかり、古代壁画の文化はインドネシア国内東部でしか発展しなかったという定説を覆した。今回の発見は、同島各地に高度な壁画文化が存在したことの裏付けとなりそうだ。
 発見場所のブキット・ブラン地区はカルスト地帯で、少なくとも約20の洞窟がある。
 南スマトラ考古学センターによると、新たに見つかった壁画は、クルバル1洞窟の11ヵ所とスンガイ・ルルイ洞窟の18ヵ所。クルバル1洞窟では、入り口から高さ約4メートルの場所に描かれていた。
 ハリマウ洞窟で09年に見つかった壁画は網のような模様だったが、今回発見された壁画には人間やトカゲのような動物のモチーフが描かれているという。
 またハリマウ洞窟の壁画は赤色だが、今回見つかった壁画は白と黒色。顔料と水を混ぜたものを使用し、布で押し付けたり木炭でひっかいたりするなどして描かれたとみられている。
 同センター調査チームのルリィ・ファウジさんは「今回見つかった壁画は、新石器時代のオーストロネシア人が描いたと考えられる」と説明している。
 ブキット・ブラン地区にある16の洞窟からは先史時代の遺跡が見つかり、陶器などが出土しており、新石器時代以前から人類が生活していたと考えられている。
 スマトラ島では16年、西スマトラ州文化遺産・保護研究所(BPCB)が、同州タナ・ダタル県のシトゥンブで75、リンタウで150の古代壁画を発見した。またアチェ州中部アチェ県では、約8800年前と推定される先史時代の人骨などが見つかっている。




チャド、世界遺産の洞窟壁画に落書き(2017/3/20 AFP通信より入手)
訪問者が名前残す? チャド、世界遺産の洞窟壁画に落書き

【チャド共和国・ンジャメナ発】
 国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の世界遺産に登録されているチャドの洞窟壁画が、何者かによって落書きされたことが分かった。同国の閣僚が19日、AFPに明らかにした。一帯の壁画の大半は4000年前にさかのぼる。
 落書きされたのは、スーダンとの国境に近いチャド北東部の壮大な砂岩層、エネディ台地(Ennedi Plateau)のアルシ(Archei)の洞窟にある壁画。
 汚損状態を写真で確認したというマハマト・サレ・ハルーン(Mahamat-Saleh Haroun)観光・文化相によれば、壁画の上に訪問者が「複数の名前」を書き込んでおり、最も新しい落書きは今年1月のものだという。
 エネディ山塊(Ennedi Massif)の自然・文化的な景観は昨年、ユネスコの世界遺産に認定されている。
 ユネスコによれば、この世界遺産区域内の壁画の大半は4000年前のもので、キリンに似た動物などが生き生きと描かれている。サハラ(Sahara)砂漠に残る岩の芸術作品群としては最大級という。

※洞窟壁画は「エネディ山地:自然および文化的景観(Ennedi Massif: National and Cultural Landscape)」として世界遺産登録。




龍泉洞、6ヶ月半振りに観光再開(2017/3/19 時事通信より入手)
龍泉洞の観光再開=神秘的な地底湖楽しむ 台風10号被災、復活・岩手

 昨年8月の台風10号による豪雨の影響で閉鎖されていた岩手県岩泉町の鍾乳洞「龍泉洞」で、19日午前、観光客の入洞が再開された。「ドラゴンブルー」と呼ばれる神秘的な青色の地底湖を一目見ようと各地から多くの観光客が訪れ、町最大の観光名所に賑わいが戻った。
 龍泉洞は日本三大鍾乳洞の一つとされ、国の天然記念物にも指定されている。台風10号の豪雨で地底湖が増水し、照明設備などが被害を受けたが、約半年かけて修理。鍾乳石に被害は確認されず、濁っていた湖水も元の透明度を取り戻した。
 娘2人と来た青森市の団体職員木村秀雄さん(48)は「再開を心待ちにしていた。地底湖の水が澄んでいてとてもきれいだった」と満足げ。
 龍泉洞事務所の山下啓一さん(52)は「再開できて大変うれしい。『ドラゴンブルー』の地底湖の色を楽しんで」と話した。

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龍泉洞ウェブサイト





「季刊のぼろ Vol.16」にカルスト記事が掲載(2017/3/17 入手)
 九州密着の山歩き&野遊び専門誌「季刊のぼろ Vol.16」にて、平尾台が特集された。12〜53ページ。
 特集「飛び込め!春の平尾台」と題して、平尾台を4つのエリアに分けて徹底解剖。カルスト地形だけでなく、美しい花々やハイキングルートを紹介している。ケイバーは浦田健作氏の協力・執筆による「平尾台大解剖」「平尾台の不思議発見!」「地球の歴史を語る山」は必読。内容は以下の通り。
 ・平尾台の概略図
 ・AREA1 知られざるお花畑、南の台地に遊ぶ (堂金山〜不動山〜)
 ・AREA2 花後のオキナグサをめぐって、一番人気のメインロードをゆく
 ・珍しい野草との出会いを求めて(羊群原周辺)
 ・ 草刈りダンディズ
 ・AREA3 湿原と窟と草原の広谷台周辺を歩く(広谷湿原〜青龍窟〜)
 ・AREA4 展望雄大、空中遊歩の東尾根をたどる(貝殻山〜天狗岩〜)
 ・びっくり仰天の岩山、そこには巨大な白い滝があった!
 ・平尾台の歩き方
 ・レッツ地球観察ハイキング 平尾台大解剖
 ・平尾台の不思議発見!
 ・地球の歴史を語る山
 また、レギュラー記事「低山万歳!」 として、秋吉台の「龍護峰〜西ノ西山(山口県美祢市)」がハイキングルートとして掲載されている。
 西日本新聞社発行。A4サイズ144ページ。オールカラー。定価1,000円(税込)。3月17日発売。
 購入は西日本新聞ネット書店楽天ブックスAmazon.co.jpほかにて。





