タイトル 地底旅団ROVER元老院第82回CAVING
サブタイトル 体験ケイビング11 暗黒空間への誘い at 大滝村・石舟沢鍾乳洞
分 類 体験ケイビング
入洞洞穴 石舟沢鍾乳洞
日 程 2002年7月13日(土)〜14日(日)
参加者 酒井、細野、山下、大池、宮野原、中野、中村允彦(明治大学地底研究部OB)、若林寿江、陸川浩嗣、森山和彦、稲垣智子、阿部純子、蛎久和美(以上、体験ケイビング者) 以上13名
石舟沢出合
さぁ、アプローチ開始!
石舟沢鍾乳洞洞口ホール
洞内での説明
石舟沢鍾乳洞・第1洞口前
出洞後の記念撮影
地R元発足以来、11回目となる体験ケイビング。今回の体験希望者はweb経由4名と知人2名の計6名である。


13日18:30、体験者の若林・陸川・森山・稲垣・蛎久とサポートの酒井・中村・宮野原・中野は立川に集合、出発する。

22:00、大滝村中双里の駐車スペースに到着する。あいにくの雨のなか、火を囲んで懇親会を開始する。この体験ケイビング前夜に行う懇親会は、体験者の方々を潤滑にサポートするため、より多くのコミュニケーションを図る目的で設けているものである。焚き火をして、ビールを飲み、マシュマロを焼きながら体験参加経緯、趣味、職業などについての会話をし、和やかな雰囲気でひとときを過ごした。最後に翌日の活動予定を説明した。

25:00、消灯。


9:00、後発隊(山下・大池・阿部)が合流。朝礼後、あずま屋を出発する。石舟沢出合に移動し準備。中村・宮野原はビレイセットをするために一足先に洞口へ向かう。ここで測図を見ながら今回のケイビングのコース概要を説明する。

10:00、出発。雨上がりで足もとの悪いなか洞口へ向かう。

11:00、石舟沢鍾乳洞に到着。昼食、入洞準備となる。

12:00、酒井班(宮野原・中野・若林・稲垣・蛎久)と大池班(山下・中村・陸川・森山・阿部)に別れて、酒井班は「第1洞口」から、大池班は「第2洞口」から入洞開始する。数日間続いていた雨に影響により、「白龍の滝」はその水量を増していたが、ロープで確保をとっての滝の登攀を決行する。中村がロープで確保をとり、酒井、宮野原らが体験者をサポートした。ここで遅れてきた細野が合流、サポートに加わった。体験者の稲垣・蛎久・阿部は滝の水圧でホールドを失い滑落した。
体力消耗もあり、3人は山下、中野と共に出洞。その他の体験者の若林・陸川・森山は滝を登攀し、細野・大池と共に「青龍の泉」を経て「最奥部の泉」に到達する。

15:00、出洞。増水した沢で装備洗い(飛び込み)などを行い、記念撮影。洞口を出発した。その後は旅館で温泉に入り、秩父市街にて夕食後、解散となった。


今回は予想以上に増水した「白龍の滝」で難渋してしまい、体験者の方々には一瞬ひやりとする体験をさせてしまいました。しかし、体験者からは初めての洞窟という空間に「楽しかった」という感想が多かった。また、懇親会では体験者とサポートのコミュニケーションを図ることができ、当日の活動をスムーズに行うことができた。(文責 酒井智文)



【体験者の感想】
ライトを消すと真っ暗で、他人はおろか自分の足から指先までなんにも見えなくて、暗闇と同化したみたいだった。細野さんに教えてもらった、出口が狭いこと狭いこと。前も見れないし後ろも見れない窮屈さが、想像以上で年甲斐もなくはしゃいでしまった。でもなんてったって滝が最高。いい意味で期待を裏切ってくれた。何度かバランス崩して危なかったけれどもその分、ものすごい 達成感があってよかった。一目見た瞬間に「無理だな」と思ったけどやってみるとなんとかなってしまったので自分で驚いた。
今回は、普段やることが出来ないようなすごい体験ができて本当によかったです。途中、何度かヒヤッとするようなこともあったけど、終わってみればそんなことがまた面白かった様な気がします。ほんとに今回、思い切って応募してよかったです。機会があったらまた今度、行って見たいです。ほんとうにありがとうございました。(陸川浩嗣さん)

移動しているときはとてもおもしろかったです。でもやはり、体の使い方などが難しいと思いました。洞内の形などすごくきれいだなあと思いました。でも滝のところでは滝がすごい勢いで流れてて、ほんとにのぼっていくのかとても不安でした。あの時になにか一言どうやってのぼっていったらよいか、ロープはなんのためにはっているのか、などなんとなくはわかるのですが、説明をしていただければよかったなあと思いました。(若林寿江さん)

