タイトル | 地底旅団ROVER元老院第289回CAVING | ||||||
サブタイトル | 第24次龍泉洞再測量調査 at 岩泉町・龍泉洞 | ||||||
分 類 | 合同・調査ケイビング | ||||||
入洞洞窟 | 龍泉洞(湧口・湧窟・龍泉窟) | ||||||
日 程 | 2013年12月30日(日)〜2014年1月4日(土) | ||||||
参加者 | 細野、家崎、山口真也(東山ケイビングクラブ)、小林日、吉澤幸絵、黒田朋子(以上、東京スペレオクラブ)、武繁俊哉、田中則清、荒波遼太(以上、パイオニアケイビングクラブ)、荒島智子(岡山大学OG)、林由季子(東洋大学探検部) 以上11名 | ||||||
日本三大鍾乳洞のひとつとされる国指定天然記念物「龍泉洞」。本洞穴は透明度日本一という地底湖が見所である、岩手県岩泉町経営の観光鍾乳洞である。 今回の活動は第22次龍泉洞再測量調査(第277回CAVING)で確認できた第3地底湖上部の再アタック、三原峠周辺の上部アタック、第2地底湖上部狭洞部登攀を中心に行った。 12月30日8:30、細野・小林・山口はそれまで活動していた滝観洞(第288回CAVING)を出発。JR盛岡駅にて他の参加者と合流するため釜石自動車道・東和ICから東北自動車道経由で北上する。 10:00、JR盛岡駅にて吉澤・田中と合流。龍泉洞に向けて出発。 12:00、龍泉洞事務所前にて全員合流。武田所長をはじめ事務所の方々に挨拶と今回活動趣旨を説明する。 12:30、廃駅となった岩泉駅前の焼肉屋「ママハウス」にて昼食。 13:30、岩泉警察署、岩泉消防署、岩泉病院へ挨拶回りしてから宿舎である尼額公民館に到着。団装の搬入と環境整備、食材等の買い出しを行う。 16:00、SRT初心者である山田・稲浦のSRT講習会。 18:30、夕食。活動前のため、野菜中心の簡単鍋物。 19:30、ブリーフィングを行ってから装備チェックと活動準備。 21:30、活動開始。 【第3地底湖上部アタック班(山口・黒田)】 前回活動終了ポイントより活動再開。 約5m登攀を行った地点で東西・上下に分岐。方々に伸びる通路を稼働可能範囲内で確認する。 【水晶宮ファン班(荒波・吉澤・山田・稲浦・家崎・細野)】 SRT初心者を連れ、水晶宮上部へ。 6人の大所帯で有ったが比較的スムーズに登り切り、更に奥の白蝋宮へ行きキクガシラコウモリの観察と周辺のファン。 【第7・8地底湖ファン班(小林・荒島・田中)】 小林は久々に第7、第8地底湖へ行くことになり、常設しているロープ状況や金具類の状況確認を併せて行う。 後の報告より、石灰成分付着で開閉できなくなっている環付カラビナやロープの劣化が気になる個所が確認できた。 【観光通路簡易測量班(武繁)】 潜水調査事前情報確認のため、観光通路部分の通路幅を測量。 24:00、活動終了班より順次出洞。順次帰宿。 26:30(2:30)、全員出洞して活動終了。 27:30(3:30)、全員帰宿し、軽く飲みながら各班の活動報告。順次消灯。 31日10:30、起床。ブランチ(ブリ大根、きんぴら)。 11:30、龍泉洞観光ホテルで入泉。食材買い出し。各自自由時間。 18:00、夕食(生姜焼き)。 19:30、ブリーフィングを行ってから装備チェックと活動準備。 21:00、活動開始。 【第3地底湖上部アタック班(細野・家崎)】 前日最終ポイントより活動再開。 約10m登攀したところでテラスかと思っていた個所は下方向への通路となっており、故意に落石させたところ、第3地底湖に着水する音が確認できた。 周辺の岩質は脆く浮石が多いので、アンカーポイントを決めるのに手間取り牛歩活動となった。上方向に伸びている通路の終着は目視で確認できない。確保用アンカーを打ちながら、この場所で新年を迎える。 【三原峠上部探検班(山口・田中)】 三原峠より数か所の登攀を開始するが上部は収束していることが確認できた。 「三原峠」看板の掛かっている向かい側、下方向の穴を下降すると、第1地底湖上部(展望台付近)に接続することが確認された。 この下方向への穴は観光通路の足元に位置しており、観光客らがこの穴に石やゴミ等を投げ込むと第1地底湖観光通路へ直接落下して危険であるため、活動終了後、武田所長へ位置の報告と危険性を連絡した。 【石山新洞ファン班(武繁・黒田・山田・荒島・吉澤】 アップダウン、狭洞部分有の横穴探検を楽しんでいたようだ。 また、白亜の議事堂上部の探検にも行き楽しんでいたようだ。 【第7・8地底湖ファン班(小林・荒波・稲浦)】 小林さんには2日続けてのファン。前日に確認した金具類の交換も行った。 23:45、第3地底湖上部アタック班以外の全員が第3地底湖に集合。年越しそばを食しながらカウントダウン。 元日0:00、第3地底湖にて「あけましておめでとー!」と新年の挨拶。上部で活動していた細野は少しイラッと来たため、第3地底湖へ落石。 第3地底湖で食されていた蕎麦のにおいが細野の元に届く。テンション下がるが、「でんでんむし」等の童謡を歌い自力でテンションを上げる。 25:00(1:00)、活動終了班より順次出洞。順次帰宿。 26:30(2:30)、全員出洞して活動終了。 