ラスコー展、東北歴史博物館の作業進む(2017/3/17 河北新報より入手)
<ラスコー展>慎重に洞窟壁画設置 25日開幕

 宮城県多賀城市の東北歴史博物館で25日に開幕する特別展「世界遺産ラスコー展」(東北歴史博物館、河北新報社、東北放送、毎日新聞社主催)の会場で、展示作業が慎重に進められている。
 特別展はフランス南西部ドルドーニュ県のラスコー洞窟の壁画を紹介。約2万年前のクロマニョン人が描いた牛や馬などの写実的で躍動感豊かな描写は洞窟壁画の最高傑作と称される。
 会場では専門家が見守る中、「黒い牝ウシ」「背中合わせのバイソン」など、最新技術で精密に再現した実物大の壁画が設置された。当時の狩猟具など貴重な出土品も並ぶ。
 特別展は5月28日まで。午前9時半〜午後5時。入館は午後4時半まで。入場料は一般1500円(前売り1300円)、65歳以上・学生1400円(同1200円)、小中高校生600円(同400円)。連絡先は東北歴史博物館022(368)0106。

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特別展「世界遺産 ラスコー展 クロマニョン人が残した洞窟壁画」ウェブサイト
東北歴史博物館ウェブサイト(世界遺産ラスコー展)





龍泉洞、町民らを対象に事前公開(2017/3/16 河北新報より入手)
<龍泉洞>浸水半年 ドラゴンブルー19日再開

 昨年8月の台風10号豪雨で浸水被害に遭って閉鎖し、19日に営業を再開する岩手県岩泉町の鍾乳洞「龍泉洞」で15日、町民やボランティア活動に携わった人への事前公開があった。
 復活した龍泉洞を見ようと、155人が訪れた。岩泉観光ガイド協会の案内で洞内を見て回り、ドラゴンブルーの澄んだ地底湖では歓声が上がった。
 台風豪雨で洞内は地底湖が6メートル以上増水。見学用通路や照明設備に被害が出て、約3900万円かけて復旧した。鍾乳石に大きな被害はなく、一時濁った水も本来の透明度を取り戻している。
 二升石小の全校児童17人も見学。5年の有原光昭君(11)は「鍾乳石が流されていないか心配していたけど、無事だったので安心した。地底湖は前よりきれいに感じる」と喜んだ。
 龍泉洞は国の天然記念物で日本三大鍾乳洞の一つ。事前公開は18日まで。再開後の営業時間は午前8時半〜午後5時。入場料は1000円(小中学生500円)。ガイドによる説明は20日まで無料。

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龍泉洞ウェブサイト





龍泉洞、阿部首相が訪問(2017/3/13 河北新報より入手)
<首相>岩手被災地視察「津波の怖さ再認識」

 安倍晋三首相は12日、東日本大震災と昨年8月の台風10号豪雨で被災した宮古市と岩手県岩泉町を視察し、「東北の復興なくして日本の再生なしが安倍政権の基本方針だ。できることは全て行い復興を進める」と記者団に述べた。
 岩泉町では台風10号豪雨の浸水被害で閉鎖し、19日に営業を再開する鍾乳洞「龍泉洞」の内部に入った。特産品のミネラルウオーターなどを味わい「東北全体の活力につなげるため、たくさんの人に岩泉を訪れてほしい」と話した。

※一部抜粋
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龍泉洞ウェブサイト





当麻鐘乳洞、洞窟貯蔵酒104本搬入(2017/3/10 毎日新聞/地方版より入手)
当麻 日本酒を鍾乳洞に搬入/北海道

 当麻町と高砂酒造(旭川市)が連携して売り出す日本酒「龍乃泉」の熟成のため、町内にある道指定の天然記念物、当麻鍾乳洞内への搬入作業があった、町提供。洞内が常に温度9度前後で湿度も一定と日本酒の保存に適していることに着目し、天然記念物にちなんだ新しい特産品として開発してきた。鍾乳洞での貯蔵酒は岩手県の龍泉洞であるが、全国的に珍しいという。作業には公募の「龍乃泉酔いしれ隊」ボランティアら38人が参加。720ミリリットル瓶12本入りのケース104個を手際よく鍾乳洞の入り口付近に運び込んだ。4月28日に1本3000円で売り出される。

※当麻鐘乳洞は「鍾」ではなく「鐘」の表記が正しい。
※日本酒・泡盛・ワインなどの洞窟貯蔵酒は龍泉洞(岩手県)の他にも、あぶくま洞(福島)、飛騨大鍾乳洞(岐阜県)、龍河洞(高知県)、玉泉洞(沖縄県)、金武鍾乳洞(沖縄県)がある。
当麻町ウェブサイト(当麻鐘乳洞)
高砂酒造ウェブサイト





奄美群島国立公園が誕生(2017/3/7 入手)
 34番目の国立公園として、鹿児島県「奄美群島国立公園」が3月7日に正式に指定された。
 国立公園の範囲は12市町村の陸・海域による約7万5000ヘクタール。鍾乳洞が分布する喜界島(七テイ釜など)、与路島(サンパツの穴など)、徳之島(銀河洞など)、沖永良部島(大山水鏡洞、銀水洞、昇竜洞など)、与論島(城極楽洞、赤崎鍾乳洞など)が含まれる。




