巷の噂(2003年版)

ドイツ洞窟で象牙彫刻発見(2003/11/18 朝日新聞より入手)
「最古の名工」3万年前の象牙彫刻 ドイツの洞窟で発見

 ドイツ南西部の約3万年前の地層から、マンモスの牙でつくった最古級の彫刻が見つかった。欧州に現代人の祖先(クロマニヨン人)が定住した初期のもので、当時からすでに高度な技術を身につけていたことが裏付けられた。独チュービンゲン大のニコラス・コナード博士が18日発行の英科学誌ネイチャーで発表する。
 ドイツ・ウルム市の南西約20キロの谷間にある「ホーレ・フェルス洞窟」で見つかった。炭素の放射性同位体などを用いた年代測定法で、3万〜3万3000年前のものと分析された。
 いずれもマンモスの牙を彫り込んだもので、首を伸ばして翼をたたんだ姿の水鳥(長さ4.7センチ)と馬のような動物の頭(約4センチ)、ライオンのような頭をした半人半獣のヒト(2.5センチ)の3種類。
 水鳥の彫刻は特に精巧で、くちばしが円錐形にとがり、小さな目も彫ってある。背中には羽毛を表現したような筋も付いていた。表面が磨かれており、呪術的な目的で使われたとみられる。
 現代人の祖先は約10万年前にアフリカから中東に進出、約5万年前以降に欧州に到達したとされる。3万年前には、動物の骨で道具を作ったり、洞窟に壁画を描いたりしたことが知られている。これまでに洞窟壁画や、骨細工の人頭(約2万6000年前、チェコ)、楽器とみられる加工物(約3万年前、フランス)などが見つかっている。
 東京大学総合研究博物館の西秋良宏助教授(考古学)の話 年代をきちんと確定できた点が大きい。この作品の作者たちは、3万年以上前にすでに現代人的な行動様式を身につけていたことが示された。




日本洞窟学会事務局移転(2003/11/17 日本洞窟学会より入手)
 山口県美祢郡秋芳町・秋吉台科学博物館内にある日本洞窟学会事務局が、2004年1月1日付けで北九州市立自然史・歴史博物館内へ移転することになった。

〒805−0071 
福岡県北九州市八幡東区2−4−1 北九州市立自然史・歴史博物館 いのちのたび博物館内
日本洞窟学会事務局
рO93−681−1011 Fax093−661−7503
北九州市立自然史・歴史博物館 いのちのたび博物館ホームページ




ZOOMシリーズ廃盤へ(2003/11/2 入手)
【フランス共和国発】
 フランスのPETZL製ヘッドランプ、ズームシリーズ(ズーム、ズームハロゲン、ズームゾラ)が近々廃盤となる模様。 今後はディオシリーズ、ミオシリーズ、ミクロの3本立てとなる。
 また、ディオもそう遠くないうちにフルモデルチェンジされる模様。




円錐カルスト山地、国定公園への動き(2003/10/27 琉球新報より入手)
<県自然保護課>国定公園化で説明会

 沖縄県本部町、今帰仁村にまたがる円錐カルスト山地の国定公園指定に向けた県の説明会が21、22の両日、本部町山里区、今帰仁村今泊区の両公民館で開かれた。県自然保護課の担当者は「早ければ平成16年度中の指定を目指したい」との意向を示し、約1000ヘクタール規模の公園面積に世界遺産の今帰仁城跡も含めたいとの考えを明らかにした。
 公園計画は、カルスト山地の鉱山採掘計画に両町村で反対運動が起こり、本部町が「カルスト公園計画」を策定。これを受け県が本年度、既設の沖縄海岸国定公園への編入調査に着手した。
 両日の会合で県は「保護区域指定により採石など開発に規制がかかり、利活用の整備が可能になる」と説明。両地元側とも公園指定による採石規制に賛同したが、本部町山里区の説明会では、住民の一部から「地権者の土地利用を妨げる区域指定は困る」との意見が出された。これに対し県側は「現状の農業、住宅など土地利用はほぼ継続される」とし、地権者の意向を区域指定に反映させるとの方向性を説明した。
 一方、今帰仁村今泊区の住民らは「採石ができないよう強い規制のかかる区域指定にしてほしい」と要望した。県担当者は、同カルスト山地は「世界自然遺産級の評価がある」と説明。円錐カルストの「峰の上部」を、採掘が認められない「特別保護地区」に、「峰全体と重要なドリーネ」を、露天掘りが認められない「第一種特別地域」に指定するなどの基本方針を示した。
公園区域は本部町の山里、大堂、古島など九区、今帰仁村の今泊区を想定している。地元の意向を踏まえ本年度中に区域と保護区分の公園計画準備案を策定。来年度に県が申請し、年度内の指定を目指す。




