タイトル 地底旅団ROVER元老院第356回CAVING
サブタイトル 第56次内間木洞調査 at 久慈市・内間木洞
分 類 合同・調査ケイビング
入洞洞窟 内間木洞(風穴、上の岩穴、上の岩屋)
日 程 2017年12月28日(木)〜2018年1月2日(火)
参加者 細野、松本力、山口真也(以上、東山ケイビングクラブ)、小林日、黒田朋子、吉澤幸絵、田島大貴、金柿雅仁(以上、東京スペレオクラブ)、小向益男(日本洞穴学研究所) 以上9名
内間木洞付近地R元としては2000〜2006年の測量調査に参加し、一時は総延長国内第3位にまでなった岩手県久慈市の管理洞「内間木洞」は、2006年2月の活動をもって調査活動終了となった。
2015年2月には、9年振りとなる第53次内間木洞調査(第306回CAVING)が行われ、人工登攀による「千畳敷」「稲妻洞」の各上層の探検を行った。
今回の第56次調査は「稲妻洞 銀河の滝」手前の右岸(左岸は第53次調査で調査済)、「同 ボンボリ流し」の上部に未確認空間が予想される事から、人工登攀でのアタックを目的として実施された。


28日21:00、細野は東京の自宅を出発。

22:00、JR新宿駅西口ロータリーにて黒田・吉澤・金柿と合流。出発。

23:30、東北自動車道の羽生PAにて、山口・小林と合流。黒田は山口車に移動して北上開始。

29日4:30、矢巾PAに到着。仮眠。皆が仮眠中に松本も合流。

6:40、起床。「やまなか家 矢巾PA下り店」の開店を待って朝食。

7:30、矢巾PA出発。

7:45、滝沢ICより一般道へ降りて、国道4号線を経て国道281号線(野田沼宮内街道)を東へ進む。

10:00、宿舎となる久慈市山形町「小国地区多目的集会施設」に到着。自治会長に挨拶をして鍵を借りる。

10:30、初日は洞窟活動はなし。フローリングの大部屋を装備部屋として整備する。合宿期間中の食糧調達のため、全員で久慈市内に向かう。

12:30、久慈市内のスーパー「ユニバース 久慈・川崎町店」にて食糧調達。

14:00、遅い昼食。「道の駅くじ やませ土風館」にある地場食材レストラン「山海里」にて各自注文。細野は「なげまめセット」(なげこみ丼+まめぶ汁)を注文。

15:30、帰宿。食当は夕食となる「おでん」を仕込む。

16:30、「内間木洞」の鍵を管理している内間木さん宅へ赴き挨拶。内間木さんが作った「鹿肉ジャーキー」を頂く。絶品。

17:45、そのまま「新山根温泉べっぴんの湯」へ移動して入泉。

20:00、再度帰宿して夕食。

21:00、ブリーフィングを行ってから少し飲む。

23:00、参加者の殆どが夜通し車移動であったため、運転手を筆頭に順次就寝。

30日6:00、順次起床。朝食は炊き込みご飯とみそ汁。食後に班編成を発表、ブリーフィングを行う。

7:30、班ごとに活動装備。

8:30、宿舎を出発。

9:00、「内間木ビジターセンター」前にて着替え。小向さんが合流。入洞前に人文字写真を撮影。

9:30、入洞開始。入洞すぐに約30cm〜50cmの氷筍が点在。2月の氷筍祭りにはどのくらいまで成長するのか楽しみである。
全員で「稲妻洞 銀河の滝」へ向かう。渇水時にはショートカットが出来る「第2ヘアピン」は水没していたため、面倒ながらも「煙突穴」を10m登り、確保を取って「魔のチムニーbQ」を8m降りる。時間ロスが生じた。