「ナショナルジオグラフィック3月号」に洞窟記事が掲載(2017/2/28 入手)
 地球の素顔を伝えるビジュアルマガジン「ナショナルジオグラフィック 日本版 2017年3月号」の一項目に、ケイビング特集としては6年振りとなる「ウズベキスタン 底知れない洞窟へ」が掲載された。
 ウズベキスタン共和国の奥地、バイスンタウ山脈の石灰岩壁中腹に開口する洞窟「ダークスター(Dark Star)」は、洞口アプローチにロッククライミング技術やSRT記述な竪横複合洞。未踏部分が多く、隣接する別洞との連結も期待されている。ジョージア(旧称:グルジア)にある世界最深の「クルーベラ洞窟(Krubera Cave)」を越える筆頭候補とのこと。筆者は登山家マーク・シノット氏、写真はロビー・ショーン氏。78〜93ページ。
 日経ナショナルジオグラフィック社発行。A4サイズ142ページ。オールカラー。定価1,070円(税込)。2月28日発売。
 購入は書店ほか、オンラインストア日経BPストア、Amazon.co.jpほかでも可能。電子書籍版もある。

ナショナルジオグラフィック日本版ウェブサイト(ウズベキスタン 底知れない洞窟へ)




越国、外国人観光客が無断入洞未遂で処分(2017/2/28 VIETJO ベトナムニュースより入手)
クアンビン:世界遺産の洞窟に無断で立ち入った外国人3人を処分

【ベトナム社会主義共和国発】
 北中部地方クアンビン省にある世界自然遺産フォンニャ・ケバン国立公園で24日午前9時30分頃、外国人観光客3人がラオトゥオン渓流〜エン洞窟のコースに無断で立ち入っているところを同国立公園のパトロール隊に発見され、当局から行政処分を受けた。
 処分を受けたのは、米国籍の34歳、フランス国籍の29歳、 同じくフランス国籍の31歳の男性3人。3人はチケットも購入せず、ガイドもつけずにエン洞窟および世界最大のソンドン洞窟を観光しようとしていた。
 同国立公園の代表者は、保護具もなく専門のガイドもつけない状態で洞窟を探検することは生命に危険を及ぼしかねないと警告している。同省人民委員会は現在、旅行会社1社にのみエン洞窟とソンドン洞窟の観光ツアーの催行を認めている。




あぶくま洞、イルミネーション「宇宙物語」を延長実施(2017/2/28 読売新聞より入手)
広がる宇宙 発見…あぶくま洞

 田村市滝根町菅谷の観光鍾乳洞「あぶくま洞」で、「宇宙」をテーマにしたイルミネーションが行われている。3月20日まで。
 冬場の観光客を増やそうと毎年テーマを変えて行い、今回で3回目。洞窟入り口付近の天井一面に丸い透明の風船を飾り、青や黄色の電飾でライトアップしている。スペースシャトルや惑星の模型も展示し、洞内は幻想的な雰囲気に包まれている。
 午前8時半〜午後4時半(3月14日以降は午後5時まで)。高校生以上1200円など。問い合わせはあぶくま洞管理事務所(0247−78−2125)へ。

あぶくま洞ウェブサイト




青龍窟、洞窟専門ガイド講座を実施(2017/2/25 西日本新聞より入手)
「青龍窟」のガイド養成 苅田町の観光振興目指す 座学や現地踏破4月にもツアー [福岡県]

 カルスト台地・平尾台で最大級の鍾乳洞窟がある苅田町山口の青龍窟(国指定天然記念物)の地元ガイドを養成するため、同町で洞窟専門ガイド講座が開かれた。町の「地域おこし協力隊員」として活動する藤田紫(ゆかり)さん(38)=同町山口=が企画し、ガイド役を希望する7人が参加した。今後、定期的に研修を積んで観光客を案内し、地域おこしの一助にする考えだ。
 青龍窟のある同町山口は、藤田さんと住民が熱心に地域おこしに取り組む修験者の里「等覚寺(とかくじ)地区」にある。洞窟の総延長は推定約2キロで、年間平均気温は約15〜16度。氷河期のナウマンゾウなどの化石などが発見されたことで知られる。入洞には平尾台自然観察センター(小倉南区)や町、消防への届け出が必要で、一部立ち入りが禁止されている場所もある。
 藤田さんの話では、青龍窟の入洞は、同センターなどが行う企画がほとんどで、北九州方面からの参加者が多いという。1年半前に等覚寺地区に着任した藤田さんは「町にある名所を観光に利用できないか」と考えた。探検後は等覚寺地区の自然などにも触れてもらい、観光ルートの確立と地域おこしを目指して、専門性の高いガイドの養成に乗り出した。
 16日にあった講座には、青龍窟でナウマンゾウの化石を発見した浦田健作・日本洞窟学会副会長(58)=戸畑区=らが講師になり、藤田さんと「苅田ガイドの会」の30〜70歳の男女計7人が参加した。
 まず、町内の文化施設で青龍窟の概要などを学ぶ座学が開かれ、浦田さんが、地形や入る時の服装、洞窟内での注意、緊急時の対処法などを話した。かつて、入洞した大学生が身動きが取れなくなった事故が起きたこともあり「洞窟に入る際は、町や消防などの関係機関への連絡は必ず行い、安全を確保すること」と注意を促した。現地に移動して入洞後も浦田さんの説明を受け、時折水につかりながらも往復約400メートルを約2時間かけて踏破した。
 講習を受けた藤田さんらは4月にツアーを企画している。参加者の年齢などを考慮した上で、コースや距離を検討し安全性を重視する考えだ。藤田さんは「今後も技能を磨いて、安全で楽しい探検ツアーを実施したい」と話している。




