タイトル 地底旅団ROVER元老院第208回CAVING
サブタイトル 姫プロをやろうとしたら、間違えてファンケイビングになりました。 at 神流町・立処鍾乳洞&ちゃんから穴
分 類 ファンケイビング
入洞洞穴 立処鍾乳洞(立処鍾乳洞第1洞、立処山第1洞、立処山の鐘乳洞、立処山鍾乳洞、鐘乳洞、井戸穴、大黒洞、水穴、立處山石乳穴、田戸呂山鐘乳穴)、ちゃんから穴(珍空洞、チャンカラ洞、恐竜洞、仏岩鍾乳洞)
日 程 2008年2月23日(土)〜24日(日)
参加者 村野て、本田、芦田 以上3名
古鉄橋付近 2000年から発動した奥多野地域調査「奥多野かんな姫計劃」。2005年6月に「奥多野かんな姫計劃報告書1 群馬県多野郡神流町立処山洞穴地域調査報告」を発行、第1章立処山地域を終えることができた。引き続き第2章を開始、対象地域は旧万場町地区、叶山麓、持倉地区など神流町残地域、及び旧鬼石町地区となる。
本活動は、明治年間の皇国地誌にも記載されている旧万場町生利地区の「下穴」の測量ならびに立処山洞穴群の現状確認を目的として企画された。


23日8:00、JR拝島駅にて芦田・本田合流。今回、CL村野が不覚にも新人旅団員である芦田用のヘルメットを準備するのを忘れてしまったため、急遽、旅団員:木嵜宅へ向かう。快く(=半強制的に)ヘルメットを貸していただき、なおかつ手にしていた缶コーヒーも奪取する。その後、村野と合流して出発。
秩父までは順調だったものの、群馬県境の土坂峠が路面崩壊のため通行止めとなっており、途中でUターン。矢久峠経由を余儀なくされる。矢久峠越えの林道は、神流町側の斜面がアイスバーンとなっており、下りヘアピンカーブではスリップの連続。ヒヤヒヤものであった。

12:00、神流町万場に到着。この時点で予定時刻をすでに1時間オーバー。
事前の情報収集にて「下穴」地主と聞いていた、A井宅を訪問。最初はなぜかNHKの人だと思われた。そしてご本人が言うには、「下穴はうちの土地じゃないよ」(!)。お話を聞くと、どうやら「下穴」が土地の境目になっているらしい。「下穴に行くにはうちの山を通らないと行けないってことなんだけど、まぁ穴にはどんどん入ってもらっていいですよ」と快諾。奥多野の人は、やっぱりおおらかなんだな。また機会を見てご挨拶に伺おう。

12:30、坂丸林道の千ヶ沢に架かる橋に到着。準備を整え、沢登りを開始。20cmぐらい雪が積もっているなか、ひたすら沢を登る。気がつくと雪がちらつき、沢の滝は凍りついている有様。登りやすい道を見定めながらも、雪の中につっこんだスニーカー仕様の芦田の足もどんどん凍りついていく。

13:30、「下穴」見つからず。2年前に一度だけ「下穴」を訪れたことのある村野・本田のおぼろげな記憶では、この近くに開口しているはずなのだが・・・とりあえず昼食を取る。雪の中、震えながらの昼食である。

14:30、探索を続けるもやっぱり見つからず。とりあえず吹雪いてきた。そして、とりあえず寒すぎる。満場一致で「退散」が可決された。

15:00、坂丸林道に到着。吹雪の中を着替え、下山する。

15:30、神流町魚尾のスーパー:太多屋にて夕食の買出し。

16:00、上野村・野栗沢温泉「すりばち荘」にて入泉。時間が早いためか、客は我々だけであった。小さい浴槽ではあるが心身温まった。

16:30、琴平センターにてイノブタ肉を購入後、奥多野地権者宅に到着。地権者:高橋隆氏に遅ればせながらの新年のご挨拶をする。今夜は隆さん一人とのことであったので、母屋に上がりこみ、早々に酒盛開始となる。
夕食メニューは海鮮キムチ鍋、イノブタ肉のエリンギとマイタケ炒め。イノブタ肉がまたうまい!ビールに始まり、次いでにごり酒へシフト。お腹いっぱい食べながら立処報告書や隆さんの天蚕話で盛り上がる。
木古里特製の天蚕の繭ストラップを見せてもらう。繭の中に蚕の蛹が入ったままのおしゃれなストラップ。これ持っていたらなんかいいことありそうだ。

