タイトル | 地底旅団ROVER元老院第312回CAVING | ||||||||||||
サブタイトル | 講習会下見ケイビング at 住田町・白蓮洞 | ||||||||||||
分 類 | 合同・ファンケイビング | ||||||||||||
入洞洞窟 | 白蓮洞(空穴第2洞、滝観新洞)、滝観洞(風吹き穴、大洞の岩窟、大洞の洞窟) | ||||||||||||
日 程 | 2015年9月12日(土)〜13日(日) | ||||||||||||
参加者 | 家崎、松本力、山口真也(以上、東山ケイビングクラブ)、小向益男(日本洞穴学研究所) 以上4名 | ||||||||||||
「白蓮洞」は総延長3200m、高低差70mの立体迷路型の鍾乳洞である。洞内は6体の菩薩が安置されており、隣接する「滝観洞」とともに観光化されているが、現在は東日本大震災の影響で閉洞中である。 10月に開催する洞穴技術向上講習会の会場として「白蓮洞」を予定しており、東山ケイビングクラブの松本がその講師を務めるにあたって、明治大学地底研究会OBであり、「白蓮洞」に何回も入っている山口の案内で、講習に使えそうな場所をピックアップすることを主な目的として行った。 12日21:30、家崎は岩手県岩泉町の自宅を出発。 21:40、町内の尼額公民館にて合宿中の東洋大学探検部や松本・山口と合流。松本・山口は日中は岩泉地区の赤穴付近の岩壁にて人工登攀の訓練をしていたらしい。 公民館恒例の梁からロープを垂らしてのSRT訓練を行う。学生達が次々と100mハツカネズミに挑戦する中、売り言葉に買い言葉、社会人のメンツをかけて家崎も挑戦。タイムは上々。奇妙な単位1YET(イエティの身長1人分)が生み出される。 24:30、倒れこむように就寝。 13日6:30、東洋大学探検部が寝静まる中、家崎・松本・山口は各車で尼額公民館を出発。小本街道から国道340号線を南下していく。難易度の高い、蛇行した山道をぐんぐん進む松本に家崎・山口は必死についていく。 7:30、「ファミリーマート 岩手新里店」で簡単に朝食&昼食買い出し。集合時間も迫っていたため、軽く休憩して出発。更に国道340号線を下っていく。 9:00、滝観洞駐車場にて小向と合流。着替え。 9:30、「白蓮洞」に入洞開始。 講習には適度に高低差があり、チムニーの練習ができる場所がいいということで、「最北端」へ行くルートへ向かう。足元も舗装されており歩きやすい。 「洗身の池(リムプールの間)」付近から観光通路を外れる。その名の通り「T字路」を通り、「のどちんこ」と呼ばれる狭洞部を抜けながら北上していく。「のどちんこ」は三角形の石が前方を阻み、洞壁との狭い隙間を体を小さくしながら通過するも、小向が苦戦。 その後、辿り着いた「最北端」入口は幅50cmほどの狭洞部。足から突っ込み、万歳の姿勢で下っていくと、膝立ちできる位の小さな空間が広がる。山口・家崎は通過するが、小向・松本がつまってしまったため、最北端ルートは断念する。 そのため、最北部入口付近から「転落の壁」へ抜ける「エイリアンルート」を通る。このルートは測図記載されておらず、洞内をほぼ南下しているバイパスルートである。「転落の壁」から観光通路に降りる斜面の上部に「エイリアン」に似た石柱があることから命名された。4mほどのフリーで垂直にのぼる壁があり、チムニーがありと、横穴練習にはもってこいのルートだった。 家崎は終始楽しんでいたが、通路の幅が全体的に狭いため、小向・松本は腰が痛いと嘆いていた。「転落の壁」に向かう狭洞部を抜けきった後にエイリアンはいるのだが、松本・小向・家崎はエイリアンに全く気付かず通り過ぎてしまう。後ろにいるよ、という山口の言葉に3人ともドッキリ。 「転落の壁」は何段もの段差があり、途中1.5mほどの段差を降りられず、家崎は松本の肩を貸してもらう。 観光通路に降り、空望の段を通りつつ旧洞口へ。 12:30、出洞。着替え。レーションの昼食。 13:30、数日前に降り続いていた大雨による、洞内の増水の影響を見るため、「滝観洞」見学。洞内の通路は水位の上昇が感じられなかったが、滝は大増水・大迫力。滝の前のテラスにたっているとずぶぬれになる位の噴き出しだった。 14:30、出洞後にミーティング。洞穴技術向上講習会の探検技術講座では、エイリアンルートを逆方向から行く逆エイリアンルートもあるが、エイリアンルートをつかうことが有力となった。しかし「転落の壁」斜面は危険性があるため、一部ロープを張るか、1人サポートに入ることが必要かもしれないという結論となった。 14:50、解散。小向・松本は帰路へ。山口・家崎は入泉に向かう。 15:30、国道283号線釜石線を北上し、カッパ淵を通りながら、山口・家崎は「たかむろ水光園」着。入泉。 16:30、突然の雨でずぶぬれになりながら山口・家崎は解散。帰路も行きと同じく、国道340号線を北上していくが、薄暗い山道は怖い。 19:00、家崎岩手県岩泉町の自宅到着。 「白蓮洞(空穴第2洞)」の話は山口から何度か聞いたことがあり、行きたいと思っていたので今回入洞できて良かった。迷路状の洞窟で、図面を見ながらでも迷いそうだった。洞内から電車音を聞けるという最北端ルートにもリベンジしたいし、測図記載されていないと考えられる箇所もあるので、今後ともじっくり探検してみたい。(文責 家崎晶)
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