11:30、「ぼんぼり流し」に到着。お湯を沸かして、暖かいスープ類とパン。暖かいものは嬉しい。

12:00、各班に分かれて活動開始。
ぼんぼり流し上部班(松本・小林・黒田)は、約6m登って更に絶壁を登攀。一面フローストーンに覆われているため、母岩が探しにくく、アンカー打つ場所に苦労していたようだ。
銀河の滝手前班(山口・金柿・細野)は、金柿が数度目の人工登攀という事で、経験値アップのためメインで登る。初めはフリーで登れていたが、約10mの地点でピッチヘッドを作って山口に交代。更に6m登ったところで幅70cm程の通路。上方向にも伸びていることが確認できたが、装備の都合で断念。
写真撮影班(小向・吉澤・田島)は、「銀河の滝」より洞口方面へ戻りながら写真撮影を行った。

15:30、銀河の滝手前班、ぼんぼり流し上部班が合流して出洞開始。途中、写真撮影班も合流する。

16:30、全員出洞。「内間木ビジターセンター」前にて着替え。「新山根温泉べっぴんの湯」へ移動して入泉。

18:30、帰宿。濡れた装備を干してから夕食作り。

19:20、夕食。こっちに来たら一回は必ず岩泉町「上あめや」のホルモン鍋となっている。豆腐も絶品。

20:00、簡単に活動報告をして、翌日のブリーフィングを行う。そして、飲みながら雑談。

23:00、順次就寝。
大晦日5:30、極寒でみなが起き始める。どうやらヒーター用の屋外設置タンクの灯油切れだったようだ。別室にあったジェットヒーターを持ち込み暖をとる。

7:00、朝食後に装備準備。自治会長さんに連絡し、灯油の補充をお願いする。

8:30、宿舎を出発。

9:00、「内間木ビジターセンター」に到着、準備。本日も入洞前に人文字写真を撮影。

10:30、各班に分かれて活動開始。
ぼんぼり流し上部班(小林・田島・細野)は、フローストーンによりアンカーを打つ場所が限られるなか、小林が約8m登る。天井部分は横に続いてるようにも見えたが、フローストーンに覆われ終わっていた。
銀河の滝手前班(山口・黒田・吉澤)は前日の続き。ロープセットした広い空間まで移動し、約3m進むと下方向に延びる通路を確認。下降すると、メイン通路の水流と合流した。下降箇所は泥が堆積し、下降時には全身ドロドロになる。
写真撮影班(小向・松本・金柿)は、前日の続きで洞口を目指しての写真撮影。

12:30、全員が「ぼんぼり流し」に集合。お湯を沸かし、暖かいスープ類とパン。

13:30、活動再開。
ぼんぼり流し上部班は午前中で詰め切れてしまったため、解体し、水流通路の途中にある上方向に延びる可能性のある箇所を、田島の登攀訓練も兼ねて小林先生の指導の元に登る。
細野は写真撮影班のサポート(荷物持ち)。

16:00、写真撮影班が出洞。

16:30、登攀訓練班(小林・田島)が出洞。

16:40、銀河の滝手前班が出洞。片付けと着替え。

17:30、「新山根温泉べっぴんの湯」へ移動して入泉。

18:30、帰宿後に夕食作り。

19:30、夕食。自治会長の奥様お手製のおでんの差し入れを頂く。ブリ大根、そして年末の年越しそば。
ブリーフィングを行ってから飲み始める。

24:00、ジャニーズのカウントダウンTVを見ながらカウントダウン。そして、年を越す。
年越しを待てずに入眠する者もいたが、TVを見ながらの年越しも何年ぶりだろう。少なくても10年は無かったはずである。引き続き、お笑い特番を観てしまう。

25:30、TVショーも一段落したところで、順位就寝。
内間木洞付近 内間木洞・千畳敷 内間木洞・稲妻洞 ぼんぼり流し
2017.12.31に見えるかな? 洞口付近の氷筍 「ぼんぼり流し」の天井部を登る