20:30、木古里山荘に移動し、寝袋に包まり消灯。
24日7:00、起床。寝袋に包まっていても寒い。外はうっすらと雪が積もっていた。朝ごはんは昨日の残り物と缶詰で。

8:30、入洞準備のため車に装備を取りに行くと、芦田のスニーカーがカチコチに凍りついている。スタートから自然の猛威にさらされる。

9:00、活動開始。まずは「立処鍾乳洞」に向かう。北面のため雪が凍りついており、登山に難儀した。急斜面を落ちないように必死に登る。20分で洞口に到着するも芦田の体力不足が露呈し、足は生まれたての子鹿状態。

9:30、「立処鍾乳洞」入洞開始。比較的天井が高く進みやすい。芦田と同じく「立処鍾乳洞」初入洞の本田は、「奥多野にこんな大きな空間を持つ穴があったのか」と驚きを隠せない。
洞内には、はしごやチェーンも備え付けてあり安心だ。洞内は乾燥しており、「霊水」は干上がっていた。「鯨の腮ホール」ではキクガシラコウモリ100頭余が冬眠していた。伊常通路ではモモジロコウモリらしき樹洞棲コウモリも確認された。
旅団の活動としての「立処鍾乳洞」入洞は、2005年1月以来の約3年ぶりとのことで、村野は感慨深げであった。

10:00、出洞。

10:30、立処山頂に到着。眺めは最高で、やり遂げた感のある満たされた気持ちでいっぱいだが風が寒い。帰路は、北面を下ると雪で滑落する危険があろうという村野の親切心から、雪のない南面を下ることに。だが南面を下っても、結局雪で滑るか落ち葉で滑るかの状態。今までに味わったことのない体験に危機感が麻痺し、笑いがこみ上げてくる。冗談抜きでちょっと油断すればどこまででも落ちていってしまう状況で、木から木へと落ち渡る。山慣れない本田・芦田からは結局ブーイングを受ける村野であった。

11:00、「抜け穴」「目玉穴」の洞口を見ながら「ちゃんから穴」に到着。ここは「立処鍾乳洞」とは違い、通路自体は狭い。滑り台のような洞窟内を上っていくと、上層部でコキクガシラコウモリ50頭余りが冬眠していた。
「ちゃんから穴」は、全体的に竪穴となっているため、手を滑らせたらと思うと恐い・・・。下層部「下ヶ原」に移動し、岩と岩の裂け目のようなところを下ってみる。なんか映画に出てきそうな窮屈感だ。下りはいいけど上がりがたいへん。肩甲骨をうまく使い気合で脱出。もし調査のため下りて変な体制をとってしまったら自力では上がってこれないんじゃないか?ってほどの裂け目だった。

12:00、出洞。

13:00、地権者宅を出発。

13:30、小鹿野町内「安田家」でワラジかつ丼を食す。卵でとじているわけでもなく、どんぶりご飯にたれ(だし?)をくぐらせたかつ2枚のみ。しかしこれが意外とうまい!

14:30、新木鉱泉にて入泉。

16:00、解散となった。


1日目の「下穴」は見つからず、断念する結果になってしまった。後で確認したところ、どうやら1本隣の沢を探索していたようである。次回は間違いなくたどりつけるだろう。2日間通して、自然の厳しさと戦いながらも2つの性質のことなった洞窟に入ることができ、とても貴重な体験であった。また体力作りと装備の重要性を感じることができる良い機会であった。(文責 芦田拓郎)
立処山登山道 立処鍾乳洞 ちゃんから穴
久々の立処アプローチ 「立処鍾乳洞」広い空間に驚く2人 全体的に狭い「ちゃんから穴」

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