タイトル 地底旅団ROVER元老院第337回CAVING
サブタイトル 第1回SRT講習/訓練会(秋吉台2016)
分 類 合同・訓練ケイビング
入洞洞窟 無名穴、秋芳洞(風穴−秋芳洞−葛ヶ穴)
日 程 2016年8月12日(金)〜18日(木)
参加者 小池、後藤聡、村上崇史(以上、日本洞窟学会)、松本力(東山ケイビングクラブ)、中込幸子、中崎宏行、福間美希(以上、東京スぺレオクラブ)、宮岡恒平、飯田暁(以上、山口大学洞穴研究会OB)、荒島智子(岡山大学ケイビングクラブOG)、山口大学洞穴研究会、立命館大学探検部、大阪大学探検部、大阪市立大学探検部、京都産業大学探検部、東洋大学探検部、広島大学探検部、明治大学地底研究部 以上27名
秋吉台バス停留所
集合写真(後藤聡氏撮影)

日本洞窟学会主催でSRT講習会が行われた。第1回となる今回の会場は山口県秋吉台。日本全国からケイバーが集まり、竪穴技術の向上や親睦を深めた。初めに洞外で基本動作を練習して、その後洞内で実践するという形だった。


12日18:30、松本さん・山田さん(東洋大)・小池がJR柏駅に集合。松本さんは仙台から一人で運転してきたようだ。凄すぎる。松本さんカーに荷物を積んで出発。

19:00、柏ICから常磐自動車道に乗る。首都高速道路に入ると目の前に光るスカイツリーが美しい。

20:00、東名高速道路に入り、海老名SAで休憩した。SA内のアジアン飯店で食べた冷麺が美味かった。松本さんはポケモンGOを起動していたが、目ぼしいポケモンは出てこなかったようだ。

21:30、福間さん合流。挨拶を済ませて荷物を積み込み、再出発。福間さんのウォークマンでB’zを流すと、松本さんのテンションが上がっていった。
途中、清水SA(東名高速)、甲南PA(新東名高速)、三木SA(山陽道)で休憩を挟みつつ山口を目指す。

29:00(5:00)、白鳥PA到着。ここで仮眠をとることにした。


13日6:00、早めの起床。すぐに出発。

7:00、道口PA到着。朝食にかき揚げうどんを食す。お土産コーナーにもみじ饅頭が80円で売られていたのでこちらも購入。甘くて美味い。
出発すると事故渋滞が発生しており、カーナビの予想到着時間より大幅に遅れることになってしまった。

12:15、中国自動車道を進み、美祢東ICで一般道に降りる。あと少しで到着である。

12:45、美祢市立秋吉台科学博物館到着。一通り挨拶を済ませ、講習用のテキストを受け取り席に着く。

13:30、講習会開始。ここではSRT器具の説明、基本的な動作、ロープワークなどを習った。序盤こそ聞きなれた単語が多かったが、段々と知らない単語が増えていき理解するのに手間取った。しかし、自分の知らないことを習うのは楽しい。

17:00、講習会が終了して撤収。近くにある景清洞トロン温泉で入浴。夕食まであまり時間がないので早々に帰還。

19:00、科学博物館第2講座室にて夕食。途中で講習会の続きが始まった。ここではロープワークの続きを習った。

25:00、皆で談笑していると、立命館大学探検部の方々が合流。いい時間ということもありここで就寝となった。


14日7:00、起床。
朝食と準備を済ませて、練習場所である科学博物館の裏へ向かう。

10:00、練習開始。昇降、チェンジオーバー、リビレイやディビエーションの通過の練習をした。秋吉台は盆地にあるらしく異常に暑い。熱中症になるのではないかと心配しながらも、練習メニューをこなした。