聖嶽遺跡ねつ造疑惑、否定も肯定も困難(2003/10/26 読売新聞より入手)
 大分県本匠村・聖嶽(ひじりだき)洞窟遺跡のねつ造疑惑で、検証を進めていた日本考古学協会(会長=甘粕健・新潟大名誉教授)は25日、「ねつ造の否定あるいは肯定のいずれをも証明するに至らなかった」とする報告書を発表した。
 この問題は、東日本の旧石器ねつ造事件に絡んで週刊誌に取り上げられ、第1次発掘調査団長だった賀川光夫・別府大名誉教授(当時78歳)が自殺する事態に発展したことから、同協会の判断が注目されていた。
 1961〜62年の第1次調査で人骨とともに出土した「旧石器」(現存は13点)については、〈1〉石材である九州西部産の黒曜石は、旧石器時代には大分県南部には入っていなかった〈2〉縄文時代の石器が混在している〈3〉洞窟内にもかかわらず、石器に農具などの金属でついた傷があるなどの疑問点が研究者らから指摘されていた。
 同協会は、別府大に保管されている遺物や、第1次、第2次調査時(99年)の資料や報告書類を詳しく検討。〈1〉九州西部産の黒曜石が入る可能性は皆無とは言えない〈2〉違う時代の遺物の混在は堆積土層が薄い洞窟内では不自然ではない〈3〉金属器の傷は中世に、洞窟内で墓穴を掘った際についた可能性もあるなどを理由に、シロクロの判定は困難と判断した。




第16回日本鍾乳洞サミット開催(2003/10/10 河北新報より入手)
鍾乳洞で誘客を 岩手・岩泉でサミット

 第16回日本鍾乳洞サミット(日本観光鍾乳洞協会主催)が9日、岩手県岩泉町で開かれ、「鍾乳洞を保存し、観光客の誘致を図る」との共同宣言を発表した。
 岩泉町(龍泉洞)福島県滝根町(あぶくま洞)など鍾乳洞がある全国の7自治体の代表ら約70人が出席。「冬季料金を設定した」(山口県秋芳町)など、観光客の誘致策について情報交換した。
 基調講演した宮城大の天明茂教授は「自然や文化も含めて地域の魅力を観光客に提供すべきだ」と強調した。




ル−マニア洞穴で現代人化石発見(2003/9/24 読売新聞より入手)
欧州最古の現代人化石、ルーマニアで発見

【アメリカ合衆国・ワシントン発】
 ルーマニア洞窟研究所や米ワシントン大学(ミズーリ州)の国際研究チームは、私たちと同じ現代人(現代型ホモ・サピエンス)としては欧州最古となる3万6000〜3万4000年前の化石人骨を、ルーマニア国内で発見したと、22日の米科学アカデミー紀要(電子版)に発表した。
 約3万年前に絶滅したネアンデルタール人の特徴も併せ持ち、研究チームは「現代人の祖先がネアンデルタール人と交配していた可能性を示す」としている。
 化石はカルパチア山脈南西部の石灰岩洞窟で、昨年2月に下顎が、今年6月に顔面などが発見され、下顎に残されたタンパク質中の放射性炭素の分析で年代が判明した。年代が正確に特定できた現代人の化石としては欧州最古だという。顎の関節など多くの特徴は現代人とほぼ同じだが、親知らずが最大幅約1・4センチと大きく、顔や顎も大ぶりで、ネアンデルタール人とのつながりを示すという。
 ネアンデルタール人は現代人より古いタイプの化石人類。化石に含まれていたDNAの分析では、5、60万年前に現代人の系統と分かれて以来、我々の祖先と混血することはなかったとの結果が出ており、今回の発見が現代人の進化の解釈に一石を投じそうだ。




秋吉台で牛が防火帯造り(2003/9/22 共同通信より入手)
牛が草はみ、防火帯造り 山口県の秋吉台で試験

 日本最大のカルスト台地で知られる秋吉台国定公園(山口県秋芳町・美東町)で、毎春恒例の山焼きに必要な防火帯造りに牛4頭が一役買っている。県畜産試験場が進める、放牧による防火帯造りの実証試験だ。
 秋吉台の山焼きは牧草の芽吹きを促す目的で始まったとされ、現在は草原の保護を兼ねた観光行事として定着。周囲の草を刈り延焼を防ぐ防火帯造りは、周辺の集落が分担して作業してきたが、高齢化が進行。傾斜地での草刈りは重労働かつ危険なため、負担軽減策として放牧が提案された。
 同試験場は2001年から現地で試験を開始。03年度は総延長約17キロのうち2キロの部分に4頭を放した。牛は8月から来年1月まで石灰岩の間を縫ってススキやササを食べ、幅25メートルの防火帯ができると見込まれる。囲いには電気を流し、牛が外に出ないようにしている。




「河内の風穴」装備洗い場の変更(2003/9/14 入手)
 9月14日、河内風穴管理人との協議で指定されていた芹川本流とエチガ谷分岐より下流にて装備洗いをしていたところ、河内集落の住民よりクレームを受けた。
 この集落では夏季に川水を利用して農作物作業を行っているとのことで、集落入口である安養寺より下流にて行うように強く指導を受けた。
 以前も管理人事務所以奥エチガ谷での装備洗いにクレームがつき、現在の芹川本流となっていた。




「ごろごろ水」夜間吸水停止(2003/8/27 毎日新聞より入手)
日本名水百選「ごろごろ水」、夜間給水停止 天川村の洞川財産区
マナー無視に業煮やし 不届き者駐車場の鍵壊す