ペツル製品にニューモデルとマイナーチェンジ(2017/2/21 入手)
 フランスのケイビング・クライミングギアメーカー「ペツル(PETZL)」の製品にニューモデルとマイナーチェンジが行なわれた。
 D型カラビナ「エスエムディ(Sm’D)」「エスエムディ ウォール(Sm'D WALL)」は新製品。汎用性が高いコンパクトかつ軽量なD型カラビナで、緊急用アッセンダー「タイブロック(TIBLOC)」やセルフジャミングプーリー「マイクロトラクション(MICROTRAXION)」をコード(細引き)でカラビナ本体に開いているホールに連結することで、器具を落とすのを防ぐこともできる。前者はロック機能付きで、ロッキングシステムはスクリューロックとツイストロックの2種。後者はロック機能なし。
 ロッキングカラビナ「オーケー(OK)」はモデルチェンジが行われた。より滑らかなデザインとなり、H型断面構造フレームによりグリップ性向上と軽量化が図られている。また、ロッキングシステムにボールロックモデルが加わった。
 コンパクトランプ「ティカ(TIKKA)」「ティキナ(TIKKINA)」「ジプカ(ZIPKA)」等、エマージェンシーヘッドランプ「イーライト(e+LITE)」もモデルチェンジが行われ、照射力・照射時間が向上した。また、コンパクトランプはリチャージャブルバッテリー「コア(CORE)」が使用できるようになった。
 価格や詳細な製品情報は、総輸入販売元潟Aルテリアまで。

潟Aルテリアウェブサイト
PETZLウェブサイト





墨国、クリスタルの洞窟で推定5万歳の休眠微生物発見(2017/2/21 ITmedia NEWSより入手)
5万歳の休眠微生物、巨大結晶の中で発見

【アメリカ合衆国発】
 とても美しいがひどく高温であることから、桃源郷とも地獄ともたとえられるメキシコの洞窟で、巨大な結晶に閉じ込められた推定年齢5万歳の生命体が発見された。
 メキシコのナイカ鉱山の洞窟で、休眠状態にある珍しい古代微生物が見つかった。米航空宇宙局(NASA)宇宙生物学研究所(NAI)のペネロペ・ボストン所長によれば、これらの微生物は鉄やマンガンなどの鉱物を栄養源にして生き続けることができたという。
 ボストン氏は2月17日、ボストンで開催された米国科学振興協会(AAAS)の年次総会でこの発見を発表し、「すごい生命体だ」と語った。
 この発見が確定されれば、地球上の極めて過酷な環境下でも微生物が生き延びられることを示す新たな一例となる。
 今回AAASの年次総会で発表されたのは、9年間にわたる研究の成果だ。この研究結果はまだ学術雑誌では発表されておらず、同業の研究者による相互評価も行われていない。ボストン氏は今後さらに、自身が蘇生させた微生物の遺伝子検査を研究室と現場の両方で実施していく方針だという。
 ボストン氏によれば、今回発見した40種類の微生物株と幾つかのウイルス株はいずれもあまりに風変わりな存在であるため、最近縁種とは遺伝子的に10%異なる。そのため、最近縁種との間には、人間とキノコほどの差があるという。
 ナイカ鉱山は鉛や亜鉛を産出する鉱山だが、現在洞窟は閉鎖中だ。深さは地下800メートル。鉱山会社が掘削を開始するまで、洞窟は外界から完全に遮断されていた。中には、巨大なクリスタルの結晶が林立する、大聖堂ほどの大きさの洞窟もあったという。研究者らは外界からの雑菌の侵入を防ぐために宇宙服の簡易版のような装備で調査を進めたが、洞窟内部がひどく高温なため、身体中にアイスパックを貼り付ける必要があった。
 ボストン氏によれば、チームのメンバーは皆、20分間ほど作業しては摂氏38度前後の"涼しい"部屋に逃げ込んでいたという。
 NASAの方針でボストン氏は17日の発表まで外部の同業者に研究成果を伝えずにきたため、研究者からはあまり意見は出なかった。だがボストン氏のパネル発表に研究チーム外から参加した南フロリダ大学の生物学者ノリン・ヌーナン氏は、納得のいく研究成果だと語る。
 「驚くことではない。生物学者の立場から言えば、地上の生命はそれだけタフで融通がきくということだろう」とヌーナン氏は語る。
 今回発見されたのは地球最古の生命体というわけではない。数年前には、別の研究グループがいまだに生き続ける推定年齢50万歳の微生物に関する研究結果を発表している。ボストン氏によれば、それらの微生物は氷と塩に閉じ込められていたが、今回の微生物は岩や結晶に閉じ込められていた点が異なるという。
 ナイカ鉱山の微生物の年齢は、クリスタルのどの位置に閉じ込められていたかとそのクリスタルの成長速度に基づき、外部の専門家が推定した。
 ボストン氏が調査している不思議な生命体はこれだけではない。同氏は、米国やウクライナなど世界各地の洞窟でよく見つかる微生物も研究している。硫酸銅を栄養源とし、ほぼ不滅とされている微生物だ。
 「今回の発見は、地球の生命がいかにタフかを示す新たな一例だ」とボストン氏は語る。




「日本の砿都」発売(2017/2/20 入手)
 日本各地の石灰石鉱山を紹介する「日本の砿都 石灰石が生んだ産業景観」が発売された。
 石灰石鉱山によって形成された町を「砿都」と称し、その産業景観(テクノスケープ)を550点もの写真と共に紹介している。単なる鉱区の写真集ではなく、その歴史や様々な文化まで紹介されててるため総合書的な色合いも強い。
 取り上げられている砿都は、上磯、東鹿越、尻屋、八戸、東山、大船渡、田村、葛生、日立、秩父、奥多摩、糸魚川、引佐、田原、美濃赤坂、本巣、藤原、伊吹、由良、新見、東城、美祢、宇部、高知、香春、苅田、津久見、八代、沖縄の29ヶ所。洞窟関係者にとっては馴染み深い町ばかりで、国内の石灰鉱山リストとしても価値がある1冊となっている。
 創元社発行。岡田昌彰(近畿大学教授)著。B5サイズ264ページ。オールカラー。定価3800円(税別)。2月20日発売。
 購入は書店、honto楽天ブックスAmazon.co.jp他にて。