2018年1月1日7:00、宿舎前で響き渡る「あまちゃん」の音楽にて起床。

7:30、朝食後に装備準備。

8:50、宿舎を出発。

9:20、「内間木ビジターセンター」に到着して準備。本日も入洞前にて人文字写真を撮影。

9:40、各班に分かれて活動開始。
ぼんぼり流し上部班(小林・田島・吉澤)は測量を行う。
銀河の滝手前班(山口・黒田・金柿)は前日の続き。
死の谷ラダー設置班(小向・松本・細野)は、2月の活動のためにクラック「死の谷」にラダーを設置する。

13:00、各班が続々と出洞。

14:00、全員出洞。最終日の活動であるため、ビジターセンター裏の地獄沢で装備洗いをする。
金柿は何を思ったか、寒中水泳と称して川に飛び込み身体に付いた泥を落としていた。外気温は−2℃。さすが大学探検部出身だけある。

15:00、内間木さんへ活動終了の報告を行って鍵を返却。

15:30、「新山根温泉べっぴんの湯」へ移動して入泉。年始クジを引くと、黒田は入泉一回券、細野はべっぴん田楽クッキー(1枚)をゲット。他全員はポケットティッシュであった。

16:30、帰宿後に装備片付け。

17:00、自治会長さんの提案で新年の餅つき。調理場でもち米を炊き、広い玄関に臼を置き、杵で代わる代わる餅を搗く。餅つきが初めてのメンバーもいて、大いに盛り上がる。
搗き立てのお餅を小分けにし、クルミ餅、あんこ餅になる。唐揚げも差し入れしていただき、更に宿舎の隣に住む方から大量の御煮締、小向さんから御節を差し入れしてくださったりと、美味しいもの尽くしの夕食。自治会長夫妻と飲みながら談笑。感謝・感謝の夜となる。

20:00、自治会長夫妻が帰られて宴は終了。片付けをして簡単にブリーフィング。飲み足りない人は飲み、ゆっくりとした時間を過ごす。

22:00、順次就寝。
内間木洞付近 内間木洞・稲妻洞 死の谷 小国地区多目的集会施設
2018.01.01に見えるかな? 「死の谷」にラダーをかける 餅つき大会実施中

2日7:00、起床。朝食はもちろん残り物。

8:00、宿舎の片付け、掃除を行う。

10:00、宿舎を出発。お世話になった自治会長夫妻に挨拶を行い、宿舎の鍵を返却。

10:30、田島は山根地区で別活動を行っていた学生探検部の活動に合流するという事で、「べっぴんの湯」近くの宿舎としている公民館で下車となる。
龍泉洞事務所に年始のご挨拶をするために、県道7号線を南下する。
途中、山根地区活動中で駐車している菊地車を発見。こちらの活動が無事に終了し、帰路についていることをメモで残す。

11:30、龍泉洞事務所に到着。所長に挨拶。
金柿は初「龍泉洞」とのことで、小向さん・松本と共に観光。他メンバーは町内で土産物の物色と給油。

12:30、岩泉町を出発。全員解散。

15:00、山口車はJR盛岡駅周辺で遅めの昼食を取り、公共機関で移動することになっている黒田・吉澤を駅で降ろしてから南下。
細野車は金柿と「ぴょんぴょん舎 都南店」にて冷麺を食してから南下。

22:00、JR新宿駅西口にて金柿と解散。

22:30、細野が自宅到着。


人工登攀とアタック箇所の測量がメイン活動となった。フローストーンに覆われていたり、浮いた岩が多い箇所での登攀は、アンカーを打ち込むところを探し出すのに苦労した。
想定はしていたが、初登攀者の練習も兼ねていたため、時間のかかる場面が多かった。、今後、彼らの活躍に期待が出来る。
また、自治会長夫妻からの餅つきや、御近所様からの差し入れで、食に関しても相当楽しめた活動であった。地元の方々には感謝、感謝である。(文責 細野誠)


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