 日本名水百選に指定されている天川村・洞川湧水群の「ごろごろ水」が、今夏から午後6時〜翌午前8時(10月からは午前9時まで)の間、取水できないようにする措置がとられている。夜間に鍵を壊すなどして駐車場に入り込み、勝手に大量に水をくみ取る心ないケースが続出し、水利権者の洞川財産区が業を煮やした。財産区は「マナーを守って」と呼びかけている。
 ごろごろ水は、「五代松鍾乳洞」からわき出ている。以前は出口の取水場で自由にくめるようにしていたが、評判になるにつれて利用者が増え、取水場そばの県道に駐車して通行車とトラブルが起きるように。
 そこで、財産区は混雑緩和を狙って昨春、県道をはさんだ所有地に取水場を移し、今年4月、拡張してすぐ近くに管理所を兼ねた「ごろごろ茶屋」をオープン。23台収容の駐車場を設け、有料(1時間まで1台300円、2輪車100円)にした。当初は「常連の人は「駐車料金を負担するのは当然。取水がスムーズになった」と喜んでくれている」(財産区)と反応は上々だった。
 ところが、今度は管理所が無人になる夜間に、駐車料金の出費を惜しむ一部の利用者に狙われることに。当初、夜間は駐車場に鍵をかけて閉鎖していたが、水は流していた。それが、鍵を壊して侵入する事件が10日間で3回も発生。路上に駐車し、駐車場脇から侵入する不届き者も。
 財産区は一時、夜間無施錠にしたが、いたずら防止と他の客とのバランスなどを考え、この7月から夜間止水に踏み切った。
 今も、ペットボトルを何百個と持ち込んでくむ人もいるという。「他の人を待たせないように配慮してほしいのだが…」。マナーをめぐる利用者と財産区とのイタチごっこは今後も続くのか。




「あぶくま洞」で洞内演奏会開催(2003/8/15 毎日新聞より入手)
客呼び込んだ、洞内の演奏会

 福島県滝根町菅谷の観光鍾乳洞「あぶくま洞」でこの夏、雅楽奏者を招いた演奏会が開かれた。洞内での演奏会は初の試み。8000年の歳月が作り出した天然の大ホール「滝根御殿」に、笙と横笛が奏でる“いにしえ”の旋律が響いた。
 「お客様が来てくれるのを待つのではなくこちらから呼び込もうという企画。昨年は隣接するレストランで津軽三味線の演奏会を開いたが、前例踏襲では発展がない。今回は思い切って洞内にまで踏み込んでみた」と発案者の八田茂・あぶくま洞管理事務所長。上司の長山末次郎・町観光振興公社総支配人は「これまでもやろうと思えばできたはずだが、やってみようという発想がなかった」と言い添えた。
 「あぶくま洞」の運営を担うこの2人は、いずれもはえぬき職員ではない。同町が中堅ホテルグループから期限付きで派遣を受けたホテルマンだ。町観光課の白土哲二課長は「経営の方法を抜本的に見直すには、従来とは全く違った新たな視点からの取り組みが必要と判断した。入場者の減少傾向、特に96年以降の急激な落ち込みに対する危機感は大きかった」と民間マンパワー導入の背景を振り返る。
 「あぶくま洞」は、オープン初年の73年度から47万人もの入洞者を集め、3年目の75年度には100万人を突破。80年代半ばに50万人台に低迷したものの、90年度には71万人に回復した。町は入洞料収入などによる特別会計を設けて運営しているが、会計規模は最大で15億円に膨らみ、黒字分の一般会計への繰り入れは単年度で3億円にも上った。これまでの繰り入れ総額は50億円を超え、「あぶくま洞」は文字通りの宝の山となっていた。
しかし90年度を第2のピークに入洞者は減少の一途をたどり、01年には30万人にまで激減した。経営立て直しのため、長山氏らを迎え入れたのは、そんなどん底の時期だった。
 民間ノウハウを取り入れた公社は職員の意識改革を進め、これまでなかった販売部を設置して営業活動を強化した。東京に職員を駐在させ、旅行代理店にも営業をかけた。02年度は施設のリニューアル効果もあって36万人を集め、7年ぶりに増加に転じた。
 「今年が再生に向けた正念場。勢いを維持できれば、明るい未来がみえてくる」。白土課長は期待感を込めて話すが、これまでのところ、入洞者数は昨年実績をわずかに下回っている。年間入り込みの3割が集中する8月。30周年を迎えた「あぶくま洞」は勝負の夏を迎えている。




沖永良部島で大洞穴2洞確認(2003/8/19 大島新聞より入手)
1000メートル超の大規模鍾乳洞 新たに2ヵ所
沖永良部島 牧野浩典さんら 4人が島内調査で確認 珍しい「らせん状石筍」も

 東海大学講師で東京の亀戸ケイビングクラブ所属の牧野浩典さん(31)らが現在、沖永良部島で鍾乳洞の調査を行っている。18日までに、知名。和泊両町で1000メートルを超える大規模な鍾乳洞を新たに1ヵ所ずつ確認した。いずれも地元の住民には存在がしられているもののたが、未調査だった場所。そのうち1ヵ所では、世界的にも珍しい、らせん状の鍾乳石を発見したという。牧野さんら探検隊一行は、今回の調査成果を報告書にまとめる予定。