龍泉洞、復旧作業が進む(2017/2/19 河北新報より入手)
<台風10号>龍泉洞 ドラゴンブルー復活

 暗い湖面に照明が沈むと、ドラゴンブルーの澄んだ青色が浮かび上がった。昨年8月の台風10号豪雨で浸水被害に遭って閉鎖している岩手県岩泉町の鍾乳洞「龍泉洞」で18日、地底湖を照らす水中照明の復旧作業があった。
 ボートに乗った作業員が照明をワイヤでつるして地底湖に設置。監視カメラの調整などを残し、洞内の復旧は大部分が完了した。
 営業再開は3月19日の予定。同15〜18日に町民や台風後に町内でボランティアに当たった人を対象に無料の内覧会を開く。
 龍泉洞は国の天然記念物で日本三大鍾乳洞の一つ。台風豪雨で地底湖が6メートル以上増水し、見学用通路や照明設備が水没した。鍾乳石に大きな被害はなく、一時濁った水も本来の透明度を取り戻した。
 町龍泉洞事務所の三上薫所長は「久しぶりにこの青を見て胸がいっぱいになった。ぜひ皆さんにもドラゴンブルーを見に来てほしい」と話した。

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1/20 龍泉洞、3月19日に営業再開へ
龍泉洞ウェブサイト





秋吉台、山焼きで男性焼死(2017/2/19 産経新聞より入手)
秋吉台山焼きでの男性死亡 市長「深くおわび」 乾燥注意報発令中

 山口県美祢市の秋吉台国定公園で19日午前、山焼き行事で枯れ草に火を付ける作業をしていた男性が炎に巻き込まれ死亡したことについて、美祢市は同日午後に記者会見し、西岡晃市長が「亡くなった方のご冥福をお祈りする。深くおわび申し上げる」と謝罪した。
 美祢署の調べによると、倒れている男性が消防団員に発見されたのは19日午前10時10分ごろ。男性は心肺停止の状態で、全身にやけどを負い、その後死亡が確認された。同署は遺体の身元の確認を進めるとともに、炎に巻き込まれたとみて原因を調べる。
 この男性の親族で、近くの飲食店で働く男性は「何も言えない。山焼きどころではない」と憔悴しきった様子で話した。
 下関地方気象台によるとこの日は県内全域に乾燥注意報が出ていた。しかし、市の山焼き実施本部は開催を決定。市によると、雪や雨が降った場合は順延と定めていたが、風や乾燥に関しては規定がなかった。
 火入れ作業は、午前9時半に一斉に開始。草原の周囲に立った地元住民がたいまつやガスバーナーで火を付け、現場には市職員や消防関係者が立ち会った。今年は例年より1時間ほど早く燃え終わった。
 秋吉台の山焼きは、草原の維持と生態系の保護が目的の恒例行事。日本最大級のカルスト台地が雄大に燃える様子が人気で、今年は約1万人の観光客が集まった。




内間木洞氷筍まつりが開催(2017/2/12 入手)
 岩手県久慈市山形町小国地区にある県指定天然記念物「内間木洞」にて2月12日(日)、恒例の「内間木洞氷筍まつり」が行われた。
 冬期間に洞内に発生する氷筍を見学するために、市内外から約420名(関係者を含む)が参加。「内間木洞氷筍観察会」では、参加者は案内人にガイドされながら洞内の一部を見学した。
 今年の氷筍は例年に比べて若干小振りだったが、洞口から入ってすぐのホール「千畳敷」には数十本の氷筍が確認できた。
 また、これに併せて内間木洞調査委員会は、昨年8月に発生した台風10号豪雨災害の被害確認を行った。
 「内間木洞」は現在、年3回の一般公開を除いて、調査目的以外の入洞は禁止されている。




内間木洞、氷筍が発達(2017/2/8 デーリー東北新聞より入手)
神秘的なオブジェ 「氷筍」見ごろ/久慈

 岩手県久慈市山形町小国地区にある鍾乳洞「内間木洞」で8日、天井から滴り落ちる水滴が地面で凍り、柱状に積み重なる「氷筍」が見ごろを迎えている。国内有数の規模とされる、完成度の高い自然の"氷のオブジェ"が並び、神秘的な世界を創造している。
 県の天然記念物に指定されている内間木洞は、総延長6350メートルで、国内で5番目に長い鍾乳洞として知られる。今冬の氷筍は寒さが影響し、最長で1.8メートルほどと例年より短めとなった。
 この日は地元の市立小国小(山本勉校長)の全校児童4人が見学。6年の清水畑未来さん(12)は「氷筍は透き通っていてきれい」と目を輝かせた。
 12日は毎年恒例の氷筍観察会が開かれ、一般公開される。受付時間は午前10時〜午後2時。入場無料。




ラスコー展、入場者数が20万人突破(2017/2/7 毎日新聞より入手)
ラスコー展 入場者数が20万人突破

 東京・上野の国立科学博物館で開催中の特別展「世界遺産 ラスコー展 クロマニョン人が残した洞窟壁画」(毎日新聞社など主催)の入場者数が7日、20万人を突破した。
 20万人目は東京都足立区のパート、黒木美佳さん(39)で、友人の竹内久美子さん(44)と来館した。記念セレモニーで林良博館長が同展の図録やオリジナルグッズを贈った。黒木さんは「昔の人が何を考えて描いたのか、思いをはせるひとときになった」と笑顔で話した。
 約2万年前に描かれたフランス南西部の世界遺産・ラスコー洞窟の壁画は、保護のため非公開になっている。同展では、最新技術で精巧に再現された牛やシカなどの壁画を鑑賞できる。19日まで。

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1/18 天皇皇后両陛下がラスコー展を見学
特別展「世界遺産 ラスコー展 クロマニョン人が残した洞窟壁画」ウェブサイト