27:30(3:30)、全員帰宿して各班の活動報告。山田・稲浦はSRTの復習。飲みながらダメ出しをする大人たち。 28:30(4:30)、順次消灯。 元日11:00、起床。おせち料理とはいかないが、正月っぽい和食(雑煮、卵焼、ほうれん草おひたし、フルーツヨーグルト)。 12:30、龍泉洞観光ホテルで入泉。各自自由時間。 13:30、荒波帰京。 18:00、夕食(海鮮丼、豚汁) 19:30、ブリーフィングを行ってから装備チェックと活動準備。 21:00、活動開始。 【第3地底湖上部アタック班(山口・家崎)】 前日最終ポイントより活動再開。 登攀・フリーで約25m登り、東西方向に伸びる通路を確認。洞壁には真っ白なフローストーン。更に上部に続く通路を確認する。 【第2地底湖上部アタック班(小林・田中)】 観光通路より約15m登攀・フリーで移動した個所に2箇所の通路を確認。一方は傾斜約70度を15m程進み直登10m程で収束。もう一方はタイムアップのため未確認。 【第7・8地底湖ファン班(黒田・吉澤・荒島)】 女子だけのファン。活動終了時に「ガールズトークはあったのかい?」と聞いたら「全く無し」とのこと。 【白亜の議事堂トラバースファン班(山田・稲浦・細野)】 当初、第2斜洞ファンを計画していたが、ロープがすべて撤去されていたために変更した。 初体験となる高所トラバースに多少尻込みしていたが、取り付いてからはスムーズに移動。目の前に広がる白く綺麗な二次生成物を堪能する。 【観光通路簡易測量班(武繁)】 潜水調査事前情報確認のため、再度観光通路部分の通路幅を測量。 25:00(1:00)、活動終了班より順次出洞。順次帰宿。 28:00(4:00)、全員出洞して活動終了。 28:30(4:30)、全員帰宿して各班の活動報告。順次消灯。 2日9:00、吉澤・稲浦帰京。 11:30、起床。龍泉洞観光ホテルで入泉。 14:30、昼食(炊き込みご飯、味噌汁)。各自自由時間。 16:00、林到着。 18:30、夕食(マーボー豆腐、中華スープ)。 20:30、ブリーフィングを行ってから装備チェックと活動準備。武繁帰京。 21:30、活動開始。 【第3地底湖上部アタック班(山口・細野)】 前日最終ポイントより活動再開。 フリーで数m登ったところに一面石灰被膜に覆われたチョークの小ホールとなる。小ホールを越えると、傾斜約40°の通路を15m程進む。滴下水が多くなり、垂直の箇所を登る。 7m程登ると、2人で進むのが困難になり、着けているSRTシステムを全て外し、一人ずつ交代で垂直な狭洞へ突入。10m程登ったところで20cm×20cm迄狭くなり通過することが出来なくなる。しかし、覗き込んだ感じだと、人が通れる通路がまだ続いている。 【第7・8地底湖ファン班(小林・田中・山田)】 第8地底湖上部までファンを行った。 【月宮殿上部ファン(黒田・荒島・家崎・林)】 今回はガールズトークも交え、ファンを楽しんでいたようだ。 26:30(2:30)、活動終了班より順次出洞。順次帰宿 28:00(4:00)、全員出洞して活動終了。 28:30(4:30)、全員帰宿して酒を飲みつつ各班の活動報告。 31:00(7:00)、順次消灯。 3日9:00、荒島帰郷。 12:00、起床。昼食。 14:00、龍泉洞観光ホテルで入泉。夜の懇親会用食材買出し。 15:00、団装・個装洗いと各自パッキング。報告会(懇親会)準備。 19:00、尼額公民館にて武田所長へ活動報告。 そして懇親会へ。初めは今後の龍泉洞調査活動の方向性や課題を話していたが、だんだん普通の飲み会になってきた。武田所長のみの参加であったが、楽しい懇親会であった。 22:30、武田所長は奥様のお迎えで帰宅。懇親会の後片付けを行い、順次消灯。 4日8:00、起床。朝食(余り食材)。 10:00、尼額公民館の片付けと清掃。 11:00、龍泉洞事務所へ挨拶。岩泉警察署・岩泉消防署・岩泉病院への活動終了報告し、現地出発。 13:30、どうしても盛岡冷麺が食べたいと言うので、「ぴょんぴょん舎 都南店」に立ち寄り、冷麺を食す。 14:30、山口・小林と解散し、盛岡南ICより東北自動車道を南下。 15:30、金成PAにて菊地さんと合流。借りていた団装を返却し、今回の活動報告をした。 16:00、菊地さん、新潟へ帰る家崎と解散。 22:00、JR新宿駅西口にて黒田・田中・山田・林と解散。 22:30、細野帰宅。
今回の活動では第3地底湖上部をアタックした結果、簡易高度計での確認であるが、第3地底湖より高さ約90mのところまで行きつくことが出来た。最奥は人が通れない狭洞となっていたが、数10cmだけの様で、奥は多少広がっていることが目視で確認できた。 また、所々に横方向や下方向に通路が確認できているので、探検する場所は多く残されている。次回は、正確な高低差と方角を知るために測量を行いたく思う。 三原峠上部探検では収束している箇所が殆どであったが、まだ残された場所がある為、今後の活動内で詰めて行きたいと思う。(文責 細野誠) |
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