「大境洞窟住居跡」内部亀裂を現地調査(2003/8/12 毎日新聞より入手)
氷見市の国指定史跡「大境洞窟住居跡」 亀裂の内部を現地調査  検討委員会/富山

 氷見市の国指定史跡「大境洞窟住居跡」保存活用検討委員会(委員長・小島俊彰金沢美術工芸大教授、12人)の初会合が11日、同市教育文化センターで開かれた。同遺跡は内部に亀裂が発生しており、今後の修復工事などを検討していく。
 委員らは会議に先立ち、現在は一般の立ち入りが禁止されている内部に入り現地調査した。同史跡は昨年12月に亀裂が見つかり、同市が今後、同検討委の意見を聴き、具体的な修復工事や活用方法を検討、工事などに入る。
 同住居跡は1918年、洞窟内の土砂の中から人骨、土器、石器が多数見つかった。日本で最初に調査された洞窟遺跡で、縄文中期ごろから鎌倉時代ごろまでの6層が時代順に区別される。入り口は高さ約8メートル、幅約16メートル、奥行き約34メートルで内部はしだいに狭くなっている。

※関連記事
5/22 「大境洞窟住居跡」内部修復へ





龍泉洞珈琲にBLACKが新登場(2003/7/21 入手)
 2002年夏、岩手県下閉伊郡岩泉町の観光洞「龍泉洞」を中心に発売されている「龍泉洞珈琲」に、姉妹品としてブラックが登場していたことが分かった。
 日本名水百選「龍泉洞の水」と良質の手焼焙煎珈琲豆により、 コーヒー本来の味がしっかりと楽しめる傑作。コーヒー豆は、モカ・コロンビア・ペルーなど5種類の豆を使用。なお、「龍泉洞珈琲(レギュラー)」は2002モンド・セレクション世界大会で3年連続"金賞"を受賞しており、世界最高品質賞に輝いている。
 1缶190g120円、30本箱入り3600円。通信販売あり。問い合わせは株式会社 岩泉産業開発へ。




周口店近くの洞窟で古人類化石発見(2003/7/8 共同通信より入手)
2万5000年前の古人類化石 北京、周口店近くで発見

【中華人民共和国発】
 中国科学院は8日までに、北京原人などが見つかったことで有名な北京市郊外の周口店遺跡近くにある洞窟遺跡「田園洞」で、旧石器時代後期の約2万5000年前の古人類化石が見つかったと発表した。
 周口店遺跡からは同時代後期の山頂洞人(約1万8000年前)が見つかっているが、化石は日中戦争の時期にほとんど失われており、この時代に北京市周辺で人類が活動していたことを実証する貴重な発見という。
 化石は、営林署職員が水源を探すため洞窟に入って発見。男性の遺骨とみられ、頭骨を除く全身の骨片が見つかった。周囲には26種類の哺乳類の化石もあった。
 中国科学院の陳宜瑜副院長は「10万年前から2万年前の時代は現代人、特に東アジアの現代人の進化を研究する上で重要な時期であり、貴重な化石だ」と話している。




イギリス初の氷河期の洞窟壁画発見(2003/7/4 ロイター通信より入手)
氷河期の洞窟壁画発見、英国初

【グレートブリテンおよび北部アイルランド連合王国発】
 英国中部ノッティンガムシャー州クレスウェル・クラッグスの洞窟で、1万2000年前にさかのぼる洞窟壁画が発見されたことが分かった。
 イングリッシュ・ヘリテージが明らかにした。
 英国で氷河期の洞窟壁画が発見されるのは、今回が初めて。
様式は、フランスのラスコーやスペインのアルタミラの有名な洞窟壁画と類似。氷河期の洞窟壁画としては最北端の発見となる。
 今回の壁画は考古学チームに3ヶ月かけて発見され、ノヤギ2匹とバイソン1頭のほか、馬の一部や鳥、幾何学模様が描かれているという。

※イングリッシュ・へリテージとは、1984年に環境省から独立民営化された史跡保護組織。




新酒「無法松“青龍”」限定発売(2003/7/4 入手)
 福岡県小倉南区大字新道寺、「無法松酒造有限会社」は4日、小倉祇園祭に合わせた新酒「美味仰天 無法松“青龍”」を北九州市内で限定発売する。
 名称は同酒造近くの平尾台「青龍窟」にちなんで付けられた。
 県産米のレイホウを使った特別純米吟醸酒。辛口、さらっとしたタイプ、やさしい香り。
 問い合わせは無法松酒造 093−451−0002へ。




オーストラリアで4000年前の洞窟壁画発見(2003/7/2 共同通信より入手)
 オーストラリア・シドニーの北西約100キロにあるウォレマイ国立公園の原野で、最古のものは4000年前にさかのぼる先住民アボリジニの洞窟壁画が発見され、オーストラリア博物館が2日までに写真を公開した。
 オーストラリア東部の洞窟壁画としては極めて大規模で、保存状態も良好なことから、同博物館は「先住民文化を知る上で貴重な発見」としている。
 壁画は人間の手を描いた最古のものから、半人半獣の群像、トカゲ、カンガルー、ウォンバットの精密画など計203点。洞窟内に白、赤、黒、黄の4色で12層にわたって重ね描きされ、最も新しい作品は19世紀のものとみられるという。
 洞窟は1995年にキャンプをしていた人が発見。その後、公園内で森林火災や洪水が発生したため、今年、学術調査が行われた。
 調査に当たったポール・テイスン氏は「神話や伝承を受け継ぐ特別な場所だったのだろう」と指摘。「衛星利用測位システム(GPS)や四輪駆動車のない大昔、原野の中にある一つの洞窟を、移動を繰り返す先住民が忘れずに覚えていたというのは驚くべきことだ」と話している。ニューサウスウェールズ州は洞窟の場所を明らかにせず、非公開とする方針。