秋芳洞・景清洞、光るブレスレットを配付(2017/2/6 山口新聞より入手)
美祢・秋芳洞と景清洞の入洞者に光るブレスレット

 美祢市観光協会は同市が誇る鍾乳洞、秋芳洞と景清洞に入洞する人に、光るブレスレットをプレゼントしている。
 「スターライトブレスレット」キャンペーンで、窓口で入洞券を購入する際に光るブレスレットを1人につき1個無料で配布。手首に着けて洞内を連なって歩くことで、移動する光の様子を楽しむことができる。自分自身が光を放ち「星」になってもらう参加型キャンペーンとして企画した。
 同協会は「新しい鍾乳洞の楽しみ方になっている。昼は暗闇に映えるブレスレットをしてワクワク気分で洞内を歩き、夜は秋吉台の美しい星空を眺めてほしい」と呼び掛けている。
 ブレスレットの配布は3月31日まで。残り約3万個が無くなり次第終了する。問い合わせは同協会(電話0837−62−0115)へ。

カルストドットコム ウェブサイト



「結晶洞窟の妖怪 Kindle版」発売(2017/1/29 入手)
 洞窟を舞台にしたSF短編小説「結晶洞窟の妖怪 Kindle版」が発売された。電子書籍専用。
 未確認生物捕獲専門チームの主人公たちが新たに発見された愛知県豊橋市内の結晶洞窟で謎の生物と出会うといった内容。メキシコのナイカ鉱山で発見された「クリスタルの洞窟(Cueva de los Cristales)」、民間伝承、怪物を題材としたもので、5〜15分程度でサクッと読める。作者は特撮テレビ番組「ウルトラQ」の世界観を目指したとのこと。
 豊橋市内には「嵩山蛇穴」「新穴」「地獄穴」などの石灰洞は複数あるが、もちろん結晶洞窟はない。  
 Amazon Services International, Inc.発行。関根清一 著。ファイルサイズ301KB(22ページ)。定価100円(税別)。1月29日発売。
 購入はオンラインストアAmazon.co.jpにて。購読には専用端末やパソコン、スマートフォン、タブレットなど(アプリは無料)が必要。





龍泉洞、3月19日に営業再開へ(2017/1/20 岩手日報より入手)
「春休みに龍泉洞観光を」 岩泉、3月19日再開

 昨年8月の台風10号豪雨で被災し、復旧工事のため閉鎖している岩泉町の龍泉洞は、3月19日に営業を再開する。大雨による増水で洞内の照明設備や電気機器が浸水。復旧のため機器などの入れ替えを進めており、地元住民や県内外のファンが同町の観光スポットの復活を心待ちにしている。
 町龍泉洞事務所によると、3月19日はオープニングセレモニーを行い、午前8時半〜午後5時まで営業する予定。再開前には、町民やボランティア関係者らが洞内を自由に見学できる内覧日を数日設ける考えだ。
 同事務所の三上薫所長は「県内の団体や児童らから年賀状で応援メッセージを頂き、感謝しきれない。春休み時期の再開で多くの観光客に足を運んでもらい、少しでも町に活気を戻し、元気を届けたい」と意気込みを語る。

龍泉洞ウェブサイト




韓国、万丈窟・金寧窟でクロアカコウモリを確認(2017/1/19 中央日報より入手)
漫画に登場する「黄金バット」が済州道の洞窟に…

【大韓民国発】
 漫画に登場するような「黄金バット」が韓国内で生息していることが分かった。
 18日、済州(チェジュ)の地元メディア「JNuri(ジェイヌリ)」の報道によると、済州世界自然遺産の万丈窟(マンジャングル)と金寧窟(キムニョングル)で胴が黄金色の赤いコウモリが発見された。赤いコウモリは絶滅危惧種T類で、国際自然保護連合(IUCN)の絶滅危惧種の関心対象として保護されている。
 韓国内でも天然記念物第452号として指定されている。
 赤いコウモリは2008年、済州道洞窟研究所の万丈窟学術調査によって非公開区間で1匹、2011年同研究所のモニタリングで1匹など、2匹が生息している姿が確認されたことがある。
 今回は、金寧窟で1匹がさらに確認された。
 赤いコウモリはヒナコウモリ科に属し、体の長さは4〜6センチで胴は黄金色を帯びており、翼の部分は黒色となっている。
 そのため、「黄金バット」や「クロアカコウモリ」とも呼ばれている。
 全世界で約1000種余りが存在している。
 そのうちの21種が韓半島(朝鮮半島)に生息しているものと把握されている。
 夜行性で雄雌の性別比が不均衡なことから1年に1、2匹の子を産む。
 生存個体数が少なく、まだ体系的な研究が行われていない。
 万丈窟と金寧窟は洞窟の入口が多数あり、冬季にも摂氏10度内外の温度を維持していることから、コウモリが冬眠するのに最適な条件を備えている。

※日本では長崎県対馬市でのみ棲息が確認されている。




Nintendo Switch「みんなでワイワイ!スペランカー」発売決定(2017/1/19 Impress Watchより入手)
Nintendo Switch用「みんなでワイワイ!スペランカー」発売日と価格が決定

 スクウェア・エニックスは、Nintendo Switch向け洞窟探検アクションアドベンチャー「みんなでワイワイ!スペランカー」を4月20日に発売する。価格は4,980円(税別)。
 本作は、コアゲーマからファミリーでも楽しめるアクションゲーム。前作の「みんなでワイワイ!スペランカーZ」をベースに、ゲーム史上弱小の主人公がパワーアップして登場する。
 新ハードのコントローラー「Joy-Con」を、その場で渡して、手軽にマルチプレイが楽しめるだけでなく、オンラインマルチプレイでは最大4人で洞窟探検もできる。なお、オンラインマルチプレイを楽しむ際には、インターネットに接続できる環境と「Nintendo Switch」向けオンラインサービスへの加入が必要。「Nintendo Switch」向けオンラインサービスについては、任天堂のホームページを確認してほしい。