18:30、練習終了。日は暮れてきたが未だに暑い。撤収して風呂へと向かう。

19:00、トロン温泉で入浴。しかし、昨日よりもさらに時間がない。10分程でシャワーを済ませて帰還することに。

19:50、山大洞研メンバーが作ってくれた夕食(マーボーナス丼)をいただく。

21:30、談笑タイム。クーラーがないため室内よりもベランダの方が涼しい。

25:00、就寝。
秋吉台科学博物館 秋吉台科学博物館 秋吉台科学博物館
博物館の裏で基本訓練 暑い・・・ オンロープレスキューの練習


15日7:00、起床。後藤さん・中込さんが到着していた。
松本さんカーの燃料が不足していたため、ガソリンスタンドへ向かい、ついでに朝食を購入した。

9:30、科学博物館の裏で練習開始。ノットの通過とオンロープレスキューを習った。
ノットの通過はそこまで苦労することなくクリアできたが、オンロープレスキューが少し難しかった。日野さん(大阪市大)とペアになってオンロープレスキューの練習をしていると、小池のミスで2人とも落下してしまった。練習で大した高さがなかったから良かったものの、洞内でやっていたら大事故になるところだった。反省してもう1度トライすると今度は上手くいき、後藤さんから合格をいただくことができた。

18:45、練習終了。撤収して夕食作りに向かう。今夜はにんにく鍋らしい。

19:30、夕食までの時間が少し余ったのでトロン温泉に入浴へ。昨日と違い多少湯船に浸かることができた。

20:15、夕食。小池がにんにく鍋と思って作っていたものがキムチ鍋になっていた。辛いのが苦手な伊井さん(京産大)、清水さん(山大)は悶えていた。

24:00、就寝。


16日8:00、起床して入洞準備。本合宿初のケイビングに心躍らせる。早朝は強い雨が降っていたようだが既に止んでいた。

8:45、班別ミーティング。小池は「無名穴」に入ることになった。

9:30、洞口到着。徒歩アプローチ時間0分の素晴らしい洞穴だった。

9:40、入洞。洞口が大きく竪に開けており、そこが第1ピッチとなっていた。1ヶ所のディビエーションを通過して下降完了。

10:30、全員が第1ピッチを降り、ここで昇降練習をすることになった。
小池が登ったところ、松本さんに腕の力だけで登っていることを指摘された。その後はコツを掴み難なく昇降を完了した。

12:30、練習を終えて進むと、少し登る箇所があった。岩壁の中腹に小さく横穴が開いた形になっており、そこに入るのに少し苦労した。

13:00、横穴部を進みボアパッセジを抜けると第2ピッチに辿り着いた。少し狭い場所でのディビエーションがあったがこれも通過し、大きなホールに降りたった。目の前が下りの急斜面になっており、ストローやフローストーンが綺麗だった。

13:45、第3ピッチ下降。第4ピッチのピッチヘッド手前まで行ったが、時間切れのためここで登り返すことになった。ちなみに第4ピッチは60mのロングピッチらしい。

15:00、出洞開始。途中ハードロックをかけ忘れた状態でシンプルに荷重をかけそうになり、それを松本さんに指摘される。これからは基本的なミスはないようにしようと強く思う。

17:00、全員出洞。小池が出たタイミングで雨が強まったようで非難を浴びる。無論私のせいではない。

18:00、秋芳ロイヤルホテル秋芳館で入浴。タオルを無料で貸し出してくれるので、洗濯手段のない小池にはとてもありがたかった。

20:30、カレーを作って食した。山大流はキャベツやしめじを入れるらしい。

21:00、後藤さんによるリギング講習会開始。基本的なロープの張り方、リビレイやディビエーションを作るときの注意点を習った。聞いている分にはわかった気がするが、実際にできる気がまるでしない。実践練習を積まなければ。