「あぶくま洞」開洞30周年(2003/6/3 河北新報より入手)
自然の造形輝いて30年 あぶくま洞開洞記念式

 造形の種類と数では東洋一とも言われる鍾乳洞「あぶくま洞(福島県滝根町菅谷)」が観光鍾乳洞としてオープンしてから30周年を迎え、記念式典が1日、現地で行われた。同町の観光振興に貢献した個人や団体への感謝状贈呈も行われ、今後の一層の発展を祈念した。
 式典には近隣の町村長や商工会、住民らが出席。博多祐輔町長が「県内を代表する観光地の一つとして親しまれてきた。観光収益が公共施設や福祉の増進など町民生活に貢献し、星の村開村など今日の滝根を構築した」とあいさつした。
 「あぶくま洞」は全長約600メートル、8000万年で造られたと言われ、1973年に観光施設として開設された。天井からの大きな鍾乳石やタケノコのような石筍など貴重な造形が多い。2001年に調光システムなどを導入しリニューアルされ、現在まで1860万人が訪れている。




フェルナンド・ペツル氏死去(2003/6/2 入手)
【フランス共和国発】
 ケイバーであり、ケイビング・ギア・メーカー「PETZL」設立者であるフェルナンド・ペツル(Fernand Petzl)氏が5月31日、長い闘病生活のすえに死去した。91歳。
 ペツル氏は1942年に初めてナイロン製ロープをテスト、その後ケイビング用ワイヤーラダーを製造した。
1956年には「ベルジェ洞窟」(フランス・イゼール県)調査に参加、当時世界最深であった−1,122メートルを記録した。
 また、彼の工房ではディッセンターやアッセンダーなどのケイビング・ギア・プロトタイプを次々と発明、同僚ケイバーからアドバイスを受けることにより、より完成度の高いものへと微調整を繰り返した。
 1970年代半ばには「PETZL」設立、世界中のケイバーから愛用されるギア・メーカーとなった。




宮城沖地震の影響 「龍泉洞」プール白濁(2003/5/29 読売新聞より入手)
地震で天然記念物「龍泉洞」の地底湖が白濁 /岩手

 東北地方を襲った地震で、国の天然記念物に指定されている岩手県岩泉町の鍾乳洞「龍泉洞」の地底湖の壁が崩れ、国内有数の透明度を誇る湖水が白濁していることが28日、わかった。濁りが取れるまでには1週間程度かかるという。
 管理する町事務所によると、白濁を確認したのは、同町で震度5弱の揺れを記録した地震翌日の27日。4つある地底湖のうち、一般公開中の3つで、水面下数メートルから湖底が白濁して見通せない状態になっていた。龍泉洞に詳しい前岩手県立博物館学芸調査員(地質学)の柳沢忠昭氏は「地震で洞内の粘土質の壁が崩れ、水に溶けたのでは」と話している。




「大境洞窟住居跡」内部修復へ(2003/5/22 毎日新聞より入手)
氷見市の国指定史跡「大境洞窟住居跡」、内部で落盤の恐れ 本格的な修復へ/富山

 氷見市の国指定史跡「大境洞窟住居跡」の内部3ヶ所に落盤の恐れがある大きな亀裂があることが、このほど実施された同市の亀裂調査で分かった。市は内部への一般の立ち入り禁止を続け、近く本格的な修復を図る。
 同住居跡は1918年、内部にあった神社本殿改築のため洞窟内の土砂を取り除いた際に、人骨や土器、石器類が多数出土したため、遺跡と確認された。日本で最初に調査された洞窟遺跡で、埋蔵物を出土した6つの層が、縄文時代中期ごろから鎌倉時代ごろにかけて時代順に区別出来たことが、貴重とされた。入り口は高さ約8メートル、幅約16メートル、奥行き約34メートル。
 昨年12月に亀裂が見つかったため、市が調査したところ、正面から向かって右側の壁に厚さ約20pの剥離した岩の塊があり、その周囲に亀裂があった。また正面の天井の幅約1メートル、長さ1.5メートルの岩の周囲にも亀裂が見つかった。さらに、内部の防護ネット内にも落石があった。
 同市は、岩盤内部の調査が必要と説明。ボーリング調査などをして、そのあと修復方法を検討する。




山東省で地下大峡谷を発見(2003/5/6 新華社通信社より入手)
山東、稀少な地下大峡谷を発見

【中華人民共和国・済南発】
 0.65億年〜2.3億年前に形成された地下大峡谷が先頃、山東省沂水県で発見された。専門家の話によると、この大峡谷は北西から南東への巨大なカルストの亀裂に沿って形成された。
 新しく発見されたこの大峡谷は沂水県の九頂蓮花山のふもとにあり、調査によると長さ6100メートル、最高の高さが30メートルとなった。洞窟内では水がさらさら流れ、鐘乳石はいろいろな形を見せ、石筍、石滝、石花などは本物そっくりである。中国の華北地域では珍しいとされる洞窟内に長く、曲がりくねった川がある。
 現在、現地政府は峡谷の形状に対して旅行開発案を打出し、企画面積が3.8平方キロ、総投資額が8000万元、そのうち、陸上景勝地が一河、五関、六滝、七峡、九泉、十二宮などの160数ヶ所を含み、また、水上観光計画に500メートルの洞窟内漂流がある。