※「スペランカー」は洞穴探検家が隠された財宝を求め、より深くへと進んでいくアクションゲーム。1983年にアメリカで誕生、日本では1985年にファミリーコンピュータ用ソフトとして発売された。わずかな段差から落ちてもミスとなる難易度から「ゲーム史上最弱の主人公」と呼ばれ、ゲームファンから親しまれている。
みんなでワイワイ!スペランカー ウェブサイト
任天堂ウェブサイト





天皇皇后両陛下がラスコー展を見学(2017/1/18 毎日新聞より入手)
両陛下「ラスコー展」見学

 天皇、皇后両陛下は18日、東京・上野公園の国立科学博物館で開催中の特別展「世界遺産 ラスコー展 クロマニョン人が残した洞窟壁画」(毎日新聞社など主催)を見学された。
 壁画は約2万年前にクロマニョン人がフランス南西部のラスコー洞窟に馬や牛などを描いた。現在は劣化を防ぐために洞窟には立ち入れない。
 特別展では現代の技術で精巧に再現された壁画を間近で確かめることができる。また、クロマニョン人が使ったランプや石器の実物も展示されている。
 天皇陛下は説明役の海部陽介・同館人類史研究グループ長に、壁画に描かれている場面などを質問しながら見学し「良い展覧会をされましたね」と感想を述べた。展示は2月19日まで。問い合わせはハローダイヤル(03−5777−8600)。

特別展「世界遺産 ラスコー展 クロマニョン人が残した洞窟壁画」ウェブサイト




「洞窟ばか」発売(2017/1/11 入手)
 ケイバーの吉田勝次氏によるノンフィクション・エッセイ「すきあらば、前人未踏の洞窟探検 洞窟ばか」が発売された。
 ケイビングクラブ「J.E.T」、アウトドアロケ事業「地球探検社」、ケイビングガイド事業「CiaO!」、ケイビングガイド育成事業「社団法人日本ケイビング連盟」などを主催する吉田氏の国内外での活躍を描いたもの。ケイビングにのめり込んでいった経緯、安家洞や霧穴などでのケイビング活動、ベトナムや中国などでの海外遠征、各事業の立ち上げ、自己流探検術、洞窟や探検の魅力などが面白おかしく、時に真剣に書かれている。
 堅苦しさは一切なく、一気に読める内容。ケイバーであれば楽しさ倍増の一冊となっている。
 扶桑社発行。四六判サイズ239ページ。グラビアカラー。定価1400円(税別)。1月11日発売。
 購入は書店、楽天ブックスAmazon.co.jp他にて。 電子書籍版もある。

J.E.Tウェブサイト
地球探検社ウェブサイト
CiaO!ウェブサイト
社団法人日本ケイビング連盟ウェブサイト





イスラエル、洞窟から十字架と燭台の線刻(2017/1/6 クリスチャントゥデイより入手)
イスラエルの洞窟で十字架と燭台の希少な彫り物発見 イエス時代のものか

 イスラエルの洞窟で、イエス・キリストが生きていた頃の時代に刻まれたとみられる十字架と燭台の彫り物が発見された。洞窟の壁に刻まれた彫り物を発見したのは、ハイキングをしていた男性3人で、昨年のクリスマス、ユダヤ教では「ハヌカー」と呼ばれる清めの祭りの時期に、古代ユダヤ時代の石灰岩地帯を歩いていたときに発見したという。
 発見者であるミッキー・バルカル、セフィ・ギボニ、イド・メロズの3人は、「イスラエル洞窟探検クラブ」のメンバーで、ユダヤの山地シェフェラに何百とある隠れた洞窟の調査に興味を持っていたという。3人が見つけた燭台の彫り物は7本枝のもので、キリスト教の象徴である十字架の彫り物と共に、洞窟内にある古代の貯水場の岩壁に刻まれていた。
 メロズさんは、「この地域には興味深い洞窟があると聞いていました。洞窟群を詳しく調べていくうちに、この洞窟に至ったのです。壁の岩の裂け目に彫り物がある洞窟で、とても印象的でした」と語った。
 「私たちが戻ろうとしていたとき、一見すると燭台のように見える彫り物を偶然見つけました。それが古代の燭台を描いたものだと分かったときには、とても興奮しました。その形はとても明瞭で、洞窟を出てからイスラエル考古学庁に連絡しました」
 燭台は3本脚のもので、紀元前530年から紀元70年までの第2神殿時代の神殿にあった代表的な燭台だという。この時代は、イエスが生まれて宣教活動をした時代とも重なる。
 十字架は燭台のそばに刻まれていた。洞窟の壁には他にも何かを示す彫り物があり、洞窟内で発見されている他の彫り物ともに、重要な意味があるものと考えられている。
 貯水場のそばには、ハトを育てるのに使われた多数のくぼみのある地下墓室がある。第2神殿時代には、ハトが神殿内のいけにえをささげる儀式に使われていた。
 イスラエル南部の都市アシュケロンの著名な考古学者、ザール・ガノール氏は、この発見を受けて次のように語った。
 「その場所には、紀元2世紀に反乱を起こしたバル・コクバの時代の建築物や隠れ家、またビザンツ帝国の時代にまでさかのぼる建築物があります」
 「燭台を刻んだ壁が見つかるのは珍しいことです。ハヌカーの時に発見されたことは、象徴的です。この重要な発見によって、第2神殿時代のユダヤ人社会に関する科学的調査が本格化するでしょう」
 「燭台は多分、水道設備が岩盤に刻み込まれた後に、貯水場に描かれたもので、恐らく第2神殿時代とバル・コクバの時代に、ユダヤ人居住地の住人が描いたのでしょう。十字架は、恐らく後の紀元4世紀ごろのビザンツ帝国時代に描かれたものでしょう」
 台は明らかに第2神殿時代のユダヤ人を象徴している。シェフェラでは、燭台の彫り物はこれまでに2つしか知られていない。1つは、ベトロヤの油搾り器の上に刻まれたもので、今回発見されたものと同じタイプの燭台が描かれていた。もう1つは、ベトグブリン近郊の埋葬群の中にある。
 ガノール氏によれば、他には、ベイトナティフで見つかった土器のランプに刻まれた燭台などがあるという。
 イスラエル考古学庁の広報担当者は、「この興味深い発見によって、この地域に関する考古学的情報や知識が一段と豊富になるため、イスラエル考古学庁はこの地域の調査を継続する方針です。発掘場所の保護と発見者たちの安全のために、発見された正確な場所は明らかにしていません」と語った。
 発見した3人に対しては名誉市民証が贈られ、イスラエル考古学庁が発見場所で行う考古学調査にも参加するよう招待されているという。