まず本当に参加してよかったと思います、あんなアドベンチャー体験は普通ではできませんしよい経験になりました。感想は洞窟に入る直前は、とってもウキウキでした。いざ入ってみると足場のないところを全身を使って登り、下を見れば水か流れているではありませんか、私は高所恐怖症なのですごく怖いと思ったのも正直な感想です。そして水量増えた滝に登った時、濡れるとは聞いたいましたが、もろ滝にうたれるとは思っていませんでした。また、増えたといわれても普段を知らないので登れたと思います。登ってみれば、苦労したかいがあって、澄んだ泉を見ることができました。とてもきれいでした。帰るころになると私の体力も消耗気味で滝を降りる際、落下してしまいましたが、命綱があったので怪我もせずに無事に降りられました。つくづく、怪我もなく洞窟を出られたのも、スタッフの方のサポートがあったからだと思います。本当に感謝しております。ありがとうございました。
ガイドには登り方のついて書いてありましたが、洞窟内ではスタッフの方の見よう見まねでした。もし可能なら登り方など洞窟内で教えてもらえればよかったなと思いました。(蛎久和美さん)

もちろん最高に楽しかったです!洞窟の入り口に着いた時冷気が出てくるのを感じ、まず感動しました。寒いとは聞いていましたが、あんなに気温の差があるのにはびっくりでした。で、洞窟に入る時かおりさんに、'匍匐前進で入ってください'と普通に言われ'いきなり匍匐前進ー!?'とちょっとびっくりでした。実は、事前に配られたプリントの中に匍匐前進の説明があり、いつやるのかと楽しみにしていたんです。しかも、本当はやる所なんて行かないのではないかとも思っていました。それがいきなり入り口からだったのでとても驚きでした。とてもマニアックだと思っていましたが、実際にやってみるとかなり面白かったです。私的に'洞窟探検=匍匐前進'ぐらいツボでした。そのときは必死にやっていたので余裕がありませんでしたが、写真におさめておくべきでした(笑)。洞窟内ではかおりさんのスマートなリードといさを君の見守りの中、安心して探検を楽しむことが出来ました。初めて洞窟内に入った私には、真っ暗で皆同じ道に見えるのに、かおりさんはスイスイと進んで行き、凄いなと関心していました。途中、ちょっと段差があるところでは、降り方をやさしくていねいに教えてくれ、歩くペースもはや過ぎず、進みやすかったです。ただ、滝の所で途中までしか登れなかったのが残念で仕方ありません。無理かもしれないと思いながらも、酒井さんと中村さんにサポートしていただき途中まではがんばってみたのですが、やはり水圧に負けてしまいました。昔は運動には自信があったっだけに、体力の衰えに歳を感じさせられちょっとブルーでした。ケイビング前にジムにでも通っておけばよかったのかもしれません。いずれにせよ、あの滝の先にどんなものがあるのか自分の目で見たかったです・・・。またチャンスがあったらぜひ登ってみたいです!それから、洞窟内では川の流れた後やサンゴのようなものが見れたりと、図鑑にもありそうな自然を目の前に出来、とても感動的でした。
今回、地底旅団の洞窟探検に参加でき、皆様には大変感謝しています。皆さんのチームワークの良さと、人と人との輪をつくるテクニックの良さをぜひ参考にさせていただきたいと思いました。また、洞窟探検は、私の人生の中で後々まで語ることの出来る有意義な体験となりました。単なるアウトドアースポーツと違い奥が深く、自然が好きな私にとって新しいジャンルの発見となりました。また、日ごろのストレスを一気に吹き飛ばしてくれとても新鮮な気分で家にも帰ることが出来ました。と言うより、探検中にほかの事考えていたら、命が危ないかもしれませんよね?今振り返ってみると、探検中は楽しむ前に必死という感じでした。そんなに必死なのは私だけだったのでしょうか?(笑)今回このケイビングで体験した充実感と楽しさは私もより多く人達に味わってもらいたいと思っています。ですから、私も地元でひっそりと洞窟の良さを皆にアピールしてゆこうと思っています。あくまでもひっそりとですけど・・・・。体験ケイビング後の温泉は、疲れもとれるし、メンバーの方とも親しくなれ、とてもよかったです。温泉に入る頃には既に筋肉痛が始まっており、よくマッサージしたはずなのですが、4〜5日間筋肉痛が続き仕事場では皆に'マニアックなことしてるからだ'と、しばらくの間、マニア扱いされていました。あんなに筋肉痛が痛く、長引くのは初めてでした。最後になりますが、たった一日の体験でしたが、とても楽しく充実していました。皆さん、本当にありがとうございました。 (阿部純子さん)

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