奥秩父で中規模鍾乳洞発見(2003/5/3 パイオニアケイビングクラブより入手)
 2003年4月19日(土)、埼玉県秩父郡大滝村中津川支流藤十郎沢東谷でPCCが行った藤十郎沢第2次洞窟探索において、奥秩父地域の石灰洞としては中規模レベルの新洞穴が発見されました。PCCでは、この新洞穴をとりあえず「藤十郎沢鍾乳洞」と命名しました。
 2003年4月27日(日)にPCCが行った藤十郎沢鍾乳洞第2次探検ケイビングの終了時点では、新洞穴の測線延長は200メートル以上、高低差は20メートル前後と推測されています。
 新洞穴は、その規模は大きくはないものの、主洞が上下にアップダウンし、東西につづれ折れになった特徴的な形状をしています。洞口からしばらくは中腰ないしは葡匐で移動しなければなりませんが、洞奥では立って移動することが可能です。とくに最奥部の縦穴部分はミニ「ケイ谷洞」の雰囲気が漂っています。
 現在の洞穴内に水流はありませんが、複数の甌穴が旧流路沿いに残存していますので、昔はそこそこの水流があったことが推測できます。洞内の堆積物、洞壁や洞床の様子、洞穴の位置から考えて、藤十郎沢東隣の石舟沢にある石舟沢鍾乳洞よりは古い時代に形成された洞穴ではないかと思われます。
 また、この地域の洞穴としては、つらら石、石筍、カーテンなどの二次生成物が比較的多く、とくにヘリクタイトの数の多さは特筆に値します。

※パイオニアケイビングクラブ ホームページより転記




南ア洞窟で猿人の頭骨化石発見(2003/4/25 共同通信・毎日新聞より入手)
 南アフリカ・ヨハネスブルク近郊の「ジャコーベック洞窟」で約400万年前の猿人アウストラロピテクスの化石を発見したと、南ア・ウィットウォーターズランド大と米国のグループが25日付の米科学誌サイエンスに発表した。
 アウストラロピテクスとしては、ケニアで見つかったアナメンシス猿人とほぼ同年代の、最も古い化石になるという。
研究グループは「発見された鎖骨や大腿骨などの特徴は多様性に富んでおり、当時、この地区に形態の違った猿人が住んでいた可能性がある」としている。
 グループは、過去にも多くの化石が出土しているスタークフォンテーン地区の洞窟で、1997年から2001年にかけて頭骨を含む大量の猿人化石を発掘。宇宙からの放射線が当たってできたアルミニウム26などの崩壊率を手掛かりにした新しい年代測定法で分析した。
 1997年に出土した化石は、従来の測定法で約300万年前のものとされていたが、今回の分析でさらに約100万年さかのぼることが分かったという。
 アウストラロピテクスはヒト科の最も古い祖先で、初めて直立2足歩行をした。




国内最大級の海底鍾乳洞発見(2003/4/16 琉球新報より入手)
 沖縄県恩納村の万座毛近海の水深28メートル地点に、国内最大規模とみられる海底鍾乳洞があるのを同村でダイビングショップを営む広部俊明さん(37)が発見した。総延長は確認できただけで約640メートルあり、さらに奥に続く。これまで国内最大といわれた久米島町沖の海底鍾乳洞「ヒデンチガマ」の総延長487メートルを大幅に上回る規模だ。
 木村政昭琉大教授は、「国内最大総延長の久米島町の鍾乳洞を大幅に上回る大変な発見だ」と話す。恩納村は「観光資源としての利用も考えられ、保存の方法や調査の支援を考えたい」としている。
 広部さんは、1998年4月に同鍾乳洞の入り口を発見。2002年8月から本格的な調査を始め、これまでおよそ70回の潜水調査を進めた。
 内部には、エビやカニなども生息し、広部さんは「新種の可能性がある」として映像に収め確認を進めている。海底鍾乳洞は「広部ガマ」と命名した。
 広部さんは「鍾乳洞は入り口が狭く、ダイビングの専門家でも調査は難しい」と話し、潜水の規制も必要だと指摘した。
 恩納村の経済観光課は「調査費の支援や村、商工会、ダイビング関係者で協議会をつくり利活用のガイドラインを作成したい」と話している。
 鍾乳洞の入り口近くには、人工的に削られたような形状や、貝塚のような場所もあり、広部さんは「古代の遺跡では」と鑑定を木村教授に依頼。同教授は「鍾乳洞が存在することは陸域だった証拠。人工遺跡の可能性を今後調査したい」と話している。