白国、ゴイエ洞窟群からネアンデルタール人の食人証拠(2017/1/4 AFP通信より入手)
ネアンデルタール人が食人、ベルギーの洞窟遺跡から証拠

【ベルギー王国・ナミュール州ゴイエ発】
 ネアンデルタール人がウマやトナカイを食べるだけでなく、共食いもしていたことを示す証拠が、ベルギーのゴイエ(Goyet)洞窟群の奥深くで発見された。
 発見した研究チームによると、約4万年前に生きていた成人または若者4人と子ども1人、新生児1人の人骨には、内部の骨髄を取り出すために切断、粉砕された明確な痕跡があるという。
 ベルギー人考古学者のクリスティアン・カセイヤス(Christian Casseyas)氏は、アルデンヌ(Ardennes)の森にあるこの遺跡内の渓谷の中腹に位置する洞窟をのぞき込みながら「ここで食人が行われていたことは、反論の余地がない」と話す。
 ゴイエ洞窟の人骨は、ネアンデルタール人が現生人類ホモ・サピエンス(Homo sapiens)に取って代わられ、地球上で絶滅を迎えつつあった頃の年代を示している。またネアンデルタール人は、ホモ・サピエンスとも交配していた。
 利口な現生人類によって絶滅に追いやられた原始的な穴居人と以前はみなされていたネアンデルタール人が実際には、死者の遺体を丁重に扱い、埋葬の儀式を行う洗練された人々だったことが、これまでの研究で明らかになっている。
 だが、ネアンデルタール人が死者を食べていたことを示す証拠も増えている。
 ネアンデルタール人による食人の事例はこれまで、スペインとフランスに存在した南欧のネアンデルタール人個体群でしか見つかっていなかった。
 ゴイエ洞窟群は、旧石器時代より住居として使われていた。全長250メートルに及ぶ洞窟の回廊部は、数メートル下を今も流れる小川のサムソン(Samson)川が石灰岩に穴を開けて形成した。




秋芳洞、台湾コラボ企画で入洞料金半額に(2017/1/1 山口新聞より入手)
美祢市と台湾、コラボ企画 双方観光地の入場券提示で観覧半額

 美祢市は台湾との交流事業の一つとして、同市の秋芳洞で台湾の野柳地質公園、野柳地質公園で秋芳洞の入場券を提示すると、観覧料が半額になる取り組みを1日から始める。観光交流促進事業の一つで、同市と同公園の管理、運営会社が共同で実施する。
 同市は2011年11月に台湾の南投県、13年4月に同県水里郷とそれぞれ友好交流の促進に関する確認書を締結。12年からは台湾に台北観光・交流事務所を置いている。
 市観光協会も野柳地質公園を管理、運営する新空間国際と14年に観光交流・学術促進に関する協定を締結。相互に観光地のパンフレットを置くなどして交流を進めている。
 秋芳洞は国内最大級の鍾乳洞で、美祢市にとどまらず山口県を代表する観光地の一つ。一方の野柳地質公園は台湾北端の海岸にあり、自然奇岩が多く並ぶ。東シナ海、南シナ海、黒潮の生態が交わることから海洋生物の宝庫としても知られる。秋芳洞入り口近くには、新空間国際から贈られた同公園の代表的な奇岩、クイーンズヘッドのモニュメントが飾られている。
 コラボ企画は、双方のチケットを窓口で提示すると観覧料が半額となり、大人の場合、秋芳洞は600円、同公園は日本円で約145円で入場することができる。市観光振興課は「このコラボ企画を美祢市、台湾、互いの観光地を知ってもらうきっかけにできれば。企画を通じて、観光交流人口の拡大を図りたい」としている。

カルストドットコム ウェブサイト
野柳地質公園ウェブサイト





龍泉洞、若水を神社奉納で復興祈願(2017/1/1 NHKより入手)
若水を奉納し台風被害からの復興祈る 岩手 岩泉町

 去年8月の台風10号で大きな被害を受けた岩手県岩泉町で、元日の朝一番に鍾乳洞でくみ取った縁起物の湧き水、「若水」が神社に奉納され、地元の人たちが町の復興を祈りました。
 日本三大鍾乳洞の1つ、岩泉町の龍泉洞は、去年8月の台風10号の豪雨で被害を受けて、今も閉鎖されていますが、町の第三セクターの生産会社が、鍾乳洞の湧き水を使ったミネラルウォーターの生産を去年10月に再開しました。
 元日の朝一番にくみ取る湧き水は、若水と呼ばれる縁起物で、新しい年を迎えた1日午前0時すぎに工場が動きだし、ボトルに入ったミネラルウォーター1万2000本余りが生産されました。
 このうち最初に出来上がった12本を会社の幹部が地元の神社に奉納して、町の復興を祈りました。
 生産会社の佐々木廣樹常務は「台風の影響で出荷ができなくなった時期もありましたが、無事に若水をお客様の元に届けることができてうれしいです」と話していました。
 龍泉洞は復旧に向けた工事が行われていて、今年3月中旬には観光客を受け入れるなど営業を再開する予定です。

龍泉洞公式ウェブサイト

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