22:30、講習会を終え、第2講座室へ戻る。京産大の話を聞くにどこの大学探検部も技術継承や緊急時対応の面で悩みを抱えているようだ。

24:00、就寝。
無名穴・第1ピッチ 無名穴・第2ピッチ 無名穴・第3ピッチ
第1ピッチ 第2ピッチ 斜面を降りていく


17日7:00、起床。朝食のグラノーラを貪りながら入洞準備を済ませる。

8:30、ミーティングの結果、小池は秋芳洞の竪穴洞口「風穴」に入ることになった。
しかし、撤収作業もあり時間が足りないため撤収しながら登り返す班と、下層で繋がっている秋芳洞の観光部から出洞する班に分かれることになり、小池は後者に配属された。

10:00、アプローチを開始すると10分程で洞口に着いた。入洞前に疲れないというのは素晴らしい。

10:10、入洞。小池は最後尾を務めたが、それぞれのピッチが長いらしくなかなか合図が来ない。1人目が入洞してから20分程で、小池も入洞した。
第1〜3ピッチはさほど難しいリビレイやディビエーションもなく安全に通過できた。二次生成物も3ピッチ目に少しフローストーンがあった程度であり、目を見張るようなものはなかった。
ところが第4ピッチは異常に狭かった。その上狭所でのリビレイが何か所かあり、タックルバッグを背負っている小池はかなり苦労した。
ここを抜けた第5ピッチはまた1〜3ピッチ目と同じような広さにもどり少し安心した。
第6ピッチは最初こそ少し狭いが、そこを抜けると壁にヘッドライトの光が届かない程の大ホール「須弥山」になっていた。下を見ても先に降りた人の光が見えるだけで洞床がどうなっているのか全くわからない。
小池、圧倒的なスケールを前に笑いが止まらなくなる。降りてみると緩い斜面になっており、下部には水流を確認できた。

12:45、全員下降完了。撤収班に後を任せて木佐貫さん(山大)案内の元、「琴が淵」と呼ばれる水没部に向かう。

13:00、「琴が淵」に到着。ここで5分程休憩して出洞開始。途中綺麗で大きなフローストーンやケイブパールを見ることができた。
それにしても通路でさえ空間の規模が大きい。観光部になっていないのが不思議なくらいの広い通路を進んでいく。

13:45、観光部に到着。着替えていると観光客に「探検隊の方ですか?」と声を掛けられる。少し気分がいい。
着替え終わるとまだ時間があったので、秋芳洞を少し観光して回った。空間規模が大きければ二次生成物も大きい。見るもの全てに圧倒されつつ帰路につくことに。

14:30、観光部エレベーターに到着。エレベーターでの出洞は非常に楽で安全である。これこそが現代ケイビングか?

14:40、第2講座室到着。他の班の帰還を待ちつつ、秋吉台カルストの風景を写真に収める。

17:00、秋吉台家族旅行村でバーベキュー開始。肉が美味い!海老が美味い!!ホタテが美味い!!!美味いものを大量に飲み食いしているうちに少し眠ってしまったようで、気が付くと顔や眼鏡に落書きされていた。

23:15、就寝。明日で終わりかと思うと少し悲しい。
風穴 風穴 秋吉台家族旅行村
いざ風穴へ ケイブパール BBQ!肉が美味い!


18日7:00、起床。木佐貫さん・小林さん(立命館)とともに朝食を買いに行く。小池は冷し中華をチョイス。

8:00、第2講座室の清掃。物が多すぎてザックが変な形になってしまった。

9:00、装備洗浄へ。「コウモリ穴」から流出している川に向かったが、水量がやたらと少ない。かと言って他に場所もなく、浅い川でロープを洗った。

10:30、第2講座室に帰還。ここで木佐貫さんが窓枠にストローや石筍ができていることに気付く。さすが秋吉台。

11:00、集合写真を撮って解散となった。


人生初の秋吉台だったが、西の方々がとても気さくだということもあり、楽しく活動を終えることができた。
講習会という形できちんとやってみて今まで自分に足りていなかった物、考え方をはっきりと把握することができた。
反省点が多く、また課題も大量に見つかったのでこれからのケイビングにはそれらを十二分に活かせるようにしたい。(文責 小池優志)

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