中英共同探検隊、大規模な地下水系を発見(2003/4/4 人民日報より入手)
【中華人民共和国・広西チワン族自治区発】
 「数多くの瀑布群や鍾乳洞群、縦横無尽に交錯する地下水によって、典型的なカルスト地形の広西チワン族自治区靖西県に大規模な地下水系が存在していることが実証された。こうした豊富な地下水資源や瀑布、鍾乳洞は溶岩地質の研究にとって“活きた化石”であり、世界の観光資源としても貴重な財産だ」中英共同探検隊による洞窟調査に参加した中国側の代表、中国地質学会洞窟研究会々長の朱学穏教授はこう強調する。
 国土資源部は英国のコーエン・カロン氏をリーダとする調査隊を招聘し、朱学穏教授を中心とする中国隊と共同探検隊を結成、3月12日から23日まで広西チワン族自治区靖西県の8つの郷・鎮35ヵ所にある洞窟を調査した。測量距離は13キロ、どの洞窟にも地下水が流れていた。
 靖西県は雲南・貴州高原の縁に位置し、ベトナムと国境を接する県で典型的なカルスト地帯。山紫水明、風光明媚、起伏する山々、数々の洞窟は、探検や科学調査、観光的にも価値は高い。
 調査では、湖潤鎮教育屯付近の山麓で地下水が流れる大規模な洞窟が見つかった。5日間連続の洞内探検の結果、この洞窟は地下河川の末端にあり、洞の高さは45メートル以上、水深は最深で20メートル余りあることが判明。流れは緩やかで水は鏡のように透き通り、水面下には怪石が重なり合い、洞内には急峻な無数の瀑布がぶつかり合いながら流れ落ち、石筍がぎっしりと並んでいた。水面に倒影された“林峰”はまさに秀麗で壮観。地下水は暗闇のなかを2キロほど流れて別の流れに合流していることが分かった。
 また、古竜山の3ヵ所で峡谷を発見。どの峡谷も洞窟で結ばれており、朱学穏教授は「こうした奇観は世界的に非常に珍しい」と話す。探検隊による調査は今も続いている。




ラスコー洞窟壁画が危機(2003/3/30 毎日新聞より入手)
「ラスコー洞窟」壁画に菌類やバクテリア繁殖 侵食の恐れ

 狩りをする人間などの彩色壁画で有名なフランス南西部ドルドーニュ県の「ラスコー洞窟」の壁画が、菌類やバクテリアの繁殖により、侵食が進む恐れがあることが分かり、フランス文化省が対策に乗り出した。フランス紙ルモンドなどが29日までに、科学誌ラルシェルシュ4月号に掲載された研究者の寄稿を引用して伝えた。
 人間や動物など約100点が描かれた彩色絵画は、推定約1万8000年前の旧石器時代のもので、スペイン北部「アルタミラ洞窟」の壁画と並び有名。1979年に国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産に指定された。
 1940年に発見された後、多くの人が訪れ、洞窟内の気温や湿度が激変。壁画が損なわれる恐れが出たため、1963年から一般公開を原則的に中止している。
 しかし、約2年前から菌類とバクテリアが結合して洞窟内の地面や壁に繁殖、壁画への影響が心配される事態になった。当局者が石灰などで除菌を試みたが効果が上がらず、抗生物質を注入してバクテリアの繁殖速度を遅らせているという。
 フランス文化省も壁画の被害を恐れて国際的な科学者の委員会を設置、対策を検討している。




マニュアル本「洞窟探検入門」発行(2003/3/23 入手)
 3月10日、白水社より国内洞穴本「洞窟探検入門」が発行された。著者はフランス人エリック・ジッリ氏、翻訳は富士山火山洞窟学研究会・日本洞窟学会の本多力氏。
 初心者はもちろんのこと、熟練者にとってもヨーロッパにおけるケイビング史を楽しむことができる。
文庫クセジュ 860 洞窟探検入門
著 者 エリック・ジッリ
訳 者 本多力
発売元 株式会社白水社
定 価 本体951円(税込み999円)
その他 新書判/並製本/170ページ
内 容 序 章 人間と洞窟
第1章 洞窟をさがす
第2章 探検に行くための装備
第3章 横穴に入る
第4章 竪穴に入る
第5章 水没した洞窟に入る
第6章 凍結した洞窟や氷河洞に入る
第7章 熱帯の洞窟に入る
第8章 危険と救助
第9章 ディギングの技術
第10章 測量と作図
第11章 写真と映像
第12章 探検成果の文書化
終 章 洞窟探検の心得





「糸数壕」、7月から有料化予定(2003/3/12 琉球新報より入手)
 沖縄県玉城村は11日、開会中の玉城村議会(川平善範議長、定数20)3月定例会本会議で糸数壕(アブチラガマ)の入壕料を徴収することや村が管理主体となることなどを定めた「糸数アブチラガマ」の管理に関する条例」案を提案した。壕の有料化は当初、4月1日を予定していたが、周知期間を設けるために7月1日に設定された。
 同条例案は、18日の総務財政委員会で審議され、28日の最終本会議に諮られる。
 入壕料は高校生以上の大人が200円、小・中学生の小人100円、20人以上の団体を160円に設定。壕の管理主体は村とし、定期休業日を毎週月曜日、営業時間を午前9時から午後5時までと定めている。
 同条例案は入壕料を定めた第六条を除いて4月1日から施行予定だが、すでに平和学習を行っている団体によって新年度以降の入壕調整が行われていることなどから、比嘉幸男産業振興課長は「休業日に関して柔軟に対応していきたい」と話している。




山形村教育委員会、内間木洞を報告(2003/3/11 毎日新聞より入手)
「内間木」鍾乳洞、8年の調査まとまる−−山形村教委が報告書
全国3番目の総延長6310メートル 50種以上、貴重な生物も確認

 山形村小国の県指定天然記念物の鍾乳洞「内間木洞」の調査委員会(菊地敏雄代表)は、調査結果をまとめた報告書を発行した。「総延長は6310メートルに伸び、岩泉町の安家洞(12057メートル)、山口県の秋芳洞(8700メートル)に次ぐ。50種以上の貴重な生物の生息も確認された」と報告している。
 内間木洞は昭和初期から調査が行われ、62年からの学術調査で長さが1650メートル以上と判明。その後の調査で76年に全国4番目と確認され、「本州最北端の巨大洞穴」として話題を呼んだ。その後は本格的な調査が実施されなかった。
 しかし村教委は、94年に調査委員会を発足させ、洞穴の長さや生物の生態などを再調査した。8年間で計40回の調査を行い、南北に新しい洞穴を発見。昨年3月に熊本県の球泉洞(4800メートル)を抜き、全国3番目の長さと判明。その後、新たに洞穴が見つかり、総延長を伸ばした。
 委員会によると、内間木洞は高低差が約70メートルで、上下逆になったつららや、県レッドデータブックでBランク(絶滅危機増大種)に指定されているホンドノレンコウモリなどの希少種も見つかった。村教委は「調査を継続すれば、総延長がまだ伸びる可能性がある」と話している。




内間木洞全国総延長第3位、マスコミ発表へ(2003/2/11 岩手日報より入手)
山形村・内間木洞の延長は全国3位

 県指定天然記念物の山形村の「内間木洞」を調査していた調査委員会(菊地敏雄代表)は10日、同村山村文化センターで、8年間にわたる結果を公表した。新たな支洞発見などにより洞窟延長は6350メートルと判明。同調査委の調べでは岩泉町の「安家洞」、山口県の「秋芳洞」に次ぎ全国3位の長さとなり、大規模な氷筍群、貴重な生物の存在など、洞窟の学術的価値があらためて明らかになった。
 菊地代表ら同調査委のメンバー4名が説明した。同調査委は1994年に結成。日本ケイビング協会や大学探険部による過去の調査結果を、内部構造の解明、地下水系、地質・地形状況、民俗学的背景などあらゆる角度から再調査、分析した。
 調査委によると内間木洞は北・南洞、稲妻洞、風寒洞、千畳敷などと多数の支洞から成り、高低差約67メートル。調査以前の確認延長は約3300メートルだったが、今回の調査で新たに北洞内の支洞上層と南洞奥に新たな空間が発見され、大きく伸びた。
 特に「空中庭園」と名付けられた北洞内の約170メートルの支洞は、鍾乳石が洞窟内を流れるように覆うフローストーンなど鍾乳石が発達している。
 洞窟内にはニホンウサギコウモリなど7種類のコウモリのほか稀少な水生、陸生生物が存在。菊地代表は「高さ2メートル以上の氷筍もあり、規模を含め全国トップ。洞窟もまだ伸びる」と太鼓判。調査委は今回で活動を終えるが、今後も新たな形で調査を継続する。




国内最大級のカグラコウモリ生息地確認(2003/1/22 琉球新報より入手)
新石垣空港予定地近くにカグラコウモリ3000頭の洞窟

 第七回新石垣空港環境検討委員会(委員長・香村真徳琉大名誉教授)が21日、石垣市内で開かれ、絶滅危惧種のカグラコウモリが国内最大規模で生息する可能性のある洞窟が空港予定地に近接して存在することが報告された。コウモリの洞窟はこれまでに3ヶ所が確認されており、合計4ヶ所になった。また予定地に隣接する山で特別天然記念物のカンムリワシの営巣が2ヶ所確認された。
 新たに確認された洞窟は空港予定地のすぐ西側、ゴルフ場内で発見。推定3000頭が生息しているものとみられ、カグラコウモリの国内最大のねぐらである竹富町西表島の「大富第1洞窟」に次ぐとされる。
 報告では「石垣島に生息するカグラコウモリの生活史において何らかの重要な位置付けを持つものと思われる」と指摘している。
 またカンムリワシの巣が確認されたのは、空港予定地の西に位置するカタフタ山と水岳の樹林地。2ヶ所とも樹高13メートルのリュウキュウマツで地上10メートル付近の幹のまたにかけられていた。
 報告では「このような営巣環境はカラ岳周辺や事業実施区域には存在していない」としている。委員からは建設作業の騒音の影響も考慮する意味から「空港予定地からの距離も明示するよう」指摘が出た。
 環境検討委は今後、環境への影響を予測する方法について具体的に検討を進めていく。建設の影響も考慮するため2月にも建設工法検討委員会との意見交換会を開く。
 カグラコウモリは環境省のレッドリストで絶滅危惧種TB類(近い将来絶滅の危険性が極めて高い種)に指定されている。


巷の噂に戻る
 TOPへ戻る
2003 Copyright(C) 地底旅団ROVER元老院
cavers_rover_in_tokyo@yahoo.co.jp